カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者   作:先導

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今回はオリジナル回です。うまくできているかはよくわかりませんが、読んでくださるとうれしいです。

そして最後のあたりにあの子がちょっとだけ出ます。

それではどうぞ!


日下部道場

後江中学校の授業中では、授業を真面目に受けているものものいれば、そうでないものに分けられている。アイチはその真面目に受けている部類に入っている。ちなみに、今現在行われている授業は数学だ。

 

「えー、では、この計算式の問題を、う~ん、そうだなぁ・・・日下部リン、答えてください」

 

「はい」

 

指名されたリンは席を立ち、淡々と答えを述べる。

 

「答えは13、あまり2となります」

 

「正解です。さすが日下部リン。リンにとっては、この問題は簡単すぎたかな?」

 

計算の答えを答えたリンは何事もなかったのように席に着席する。クラスメイトたちはひそひそと会話をしている。

 

「やっぱすげぇよな、委員長って」

 

「成績は学年1位をキープだし、運動神経も抜群・・・憧れちゃうよね~」

 

「まさに何をやらせても完璧って感じ~」

 

「後は上から目線や攻撃的な発言がなければいいんだけどなー」

 

クラスメイトから慕われている者もいれば、好感を持っていない者が別れている。

 

(今日こそは・・・今日こそはリンちゃんと・・・)

 

アイチはリンをカードキャピタルに連れていこうという考えをしながら授業を受けている。

 

 

 

RIDE8「日下部道場」

 

 

 

後江中学の全ての授業が終わり、生徒達はあるものは帰宅の準備、あるものは部活の準備を行っている。アイチが全ての教材を鞄に入れていると、全ての教材を入れ終えたリンはせっせと教室から出るのを目撃する。

 

「あっ!り、リンちゃん!ま、待って!」

 

アイチは慌ててリンを呼び止めると、リンは立ち止まり、アイチに顔を向ける。

 

「アイチ君?何か御用でも?」

 

「え、えっと・・・」

 

アイチは緊張のためか言いよどんでいるが、意を決して本題へと入る。

 

「きょ、今日はぼ、僕らと一緒に・・・カードキャピタルに行かないかな?ほら、リンちゃん、ここ最近カードキャピタルに顔を出さないから・・・みんなどうしたんだろうって思ってるよ・・・」

 

カードキャピタルに誘っているのだとわかったリンはそんなことかといった表情をした。

 

「いきたいのであれば皆さんでどうぞ。申し訳ないですが私はこれから用事がありますので」

 

「あっ・・・り、リンちゃん・・・」

 

リンはアイチの誘いを断り、さっさと行ってしまった。誘えなかったことにアイチは顔を俯かせる。その一部始終を見ていた森川、井崎、メグミはアイチに駆け寄る。

 

「なんだよ委員長の奴。せっかくアイチが誘ってたのに」

 

「ああいう態度だからみんなに嫌われるんだよ」

 

「い、井崎君、花咲さん、僕は大丈夫だから・・・」

 

「ん・・・?ちょっと待てよ・・・?」

 

森川はあることに疑問に持ち、少し3人に問いかけてみる。

 

「委員長の用事って、なんだ?」

 

「知らないよそんなこと。誰も委員長の事情を知らないんだし・・・」

 

「そうそれだ!」

 

「な、何が、森川君?」

 

「気になるだろ?あの堅物委員長がカードショップ以外で優先するものがあるってことが!」

 

「あー、確かに気になるな。今日はどこの店もショップ大会は開いてなかったしな」

 

「そういわれると・・・確かに気になるね」

 

「さ、3人とも・・・?」

 

リンがヴァンガードより優先する用事に興味を持ち始める3人にアイチは嫌な予感を感じる。

 

「よーし!予定変更!今日は委員長の秘密を突き止めるぞ!」

 

「「おー!」」

 

「や、やめようよ、森川君。井崎君に花咲さんまで・・・」

 

リンの秘密を暴こうという考えを閃いた森川に井崎とメグミは乗り気だ。アイチが3人を止めようとすると、窓からリンが下校していく姿が映る。

 

「委員長が下校していったぞ!後を追うぞ!」

 

「おう!」

 

「ほら早く来なよアイチ」

 

「えっ⁉ま、待ってよみんなー!」

 

森川たちは急いでリンの後を追いかけ、置いてかれたアイチは3人の後をついていく。

 

 

リンが学校を下校した後、どこかへ続く道のりを歩いている。そんなリンの後をこっそりと電柱などに隠れながらついていく中学生組4人。

 

「委員長の奴、いったいどこに行くんだ?」

 

「ね、ねぇ、もうやめようよ。見つかったらどうするの」

 

「なんだよアイチ、ノリ悪いな」

 

「委員長の秘密、知りたくないの?」

 

「確かに気になるけど・・・」

 

「しー!静かにしろ!委員長の動きが止まったぞ!」

 

森川の静止の声に従い、3人は静かになる。4人の視線の先には、公園のベンチでリンが静かに読書を行っている。

 

「ただの読書じゃねぇか」

 

「なんだよ、期待させるだけしといてよぉ」

 

「あ、もしかしたら、予定の時間まで暇つぶし、とか?」

 

「さ、3人とも・・・」

 

アイチが3人をどう止めたらいいのかと思っていると・・・

 

「お前ら何やってんだ?」

 

「「「「!!?」」」」

 

「ち、違うんだ!これにはわけが・・・」

 

4人に声をかけるものが現れて、森川が慌てて何かを言おうとして、その人物を見てそれをやめた。

 

「なんだよ、カズヤかよ。脅かしやがって」

 

「なんだとは何だよ?相っ変わらず訳わかんねぇ奴だな」

 

4人に声をかけたのはカズヤだった。カズヤが何をやってるのかと再び問いただす。

 

「で、何やってたんだ?アイチも一緒になってよ」

 

「こ、これはその・・・」

 

「委員長の秘密を探ってんだよ」

 

「委員長って・・・日下部の事か?」

 

「そう。ほらあそこにいるでしょ?」

 

メグミに指さされ、カズヤはその方角を見て、リンが読書をする姿を確認できた。そしてちょっと視力がいいので読んでいる本のタイトルもわかった。

 

「い、意外な趣味を持ってんだな・・・」

 

「何⁉見えたのか!どんな本だった⁉」

 

「闘魂番長ケンタっていう小説の5巻だったわ」

 

「えっ⁉あのリンちゃんが⁉」

 

「それってあれだろ?ケンカがメインみたいなストーリーのやつ」

 

「た、確かに意外だね。あの委員長にそんな趣味が・・・」

 

「あっ、やべ!みんな隠れろ!ほらカズヤも!」

 

5人はリンの愛読書に意外性を感じさせていると、リンは公園の時計を見て、読書をやめ、本を鞄にしまってそのまま公園を出ていった。

 

「・・・確かに日下部の秘密、知りたいかもな!」

 

「カズヤさん⁉」

 

「だろ⁉やっぱり気になるだろ⁉」

 

「なぁ、俺も参加していいか?あいつの秘密暴いてやろうぜ!」

 

「よーし!メンツも揃ったところで調査再開だ!早く後をつけるぞ!」

 

「もう、どうなっても知らないよ・・・」

 

カズヤが加わったところで森川たちは尾行を再開する。アイチはもう何を言っても無駄だと悟り、4人についていくことにした。

 

 

引き続きリンの尾行を続ける5人。リンはただどこかへ続く道のりへと歩いていく。

 

「どこまで行くんだ?」

 

「なぁ、日下部って名字なんだけどよ・・・どうも聞きなれてるんだよな。初めて知ったって感じもしねぇし」

 

「そ、そういえば・・・入学式で生徒代表で呼ばれた時も、初めてって感じはしなかったな」

 

「あたしも!ずっと前から知ってるって感じだった・・・」

 

「お、俺も・・・。アイチはどうなんだ?」

 

「えっ⁉じ、実は僕も・・・」

 

「どういうこと?」

 

リンの名字、日下部にどうも初めて聞くといった感情は全員にないらしく、どうして知ってるんだろうと考え始める5人。考えているうちにリンは曲がり角を曲がっていく。

 

「と、言ってるうちに曲がり角に曲がったぞ!」

 

「今の会話を聞かれてたりしたらまずいからな・・・。よし!まずは俺が先にいって確認するぜ!合図したら俺についてこい!」

 

森川は先行して曲がり角へと曲がっていく。

 

「森川で大丈夫?」

 

「多分・・・」

 

4人が少し不安を覚えていると・・・

 

「おわはあああ!!?お、お前ら!ちょっとこっち来てくれー!!」

 

「森川君⁉」

 

「合図早すぎだろ・・・」

 

あまりに早く、なおかつ驚愕が混じった森川の声に4人は曲がり角を曲がって、その道の先を確認する!

 

「なあああああ!!?」

 

「「ええええええ!!?」」

 

「こ、これは!!」

 

5人が見たものとは、普通の一軒家とは違う、和風門があり、門の先には2つの建物が建てられており、その1つの建物が屋敷となっているものだ。

 

「なんだこりゃ⁉すっげー!」

 

「委員長の奴、こん中に入っていきやがった!」

 

「ここに入れるってことは実は結構すごい奴の家・・・?」

 

「もしかして・・・大金持ちのか、彼氏の家・・・とか?」

 

「えええええ!!?」

 

屋敷を見て5人はいろんな想像を働かせ、慌てふためいていると・・・

 

「お前ら、何してんの?」

 

『!!?』

 

またも声をかけられてパニックになる5人。声をかけられた人物は三和だった。

 

「み、三和君⁉」

 

「び、びっくりしたー・・・」

 

「お、お前こそ何しに来たんだよ⁉」

 

「そりゃこっちのセリフだぜ。リンの家の前で何してんだ?」

 

「は?日下部の・・・家・・・?」

 

今三和は何と言ったのか。先ほどのリンの家という事に嫌に反応する5人。それを見て三和はビックリしたような顔になる。

 

「まさか何も知らないでここに来たのか?」

 

「ど、どういうこと?」

 

リンの事情を知っている三和はここがどこなのかという事を説明する。

 

「ここは、武闘家たちが集まる場所、日下部道場。つまりはリンの家だよ」

 

『・・・道場ーーー!!?』

 

そう、この場所は武闘家たちが集まり、特に武術を習うための道場で、リンの実家でもある場所だ。それを知った5人は非常に驚愕の反応をする。

 

「ここが委員長の家⁉マジ⁉」

 

「すっげー!!」

 

「委員長って、武闘家だったのか・・・」

 

「いや、まだそうと決まったわけじゃないよ」

 

ここがリンの家だとわかって中学生組は興味深く道場を見ている。

 

「あ!そうか!だから日下部の名字を知ってたわけだ!」

 

「・・・ああ!あたしも日下部道場って聞いたことある!なるほどねー」

 

「そういうことだったのか・・・」

 

日下部の名字を知っていたわけがわかり、一同は納得の表情をしている。

 

「で、三和はここに何しに来たんだよ?」

 

「かわいい後輩の様子を見にきちゃダメなのか?」

 

森川の問いに三和が呆気からんとそう応えていると、日下部家の門が開かれた。その門から出てきたのは・・・

 

「・・・皆さんはいったい何をしているのですか」

 

「い、委員長・・・」

 

「も、もしかしなくても・・・めちゃくちゃ怒ってる・・・?」

 

誰が見ても不機嫌そうな表情をし、怒りを表しているリンだった。その怒りの矛先は自分の後をつけてきたカズヤと中学生組全員に向けられている。

 

「どういうことか、説明してくれますね?」ニコォ

 

リンは怒気を含めた黒い笑顔を向け、低い声で事情の説明を要求している。

 

 

日下部家の道場じゃない方、つまりは家の方に案内された一同は怒りを浮かべているリンから説教を受けていた。なぜか三和も説教を受けている。

 

「どうせそんなことだろうと思いましたよ!いったいあなたたちは何を考えているのですか!」

 

「「「「す、すみません・・・」」」」

 

「だからやめようって言ったのに・・・」

 

「何で俺まで・・・」

 

「誰が私語していいといいましたか!」

 

「「ご、ごめんなさい!」」

 

リンから喝を入れられたアイチと三和はビクつき姿勢をさらに正す。

 

「だいたい、私が尾行に気付いてないとでも思いましたか!バレバレですよ!あなたたちのやってることはストーカーですよストーカー!」

 

「えっ?じゃああの闘魂番長も趣味・・・?」

 

「読んでちゃいけないとでもいうつもりですか!私がどんな本を読んでいようと、私の勝手でしょう!」

 

リンの説教は話すにつれて厳しくなっていっている。そんなリンをなだめるのはリンの母親、日下部トモエだ。

 

「まぁまぁ、リン。この子たちも悪気があったわけではないので許してあげてくださいな」

 

「お母様は甘すぎます!今ここで許してしまえば、調子に乗るのは目に見えています!」

 

「いいじゃないですか、そのくらい。お父さんも気を利かせてお稽古を夜に回してくれたんですから」

 

「余計なお世話ですし、いい迷惑です!こんなことをしてる時間より、稽古をしていた方がよっぽど有意義な時間だというのに!」

 

「まぁまぁ」

 

リンは苛立ちを抑えることができないで怒鳴り散らしているのをトモエがなだめる。

 

「そんなに怒んなよ。悪かったって」

 

「反省してるから許してくれよー」

 

「もう二度とこんなことしないって誓うから、ね?」

 

「ほら、友達がこう言ってるんですし、許してあげても・・・」

 

トモエの放った友達という単語にリンは嫌に反応する。

 

「・・・っ!!友達でも仲間でもなんでもありません!!こんなストーカーをやるような連中なんて!!」

 

リンの大きな怒声に一同はやや驚愕している。トモエはしまったといった表情をし、三和はやれやれといった表情をしている。リンは苛立ちを隠せないまま部屋を出ようとする。

 

「リン、どこへ行くんです!リン!」

 

トモエはリンを呼び止めようとするが、リンは聞く耳持たず、襖を力強く閉め、部屋を出ていく。

 

「な、何だよあれ?」

 

「「こわ~・・・」」

 

「ごめんなさいね、せっかく来て下さったのに。あ、よければ粗茶と我が家で作った羊羹をどうぞ」

 

「あ、すんません。いただきます」

 

「リンちゃん・・・」

 

「・・・」

 

アイチはさっき出ていったリンの心配をし、三和は部屋から見える道場に視線を向ける。

 

 

あの後、部屋から出ていったリンは日下部家が所有する道場の中で練習用の木偶人形で自主練かつ、ストレス解消法として、空手の練習を行っている。だがあまりに力を込めているため、木偶人形はすぐに壊れてしまった。

 

「・・・ふぅ・・・」

 

リンはこれによって少しは落ち着きは取り戻したが、イラつきは収まらない。すると、リンを心配しにやってきたアイチとカズヤが入ってきた。三和は今までと変わらない態度で入ってきた。

 

「やっぱここでストレス発散をしてたのか。どうだ?ちょっとは落ち着いたか?」

 

「・・・こんなものでイラつきが収まるわけないでしょう。悪ふざけをするつもりなら出ていってくれませんか?」

 

「い、いや、そんなつもりはなくて・・・ごめんね、リンちゃん」

 

「おいおい、そんなに怒ってたら、せっかくの別嬪さんが台無しだぜ?」

 

「余計なお世話です。きれいでなくてもかわいくなくても結構」

 

カズヤの一言にさらにイラつきが増すリン。

 

「・・・あの3人は?」

 

「トモエさんの昔話を聞かされてるぜ」

 

「・・・お母様はおしゃべりですからね」

 

森川たちがトモエに捕まり、昔話を聞かされている姿を容易に想像できたリンは呆れてため息をこぼす。

 

「で?あなたたちは何しに来たんですか?私を怒らせに来たのですか?」

 

「ご、ごめん・・・」

 

「わ、悪かったって・・・」

 

「そう言ってやるなって。ストレス発散に付き合ってやっかるさ」

 

「ストレス発散?と、いうことは、これですか?」

 

デッキは私服として着ているジャージのポケットから自分のヴァンガードのデッキを取り出す。

 

「やっぱお前のストレスを解消するには、これしかねぇよな」

 

「・・・やはり三和先輩は私の扱い方がよく理解していますね。非常に不服ですが」

 

「ひっでぇな」

 

リンは少しため息をつくと、やれやれといった表情になる。

 

「ただし、今回は三和先輩ではなく、カズヤ君にお願いします」

 

「は?何で俺なんだよ?」

 

「あなたは途中で参加したようですが、1番年上のあなたなら彼らを止められたはずです。ですがあなたはそれをしなかった。ですからきちんと責任をとってもらいます。それに・・・」

 

リンは顔をアイチに向ける。

 

「アイチ君とは近いうちに戦う事になる・・・私の直感がそう告げているのです」

 

「僕が・・・リンちゃんと・・・?」

 

リンの言っていることがあまり理解できなかったアイチはどういう事か首を傾げる。

 

「・・・わーったよ。ファイトすりゃストレス解消すんだな?やってやんよ。それに、お前とはティーチングの時に1回負けてるからな。そん時の借りを返してやるぜ」

 

「たいした自信ですね。勝算でもあるのですか?」

 

「んなもんねぇよ。ただ全力でやる、それだけだぜ」

 

カズヤはリンのストレス解消のためのファイトを受けることにした。カズヤとリンは道場の隅にあるテーブルにプレイマットとデッキを設置し、ファイトの準備をする。

 

「三和君、ティーチングの時って・・・?」

 

「そのまんまの意味だ。あいつが初めてヴァンガードを教えてもらったのが、リンってわけだ。ま、結果はリンの勝ちだが」

 

「へぇー・・・」

 

アイチと三和が話している間にファイトの準備が整ったようだ。

 

「準備はいいですか?」

 

「どっからでも来い!」

 

その一声で、ファイトが開始される。

 

「「スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード!!」」

 

「鉄壁竜シールドン!」

 

「リザードランナーアンドゥー!」

 

鉄壁竜シールドン  PW6000

 

リザードランナーアンドゥー  PW6000

 

「俺の先攻だぜ。ドロー!ソニック・ノアにライド!さらに槍の化身ターをコールだ!ターンエンド!」

 

ソニック・ノア  PW8000

槍の化身ター(☆)  PW5000

 

R ソニック R

R  ター  R  カズヤの手札4枚 山札43枚

 

(最初のターンなのに、コールする必要なんてあるのかな・・・?)

 

「あいつ、姉ちゃんから教えてもらったことを活かしてるな」

 

「私のターンです。ドロー。ドラゴンモンクゴジョーにライド!2体の鎧の化身バーと、希望の火エルモをコール!」

 

ドラゴンモンクゴジョー  PW7000

鎧の化身バー  PW8000

希望の火エルモ  PW6000

 

「うわわっ!一気に展開してきた!」

 

「パワー8000のバーにあえてライドせず、リアガードに回したか。相変わらずえげつねぇぜ」

 

バー ゴジョー バー

R  エルモ  R

 

「右のバーでソニック・ノアにアタック!」

 

「くっ・・・ノーガードだ!ダメージトリガーチェック『砲撃竜キャノンギア』」

 

「左のバーでソニック・ノアにアタック!」

 

「エルモでガードだ!」

 

「ではこれはどうです?エルモのブーストをつけて、ゴジョーでソニック・ノアにアタック!」

 

「ノーガードだ」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『ガトリングクロー・ドラゴン(引)』ゲット、ドロートリガー。バーにパワープラス5000し、1枚ドロー」

 

「いきなりのトリガー⁉」

 

「ダメージトリガーチェック『ワイバーンガードバリィ』」

 

「エルモのブーストをつけたバーのアタックがヒットしたため、エルモのスキル発動!手札を1枚捨て、1枚ドロー。これでターンエンドです」

 

PW8000➡PW8000

PW8000➡PW8000+SH5000=13000

PW13000(+5000)➡PW8000  リンの手札4枚 山札40枚  カズヤのダメージ2枚

 

「これでカズヤさんはダメージ2・・・」

 

「さーて、こっから面白くなりそうだぜ」

 

「俺のターンだ!ドロー!ライド!突撃竜ブライトプス!さらにブライトプス、翼竜スカイプテラをコールだ!」

 

突撃竜ブライトプス  PW9000

翼竜スカイプテラ  PW6000

 

「手札にあるディノカオスのスキル発動!俺のグレード2のヴァンガードがありゃ、コストとして、たちかぜのリアガードであるブライトプス、スカイプテラを退却させるぜ!これでこいつを公開させる!」

 

「来るぜ」

 

「公開させりゃ、こいつはそのままライドさせることができる!混沌を統べ、大地を蹂躙させろ!ディノカオスに、スペリオルライド!」

 

混沌竜ディノカオス  PW10000

 

「すごい!一気にグレード3になっちゃった!」

 

「スカイプテラのカウンターブラスト発動!こいつがドロップゾーンに送られたらコストを払って、手札に戻す!

さらに、ブライトプスのカウンターブラストも発動!リアガードからドロップゾーンに送られた時、コストを払って、山札から鉄壁竜シールドンを手札に加えるぜ!」

 

「守りの方は万全だな」

 

R ディノカオス R

R   ター   R

 

「いくぜ!ターのブーストをつけて、ディノカオスでゴジョーにアタックだ!」

 

「ノーガードです」

 

「ツインドライブチェック!1枚目『砲撃竜キャノンギア』2枚目『槍の化身ター(☆)』クリティカルトリガー発動だ!パワーとクリティカルをディノカオスに与えるぜ!」

 

ディノカオスは機械の体に装備されているガトリングガンをゴジョーに向けて放った。

 

「ダメージトリガーチェック。1枚目『忍獣ハガクレ』2枚目『忍竜ドレッドマスター』」

 

「ターンエンドだぜ!」

 

PW15000(+5000)➡PW7000  カズヤの手札4枚 山札37枚  リンのダメージ2枚

 

「ダメージが並んだ!」

 

「な、おもしろくなってきただろ?」

 

「どうだ!」

 

「私のターン。スタンド&ドロー。・・・ディノカオスを使うにあたって、それくらいはできて当たり前です。見せてあげましょう、格の違いというものを。ライド!ドラゴンナイトネハーレン!右のバーを移動し、連撃のサザーランドをコール!さらにガトリングクロー・ドラゴンをコール!」

 

ガトリングクロー・ドラゴン(引)  PW4000

 

「ガトリングクローのカウンターブラスト発動!かげろうのヴァンガードがいれば、自身をソウルに送り、相手のグレード0のユニットを退却させます!相手のターを退却!」

 

「ぐっ・・・」

 

「サザーランドのスキル発動!相手のリアガードがドロップゾーンに置かれた時、パワープラス3000!」

 

連撃のサザーランド  PW8000

 

バー ネハーレン サザーランド

R   エルモ    バー

 

「エルモのブーストをつけてネハーレンでディノカオスにアタック!」

 

「くっ、ノーガードだ!」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー『バーサーク・ドラゴン』」

 

「ダメージトリガーチェック『ドラゴンモンクゲンジョウ(治)』」

 

「やった!相手は同じダメージだから回復が・・・」

 

「できないぜ」

 

「えっ⁉ど、どうして⁉」

 

「トリガーを発動させるためには、トリガーのクランが場に出ているクランと同じでなきゃならねぇんだよ」

 

その説明でアイチはカズヤが序盤でターをコールしたのかが理解した。あれはダメージトリガーを期待させるための布石だったのだ。

 

(だから最初のターンでコールを・・・。リンちゃんもそれをわかってるからターの退却を・・・)

 

「バーのブーストをつけてサザーランドでディノカオスにアタック!」

 

「頼む、シールドン!守ってくれ!」

 

「ターンエンドです」

 

PW16000➡PW10000

PW19000➡PW10000+SH10000=20000  リンの手札3枚 山札36枚  カズヤのダメージ3枚

 

「けど!まだダメージは3・・・こっちはすでにグレード3だ!まだまだ巻き返しができるぜ!スタンド&ドロー!砲撃竜キャノンギアをコール!」

 

砲撃竜キャノンギア  PW11000

 

「リアガードがいないことをいいことによってのノーコスト・・・やりますね」

 

「褒めたってなんも出ないぜ!スカイプテラ、ターをコール!」

 

スカイプテラ ディノカオス キャノンギア

  ター     R      R

 

「キャノンギアでネハーレンにアタックだ!」

 

「従者レアスでガード」

 

「ディノカオスでもう1回ネハーレンにアタックだ!」

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブチェック!1枚目『ワイバーンストライクテージャス』2枚目『ワイバーンストライクジャラン』2枚ともトリガーなしだ」

 

ディノカオスは勢いをつけさせて、ネハーレン(リン)に向かって猛突進を行い、攻撃をヒットさせた。

 

「ダメージトリガーチェック『ドラゴニック・オーバーロード』こちらもトリガーなし」

 

「よしいいぞ!ターのブーストをつけてスカイプテラでネハーレンにアタック!」

 

「ノーガード。ダメージトリガーチェック『ドラゴンモンクゴジョー』」

 

「ターンエンド!」

 

PW11000➡PW10000+SH5000=15000

PW10000➡PW10000

PW11000➡PW10000  カズヤの手札3枚 山札33枚  リンのダメージ3枚(裏1枚)

 

「ダメージは3対4・・・」

 

「カズヤもここまで頑張った方だけど、ちょっと厳しくなってくるぞー」

 

「スタンド&ドロー。・・・確かに最初にファイトした時よりは格段に成長していますね。ですが、その程度で勝ったとは思わないことです」

 

「へっ、何か勝算でもあんのかよ?」

 

「そうやって強気でいられるのも今のうちですよ。ライド・ザ・ヴァンガード!封竜ブロケード!!」

 

封竜ブロケード  PW10000

 

「左のバーを後列に移動させ、バーサーク・ドラゴンをコール!」

 

バーサーク・ドラゴン  PW9000

 

「バーサーク・ドラゴンのカウンターブラスト発動!コストを2枚払い、モニカを退却!」

 

「またかげろうが薙ぎ払われた!」

 

「徹底的にトリガーを封じさせる気だな」

 

「サザーランドの能力でパワープラス3000!」

 

バーサーク ブロケード サザーランド

 バー    エルモ    バー

 

「バーのブーストをつけて、バーサークでディノカオスにアタック!」

 

「ここはキャノンギアでインターセプト・・・」

 

「無駄ですよ。ブロケードの能力は、あなたのターン中、全てのインターセプトを封じる能力を持っているのです」

 

「なっ!インターセプトできないだと⁉」

 

「それじゃあ、防御手段も限られてきちゃう!」

 

「それだけじゃねぇぜ。ターを退却したおかげでトリガーは発動できねぇし、スカイプテラだけじゃ攻撃は足りなくなる」

 

「くっ・・・ノーガード!ダメージトリガーチェック『リザードソルジャーガンルー(醒)』くっ・・・トリガーが発動できねぇ・・・」

 

「エルモのブーストをつけて、ブロケードでディノカオスにアタック!」

 

「これもノーガードだ!」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー。ツインドライブ!1枚目『封竜ブロケード』2枚目『ドラゴンモンクゲンジョウ(治)』ゲット、ヒールトリガー。ダメージを1回復し、まだ攻撃を終えていないサザーランドにパワープラス5000!」

 

ブロケードは自身の力を封じられながらも、強力な炎をディノカオスに向けて放たれた。炎に包まれたディノカオスは苦しみの咆哮をあげる。

 

「ぐああぁ!くぅ・・・ダメージトリガーチェック『混沌竜ディノカオス』」

 

「攻撃がヒットしたので、エルモの能力で手札を1枚捨て、1枚ドロー。

バーのブーストつけたサザーランドで、ディノカオスにアタック!」

 

「まだ終わらせねぇ!ガードだ!『リザードソルジャーガンルー(醒)』『ワイバーンストライクジャラン』」

 

「すごい!あの攻撃を凌ぎきった!」

 

「へぇ、もしもの時にとっておいたのか。やるぅ」

 

「ターンエンドです」

 

PW17000➡PW10000

PW16000➡PW10000

PW24000➡PW10000+SH15000=25000  リンの手札3枚 山札31枚  カズヤのダメージ5枚

 

「正直意外でした。このターンで終わると思っていましたので」

 

「へ、そりゃ、まだグレード3はこいつしかねぇけどよ、諦めなけりゃ何とでもなるもんなんだよ!スタンド&ドロー!スカイプテラを移動して、ワイバーンストライクテージャス、ドラゴンダンサーモニカをコール!」

 

ワイバーンストライクテージャス  PW8000

ドラゴンダンサーモニカ(引)  PW5000

 

テージャス  ディノカオス キャノンギア

スカイプテラ  モニカ     R

 

「キャノンギアでブロケードにアタックだ!」

 

「ゲンジョウでガード」

 

「モニカのブーストをつけて、ディノカオスでブロケードにアタック!」

 

「ノーガード」

 

「ツインドライブチェック!1枚目『鉄壁竜シールドン』2枚目『槍の化身ター(☆)』クリティカルトリガー発動だ!クリティカルはディノカオスに上げて、パワーはテージャスにアップだ!」

 

ディノカオスは焼け傷が痛みながらも、負けじとブロケードに向かってガトリングガンをブロケードに放つ。ガトリングの弾を耐えているブロケードにディノカオスはとどめといわんばかりの突進を行い、ブロケードは姿勢を崩す。

 

「ダメージトリガーチェック『忍竜ドレッドマスター』2枚目『ドラゴンナイトネハーレン』」

 

「スカイプテラのブーストをつけて、テージャスでブロケードにアタック!これでどうだぁ!」

 

「ガード。ワイバーンガードバリィ。かげろうのカードを1枚捨て、今攻撃しているブロケードに攻撃のヒットを無効化させる」

 

コスト『封竜ブロケード』

 

「ぐっ・・・ターンエンドだ」

 

PW11000➡PW10000+SH10000=15000

PW15000➡PW10000

PW19000➡PW10000(完全ガード)  カズヤの手札2枚 山札28枚  リンのダメージ5枚(裏2枚)

 

「スタンド&ドロー。中々強くなっていましたが・・・あなたと私の間には、経験の差があります」

 

バーサーク ブロケード サザーランド

 バー    エルモ    バー

 

「エルモのブーストをつけて、ブロケードでディノカオスにアタック!」

 

「(諦めねぇ。ここでヒールさえ出りゃ・・・)

ノーガードだ」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー、ツインドライブ!1枚目『忍竜ボイドマスター』2枚目『槍の化身ター(☆)』ゲット、クリティカルトリガー。パワーをサザーランドに上げ、クリティカルはブロケードに」

 

「まだだ・・・まだ終わりじゃねぇ!ヒールさえ引けば・・・」

 

ブロケードは封印されている状態の中で1番強力な炎をつくり、ディノカオスに放った。ディノカオスは悲痛な雄たけびを上げ、炎に包まれてゆく。

 

PW16000➡PW10000

 

ダメージチェック『砲撃竜キャノンギア』

 

カズヤのダメージ6枚  リンのダメージ5枚  勝者リン

 

「くぅ~・・・また負けた~・・・」

 

ファイトの敗北でカズヤは落胆するが、その表情はとても穏やかなものだった。リンはそんなカズヤを気に留めず、せっせとデッキを片付ける。

 

(リンちゃん・・・すごい・・・櫂君とは違った強さだった・・・)

 

「どうよ、リン。ちょっとは落ち着いたか?」

 

「・・・ええ。おかげでストレス解消できました」

 

リンはすっかりストレスが消え去り、落ち着きも取り戻していた。

 

 

日下部道場を出た後、一同は帰宅の道のりを歩きながら、今回のことを話していた。

 

「ひどいよアイチ。私たちを置いていくなんて。おかげで、おばさんの長い昔話まで聞かされたんだから」

 

「ご、ごめん」

 

「しっかし、委員長が武闘家だったとは知らなかったぜ」

 

「ついでに、委員長を怒らせると怖いってこともな」

 

「あいつを怒らせたくなかったら、尾行はもうやめるこったな」

 

カズヤは自分のデッキを見つめながら、今回のファイトを振り返っていた。

 

(今回のファイトで、いろいろと改善しねぇといけねぇことが見つかったから、今日は無駄な時間じゃなかったな。よし、明日は2パックとは違うパックを買ってみるか)

 

 

アイチが帰った後の日下部家のリンの部屋。リンの部屋は自主練用のサンドバックがある以外は、比較的どこにでもある普通の部屋である。リンは自分デッキを広げ、デッキの改善点を探っている。

 

「あの、お姉ちゃん、ちょっと相談いいですか?」

 

「アンですか?入っても大丈夫ですよ」

 

少女の声が聞こえたので、リンは入室の許可をとった。襖が開き、部屋に入ってきたのは大人しい黒髪の短髪少女だった。彼女は日下部アン、リンの5つ年下の妹で、晴見小学校4年生である。

 

「相談とはなんですか?」

 

「あの、実はお友達のユイちゃんについてなんですけど・・・」

 

リンはアンの友達という単語に反応するが、心配かけまいと自然な態度でふるまう。

 

「お姉ちゃんのことを話したら、会ってみたいって言いだしまして・・・」

 

「なるほど・・・それで会える日について伺ってきたという訳ですね?」

 

「はい。ダメ・・・ですか?」

 

「・・・そうですね、私も都合がありますし・・・。その子を何度もうちに誘ってはどうですか?もしかしたら、私と会える日があるかもですよ」

 

「我が家に・・・や、やってみます!」

 

アンはちょっぴりやる気に満ち溢れた表情になっている。リンは心の中で、できる限りならば、その日が来ないことを祈ると考えていたのであった。

 

to be continued…




リン「まったく、人を尾行するなど、どうかしてるとしか言えませんね」

カズヤ「そう怒るなよ、ストレス発散にも付き合ってやったろ?」

リン「そもそもアイチ君が彼らを止めていれば私がそうする必要すらなかったのですよ?わかってるんですか?」

アイチ「ご、ごめんね、リンちゃん。でも、お稽古があるんだったらカードキャピタルに来られないのも納得だね」

リン「別に稽古があるからこれないってわけじゃないんですけどね」

カズヤ「ん?今なんて言ったんだ?」

RIDE9「戦慄のソウルブラスト」

アイチ「櫂君とカムイ君のファイトに、僕もイメージに触発される!」

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