カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者 作:先導
でも、どの作品も最後まで書かせていただくので、皆さんにも読んでいただけるとありがたいです!
さて、今回はカズヤ君とエリカさんのファイトです。
実はエリカさんの呼び名を考えてみました。その名もエッちゃんです。reliveの方でレン様に使わせてみようと・・・というか使いますね。
それではどうぞ!
ヴァンガードチャンピオンシップ全国大会予選試合の午後の部、第4試合。チームQ4の前に立ちはだかるのは、チームAL4の傘下チーム、アクロバットリミテッターだ。まずは先鋒戦、チームQ4からは櫂トシキ。チームアクロバットリミテッターからは川並ミナミ。川並は櫂の繰り出したドラゴニック・オーバーロードの攻撃を特徴を見抜いてガードをして、優勢に立ったと思われた。だが、櫂のプレイスタイルが全てを上回り、最後の最後で敗れ、チームQ4の先手をもぎ取った。続く中堅戦、チームQ4からは途中参加をしてきたカズヤ。対するチームアクロバットリミテッターからはリーダーの九嬢エリカが出場してきた。
(気に入らねぇ・・・上から見やがって・・・何が初出場の分際、だ)
カズヤが真っ先に頭に浮かんだのはエリカが口にした"見せしめ"、そして"初出場の分際で"という言葉だった。
(人を小ばかにしやがって・・・こいつには、絶対に負けられねぇ・・・!)
カズヤはエリカにたいして負けられない姿勢を強く見せている。そして、互いに準備を終えて、シャッフルし終えたデッキをファイトコンソールに設置する。
「試合、開始!!」
そして、審判の合図によって、試合が開始された。
RIDE41「脅威なる
全国大会会場のVIPルーム、レンはこれから始まろうであろうエリカのファイトを期待がこもったの眼差しで見つめている。
「・・・君には期待しているよ、エリカ。キョウよりも、君の従えてる従者よりも、ね」
レンは不敵に笑いながら花瓶に入っている花を取り出した。
☆
アクロバットリミテッターの控え室・・・
「ああ!お、おやめください!花柳さぁ~ん!!」
「黙りなさい。鳴いていいのは犬の言葉だけよ」
バシィン!
「きゃいいいいん!!」
ユリカは服部によって連れ戻された川並を調教するかのように鞭をバシバシと振るっている。川並もだんだんとまんざらでもないよな気がするのは気のせいだろう。
「お嬢様・・・」
服部はしっかりとエリカのファイトを見守る。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」
「ドラゴンエッグ!」
「幼虫怪人ギラファ!」
ドラゴンエッグ PW4000
幼虫怪人ギラファ PW5000
「私の先攻ですわ。ドロー。蛹怪人ギラファにライド!」
蛹怪人ギラファ PW6000(+2000)
「蛹怪人ギラファのスキル!ソウルに幼虫怪人ギラファがいれば、常にパワープラス2000しますわ!
さらに、幼虫怪人ギラファのスキル!蛹怪人ギラファにライドされた時、山札より、エリート怪人ギラファを手札に加えますわ。これでターン終了ですわ」
R ギラファ R
R R R エリカの手札6枚 山札42枚
「俺のターンだ!ドロー!サベイジ・ウォーリアにライド!」
サベイジ・ウォーリア PW6000
「ドラゴンエッグはスキルでリアガードサークルに移動!コール!ソニックノア!」
ソニックノア PW8000
ノア ウォーリア R
R ドラゴンエッグ R
「ソニックノアで蛹怪人ギラファにアタック!」
「ノーガードですわ。ダメージトリガーチェック『テイル・ジョー』」
「ドラゴンエッグのブーストをつけて、サベイジ・ウォーリアで蛹怪人ギラファにアタック!」
「ノーガードですわ」
「ドライブチェック『怒竜ブラストザウルス』」
「ダメージトリガーチェック『パラライズ・マドンナ』」
「ターンエンドだ」
PW8000➡PW8000
PW10000➡PW8000 カズヤの手札5枚 山札42枚 エリカのダメージ2枚
「チームアクロバットリミテッターVSチームQ4、中堅戦!2ターン始まって橘カズヤ選手が早くも2ダメージを与えたぁ!!」
「カズヤさん!頑張ってください!カズヤさんなら、きっと勝てます!」
「ここでカズヤが勝てば、チームQ4は決勝トーナメント進出がほぼ確定できる・・・」
「カズヤ君・・・この試合は、君にかかっていますよ・・・」
「「・・・・・・」」
チームQ4のメンバーとシンがカズヤを応援している中、櫂とリンは目を閉じながら、静かに佇んでいる。
「では次は私の番ですわね。さあ、ここから狩りの始まりですわ。大自然に生きる生物たちの調べ、とくとご覧あれ!エリート怪人ギラファにライド!」
エリート怪人ギラファ PW9000(+1000)
「エリート怪人ギラファのスキル!ソウルに蛹怪人ギラファがいれば、常にパワープラス1000!」
(こいつの使うメガコロニーの特徴はソウジの奴やさっきの奴と同じだ。リアガードのスタンド封じだろ?それくらい、どうってことないぜ!)
「では、次は・・・コール!シルバー・ウルフ!ジオグラフ・ジャイアント!」
シルバー・ウルフ PW8000
ジオグラフ・ジャイアント PW10000
「な、なんだぁ⁉動物⁉」
「グレートネイチャー⁉混成デッキだ!」
「KSっす!純粋なメガコロニーデッキじゃないっす!」
「自然に生きるは虫だけにあらず、動物もまた、自然の生き物ですわ」
「ちぃ・・・!」
「さらに蛹怪人ギラファをコール!」
蛹怪人 エリート ジャイアント
R R ウルフ
「蛹怪人ギラファ!品性のかけらもないウォーリアを食らってしまいなさい!」
「草食竜ブルートザウルスでガードだ!」
「では、エリート怪人ギラファでウォーリアにアタック!」
「ノーガードだ!」
「ドライブチェック『アイアンカッタービートル』」
「ダメージチェック『バキュームマンモス』」
「くすくす・・・アタック、ヒットさせましたわね?
エリート怪人ギラファのスキル!このユニットがアタックにヒットさせた時、リアガードを1体選んで、次のターン、スタンドを禁じますわ。ソニックノア、あなたですわ!」
「ちぃ・・・やっぱそいつにはそういうスキルがあったか!」
「その見解を見る限り、あなたの実力はたかが知れてますわね。諦めてこちらに勝利を渡せば、惨めな思いをせずに済みますわよ?」
「はっ!それがどうした!そんなもん、どうってことねぇぜ!」
「一寸の虫にも五分の魂・・・とでも言いたげですわね?つくづく愚かですわね・・・これだからフーファイターに歯向かう愚民は・・・。シルバー・ウルフのブーストをつけ、ジオグラフ・ジャイアント、ウォーリアを引っ掻きなさい!」
「ノーガード!ダメージチェック『翼竜スカイプテラ』」
「ターンエンドですわ」
PW6000➡PW6000+SH5000=11000
PW10000➡PW6000
PW18000➡PW6000 エリカの手札4枚 山札38枚 カズヤのダメージ2枚
「ふぅー、どうにか2ダメージで抑えたみたいだなぁ」
「ああ、2対2・・・互角だな」
「敵とはいえ、さすがメガコロニーだ。虚影神蝕で強化されたしな」
「これは・・・互角に戦えてるってことでいいのかな?」
「いや、そうとも限らねぇ。中堅戦から大将が出てきたんだ。まだ何か隠してるぜ」
「うーん、1番のキーポイントは・・・あのグレートネイチャーのユニットかな?」
カードキャピタル陣営の森川たちはそんな会話をしながら、ファイトの行方を見守っている。
「俺のターン!スタンド&ドロー!バキュームマンモスにライド!さらに、砲撃竜キャノンギアをコール!」
砲撃竜キャノンギア PW11000
「キャノンギアのスキル!こいつが登場した時、こっちのリアガードを退却させる!ドラゴンエッグを退却!
ドラゴンエッグのスキル発動!こいつがリアガードから退却された時、カウンターブラストで手札に戻る!
バキュームマンモスのスキル!他のたちかぜのリアガードが登場したら、ソウルチャージできる!『ソニックノア』」
「おお!これでサベイジ・キングの布石を増やしていけるってわけだな!」
「ドラゴンエッグ、サベイジ・デストロイヤー、翼竜スカイプテラをコール!」
サベイジ・デストロイヤー PW8000
翼竜スカイプテラ PW8000
「バキュームマンモスのスキル!3体分、ソウルチャージ『群竜タィニィレックス(醒)』『アークバード』『翼竜スカイプテラ』」
キャノンギア マンモス デストロイヤー
ノア(レスト) スカイプテラ ドラゴンエッグ
「キャノンギアでエリート怪人ギラファにアタック!」
「ノーガードですわ。ダメージトリガーチェック『ジオグラフ・ジャイアント』」
「スカイプテラノドンブースト、バキュームマンモスでエリート怪人ギラファにアタック!」
「ノーガードですわ」
「ドライブチェック『草食竜ブルートザウルス(引)』ドロートリガー発動!パワーはサベイジ・デストロイヤーに!1枚ドロー!」
「ダメージチェック『レイダー・マンティス(引)』ドロートリガー発動ですわ!パワーはエリート怪人ギラファに!1枚ドロー!」
「ちっ!ドラゴンエッグのブースト、サベイジ・デストロイヤーでエリート怪人ギラファにアタック!」
「行きなさい!ジオグラフ・ジャイアント!インターセプト!」
「ターンエンドだ」
PW11000➡PW10000
PW15000➡PW10000(+5000)
PW17000➡PW15000+SH5000=20000 カズヤの手札4枚 山札34枚 エリカのダメージ4枚
「・・・あくまで、惨めな姿をさらしたいようですわね。ならばせいぜいもがき、抗い、暴れまわりなさいな。その方が、大自然に生きる生物たちの狩りの、糧となりますので」
「・・・こっからだ・・・こっからが勝負だ・・・」
「さあ、本物の狩人の登場ですわ。大自然より生まれし邪悪の根源!仇名す生物を食らい尽くせ!邪甲将軍ギラファにライド!!」
邪甲将軍ギラファ PW10000(+1000)
「メガコロニーの新しいグレード3か・・・」
「邪甲将軍ギラファのスキル発動!ソウルにエリート怪人ギラファがいれば、常にパワープラス1000!」
「くっ・・・これでギラファのパワーは、11000か・・・!」
「あなたは今、邪悪なる虫の巣に絡まった無力な餌と同然にすぎませんわ。そして、身動きが取れなくなった餌は、荒々しくも美しい獣に食される運命」
「くっ・・・この野郎・・・!」
「蛹怪人ギラファ、後ろに下がりなさいな。さらにそこに、科学者モンキー・ルー、アイアンカッタービートル、ステルス・ミリピードをコール!」
科学者モンキー・ルー PW10000
アイアンカッタービートル PW10000
ステルス・ミリピード PW6000
モンキー 邪甲将軍 アイアンカッター
蛹怪人 ステルス ウルフ
「では参りましょうか。蛹怪人ギラファのブーストの下、モンキー・ルーでサベイジ・デストロイヤーにアタック!」
「げっ・・・!」
「そのユニットが残っていては、後々厄介になりそうですしね」
「ちっ・・・ノーガードだ!」
「ステルス・ミリピードのブースト、邪甲将軍ギラファでバキュームマンモスにアタック!
ステルス・ミリピードのスキル!メガコロニーのヴァンガードをブーストした時、相手のヴァンガードを含めたユニットが全てレストしている状態ならば、邪甲将軍ギラファはパワープラス4000を得ますわ!」
「ちっ・・・ノーガードだ!」
「ツインドライブ。ファーストチェック『インテリねずみ』セカンドチェック『シェルタービートル(☆)』クリティカルトリガー発動!パワーはアイアンカッターに与え、クリティカルは邪甲将軍ギラファに与えますわ!」
邪甲将軍ギラファは羽を広げ、耳障りな羽音を立てながら空を飛び、狙いをバキュームマンモスに向けて接近し、両腕の刃をまるでクワガタのハサミのように掴み上げ、そのままバキュームマンモスを地面に叩きつける。
「く、ううぅぅ!!ダメージチェック『暴君デスレックス』『砲撃竜キャノンギア』」
「うふふ、邪甲将軍ギラファのアタックがヒットしたことにより、スキル発動!カウンターブラスト(2)!そして、メガコロニーのリアガードを2体退却させることによって、相手のグレード1以下のリアガードを退却させることができますわ。ステルス・ミリピード、蛹怪人ギラファ、犠牲となりなさい。そして・・・目障りなスカイプテラ、ドラゴンエッグ、切り刻まれなさい!」
邪甲将軍ギラファは羽を広げ、毒の鱗粉を蛹怪人ギラファとステルス・ミリピードに振り撒け、2体のリアガードは消え去っていき、それを糧に邪甲将軍ギラファはスカイプテラとドラゴンエッグを両腕の刃で掴み上げ、真っ二つに切り裂いた。
「くっ!スカイプテラのスキル!リアガードからこいつが退却された時、カウンターブラストで手札に戻る!」
「まだ動き回りますか。では、これならどうです?シルバー・ウルフのブーストの下、アイアンカッタービートルでキャノンギアをアタック!
アイアンカッタービートルのスキル!アタックする際、このユニットのパワーはプラス2000されますわ!」
「これ以上は、やらせねぇ!アークバードでガード!
スキル発動!たちかぜの手札を1枚捨てて、たちかぜのユニットを選んで、その攻撃を無効化する!選ぶのは今攻撃しようとしてるキャノンギアだ!」
コスト『草食竜ブルートザウルス(引)』
「ターンエンドですわ」
PW16000➡PW8000
PW20000➡PW9000
PW25000➡PW11000(完全ガード) エリカの手札4枚 山札32枚 カズヤのダメージ4枚(裏2枚)
「あ・・・こうやって叩かれるの・・・癖になってきたわん・・・」
「さすがはお嬢様ね。あんな平々凡々の民を圧倒しているわ。ま、当然といえば当然ね」
ユリカは川並をバシバシと鞭を振るいながらファイトの感想を述べる。
「しかし、何やらお嬢様は、荒ぶっているようにも見えますが・・・まるで、苦戦しているかのような・・・」
「はっ、それこそあなたの目は節穴と言わせてもらうわ、服部。お嬢様があんな連中に後れを取るようなことはないわ。それに、お嬢様は異名持ちなのよ?万が一の敗北はないわ」
「・・・確かに、そうでございますね」
服部は思ったことを口にし、ユリカがそれを否定する。服部はその言葉に若干引っ掛かりはあるが、無理に納得させる。
(確かにフーファイターには、異名を持つ方々もいる。しかしそれは、片手で数を数えられるほどの少なさ。そんな中で、お嬢様はAL4でもないにも関わらず、異名を持っていらっしゃる。それはなぜか。お嬢様がAL4と同列の実力を持っていらっしゃるからだ)
服部は心の中でそう口にしている。
「たいした知識もなく猪突猛進のように全国大会に挑もうなどと・・・中途半端にもほどがありますね」
「なんだと⁉」
「まぁ、もう今更あなたに勝負を棄権させる気はありませんがね。お望み通り、みっともなく、惨めな姿を皆様にお見せさせるんですから」
「うるせぇ!黙れ!!」
エリカの挑発的な言動にカズヤは思わず声を荒げるが、すぐに冷静さを取り戻させる。
(落ち着け・・・冷静になれ・・・。俺のダメージは4だが、それはあいつも同じだ。4対4の状況・・・決められるのなら、ここしかねぇ。絶対にこのターンで決めてやる!)
カズヤはこのターンで仕留めると決めながら自分の手札を見る。
(幸い、俺の手札には強力なグレード3が2枚ある。大丈夫・・・決められるぜ!)
カズヤはそう思い、ドローフェイスに移り、グレード3にライドさせる。
「大地を駆け巡り蹂躙せよ!破壊の暴君!ライド!暴君デスレックス!!」
暴君デスレックス PW10000
「ふふふ・・・極上の獲物のご登場ですわね」
「サベイジ・キング、スカイプテラをコール!」
サベイジ・キング PW9000
「サベイジ・キングのスキル発動!ソウルブラスト『サベイジ・ウォーリア』スカイプテラを退却!これでサベイジ・キングにパワープラス3000!
スカイプテラのスキル!カウンターブラスト!手札に戻す!スカイプテラをコール!」
「来たぜ!カズヤの必殺コンボ!」
「サベイジ・キングのスキル!ソウルブラスト『バキュームマンモス』スカイプテラを退却!パワープラス3000!
スカイプテラのスキル!カウンターブラスト!手札に戻す!コール!スカイプテラ、怒竜スパークザウルス!」
怒竜スパークザウルス PW5000
「こいつには・・・負けられねぇ!」
キャノンギア デスレックス キング
ノア スカイプテラ スパークザウルス
「ソニックノアのブースト、キャノンギアで邪甲将軍ギラファにアタックだ!」
「ノーガードですわ。ダメージチェック『パラライズ・マドンナ』」
「よっしゃ!ダメージ5!あと1ダメージで勝てるぜ!」
「スカイプテラのブーストをつけて、デスレックスで邪甲将軍ギラファにアタック!
デスレックスのスキル発動!このユニットがアタックした時、パワープラス5000だ!」
「これでパワー21000・・・これが通れば・・・」
「私がその攻撃を通そうと思いですか?インテリねずみ、シェルタービートルでガードしますわ」
デスレックスは助走をつけ勢いよく邪甲将軍ギラファに接近し、大きく口を開け、粉々にかみ砕こうとした時、そこにインテリねずみとシェルタービートルが小さな体ながら力強くデスレックスを押し上げ、進行を妨げた。
「くっ・・・ツインドライブ!ファーストチェック『怒竜ブラストザウルス』セカンドチェック『ブラックキャノン・タイガー(☆)』クリティカルトリガー発動!効果は全部サベイジ・キングだ!」
「後1回、パワー25000の攻撃・・・これさえ当たれば・・・」
「スパークザウルスのブースト、サベイジ・キング、頼む!あの邪甲将軍ギラファを仕留めてくれ!」
「全く・・・愚かですわね。シェルタービートルでガード。そして、アイアンカッタービートルでインターセプト」
「そんな・・・カズヤさんの攻撃が・・・防がれた・・・」
「くっ・・・ターン・・・エンドだ・・・!」
PW19000➡PW11000
PW21000➡PW11000+SH20000=31000
PW25000➡PW11000+SH15000=26000 カズヤの手札2枚 山札29枚 エリカのダメージ5枚(裏2枚)
「あなたには所詮それが限界ということですわ。私にはわかりきったことですわ。なにせ・・・あなたのような人間は簡単に戦術が読みやすいのですもの」
「ぐっ・・・俺の力量を・・・最初っから読んでやがったってのか・・・!」
「おほほほほ・・・さて、そろそろ狩りもフィナーレの時間がやってきましたわ。そしてこのファイトは私の勝利で収まることでしょう」
エリカは頬を朱に染めながらレンが見ているであろうVIPルームの窓を見つめる。
「そして私の勝利を・・・私の主・・・雀ヶ森レン様に捧げます!」
エリカはレンに対する深い忠誠心がわかるようなお辞儀をレンに行う。そのあとはエリカのターンを進める。
「ステルス・ミリピード、テイル・ジョーをコール!」
テイル・ジョー PW8000
「テイル・ジョーのスキル発動!あなたのヴァンガードとリアガードが全てレストしている状態ならば、パワープラス3000!」
「そうか・・・そういうこと・・・」
「ミサキさん?」
「最初のエリート怪人ギラファのスタンド封じ・・・あれは、メガコロニーの基本スキルを利用した、こういう戦い方と思わせるためのブラフ・・・あのデッキの真の能力は・・・」
「科学者モンキー・ルーのスキル発動!カウンターブラスト(2)!ターン終了で選んだグレートネイチャーのユニットが退却する代わりに、パワープラス4000ですわ!対象はシルバー・ウルフ!」
「リアガードの強化・・・つまりリアガード特化型のデッキ」
モンキー ギラファ テイル
R ステルス ウルフ
「モンキー・ルーでデスレックスにアタック!」
「くっ・・・ノーガードだ!ダメージチェック『怒竜スパークザウルス』」
「ダメージ・・・5・・・」
「獲物を観察し、罠を仕掛け、獲物を弱らせたところを確実に仕留める・・・これこそが私の・・・
「ぐっ・・・」
「ステルス・ミリピードのブースト、邪甲将軍ギラファでデスレックスにアタック!
ステルス・ミリピードのスキル発動!メガコロニーのヴァンガードである邪甲将軍ギラファにパワープラス4000!」
「が、ガード!『ブラックキャノン・タイガー(☆)』インターセプト!『砲撃竜キャノンギア』」
「ツインドライブ。ファーストチェック『シルバー・ウルフ』セカンドチェック『ジオグラフ・ジャイアント』」
邪甲将軍ギラファはもう1度不愉快な羽音を立てながらデスレックスに接近し、クワガタバサミのように両出の刃を振るったが、その2つの刃はキャノンギアとブラックキャノン・タイガーが意地でも通さないようにさせる。
「あなたがそう来るのでさえ、読めていましたわ。そして今、あなたの手札ではガードできない・・・そうでしょう?」
「ぐっ・・・」
「まぁ、と言っても、パワー23000のアタックを、手札1枚でどうにかできませんけどね。さあ、フィナーレですわ!シルバー・ウルフのブーストの下、テイル・ジョーでデスレックスにアタック!」
「ぐっ・・・ノー・・・ガード・・・」
テイル・ジョーは尻尾を伸ばし、デスレックスの首に巻き付け、尻尾の針をデスレックスの首に刺した。テイル・ジョーテイル・ジョーの毒でデスレックスは弱まっていく。
「ダメージ・・・チェック『ブラックキャノン・タイガー(☆)』くっ・・・負けた・・・」
弱まったデスレックスに追い打ちと言わんばかりに後ろに控えていたシルバー・ウルフが現れ、背中に装備している定規型の刃でデスレックスにとどめを刺した。デスレックスは力なく、静かに倒れていった。
PW10000➡PW10000
PW21000➡PW10000+SH15000=25000
PW23000➡PW10000
カズヤのダメージ6枚 エリカのダメージ5枚 勝者エリカ
「勝者!チームアクロバットリミテッター!九嬢エリカ!」
『おおおおおおおおお!!』
「九嬢エリカ、文句なしの完璧勝利!これでチームアクロバットリミテッターとチームQ4の試合は、大将戦に持ち越しだぁ!」
「メガコロニーとグレートネイチャーを組み合わせた戦い方・・・実に見事でした。もO素晴らしかったです!」
「そOですね!いやぁ、実に素晴らしい!」
観客はファイトの展開に大歓声を広げており、MCミヤもドクターOも興奮している。
「ま、あなたのような単細胞でなくとも、当然の結果でしたけどね。しかしいい見せしめにはなったはずですわ。あなたたちのような中途半端者では、私たちには勝てないと」
「ぐっ・・・」
「私の従者たちの手で完璧な勝利を。フーファイターに・・・レン様に栄光あれ!おーーほっほっほっほっほ!」
エリカは言いたいことを残した後に、高笑いをしながら控室へと戻っていった。エリカを出迎えたのは、服部とユリカだった。
「お見事でした、お嬢様。さすが、華麗なファイトでした」
「やめなさいやめなさい。あんな半端の戦果を加えたって、傷がつくだけですわ」
「しかし、お嬢様。今回のファイト、何やら荒々しくも思えたのです。まるで、苦戦していたかのように・・・。口ではああ仰っても本当は・・・」
ユリカはエリカをほめるが、服部は自分の素直な気持ちを伝える。エリカは服部の言葉を聞いて、鼻を鳴らす。
「ふんっ、バカバカしい。変なことを言ってないでさっさと行きなさい、服部」
「・・・承知いたしました、お嬢様」
これ以上エリカの機嫌を損なってはいけないと判断した服部はすぐにお辞儀をし、コンソールまで移動する。一方はカズヤは顔をうなだれながら控室に戻っていく。
「・・・悪い。託されたのに・・・負けた」
「気にしないの。ナイスファイト」
カズヤを出迎えたミサキがフォローを入れるが、カズヤの顔色は優れない。
「・・・すまん。ちっと1人にさせてくれ」
「ちょ、ちょっと!」
カズヤはミサキの制止も聞かず、そのまま控室から出ていった。ミサキはカズヤを追いかけようとしたが、シンがそれを止める。
「今はそっとしてあげるのが、1番ですよ」
「シンさん・・・」
シンの言葉を聞いて、カズヤは気がかりではあるが、素直に従うミサキ。
(カズヤさんが負けた・・・それも、実力の差を見せつけられて・・・。僕の次の相手は・・・あの人・・・)
アイチがそんなことを考えながら視線を移したのは、コンソールに移動している服部だった。服部からは並々ならぬオーラを纏っている。それをイメージしたアイチは少し体が震える。
(正直・・・怖い・・・でも、やるしかないんだ!カムイ君のためにも!)
それでもアイチは勇気を振り絞ってコンソールのは、前に進んでいく。絶対に負けられない勝負に挑むために。
☆
控室を出た廊下、カズヤは顔を俯かせながら考えている。
(あいつが言っていたことは的確だった・・・俺は・・・ユニットの特徴を知らなすぎる・・・戦術だって読まれやすかった・・・)
カズヤは悔しさのあまり、拳を強く握りしめる。
(中途半端って言われても仕方なかった・・・気合や根性だけでどうにかできるって思った俺が・・・甘かった・・・)
バアァン!!
カズヤは力強く拳を壁に叩きつけた。
「九嬢エリカ・・・絶対に借りは返してやる・・・」
カズヤはこの悔しさを胸にエリカに対するリベンジを燃やすのだった。
to be continued…
ミサキ「カズヤの奴、かなりへこんでたね」
アイチ「はい。今でも信じられません。カズヤさんが負けるなんて・・・」
ミサキ「けど、なんだかんだ言ってあいつ、結構図太いから、案外早く復帰できるかもって、思っちゃうね」
アイチ「ミサキさん・・・そうですね。そう信じましょう」
ミサキ「次の相手はあの執事みたいな人ね。アイチ、がんばって」
RIDE42「打ち破れ!幻影のロイヤルパラディン!!」
アイチ「そんな・・・どうして・・・ブラスター・ブレード!!」