Side秦
「秦、一体どういう事なんだい?!」
「んん?」
俺は龍哉に問い詰められていた。
「ゲーマドライバーのライダーシステムを扱うには適合手術が必要不可欠な筈なんだ!
なのに何故君が変身出来るんだ?!」
「そんな事言われてもなあ…」
「貴宮君が落紳士だからではないのですか?」
龍哉の質問の意味が良く理解出来ずに俺は曖昧な返事をし、俺にゲーマドライバーを託した張本人である陽向さんはそう返答する。
「…そもそも陽向さん、秦が使うそのゲーマドライバーとライダーガシャットは一体誰から?」
「えっとですね…十五年前の「ゼロデイ」の引き起こした首謀者として逮捕されてしまった幻夢コーポーレーションの前社長、壇正宗さんにですよ」
「何!?それは本当か!?」
「ええ…」
「どういう事だ?」
俺は何故そこで幻夢の社長の名前が出てきたのかちんぷんかんぷんだったが突然飛彩が会話に割り込んで驚いた表情をしていた。
「そうだったのか…」
飛彩から十五年前に起きたプロトガシャットによるゲーム病の集団感染によって起きた悲劇ゼロデイの詳細を聞き俺は飛彩への認識を少し改める事にした。
「それは心外だな…この私がゼロデイに関する冤罪を父に被せたとでも?」
「壇黎斗!?」
突然、件の人物がCRに現れ俺達は驚く。
「どの口が言っているんですか!貴方は自分の父親を…」
「私がやったというその証拠が何処にあるというのだね?」
「う…」
陽向さんが彼につっかかるが意に介さないかのようにそう返す。
「一体それは?…」
「そういえばゲーマーMと落紳士の君ら二人は知らないんだったね。
説明してやろう」
ゼロデイの事の発端を黎斗から聞かされ俺達は驚いた。
「そんな!?…」
「飛彩がゲームに関してあそこまで素人なプレイングをしていた理由はそこにあったのか…」
「…」
ゼロデイの被害者の中に飛彩の恋人がいたらしい。
飛彩…俺はお前の事を少しばかり誤解していたようだ。
「まあ、飛彩の恋人であった小姫さんが被害者になってしまったのは別の理由もあるのだけど…」
「何?…」
「その件に関してなのだがCRは彼を呼び戻す事を決定した」
「「なんだと/だって!?」」
黎斗がその事を告げた瞬間、飛彩と龍哉が揃って驚いていた。
「なんであの無免許医を呼び戻す必要がある?」
「そうですよ!何故今になってよりにも花家 大我を?」
「単純なCRの戦力増強だが?
彼の実力は私も高く買っているからな」
「ですが!…」
「とにかくもうじき彼もここにやって来る筈だ」
黎斗はそれだけ告げて去っていった。
「飛彩、龍哉?…」
「くっ…」
「僕は…アイツのプレイスタイルを認めない!」
飛彩は悔しがりながら、龍哉はそう言いながらつっ伏していた。
「は!やはり天才のおぼっちゃん共には理解出来ないか」
「大我!お前、一体どの顔下げて!…」
「フン!俺は衛生省の要請に応えてやっただけに過ぎん」
しばらくしてやってきた花家なる人物と龍哉は衝突していた。
「だが…大我お前のスタンドプレイのせいで小姫さんがならなくていい犠牲になってしまったのは事実じゃないか!」
「言いたい事はそれだけか?なら…エグゼイド、ブレイブ、ラヴァード、ディスカ…テメエ等のガシャットを全部俺に寄越せ!」
「「…は、はあー!?」」
大我は突然そんな事を言い放ってきた。
「一体何を言っているんだアンタは!?」
無論そんな言い分を受け入れられる訳がなく反論する。
「なんだ分からないのか?この俺の手で世の全てのバグスター共を殲滅してやるって言ってるんだよ!」
「はあ!?アンタの実力は分からないがたった一人で出来る訳がないだろ!
それに全てって…中には良いバグスターもいる筈だ!」
「何を言っている?バグスターはこの世の悪だぞ?」
『皆喧嘩はやめてよ!』
「…ああ、お前がいたんだったなドレミファビートのバグスター」
「…」
ポッピーが仲裁してくるがあまり効果は無い。
「まあ良い…後でお互い良イゲームをしようぜ!…」
「は?…」
大我が告げてきた事に不安を感じずにはいられなかった。
次回、
「我、ここに推参せり!」
「はあ…お前は何をやっているんだ…」
秦の下にやってきたのは後輩外科医で従妹の少女。
『バンバンシューティング!』
「もういい…ガシャットを全て貰うぞ」
「こんな事をしている場合じゃないのに!…」
大我の変身する仮面ライダースナイプの強襲により追い詰められる秦達。
「我の天使力の前に恐れ慄くがいいわー!」
『プリズムエンジェル!』
「おいおい、うちの前で派手に暴れないでくれよ」
『ブロックブロッキング!』
「お前達は!?」
そこに現れるは新たな二人のライダーだった。
「BANしたアイツとTENSHI+αがやってくる 後編」