仮面ライダーエグゼイド~異質なる命の鼓動   作:カオスサイン

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EPⅩⅠ「二つの鼓動を刻め、intheBeats!!」

Side龍哉

「…」

「なんでもう一人の名人は倒れちまったんだ?」

偶然にも新たなガシャットを手に入れ使用した秦はオペ後すぐに倒れてしまったのだ。

「それはこの我が教えてしんぜようキリヤン。

従兄上が使用した「ヴァルジオスフロウ」はとある呪いの力を抱えたロボットに搭乗し戦うゲーム…だから…」

「LV3で使える物が限定されているとはいえ秦自身がその力の大きさに耐え切れずに…とういう事か…」

「ああ!?我の台詞~!…」

砂那璃さんが説明してくれたおかげで理由は判明した。

だが…

「…(だからといって秦を奴と戦わせる訳にはやはりいかない…それには!)」

僕は秦がこのままだとまたジオと戦いに行こうとすると思い、その前に行動を開始する事にした。

自分もLV3の力を手に入れる為に。

「…ギギギ!」『ガシャット!』

割とすぐに見つけられた。

だがゲーマではなくしかも差さっているガシャットが対応しているバグスターではなかった。

「なんだコレは?」

「はっ!よっと!」

ついでに偶然居合わせた永夢と飛彩も別のガシャット、あれは音ゲーの一種の「ドレミファビート」か?を差したバグスターと相対していた。

だが飛彩は相変わらずゲームに疎く全くバグスターの繰り出してくる攻撃の意味を理解出来ていなかった為か訳も分からずにダメージを受け続けてしまいバグスターに逃げられてしまっていた。

「早い!…だけど!」

差しているガシャットでパワーアップしているからなのか元々このバグスターの機動力が高いのか中々攻撃が当てられずにいた。

何方にしろ此方はカードという剣を抜くだけ!

「これなら!出よ!「水の妖精王 ウォーターフロウフォーシングフェアリー」を召喚!」

『ハァッ!』

「いけ!【アクアウォーティングリクレイド】!」

僕は最も機動力に秀でている水精王を召喚し目の前のコラボスバグスター(永夢がそう言っていたのを聞いた)に攻撃を仕掛けた。

「グギイイー!?…」

水精王の巻き起こした水の嵐によってコラボスバグスターが思い切り怯む。

だが…

「…ギイー!」

「む!?」

一瞬だけだったようであちらも攻撃を繰り出してくる。

「ホップ!ほっ、ステップ!はっ、ジャンプ!」

奴がドレミファビートと似た様な攻撃を繰り出してくる。

ドレミファビートよりもアクションが一段階増えているが僕には造作もない。

これぐらいの身のこなしが出来なければデュエリストは名乗れない。

「今だ!」

『ガシャット!キメワザ!DUELOMONSTAR!CRITICALSTRIKE!』

「そい!ライダーキック!」

「グギイィィー!?……」

『GAMECLEAR!』

水の力を纏ったライダーキックを繰り出し喰らわせる。

コラボスはようやく停止、ガシャットが強制排出され僕の手元へと飛んできた。

「よし!後は…」

奴の、ジオの足取りを掴んで相対するだけだ!

 

同じ頃、Sideリディア

「私達もそろそろ動いて良いんじゃない?」

「ああ、そうだな…」

「そういえばトールとグラファイトは何処に?」

「アイツ等はいつの間にか勝手に動いているようだがな…」

「そう…アンの方は言わずもがなね…」

私とパラドはそろそろ動こうと思いビルから姿を消した。

 

Side龍哉

「見つけたぞ!」

「!…」

ジオをようやく見つけ強襲を仕掛ける。

「来い!「深緑の妖精王 ウィンドナチュルスフォーシングフェアリー」召喚!」

『はっ!』

「奴へとダイレクトアタックだ!【ウィンドブレイカー】!」

僕は深緑精王を召喚し奴へとすかさず攻撃を加える。

「…」

だが奴は防御の構えすらせずに喰らっていた。

「やった!?…」

『アガッチャ!サンリンスポーティ!♪~』

「くっ!?…」

どうやら弾幕に紛れてLVUPし防いだようだった。

なら此方も!

「タクティカルレベル3!」

『ダンシングセントラル!♪~』

「!…」

新たに手に入れたガシャットを起動する!

『ガシャット!レベルアップ!相棒シンクロ~!テ・ク・ニ・カ・ルパワー~!デュエロモンスター!♪~アガッチャ!ダダンダン!ダンダダン!ダン、ダン、ダンシングセントラル!♪~』

ダンシングセントラル…体感ダンスゲームだ。

ダンシングテクニックが加わったLV3ダンシングカードゲーマーとなった事により機動力が増加しよりオペティクスし易くなった。

「一気に決めさせて貰おうか!」

『ガシャット!キメワザ!DANSING!CRITICALSTRIKE!』

「…」

『ガシャット!キメワザ!SANRINSPORTY!CRITICALFINISH!』

奴相手に長引かせるのは不味いと判断しキメワザを繰り出そうとするも向こうもガシャコンウェポンで技を放ってきた。

「だけど甘いよ!僕は先程召喚していた深緑精王でもう一度攻撃!

【ウィンドスダブルブレイキング】!」

「!?…」

奴の車輪と僕のブレイクライダーキックが激突する。

このままでは五分五分だと予想し深緑精王と共に攻撃を叩き込んだ。

ジオは大きく吹き飛ばされ生い茂る草むらへと落下していく。

「さあ、顔を見せるんだ!…って何!?…」

ダメージで変身が強制解除しようやく素顔を見れる筈だと思いすぐに駆け出したのだが奴の姿は既になかった。

この短時間で逃げられた!?…

「へえ…君強いんだね!…」

「誰だお前は!?」

その代わり僕の背後から新たに別の異形が現れた。

「ボクの名はプラントールバグスター。

さあ、ボクと戦ってよ!」

「くうっ!?…」

プラントールと名乗ったバグスターが問答無用に此方に攻撃してきたので応戦する。

『グワッ!?……』

「なっ!?深緑精王が一撃で!?」

奴の繰り出した触手攻撃で深緑精王が一撃で破壊されてしまう。

「なーんだ…もうちょっとやれるんだと思っていたのになあ…期待外れだよ君…」

「な、舐めて貰っては困るな!なら僕は炎精王を召喚!」

ジオ並に不味い相手だと判断。

キメワザを発動する。

『ガシャット!キメワザ!DANSING!CRITICALFINISH!』

「【フレイムフォーシングブレイキング】!」

「【トトトトールハンマーブレイク】!」

奴の雷を纏った触手の剣と僕と炎精王の攻撃が衝突し合う。

「つまらないからもういっちゃえー!」

「なっ!?…があああー!?…」

僅かに奴に軍配が上がってしまい僕は吹き飛ばされ、炎精王は破壊されてしまう。

変身解除とはいかないまでもダメージが非常に深刻であり満足に動く事が出来なくなっていた。

このままでは非常に不味い!そう思っていたその時…

『アガッチャ!ド、ド、ドレミファソラシド!OK、ドレミファビート!♪~』

「はっ!」

「ん!?…」

「飛彩!?お前そのゲームを…」

「心肺蘇生法なら熟知しているのでな…黒鉄お前はどうなんだ?」

「そっか、でもすまない…満足に動けない上に今の僕の手札じゃアイツに勝つ事は難しいかな…」

「そうか、ならそこで休んでいろ」

「ああ…不味いと判断したらすぐに逃げるんだ…」

LV3へとLVUPしたブレイブが助けに入ってくれ事無きを得たが僕はそのまま限界を迎え気絶してしまった。

 

Side飛彩

まさか黒鉄が手負いになってしまう程のバグスターまでもが現れるとはな…。

「へえ…そっちにはグラファイトが向かっていた筈なんだけどな…もしかしなくても退けたんだ?」

そう、奴が言う俺と無免許医の因縁の相手でもあるバグスター、グラファイトは油断をかましていたので何とか撤退に追い込む事が出来た。

「ああ、このままお前も切除する!」

「君もボクを楽しませてくれよ!」

そうは言ったものの奴からは全くの隙を感じ取れない。

「はあっ!」

ドレミファビートゲーマのターンテーブルを心肺蘇生法の要領で回し音符攻撃を繰り出す。

「やるじゃないか!でもね!…」

「何ッ!?」

繰り出した音符は全て奴の触手に叩き落とされてしまう。

「ならば!」

『ガシャット!キメワザ!DOREMIFA!CRITICALSTRIKE!』

「【符撃蹴り】!」

「!トトトトールハンマーブレイク!」

俺のライダーキックと触手の剣がぶつかり合う。

「甘いよ!」

「むっ!?…」

僅かながらも押されていると判断した俺は即座に下向きに蹴り下げ奴の攻撃から逃れる。

「へえ…僕の攻撃を二度も防ぐとはやるじゃん!」

「…撤退させて貰うぞ…」

俺は奴の言葉に答えずすぐに黒鉄を背負い撤退した。

「逃げたか…だけどもうすぐさ!…このボクが先に究極体となるのは!…」

飛彩達の撤退をあえて許したトールは姿を消した。

 

 




次回、「お前等…」
ようやく傷を癒した秦は何故か二人だけでジオと戦おうとする龍哉とレイレイに疑問を抱きつつも戦い続ける。
「私は…シンに後悔して欲しくはないだけなのですよ…それだけは信じて欲しいのですよ!」
『ソルウィングススピナー!』
「名人達、もう一度自分を信じてみるかい?」
『ギリギリチャンバラ!』
「Some lieとSol spinの極意!!」



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