ナイレンに導かれた先は帝都ザーフィアス、外側からも分かるように此処も結界が張られている、帝都と言うだけあって設備も軍備もそれなりに搭載されている
ヒリス「ヘルメス!僕こんなに大きい町初めて見た!」
ヒリスが子供のように目を輝かせて…子供だった、失礼した…えっと、ヘルメスはそんなヒリスに呆れもせずに頭を撫でていた、目をつむって笑っているヒリスはまだそこらにいる子供たちともあまり代わり映えはなかった
ヘルメス「全くだな、俺も長く生きてきたがこんな町は初めてだ…だが此処でも下の民、上の貴族……変わっちゃいない…だが下の民には貴族とは違う素晴らしい笑顔がある、ヒリスに勝るかと言われれば無理があるが…」
ユーリ「お前ら本当に仲良しだな、まるで昔にもあった旧友見てぇだ」
ユーリはおちょくったように言ったがヒリスは今一ピーンと来なかったらしく、首を傾げていた
そんな様子は町の人たちの目を引き付けた、しかし誰であろうとそうであろう!何しろ見たこともない二人がこの街に来ているのだ、どんな人物か気になるだろうし、警戒もするだろう…これが普通なのだが……
町の人「おや、新しく此処に来たのかい?騎士団のナイレンさんが連れてきたんだ、歓迎するよ」
ヘルメスは逆に焦った、普通ならどんなやつなのか調べるだろ!?と思ったようだ、だがそれが普通である、此処の人たちは何処か軽いところがある…ヒリスにとってはあまり変化が見られない、子供だからだろうとは思ってはいるが…どうもヒリスはまだ秘めた力があるように感じたのは今である、つまり確証はないが未来には何か大きな事をすると言うことは想像がついた
ヒリス「ヘルメス、自己紹介だよ」グイグイッ
ヘルメス「わ、分かってるって…えっと、俺はヘルメス·アドランティアだ」
ヒリス「ヒリス·ノーウェンです」
だが…心地が良い、こんなに良い気持ちだったことは子供の頃しかない、俺の家族は楽しく上の世界で暮らしているのだろうか?俺は上の世界だけは行けなかった…しかし、行けたなら…不謹慎かもしれないがヒリスも付いてきて欲しい、弟とも相性が良さそうだからだ、多分ヒリスも弟も笑ってくれる…
ヒリス「ヘルメス、どうしたの?」
気が付くとヒリスが俺の前で跳び跳ねていた、何となく抱いてやるとヒリスが無邪気に笑った、本当にそっくりだ…死んだ弟と瓜二つの性格だ……馴染む
ユーリ「お前ら、本当に会ったばかりか…?」
フレン「こんなに仲良くなれるのは何か同じだと言うことなんだけど…二人に似ているところは……」
ユーリ「うーん…ねぇな」
ナイレン「そろそろ解散するか、次の仕事が入るまで何かトラブル起こすんじゃねえぞ?特にそこのユーリとフレン、喧嘩して物を壊すのだけは止めてくれよ?損害は一応お前らの給料から引くことになっているがな」
ナイレンはそう言うと笑った、げらげら笑っている…気さくな男だ
フレン「ヒリス、ヘルメスとりあえず町を案内するよ」
ヘルメス「助かる」
ヒリス「ヘルメス、もっと優しく優しく!」
ヘルメス「よ、余計なお節介だ!」
似ている、凄く似ている…ヤバイな、俺の弟に見えてきたぞ……やっぱり可愛いじゃねえか…
まずい!ヘルメスが俺と同じショタコンに目覚めそうだ!これは飛ばさなければ色々と飛ばさなければ!?
カット!
ヘルメス「ハッ、俺は何を……」
メカ龍「いやー、ヘルメスが男なのにショタコンに目覚めたのかと思ってつい…」
ヘルメス「ついじゃねえよ!?何でお前が居るんだ!?金ぴかの奴から聞いたが今回ネタ会か!?そうなのか!?」
メカ龍「お、落ち着けって!それに俺はあいつよりかはましだろ「まあ、それは否定できないな…」とりあえず此処の精神世界から戻すからちゃんとやってくれよ」
ヘルメス「此処精神世界かよ!?」
メカ龍「はいはい、それじゃあな……」
ヘルメス「おい!?まだ話は―――――!?」
すると俺の目の前が光で包まれた
おかしいな、さっきの記憶がない?でも何か話してたような…
ヘルメス「うーん…何か変な物を見ていた気がする」
ヒリス「お兄ちゃん!」
いきなり俺はヒリスにお兄ちゃんと言われ驚いた、何?俺が驚いても当たり前な反応で飽きる?ぶち殺…んん、すまない…ある奴から作者が出るとろくでもないことが起こると言われ我ら小説組は疲れる…(メ、メメタァ…)
ヘルメス「ヒリス、どうした?」
ヒリス「此処が僕たちの部屋だって!」
ヘルメス「…太っ腹だな……こんなに良いところをくれるなんてな…」
俺は少し不安に思った、こんなに良くして貰ってよいのだろうか…何だか悪い気がしてきたのだがヒリスがいきなり俺をベッドに押し倒したので…は?待て待て?どうしてそうなった?ヒリスは凄い笑顔だが今俺は動揺している…何故だ!?何故俺は押し倒された!?
ヒリス「お兄ちゃん、昔こういうことしてくれたよね」
ヘルメス「は?な、何だ?どういうことだ…よく分からん、俺はヒリスには何も…」
ヒリス?「だからさぁー、お兄ちゃん?僕はヒリスなんて名前じゃないでしょ?覚えてる?僕の名前?」
ヘルメス「ヒリスじゃない?なら誰だ…!」
?「あ~あ、お兄ちゃんは弟の僕を忘れるんだぁー…ちょっと悲しいな……」
ヘルメス「ユリウス…?「もー、覚えてるなら覚えてるで最初から言ってよね?」ユリウス、ユリウス!!」
ヒリス?「どうしたの?ヘルメス」
ヘルメス「っ!?」
俺は今混乱している…先程俺の弟が居た……だが今俺の目の前に居るのは紛れもなくヒリス…意味が分からない…
ヒリス「ヘルメスったらいきなり倒れるんだもん、本当に吃驚したよ…でも何も無いってことが分かったから安心したよ」
さっきのは夢だったのか…?やけに生々しかったが……そうであってほしい…俺の弟はあんな奴じゃ……
ユーリ「やっと起きたか?「ユーリ、すまない…」大丈夫だ、それに一々そんなこと言わなくていい、当たり前のことなんだからな」
?「ユーリ、この人たちが新しい住居人?」
ユーリ「そうだけど…?」
ヒリス「あの、凄くじっと見られてるんですけど…「さぁ、兄弟なのかとかそんなことを考えてるんだと思うぜ」兄弟……僕はどっちも…」
ヘルメス「ヒリス、駄目だ、思い出そうとするな!もう過去のことは忘れるんだ、今は昔の自分と違うんだってことを覚えていろよ」ナデナデ
ヒリス「…うん!」
?「兄弟か何か?「そうじゃないんだ、こいつらはただ仲が良いんだ」以外、こんなに仲が良いから兄弟か何かと勘違いしちゃったよ」
凄くあからさまなんだが…気のせいか?
?「気にしては負けである!」
ん?何か居た?気のせいかな…全く弟の夢を見てから何だかおかしいな
フレン「おや、気づいたのかい?「フレンか、何故か凄く久しぶりにあった気がする」何だか前よりも丸くなったんじゃないか?」
ヘルメス「俺が丸くなったか…ヒリスどう思う?「丸いって何?」そっか…お前は知らないのか…それじゃ言ってみたら性格が優しくなったってこと」
ヒリス「僕は今のヘルメスは何時ものヘルメス何だけどなぁ…」
……ヒリスだけは何時ものヒリスだ…何も変わらない…
ヒスカ「そういえば私まだ名乗ってなかったね、私はヒスカ·アイヒープ」
ヘルメス「ヒスカ…ヒスカか「どうしたの?何か神妙な顔つきになってるけど?」いや、何でもない」
ヘルメスはあまり女性は得意ではない、つまりあまり好きではない…いや、ホモでもないから、中間の存在ぐらい?
ヒスカ「でも、本当に何で気絶しちゃったんだろ…「俺も分からない…俺には何か変なものでも憑かれてるんじゃないかとか思い始めた…」ゆ、ゆ、幽霊なんているわけな、ないでしょ!?」
ヒリス「幽霊って何?」
全員「……………え?」
ヒリス「だから幽霊って何?」
最初の質問をはぐらかされたように感じたのかヒリスは頬を膨らませて喋った、中々器用なやつだ…
ヘルメス「幽霊っていったら…何だ、死んだ人間の魂だよ」
ヒリス「こんな感じ?」
何故だろう、ヒリスが少し浮いているような…はい?
ユーリ「待て待て!?どうしてそうなった!?」
ヘルメス「お前は何か特殊能力でもついていたのか!?」
フレン「ヒ、ヒリス君浮いてるよ…?」
?「あぁ!?また戻ったら駄目だって!?」
ヒリス「ゼウスさん!」
ヘルメス「は?はぁ!?ゼウスだ!?」
正にこの場はカオスと言っても過言ではない…作者が現れただけで世界観がこんなに崩れるのもおかしな話である
ゼウス「ヒリス、人間に戻りたいって願って「うん……うわわ!?」よっと、全くヘルメス君、余計なこと教えたら真似しようとしちゃうからあんまりオカルトの話は駄目よ?」
ヘルメス「は、はぁ…それよりヒリスはどんな能力を…」
ゼウス「……死なないようになる不老不死、あらゆる物を断ち切る能力、そして魂を奪う能力…最後の能力だけは元から持っていた能力よ」
するとその場の空気が冷たくなったような気がした
ヒスカ「何それ…」
全員「狡くない(チートじゃん)!?」
ゼウス「しょ、しょうがないじゃない…除けれないものは除けれないんだから…「そういうことじゃなくて三つの能力がチート何だよ!?どうしてだ!?」えっと、楽しんでもらいたかったからかしらね……ヒリスは前世の時…ずっと苦しんでたから…」
ユーリ「まるで母親が子供を心配してる見てぇだな…」
ゼウス「い、いけない?」
ヒリス「僕は嬉しいよ、初めての友達に出会わせてくれた、大切なお姉さんだから!」
ヒスカ「…………(か、可愛い)」
ゼウス「………(あぁ、こんな子が本当に子供だったらよかったのに…)」
ヘルメス「今回は此処までです…っと、確かに伝えた…うん?このメモの下に何か書いてある……」
龍神『我等ショタコン同士だ!仲良くしようじゃないか!』
ヘルメス「………うむ、殺す!」
ぎぃあああっ!!?