カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者 作:先導
さて、今回で地区予選編は終了となります。最後に少しだけオリジナルを載せました。
それではどうぞ!
ついに始まったヴァンガードチャンピオンシップ、関東第3地区予選の最後の試合、大将戦。このファイトに勝つことができれば、全国大会に出場が決定される重要な試合。出場者はチーム男前から大文字ゴウキ、チームQ4から先導アイチ。アイチにとってリベンジともいえるファイト、戦況は互いに五分五分、アイチの成長ぶりにゴウキは警戒を高め、いよいよ本格的に攻めにかかってきた。
アイチの盤面
ギャラティン アルフレッド ゴードン
うぃんがる R マロン アイチの手札5枚 山札31枚 ダメージ3枚(裏3枚)
ゴウキの盤面
フランク イクシード ルイン
ゾンビ イービル R ゴウキの手札1枚 山札30枚 ダメージ3枚
「前衛にグレード3が2体・・・」
「パワーを大幅にアップしやがった・・・!」
「アイチ・・・この攻撃に耐えられるのかなぁ・・・?」
『・・・・・・』
「アイチ・・・」
「お義兄さん・・・」
チームQ4のメンバーも、カードキャピタル側も、神妙な顔立ちをしつつも、このファイトを・・・アイチのファイトを見守っている。
RIDE30「舞い降りた聖竜」
アイチは盤面に出てきたグレード3、2体を見て、戦慄が走る。
(グレード3が2体・・・少し前までの僕だったら・・・逃げ出したくなってたかも・・・。でも、今は怯んだりするもんか・・・!)
それでもアイチは勇気を出してにゴウキに挑む。
フランク イクシード ルイン
ゾンビ イービル R
「行くぞ!ルイン・シェイドでアルフレッドを攻撃!
スキル発動でパワーもアップ!」
ドロップゾーンに送られたカード 『大幹部ブルーブラッド』『イービル・シェイド』
「来た!山札の上から2枚ドロップ!」
「パワープラス2000だ!」
「てことは・・・パワーが11000だから攻撃がヒットしちまう!」
「薔薇の騎士モルガーナでガードします!」
「へっ、スピリットイクシードをイービル・シェイドでブースト、そして、アルフレッドをアタック!
イービル・シェイドのスキル発動!山札の上から2枚ドロップし、イクシードのパワープラス4000!」
ドロップゾーンに送られたカード 『サムライスピリット』『ナイトスピリット(☆)』
「くっ・・・ノーガードします!」
「ツインドライブファーストチェック『突風のジン』セカンドチェック『伊達男ロマリオ』」
スピリットイクシードは剣と刀を構え、アルフレッドに向かって二刀両断の斬撃を放つ。斬撃を喰らい、アルフレッド(アイチ)は苦痛を浮かべ、聖馬は後ずさる。
「ダメージトリガーチェック『沈黙の騎士ギャラティン』」
「ううぅ・・・ダメージ4枚目・・・!」
「ちっ・・・逆転されちまったな・・・!」
「案内するゾンビにブーストされたモンスター・フランクでアルフレッドをアタック!」
「ここはエレインでガードです!」
「ターンエンドだ」
PW11000➡PW10000+SH5000=15000
PW20000➡PW10000
PW15000➡PW10000+SH10000=20000 ゴウキの手札3枚 山札24枚 アイチのダメージ4枚(裏3枚)
「ふぅ・・・なんとか1ダメージ受けただけで抑えたぞ・・・よし・・・今度は・・・僕の番だ!みんな、行くよ!!」
『『『おう!』』』
『バウ!』
アルフレッド(アイチ)の掛け声と共にロイヤルパラディンが答える。
「スタンド&ドロー!孤高の騎士ガンスロッドをコール!」
孤高の騎士ガンスロッド PW9000
「リアガードを全て埋めたか・・・最大勢力で来るな・・・」
ギャラティン アルフレッド ゴードン
うぃんがる ガンスロッド マロン
「うぃんがるのブーストでギャラティンをパワーアップ!スピリットイクシードにアタック!」
「伊達男ロマリオで防御だ!」
ロマリオによって、防がれるが、勢いは止まらず、ギャラティンは大声を上げ、そのままスピリットイクシードに剣を振るう。
「もう1発、ルイン・シェイドでインターセプトだ!」
「アルフレッドでスピリットイクシードにアタック!アルフレッド、アルティメット・パワーアップ!!」
アルフレッドのスキルによって、ロイヤルパラディンのリアガードが5体の力を借り、パワープラス10000し、フルパワーとなった。
「お義兄さん、すごいなぁ・・・古着がみなぎってるっていうか・・・」
「それを言うならやる気がみなぎってる、な」
ここでもカムイの言葉違いにカズヤが訂正する。
「あいつ・・・今までと何か違う・・・」
「そうですね・・・ファイトに対し、気持ちがものすごく前向きになってる。見ていて、それが伝わってきます」
アイチのファイトを見て、シンは笑みを浮かべてそう感想を述べる。
「ノーガードだ!」
「ツインドライブ1枚目『小さな賢者マロン』2枚目『孤高の騎士ガンスロッド』グレートソード・アターック!!」
アルフレッド(アイチ)は聖剣を振るい、光の衝撃波をスピリットイクシードに放つ。スピリットイクシードはその勢いに後ずさる。
「くっ・・・ダメージチェック『突風のジン』」
「マロンのブーストで、ゴードンをパワーアップ!もう1度スピリットイクシードにアタック!」
「ノーガードだ!ダメージチェックだ『キャプテン・ナイトミスト』」
「ターン終了です」
PW16000➡PW10000+SH10000=20000
PW20000➡PW10000
PW16000➡PW10000 アイチの手札5枚 山札27枚 ゴウキのダメージ5枚
「せ・・・船長が5ダメージ⁉」
「あっちはまだ4ダメージジャパーン!」
「あいつ・・・お兄ちゃんを圧してる・・・⁉」
チーム男前のメンバーはゴウキがアイチに追い詰められている姿を見て信じられない表情をしている。前にゴウキがショップに来たアイチを打ち倒した後ならなおさらのことだ。
「大丈夫ですよ・・・ゴウキさんにはまだ、あの切り札が残っている!そして、それももう間もなくやってくる・・・」
こんな状況でもゴウキが勝つと信じているスバルは臆せずに、ファイトを見守る。
(よし!あと1ダメージまで追い詰めたぞ!)
優勢に立ったアイチは自然と笑みを浮かべ、拳を握ると・・・
「・・・ふっ、ふはははははは!!」
アイチを称賛してか、ゴウキは豪快に笑っている。
「お前、いいファイターになったな。俺に5ダメージも与えるとは大したもんだ。褒美に見せてやろう・・・深淵海賊団、グランブルーの、恐ろしさをなあ!!」
ゴウキは自分の手札の中にずっと温存していたカードを公開し、その切り札が姿を現す。
「あれは!竜魂乱舞のカード!!」
「7つの海に君臨せよ・・・暴虐の王!!ライド!魔の海域の王バスカーク!!」
魔の海域の王バスカーク PW10000
「バスカーク・・・ソウルチャージ『お化けのりっく(治)』
バスカークはソウルチャージすることで、パワーを2000アップすることができる。
案内するゾンビもスキル発動。こいつをソウルに置けば、山札の上から3枚をドロップゾーンへ置ける!」
ドロップゾーンに送られたカード 『スケルトンの見張り番(醒)』『サムライスピリット』『ルイン・シェイド』
「ソウルに置いたってことは・・・」
「もしかして・・・!」
「ああ!こいつは・・・!」
「気が付いたか?来るぞ・・・大技が・・・」
「カウンターブラストとソウルブラストを大量に使った大技・・・」
「メガブラスト・・・」
これから発動するバスカークの切り札に息をのむカードキャピタル陣営。
「これでソウルが8・・・見るがいい!バスカークの魔の力を!!カウンターブラスト(5)!!そして、8枚をソウルブラスト!!」
ソウルブラスト『荒海のバンシー(☆)』『伊達男ロマリオ』『キャプテン・ナイトミスト』『ナイトスピリット(☆)』『サムライスピリット』『スピリットイクシード』『お化けのりっく(治)』『案内するゾンビ』
「海底に眠る猛者共よ!海の魔王の名の元に復活せよ!!大幹部ブルーブラッド2体と、伊達男ロマリオ2体をリアガードサークルへ。モンスター・フランクは退却だ」
大幹部ブルーブラッド PW10000
「なっ・・・ドロップゾーンから・・・一斉に4体も・・・⁉」
「このスキルで5体まで復活可能だが・・・今はこれで十分」
「これぞ深淵海賊団の奥義!演武活殺自在!!」
「その恐ろしさに、震えろジャパーン!!」
「やっぱりゴウキさんはすごい・・・ゴウキさんこそ、真の男前なんだ!!」
バスカークのスキルによって場を整えさせ、勢いに乗るヒロシとカオル。スバルはゴウキは尊敬の眼差しで期待が高まっている。
「すごいですね・・・どちらも引かない、叩き合い、殴り合い・・・」
「この勝負、先にスタミナが切れたほうが負ける・・・」
カムイがこのファイトの分析をしていると、カムイの指に再び赤い糸が絡み合った。当然ながら、ナギサの仕業だ。
「決まりだね♪」
「いいぃ・・・お義兄さーーーーん!!!がんばってくださーーーーい!!!!」
「おいおい・・・」
カムイのあまりの絶叫ぶりにカズヤはもう笑うしかなかった。
「何としても守り切らなきゃ!!」
ブルーブラッド バスカーク ブルーブラッド
ロマリオ イービル ロマリオ
「行くぞ!左のロマリオにブーストされたブルーブラッドでアルフレッドをアタック!」
「未来の騎士リューでアルファベットをガード!」
「バスカークをイービル・シェイドでブースト、アルファベットをアタック!
イービル・シェイドのスキル発動だ!山札から2枚ドロップし、パワープラス4000!」
ドロップゾーンに送られたカード 『ナイトスピリット(☆)』『お化けのちゃっぴー』
「閃光の盾イゾルデでガード!」
「何っ⁉」
「イゾルデのスキル発動!手札のロイヤルパラディンを捨てることで、イゾルデは攻撃を無効にできる!」
コスト『孤高の騎士ガンスロッド』
バスカークはアルフレッド(アイチ)に向かって、素早い動きで魔の魔力が籠った鞭を振るった。だが、アルフレッド(アイチ)を守ろうと現れたイゾルデの籠手が展開したシールドによってそれは凌がれる。
「くうぅ・・・ツインドライブ・・・ファーストチェック『魔の海域の王バスカーク』セカンドチェック『荒海のバンシー(☆)』クリティカルトリガー!なら、右の大幹部ブルーブラッド!貴様にパワープラス5000と、クリティカルプラス1を与える!このブルーブラッドをロマリオでブースト、アルフレッドをアタック!」
「マロンでガード!」
「その程度で今のブルーブラッドは止められん!!」
「真理の騎士ゴードンでインターセプト!」
「なっ・・・!」
「ゴードンはインターセプトした時、ヴァンガードサークルにロイヤルパラディンがいれば、シールドはプラス5000!」
「くっ・・・ターンエンド」
PW18000➡PW10000+SH10000=20000
PW22000➡PW10000(完全ガード)
PW23000➡PW10000+SH15000=25000 ゴウキの手札4枚 山札16枚 アイチのダメージ4枚(裏3枚)
「ば・・・バカな⁉あの攻撃で、1ダメージも与えられないなんて・・・!」
「じゃ・・・ジャパーン⁉」
「でも・・・大丈夫・・・こっちは防御手段が増えただけじゃなく、あっちは手札を多めに使った・・・有利なのはまだ変わらない!」
バスカークの攻撃を凌ぎ切ったことにヒロシとカオルは動揺を隠せていないが、スバルはまだゴウキを信じている。
「アイチ、やるなぁ・・・」
「なぁ、もしかしてあれ、アイチの双子の兄とか弟とか?」
「うちはアイチと私だけだよ・・・」
「ああ、そう?」
「めっちゃ失礼だね、森川」
井崎は凌ぎ切ったアイチを称賛、森川はアイチに双子がいないかエミに尋ねる。エミは苦笑いを浮かべながらそう答え、メグミは森川をジト目で見つめる。
☆
ウルトラレアの控室で、3人はこのファイトの行方をパッドで観戦している。それは当然、さっきの攻防も見ていたことになる。
「この子、もしかしてこの試合勝っちゃう?」
「ええ。相手はもう5ダメージだしね」
「まだわからないわよ。一見、この子の方が有利だけど、海賊の方も、まだ勝ち目はある」
アイチが勝つのではないかと思うレッカとスイコだが、コーリンは現実的な答えを出す。
☆
アイチとゴウキのファイト・・・
(今の攻撃で奴に相当手札を使わせた・・・もう1度俺のターンが来れば、奴に防御の術はない・・・その時こそ奴を叩ける!そのためにも次のターン・・・何としても凌ぎ切る!!)
ゴウキのターンが終わり、次はアイチのターンだ。
(多分、ゴウキさんを倒せるチャンスはこのターンが最後・・・残りは1ダメージ・・・次で決めて見せる!ロイヤルパラディンの仲間・・・チームQ4の仲間・・・その仲間の、期待を裏切るわけにはいかない・・・)
アイチがこのターンで決めようと決断した時・・・
ギュイィィン・・・
(!この、感覚は・・・⁉)
突如してアイチに謎の感覚が閃き始めた。
「「!」」
アイチのその様子にチームQ4の仲間たちも何か感づいている。
「どうしたんだ?お義兄さん?」
「なんか勝算でも思いついたのか?」
「あいつ・・・今・・・」
「まさか・・・」
アイチが自分のデッキを見ると、山札に何かの輝かしいオーラが放っている。
(カードから、声がしたみたいだ・・・"ここで私を使え"って・・・)
アイチは自身が感じた感覚に従い、山札を引く。それを見たアイチは目を見開く。
(!このカードを使うのに、絶好の状況じゃないか!よし・・・!)
アイチはこのターンで決める秘策を閃き、引いたカードを場に登場させる。
「騎士たちの神よ!出でて神秘の力を振るえ!ライド!ソウルセイバー・ドラゴン!!」
ソウルセイバー・ドラゴン PW10000
「!!ソウルセイバー・ドラゴン⁉お義兄さん、何で・・・⁉」
「カムイ?」
「どうかしたの?」
ソウルセイバー・ドラゴンの登場にカムイは驚きを隠せなかった。その様子を見て、カズヤとミサキが尋ねる。
「俺、あれをデッキに入れるの、止めたんだ・・・!」
「そういや・・・車でそんなこと話してたな、お前ら」
カムイの言葉を聞いて、カズヤは思い出したように会話の内容を思い出す。
☆
あのソウルセイバー・ドラゴンは竜魂乱舞に入っていたものなのだが・・・
「ああそれ、すごく強いカードだけど、やめといたほうがいいですよ。いきなり使いこなすには、条件が厳しくて・・・」
そういう理由もあってソウルセイバー・ドラゴンの採用を断ったカムイだったのだが・・・
☆
(カムイ君には止められたけど・・・でも・・・あの時もやっぱり・・・)
アイチが感じたあの感覚は、この地区大会会場に到着した時も感じていたのだ。アイチはそれに従い、ソウルセイバー・ドラゴンをデッキに入れたのだった。
(あの感覚を信じたから・・・この必勝のチャンスがやってきたのか・・・?とにかく今は、このチャンスを活かす!!)
アイチは感覚を信じ、自分のメインフェイズに入る。
「ソウルセイバー・ドラゴン、5枚をソウルブラスト!!」
ソウルブラスト『ばーくがる』『未来の騎士リュー(☆)』『ふろうがる(醒)』『小さな賢者マロン』『ブラスター・ブレード』
「ソウルセイバー・ドラゴンのスキル発動!ギャラティンにパワープラス5000、マロンにパワープラス5000、そして、うぃんがるにパワープラス5000!」
「仲間たちが5000もパワーアップだと⁉」
「これがソウルセイバー・ドラゴンのホーリー・チャージング・ロア!!マロンは前へ!ガンスロッドは退却!もう1体マロンをコール!」
ギャラティン ソウルセイバー マロン
うぃんがる マロン R
「うぃんがるがブーストしたギャラティンでヴァンガードをアタック!」
「ナイトスピリットで防御!さらに、ブルーブラッド2体でインターセプト!
(くっ・・・敵のパワーが上がったのに、余計にカードを使わされる・・・!)」
「マロンのブーストで、ソウルセイバー・ドラゴンをパワーアップ!バスカークにアタック!
そして、ソウルセイバー・ドラゴンのスキル発動!ソウルセイバー・ドラゴンはヴァンガードをアタックする時、パワーを3000プラスできる!」
「くっ・・・突風のジンで防御!
手札のグランブルー1枚と引き換えに、攻撃を無効にする!お前のイゾルデと同じスキルだ」
コスト『魔の海域の王バスカーク』
ソウルセイバー・ドラゴンは光のエネルギーを収束させ、その光をバスカークめがけて放つ。だがそこにジンが現れ、彼が吐く突風でそれを薙ぎ払われる。
「ツインドライブファーストチェック『ギガンテック・チャージャー』」
(ここでトリガーさえ出なけりゃ・・・そのファイト・・・乗り切れる!)
アイチの2枚目のドライブチェック。果たして・・・
「セカンドチェック『ふろうがる(醒)』」
「なっ・・・!」
「スタンドトリガー発動!ギャラティン、もう1度立ち上がって!そして、パワープラス5000!」
「パワー・・・20000だと・・・⁉」
「さすがです!ソウルセイバー・ドラゴンを防ぐなんて!」
「どんな敵が来ようとも、海賊は決して諦めない!」
「マロンでバスカークをアタック!」
「荒海のバンシーで防御!」
「ああー!惜しい!!」
「もうちょい!!」
「でもここで後押しできれば!」
マロンの攻撃を凌ぎ、残るはギャラティンの攻撃だけだ。
「さすが船長!攻撃を防いだジャパーン!」
「だが、見ろ・・・奴はもう1度攻撃できる・・・」
「でも、ゴウキさんは・・・防御の手札を使い切り、ブルーブラッドもいない・・・もう・・・何もできない・・・」
スバルの心には、自分が負ける時よりも、ゴウキの今の瞬間が悔しく感じている。
「ゴウキさん・・・行きます!!」
「くっ・・・成す術なしか・・・!」
成す術がなくなったゴウキは漢らしい決断をする。
「こうなりゃ逃げも隠れもしねぇ・・・それが海賊!!!ノーガードだあ!!!」
「ギャラティン、魔の海域の王バスカークに、誇りある敗北を!アタック!!」
ギャラティンはバスカークに接近し、斬撃を放った。
「ダメージチェックだ」
ゴウキはヒールトリガーにかけて、ダメージチェックを行う。そして結果は・・・
「・・・ふ、ここまでか『魔の海域の王バスカーク』」
トリガーなし、これで6ダメージ。イメージで抵抗をしなかったバスカークは光の粒子となり、クレイの海の底へと消えていった。
PW26000➡PW10000+SH20000=30000
PW21000➡PW10000(完全ガード)
PW13000➡PW10000+SH10000=20000
PW20000➡PW10000
アイチのダメージ4枚 ゴウキのダメージ6枚 勝者アイチ
「やったぁ!」
「アイチ・・・!」
アイチが勝ったことにより、カードキャピタル陣営は喜びに満ちている。
「終了です」
「勝者、先導アイチ!これにより、ヴァンガードチャンピオンシップ、関東第3地区優勝は・・・チームQ4!!」
『おおおおおお!!』
白熱したファイト、およびチームQ4が優勝したことによって、観客は大興奮の声が上がる。アイチは櫂とリンに顔を向ける。
(櫂君、リンちゃん・・・僕、やったよ。櫂君たちのおかげで・・・チームQ4のみんな・・・そして、ロイヤルパラディンのみんなのおかげで・・・僕は勝ったんだ・・・)
アイチは自分を支えてくれた仲間たちに、感謝もすれば、誇りも抱いている。
「アイチお義兄さん!!すごいですお義兄さん!ゴウキに勝つなんて!優勝です!やったーーー!!」
カムイはアイチに駆け寄り、喜びをアイチと共にわかちあっている。
「全国大会出場です!まさかアイチ君がここまでやってくれるなんて・・・」
「やっぱ、俺の目に狂いはなかったな。アイチならやってくれるってよ」
全国大会出場が決まり、カズヤも心の底からうれしさがあり、シンは笑みを浮かべている。
「やるじゃん。ね」
「「・・・・・・」」
ミサキはアイチに賞賛を送っているが、櫂とリンはただアイチをじっと見つめている。気にしているのは、アイチが感じ取った感覚・・・あれが少し妙に引っかかっているのだ。
「・・・まさか、ね・・・」
「・・・ふん、くだらん・・・」
だがそれも気のせいと思い込ませる。櫂の放った言葉を聞いていたのかカムイは櫂に突っかかる。
「あ!くだらんって言ったか今!」
「カムイ君、今のは違うと・・・」
「やいてめぇ!お義兄さんが勝ったってのに何がくだらないんだ!」
「まぁまぁ、落ち着けカムイ」
カムイが櫂に突っかかるところをカズヤがそれを止め、落ち着かせる。
(・・・あの時感じた不思議な感覚・・・あれは・・・いったい・・・)
自分に流れ出てきた謎の感覚は何だったのかと思い始めるアイチ。
「「船長・・・」」
ヒロシとカオルは敗北したゴウキを心配して、近づこうとする。
「近づくんじゃねぇ!」
「「!」」
「このくらいで倒れるようじゃ・・・海賊とはいえねぇんだよ!よく見ろ!これが海賊の根性だ!!」
ゴウキは落ち込むどころか、根気良い姿勢を見せ、やる気を満ち溢れさせ、堂々とした態度をとる。その姿はまさに漢の中の漢。
「さすが俺らの船長だ!俺・・・一生ついていくぜ!!」
「俺も一緒・・・ジャパーンだぜ!!」
ゴウキの態度にヒロシとカオルは感動している。
「ゴウキさん・・・負けちゃったけど・・・すごく・・・すっごくかっこよかったです!僕、ゴウキさんのような漢になりたいです!!僕も・・・ゴウキさんに一生ついていきます!!これからも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!!」
「ああ!お前を真の男前にするっていう、漢と漢の約束もあるしな!」
スバルはゴウキを尊敬の眼差しで堂々とそう宣言し、ゴウキは笑いながらそんなスバルの肩を組む。
「ゴウキさん、ありがとうございました!素晴らしいファイトができました!」
アイチはいいファイトをしてくれたゴウキに礼を述べる。
「お前を見くびってたぜ。さすがカムイが義兄さんと認めるだけはある。だがな、全国大会はこんなレベルじゃねぇ。もっと修業し、強くなれ。いいな」
「はい!」
ゴウキなりのエールにアイチは元気よく頷く。
「ゴウキ・・・」
「カムイちゃん」
「いい⁉」
カムイの前に何か言いたげな様子のナギサがいた。
「な・・・ナギサ・・・」
「チームQ4が勝ったから、お婿さんにするのは諦めるわ」
「!わ、わかってくれたか!」
ナギサの言葉にこれでようやく自由になれたと感じるカムイだったが・・・
「その代わり・・・私がお嫁さんにいってあげる!!」
「だあああああああ⁉」
結局何も変わっていない、むしろ振出の状況に戻ってしまっている。
「おめでとう、ナギサちゃん!」
「カムイさん年貢の納め時ですね・・・」
「NOっす・・・」
やっぱり勘違いしているエミとカムイに同乗の涙を流すエイジとレイジ。
「待て、妹よ!」
「お兄ちゃん⁉」
「カムイはこれから全国大会・・・結婚などとは言ってられまい」
「ゴウキ・・・」
ゴウキが助け舟を出してくれたのかと思いきや・・・
「式は大会が終わってからだ!」
「へ⁉」
やはりゴウキは妹の味方、カムイの助けはしてくれなかった。
「うんわかったお兄ちゃん!」
「いやあああああああああああ!!!!」
カムイのむなしい叫びが会場中に広がった。
☆
全ての試合が終わり、表彰式、優勝したチームQ4のメンバーは壇上に上がり、ウルトラレアの3人からメダルを授与される。
「おめでとう!」
「ありがとう」
「どうも」
レッカはミサキとリンにメダルを渡す。
「全国大会もがんばってね」
「は・・・はい!」
コーリンはカムイにメダルを渡す。
「俺のコーリンちゃんとあんな近くに・・・!カムイのくせに・・・!」
「「あはは・・・」」
相変わらずの森川に井崎とメグミは笑うしかなかった。
「HKっすーーーー!!」
「えっと・・・離れろ、クソガキ・・・の略称でよかったかな?」
「「OK!」」
森川の発言の答えを述べるシズク。エイジとレイジいわく、正解のようだ。
「ご活躍、期待してます」
「・・・・・・」
「けっ!」
スイコは櫂とカズヤにメダルを渡す。が、カズヤはどうにも気に入らなさそうな表情をしている。
「あなたも」
「は、はい」
さらにアイチにもメダルを授与するアイチ。緊張しているのか頬を赤らめている。
「・・・今度、またショップにいらっしゃい」
「え・・・?」
スイコがアイチに耳元でそう囁き、アイチはきょとんとなる。
「それでは、全国大会出場の決まったチームQ4に、皆さん、盛大の拍手を!!」
パチパチパチパチパチ!
チームQ4が全国大会出場が決まり、会場中は盛大の拍手に包まれている。
「お義兄さん、ありがとう!」
「え?」
「お義兄さんのおかげで俺たち、全国大会に行ける!今から燃えるぜ!!どんな強い奴らが来ても、次は絶対勝ってやる!!」
「そのあと結婚だよー!」
「うるせえ!!!」
何はともあれ、全国大会に向けて、カムイはかなりやる気に満ち溢れている。
(日本中から、ものすごいファイターが来る・・・それが、全国大会・・・でも、僕はもう逃げたりしない!この仲間たちと・・・そして、ここにいるチームQ4のみんなと一緒に・・・僕は、全力で頑張ってみせる!)
こうしてチームQ4が優勝を収め、全国大会に出場と同時に、ヴァンガードチャンピオンシップ、関東第3地区予選は幕を閉じたのであった。
☆
関東第3地区予選会場の駐車場、1人の金髪の女性は表彰式は見に行かず、そのまま自分が乗る車の元に向かう。彼女が乗る車・・・というよりリムジンの前に執事服を着た男性とメイド服を着た女性が待っていた。
「お待ちしておりました、お嬢様」
「本日の休日は、いかがでしたでしょうか」
執事の男がリムジンのドアを開き、女性を車に誘導させる。女性が車に乗ったと同時に執事の男とメイドの女性も車に乗る。
「服部、すぐに本部へ行きなさい。"レン様"に報告しなければいけないことがありますの」
「かしこまりました、お嬢様」
女性の指示に従い、執事の男はリムジンを発車させる。
「・・・見つけましたわよ・・・我らが頭首の裏切り者・・・日下部リン・・・」
女性は憎々し気な表情をしながら、関東第3地区予選会場を睨みつけたのであった。
to be continued…
カムイ「地区大会優勝!お義兄さん、すごいです!快挙です!」
アイチ「うん!みんなで頑張ってきたかいがあったね!」
カムイ「ヴァンガードを始めて間もないお義兄さんが、ゴウキに勝つなんて、正直大番狂わせですよ!よし!俺もさらなる高みを目指す!お義兄さんが言ってた
アイチ「う、うん・・・森川君が見つけられなかったらしいけど・・・」
RIDE31「運命の出会い」
アイチ「何⁉あの人のイメージが僕の頭の中に⁉」