ログ・ホライズン 〜見敵決殺の冒険者〜(改稿中)   作:業炎

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皆さん、バレンタインイベント楽しんでますかー?

私はガチャでタマモキャットとアストルフォ当てたのでちょっと満足してます。




番外編 カルデア生活 その3

長かった冠位探索の旅路、長く辛く苦しい戦いの日々。時々イベントもあったけれど、殺意や敵意を向けられる日々。何度も死を覚悟したりしたけれど、マシュとカナメのお陰で今も立花は生きている。

 

「立夏君、いるかい?」

 

「! はい」

 

ドアが開き、そこからオレンジ髪の男性が入ってくる。白衣を着た彼にマスター立花は笑い掛けてその名を呼ぶ。

 

「どうしたの?ロマン」

 

其処には元魔術王"ソロモン"、ロマ二・アーキマンが立っていた。その手には小さめな白い紙袋が握られている。

 

「さっきカナメ君に友好の印にと貰ったんだけど、君の分も渡されてね。『2人で食べてくれ』だってさ」

 

「そっか。じゃあ、お茶淹れるよ」

 

ベッドから腰を上げ、お茶を淹れる為の用意を始める。その最中にも頭ではカナメというサーヴァントの事を思い浮かべる。

 

 

万能の天才ダ・ヴィンチちゃんですら行えないと言ったロマ二・アーキマンの呼び戻し、それを彼は悠々とこなしてみせた。これには流石のダ・ヴィンチちゃんも呆れて笑っていた。マシュは感謝で涙していた。立花も今までにない程のガチ泣きをしてしまった。

 

『確かにソロモンという霊基は座から消滅した。それは確かに揺るがない事実だから、ソロモン王を呼び出す事は出来ない。』

 

『でも、それは飽くまで消えたのは座の登録のみ。魔術王ソロモンとして召喚出来なくなっただけだ。彼の人としての存在であるロマ二・アーキマンの記録は、記憶は、思い出は、魂の輝きは俺たちの中に残っている』

 

『なら、私が手繰り寄せられる。私の宝具は他者を絆の繋がりという綱で引っ張り、一時的ながら現世に召喚させるものだ。ある意味、俺を再召喚出来て幸運だったな、マスター』

 

『必要な物は、触媒代わりのロマ二が良く使っていた物とお前達の想いの力、後現実に固定する為の聖杯だ。早速始めよう』

 

『"我と繋がり持つ者、その名はロマ二・アーキマン。私は望む、彼は願う、彼女は祈る。果てに浮かぶその魂よ、想う者の繋がりを手繰りて、我が宝具の力にて具現し、杯を核とせよ"!!』

 

 

彼の力によってロマ二は現実に呼び戻され、聖杯にて肉体を得た。その際に「あんな別れ方しといてこんなあっさり………」と顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたのはまぁ、蛇足だろう。

 

 

規格外の英霊、カナメ。その異常性は常々理解していた気になっていたが、それでも全く足りていなかったと思い知らされる。恐らく一生感謝し続けても足りない。現に信仰心の薄いカルデア所属のスタッフですら社でも建てて祀らなければならないのでは?と内心密かに想うほどである。ある種宗教の信仰めいてきている気がしないでもないがその思考に突っ込みを入れるものは誰も居ない。

 

 

少数派が多数派に喰われるというのは良くある話である。

 

 

 

茶を飲みながらカナメが作ったトリュフチョコを摘んだ立花とロマ二。

 

((料理の腕前までプロ級とか何者だよ……))

 

というツッコミをしながらも何処かのドラ娘の様なポイズンクッキングじゃないだけマシかと考えを改めて感謝しながら頂く。そして丁度いいからとマスターは女性サーヴァントに貰ったチョコを幾つか、ドクターは職員に貰った義理チョコをいくつか摘みながら茶会を楽しんでいた。

 

「………ォォォォォ」

 

「ん?」

 

「誰の声だろう?」

 

しかし、微かに聞こえた叫び声に2人は疑問符を浮かべて立ち上がる。バーサーカーだろうかと一瞬考えたが、立花には理性のない者の雄叫びではないと直感的に理解して、廊下に顔を出す。そして向かってくる男の必死な顔と後ろか追いかける女性達を見て思わず顔を痙攣らせた。何事かと顔を出したロマ二も同様である。

 

「マスター!チョコは味わってくれたな!?それなら良し!!」

 

何が良しなのか、それを問う間もなく走り去っていった。その後ろを追いかける金髪アサセイバーと白髪バーサーセイバーは立花とロマ二ですら止められない。その手には比較的大きめの箱が抱えられており、匂いからして中身がチョコである事を理解する。それと同時に恋する乙女って怖いなぁ〜と改めて実感させられる2人であった。

 

 

 

 

 

 

カナメは走る、ひた走る。後ろからついてくる気配を振り切るべく走り続ける。

 

「待ちなさい!」

 

「待って……!」

 

付いてくる金髪アサセイバーと白髪バーサセイバーの制止も聞かずに走り続ける。何故なら、それ相応の理由がある。

 

 

カナメはチョコ、もとい甘い物は好きだ。だからブーディカ達から渡された義理チョコは有難く受け取った。しかし、XとXオルタのチョコからは易々受け取ってはならない予感、そして少量の確信を持っていた。

 

 

まずXのチョコはドゥ・スタリオンⅡ型のチョコレート。細工に凝っていて見た目は綺麗で美味しそうに見える。しかし、酒を大量に混入している様で異常に酒臭い。マスターらにはミルクチョコだったはずなのに何故か彼にだけ大人(高度数の酒)チョコである。

 

 

Xオルタはおはぎ。こちらも見た目は良いし匂い自体も餡子の香りでヒロインXの物に比べて全体的に優れているかに思える。しかし、カナメの直感EX(嘘)は誤魔化されない。必ず何かあると胸の奥で警鐘が鳴り響いている。

 

「待てって言われて大人しく待つ奴がいるか!!」

 

さすがに地雷原の上をタップダンスする様な安請け合いな行動はカナメでも絶対に取らない。如何に善人でも起爆スイッチとわかり切ったボタンに手を掛けたりしない。

 

「ダ〜リ〜〜ン、待ってぇ〜〜!」

 

「いやァァァァ!」

 

「おわっ!?」

 

突然一室から飛び出してきたクマのヌイグルミを飛び越えて躱す。そのヌイグルミ(オリオン)の体にはチョコが付着しており、何があったのか想像出来ないし誰もしようとはしない。

 

「「あっ……………」」

 

そして此処で影響して来る本家よりランクダウンした直感。咄嗟に出来ずに2人とも片脚ずつオリオンに足を引っ掛けた。普段なら、まだ蹴り飛ばす程度で済んでいただろう。しかし今回はチョコによって床との接着が強まっており、2人の体は前に向かって傾いていく。

 

「やべっ!?」

 

思わず、2人を助けるべく床を先程とは反対に蹴りとばし、スライディングして落下地点に構える………なんの警戒もせず。

 

「「今っ!!」」

 

「なっ_______」

 

助けようとしたカナメになんたる仕打ちか。2人はその状況を逆に利用してバレンタインの贈り物を口にねじ込む。これのどこがハッピー・バレンタインなのだろうか?こんなもの側から見たらアンハッピー・バレンタインである。

 

「「や っ た ぜ」」

 

2人の 勝利を確信する様な声を聞きながらカナメはパッタリと気絶してしまった。

 

 

次目覚めた時にはXのチョコによる強力な酒による酔いとXオルタのおはぎに混入されていたであろう精力剤の所為で昂ぶってしまい前者2名と色々あったのは彼と彼女ら内での話…………。

 

 




精力剤盛られたマスターと肌重ねるヒロイン'sの3P……。

誰か書いても良いのよ?(チラチラ)


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