喧嘩ならよそでやれ   作:観葉植物

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足踏み入れました

秋葉から帰り、ベッドにダイブして1日を振り返るが振り返ることが多すぎて上手くまとめることができなかった。まるで夏休みの宿題が多すぎてどれから手をつければいいか分からないような感覚だ。ららこたん人形に話しかけても返答が返ってくることもなかった。誰かに見られたら切腹ものだと思いながら目をつぶり、今日は寝ることにした。

 

 翌朝俺は、この世で一番嫌いな音で目を覚ます。そう音の発信源は目覚まし時計だ。起きた時にはご丁寧に太陽もいつもどおり昇っていた。

「毎日昇ってたらありがたみが薄れるから昇らない日があってもいいんじゃないの?」

っと朝のイライラを太陽にぶつけながら洗面所に向かった。

 

 洗面所で顔を洗っている時に違和感に気づく。左目の黒目のところに二重丸のような赤い模様が出ていた。意識は一気に覚醒して、昨日会ったリリンの言葉を思い出す。

『体の何処かに紋章が出たら連絡してね・・・』

携帯の電源を入れ電話をかける何回かコール音がしたあとにリリンは出た。

「ハロハロー、紋章が出たのかな~?」

此方は焦っているのに彼方は能天気な返答が返ってきたため少しイラッとしたが抑えて彼女に説明を要求した。

「私ね、冗談とかじゃなくて本当の悪魔なの実はね…」

 

 

簡単に話を纏めると彼女は悪魔でこの紋章はコンタラクト紋章《コンタラクトスペル》という物で彼女との契約の証らしい。悪魔が人間界で力を使うには人間を触媒とするため人間との契約が不可欠らしく、悪魔の力を使えず困り、契約する人間を探していたそうだ。そこで自分の好きなららこたんがプリントされたTシャツを着ていた俺に白羽の矢が立ったらしい。これで彼女と俺は悪魔の力を使えるようになったが問題があった。悪魔の力を使うと、この紋章が複雑に増えていくらしく、このままでは顔が刺青だらけの人間になってしまう。彼女との交渉の末、春休みが終わるまでは力を使わないと約束をして貰ったが、悠長にはしていられない。春休みが終わるまでに紋章が拡がらないようにする紋章術をマスターしなければならないからだ。

 

電話を切るとリリンから貰った針とにらめっこを始めた。

針は彼女が愛用していた針らしく、魔力を通しやすく、感じやすいため最初の紋章術の練習には打ってつけだそうだ。

針から鈴紐を外し、ららこたんの人形を作ることにした。裁縫などする事も無いため苦戦し、また針が長すぎるため手に針を何度も刺し出来た人形が血まみれだったのはまた別のお話。

 

こうして俺は悪魔の道に足を踏み入れ、平穏な高校生活を手放しだったのだ。

 

 




読んでくれてありがとうございます、全然べるぜバブ感がありませんが、次から原作に突入させて行きたいと思います。最後まで読んでくれた人ありがとうございました。

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