仮面ライダーエグゼイド~異質なる命の鼓動   作:カオスサイン

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EPⅩ「全員集結!Crash&Cood!!」

Side秦

「レイレイ!?…大丈夫か!?」

ボロボロに傷付いて戻ってきたレイレイに気が付いた俺達は急いで駆け寄る。

「くっ!…不覚を取ってしまったのですよ…」

「あの黒いラヴァードにか…」

「なんや、偉い事情がありそうやなあ?…」

「貴方は?」

レイレイを抱えてきた関西弁を話す小柄な少女に俺は問う。

その前に急いでレイレイの体をCRの新しい設備で修復させる。

「ウチか?ウチは臨床検査医兼一応ライダーもやっとる金沢 礫や。

後貴宮秦はんやったな。

言っておくけどウチはあんさん達よりも年上や」

「え!?…」

てっきり砂那璃と同世代の人かと…

「…まあ良いわ…」

結構気にしているらしい。

「まあ…えっと金沢さんだっけ?」

「礫と呼んでも構わへんよ」

「それじゃあ礫さん、まずはレイレイの窮地を救ってくれた事を感謝致します!」

「それぐらいええよ。

ウチもバグスターを追っておった途中で偶然見つけたまでやから」

「…礫さん、貴方が行方を追っているバグスターというのは?」

「…悪いんやけどウチはまだそこまであんさん達の事を信頼出来ている訳ではないんや。だからな…」

今は話したくないという事か…。

「ま、時が来たら話たるわ…とにかくこれからよろしゅうな」

「あ、はい!」

俺達が礫さんと握手を交わしていると

「どうしてなのですキリヤ!?」

「「!?」」

突然、修復を終えたレイレイが叫び声を上げていた。

「どうしたんだレイレイ?」

「どうしてエムにあんな嘘をつく必要があったのですか!?答えて下さいキリヤ!」

「永夢に嘘?…貴利矢さんが?…」

「!シンには関係無い事なのですよ!」

「!?」

レイレイに質問しようとしたが彼女に強くそう言われてしまう。

「永夢も貴利矢さんも同じCRの仲間だ!関係無い訳無いだろ!レイレイ!」

「あ…で、でもとにかくシンは引っ込んどいて下さいなのです!…」

「…」

反論したが逆に返され俺は仕方無く引き下がるしかなかった。

あの黒ラヴァードに遭遇してから彼女の様子が可笑しい…何か関係しているのか?…

 

Sideレイレイ

「「自分、ゼロデイで死んだ親友なんかいないし」あの言葉は一体どういう訳なんですか!?貴利矢さん!」

「だから言葉の通りだ。

お前の同情を誘って自分の乗り手になってもらう為の只の演技だよ…」

「!貴方は…僕にそんな嘘をついて!…」

ボカッ!

私が自身のボディーの修復を終えた直後、どうしてかエムがキリヤと喧嘩をしていた。

すぐさま止めに入るがエムはそのままその場から離れてしまった。

残ったキリヤに理由を問いただす。

「何故なのです?…どうしてそんな嘘をつく必要性があったのですか!?キリヤ!」

キリヤには十六年前のゼロデイ直後にゲーム病に感染してしまった友人がいた。

その友人に感染している事を告げると彼はゲーム病を不治の病だと誤解してしまったまま自殺を図りそのまま亡くなってしまったらしいのだ。

それは紛れも無い事実である筈なのに何故キリヤはそれを嘘だと偽ってしまったのか私のAIにも理解する事が出来なかった。

「自分はこれ以上の同情を引く気はない、只それだけだ…これは自分が抱えるべき罪なのだからな…」

「キリヤ…ですが!…」

それでも納得のいかない返答だったので私は反論を返そうとするが。

「それにだレイレイ、お前さんだって人の事は言えない筈だ。

だってもう一人の名人に隠している事があるだろ?」

「!?そ、それは…」

触れて欲しくはない話題を振られ私は言葉に詰まってしまった。

「なんでも真実を告げるのが良いって訳じゃねえ…自分の事や名人達自身は知らない事情を知っているお前さんならこんな事分かっている筈だ…」

「…」

遂には何も反論の余地をなくしてしまい押し黙る。

「何事だ?」

そこにシンが話に割って入ってきた。

「シンには関係無いのですよ!…あ…」

先程のキリヤの言葉にどう返せば良いのか分からなかった私は思わずシンに冷たくあたってしまった。

シンは激しく落ち込んでしまう。

私は咄嗟にきちんとした謝罪する事が出来ずにしょんぼりしていた。

「…ちょっと良いかい?」

「!…」

ふと気が付くとリュウヤさんがこちらに来る様に言ってきたので向かう。

「一つダイレクトに聞きたい事がある。

君はあの黒いライダーについて何かしらを知っているのかな?…」

「!…」

ふいにリュウヤさんに聞かれて私は一瞬口篭ってしまう。

「…僕にも奴の正体について一つだけ心当たりがあったものだからね。

一応問いただしておこうと思ったんだけどどうやら君の反応を見るに間違いなさそうだね…」

「そのようですね…」

奴の共通認識である以上は遅かれ早かれ分かられるとは思っていたけど…。

「その…シンには出来るだけ秘密にしておいて欲しいのですよ…」

「やはりね…流石に今この事を僕も秦に告げるのは不味いと思っているよ」

リュウヤさんも察したようなので私は事の次第を話す事にした。

 

Side秦

「…」

あの後結局の所、レイレイとすれ違ってしまったまま新たにCRへと訪れてきたゲーム病患者さんを迎え入れる事となった。

「来ますよ!…」

エグゼイドの声で現実に引き戻される。

「がちょーん!完全体になる為、任務開始!」

「皆様ようこそ私の世界へ!」

バグスターが二体現れる。

「一体はガットンか!

だけどあっちのバグスターは俺も見た事が無いな…」

「なら先にガットンを倒そう!」

皆LVUPしステータスが分かっているガットンへと俺とエグゼイドは向かい、残りがもう一体へと向かう。

「がちょん、がちょん!」

「何ッ!?」

武器をガットンのアームに掴まれてしまい続け様に打撃を喰らわされてしまう。

「ガッ!?…」

「任務ぞっ…?」

「?」

ガットンが続けて攻撃を仕掛けてくるかと思ったが何故か動きを止めていたのだ。

何事かと思い茫然としていると

「リロリロリッロ…!」

「何!?まだ感染者が出ていたのか!?…しかもこのバグスターは…」

俺はそのバグスターを見てすぐに正体に思い当たる。

コイツはリローディスバグスターか!

「リロリロ…リロ!」

「がっちょん!味方と認識する」

コイツ等会話して通じてやがる!…

「想定外の増援があったが任務続行!

がちょーん!」

「リッロ!」

「クッ!?…」

「うわっ!?…」

ガットンのアームすら脅威なのにリローディスの腕部刀との連携攻撃を回避するのに精一杯だった。

対応出来るゲームが無い今俺とエグゼイドはどんどんと追い詰められてしまっていた。

 

一方、もう一体の正体不明のバグスターに応戦していた砂那璃達は。

「我が魔導が!?…」

「オイオイ、一体どうなってんのよこれは?!」

「何故奴に近付こうとすると攻撃が阻まれる!?…」

「私のゲームをせずに攻撃を加えようとするのはルール違反ですよ」

「ふざけるな!貴様の戯言に付き合う気は無い!」

何故か奴に攻撃が一切届かずあちらも劣勢を強いられていた。

それでもブレイブだけは止まらずに攻撃を仕掛ける。

「これならば!」 『コッ・チーン!』

「【氷結斬】!」

「無駄な事ですよ」 Miss!

「何ッ!?…」

氷剣で動きを封じようと攻撃をするもやはり奴には効いていないようだ。

 

Side龍哉

「さて、ゲームを再開させましょうか!

ルーレットスタートです」

突如、奴の背後から又あの巨大なルーレット盤が出現し回り出す。

「又コレェー?」

「我の魔導が効かない…」

「…」

砂那璃さんが試しにルーレット盤を破壊しようと試みたが防御壁が張られていて出来なかった。

あのバグスターの攻撃方法を見るに只攻撃を加えるだけでは駄目な様だ。

「そこ!」

「おおっとぉ!?ふふっ!…」

今度は坂堂さんがルーレットを止める。

だが止まったマスを見てバグスターは又もや不敵な笑みをこぼす。

「ぐあっ!?…」

「キャッ!?」

「くうっ!?…」

さっきは砂那璃さんが挑戦しあのルーレットにあるマスの青い2に止まったら僕達は奴に罰ゲームと称した水の弾丸を喰らわされた。

そして、今の坂堂さんが止めた黄色の4で今度は電撃を浴びさせられた。

「…」

未だに奴を攻略出来そうな糸口が見つからないが僕は走り出す。

目指すは幸運のエナジーアイテムだ。

まだ青や黄色以外の色のマスもある。

これなら奴に攻撃を加えられる良いマスに止まれる筈だと予想していたのだが…

「そこ!私のゲームでイカサマなど…不正をする事は許しませんよ」

「!…」

奴に手の内がバレてしまっていたようで妨害されてしまった。

このままでは僕の持ち得る運でも良いマスに止まる保障がなく打つ手が無い。

そう思っている時だった。

「その勝負、ウチが受けたるわ!」

「む?!」

「君は礫さん!?…」

「そ、又の名を仮面ライダーラックや!

あんさんもようやっと現れおったなあ…ディーラーバグスターはん」

「おや?どうやら新たな参加希望者の様ですね。良いでしょう貴方様の参加を認めます」

「あんさん達は今は下がっておき。

ウチが奴に決定打を与えてやるさかいな」

「…」

そう言って新たに現れた礫さんが変身するライダー、ラックは驚愕の大逆転を決めていた。

「こ、こんな馬鹿な事が!?…」

「どうや?私の運の強さは!」

白の1、緑の3と止めて奴の動きが止まり攻撃をようやくまともに喰らわせる事が出来たのだ。

「ぐぬぬう!?…だがまだまだ!」

「はあー…誰や一体奴のゲージ増加のマスに止めおったんは?」

「あ…」

だがそれでも奴はまだやれるようで再び回し始める。

ラックはちょっとウンザリし、該当するマスに止めてしまった砂那璃さんは目を逸らしていた。

「こ、今度は僕に任せて下さい!」

攻略法が判明した今なら僕でも奴を攻略出来ると踏み前に出る。

「やれるのか龍哉はん?」

「はい、貴方には及ばないでしょうが僕の持てる運で!」

「そっか!なら行きなはれ!」

「ほう、ならばルーレットスタート!」

ラックに承諾され、ディーラーバグスターも戦線布告と受け取り回す。

「今だ!」

そして止まったのは紫の9…どうだ?!

「ば、馬鹿な!?…この私が二度負け!?その上に三連敗しただとお!?…」

奴のゲーム執行ゲージが大幅に減り動きが更に鈍った。

「あんさん、やるなあ!トドメはウチに任しとき!」

「はい!」

ラックに後を任せる。

「ほんならいくで!二倍レイズ上乗せしますえ!」

『ガッチャーン!レベルアップ!当たれば天国!負ければ地獄!OK?Letsボード!キラキラギャンブル!♪~』

『ガシャコンルーレッター』

「はあ!」

ラックは金色のボディーとなり取り出した武器に手を添えながら走り出す。

『スッタート!』

「まずは一発目!」

『H(ヘビー)!』

「お?いきなりドデカイのきおったな!

続けて二連撃目!」

『M(ミドル)!』

「まあ十分やな!はっ!」

「ぬおおおー!?」

成程エネルギーチャージ式の武装か。

「コレでほんまにトドメや!」

『ガシャット!キメワザ!KIRAKIRA!CRITICALFINISH!』

「ヘビーフォールブレイク!」

「のわああああー!?…」

最大ENの攻撃を受けたディーラーバグスターは見事に爆散したのだった。

だが一安心したのも束の間…

「「ぐああああー!?」」

「秦!?永夢!?まさか!?…」

二人の叫び声が聞こえてきて嫌な予感がし向いた。

予想通り黒いエグゼイドとジオが乱入し二人に攻撃を仕掛けていた。

 

Side秦

「があっ!?…」

「ぐわっ!?…」

「『ゲームヲゾッコウスル!』」

「…」

無機質な機械音で変声した黒いエグゼイドと謎のライダージオの急襲に俺と永夢は追い詰められてしまっていた。

「リロ!」

「がちょーん!」

「うわあっ!?」

まだ倒せていないバグスターの強襲にも対応が追い付かない。

「『キョウザメダナ』」

「…!」

黒いエグゼイドとジオはまるで互いに照らし合わせたかのようにトドメの攻撃を仕掛けてこようとする。

だがその時…

「『ナニッ!?コイツハ!…』」

「!?」

「…」

何かが飛び出してきて彼等を妨害したのだ。

「コレってゲキトツロボッツの…?」

「コイツは!…」

「『オモシロイ!…ヨモヤコノバニレベルスリーノゲーマガ、ソレモ二タイモアラワレヨウトハ…データハイタダクゾ!』」

俺と永夢はすぐにソレの正体に気が付き、対する黒いエグゼイドも気付いた様で懐から何も描かれていないブランクのガシャットを取り出してきた。

「「!させるか!」」

「『ナニッ!?…』」

「しまった!奴等…」

すぐに不味いと判断した俺達は奴の隙をついてガシャットを奪い取った。

「よっし!…」

「コレを使えば!」

『ガシャット!』

奪い取ったガシャットをすぐさま出現したゲーマに差してみる。

するとゲーマがガシャットへと吸い込まれていき、ブランクだった物が塗り替えられていく。

「『!…』」

「これなら!…チャート3、大変身!」

「だーい、大、大変身!」

『ゲキトツロボッツ!♪~』 『ヴァルジオスフロウ!♪~』

『ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ、マイティキック!マイティマイティアクションX!アガッチャ!ブッ飛バセ~トツゲキゲキトツパンチ!ゲ・キ・ト・ツロボッツ!♪~』

『レベルアップ!ラブアクション!ラブピース!ドッキトッキラブメモリーズⅡ!アガッチャ!メモリープラグ、ロードカース!ヴァルジオスフロウ!♪~』

「!…」

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

「君の心のバグ、トゥルースキャンするぜ!」

LV3へとLVUPしたエグゼイドはガットンへ、俺はリローディスへと突撃する。

「はあ!」

ヴァルジオスフロウ、それは記憶を失った主人公がとある呪いを抱えた巨大ロボットにに搭乗し同じ様な呪いを抱えたヒロイン達と共に戦うロボット恋愛ゲームである。

「はああー!」

「リロ!」

巨大なアーム同士がぶつかり合い衝撃を発する。

「甘いリロ!「ブラックオブディスカース」!」

負けじと呪いの力を発動させたリローディス。

なら此方も

「それはどうかな?」

「リロ!?」

呪い「カオスドオブルナカース」を発動、アームに流し込み再び衝突させる。

「リロ!?リロの呪いが押されている!?」

「コレでトドメだ!」

『ガシャット!キメワザ!VALZIOS!CRITICALSTRIKE!』

「リロ!?…」

キメワザを発動する。

「【カオスオブルナカースコードスキャニングブレイカー】!!」

「リロー!?……」

技を受けリローディスバグスターは爆散した。

それと同時に

『キメワザ!GEKITOTU!CRITICALSTRIKE!』

「【ゲキトツアームクラッシュ】!」

「がっちょーん!?…」

『GAMECLEAR!』

ガットンバグスターもパワーアップを果たしたエグゼイドに倒された。

だがまだ安心は出来ない!

「『ハッ!』」

「…」

「「うおっと!」」

まだ健在している黒いエグゼイドとジオの猛攻に俺達は紙一重で回避する。

「まだやるってのか?…よしこい!」

「ああ、俺も…!?……」

「どうした?…秦君!?…」

だがそこでエグゼイドと共に再び臨戦態勢を取ろうとした俺は突然眩暈に襲われ倒れてしまうのだった。

「『LV3ノ、特ニソノガシャットノ力ヲハジメテ使ッタノダ。

ムリモナイ』」

「フン!…」

「あ、おい!?…逃げられてしまったか…それより秦君が!」

「秦!?」

黒いエグゼイドもジオも又興冷めしたかのように退散し、変身解除した永夢や駆け付けてきた仲間も秦を抱えて帰還した。

 

Side? 夜中のタワー屋上にて

「ココロが躍るなあ!お前もそう思うだろ?リディア」

「そうね…ふふ、これからもっと面白くなりそうよパラド」

「だがまだ我々が動く時ではないようだぞ?」

「それぐらい分かっているわよグラファイト…アンラックの方も本当は少しだけでも現実世界で思いっ切りやりたいんじゃないの?」

「…」

「やっぱりアンタは体を持ってもだんまりなのね…まあ良いわ…」

パラドという謎の男と談笑するリディアというこれまた謎の女性。

異形の姿をしたグラファイトとアンラックと呼ばれた女性は期が熟すその時を待つ。

「「エム/シン/お前/貴方とココロ躍る時を待つぜ!/わ!」」

リディアとパラドは何故か永夢と秦の名前を呼び嬉しそうな表情をしていた。

 

 

 




次回、「例えLV3の力を手に入れたのだとしてもこのまま秦を奴と戦わせる訳にはいかない!…」
ジオの正体に心当たりのある龍哉は秦を戦わせないように自身もLV3の力を手にしようと試みる。
「なんだこれは!?」
やはりゲームに疎い飛彩。
「グ?…」
「…」
「俺は完全体となるのだ!」
そこに現れたのはガシャットを差したコラボスバグスター達とグラファイトバグスター、そしてジオ。
『ドレミファビート!』
『ダンシングセントラル!』
「心肺蘇生法ならば心得ている!」
「さあ、キレキレなオペティクスを披露しようか!」
コラボスバグスターを倒し新たに手にした力でそれぞれ立ち向かう。
「二つの鼓動を刻め intheBeat!!」



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