小ネタ集。   作:穂堂

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体育祭編です。
めぐりんのおさげをモフモフしたい。


特別編『だから、彼らの祭りは終わらない。』

Aパート

 

 

-シーン1-

「うーん…」

「さて、どうしようかしらね」

「うん、これね」

「(千葉県横断お悩み相談メール。俺たちの新たな活動内容だ)」

「体育祭を盛り上げるためのアイディアを募集しています。それと、最後なので絶対勝ちたいです」

「はぁ、もうそんな時期か」

「嫌だったわよね、クラス対抗リレー」

「あの謎のプレッシャーな」

「私、あんま足速くなかったからキツかったなぁ」

「そうそう、いるんだよなぁ、クラスメイトが抜かれると舌打ちしてマジ切れするサッカー部のナガヤマ」

「それ誰!?なんで個人名!?」

「だからサッカー部のナガヤマだって」

「いや、知らないし」

「いいんだよ、知らなくて。むしろ知ってたら怖いわ」

 

 

-シーン2-

コンコン

「どうぞ」

ガラッ

「えっと、奉仕部ってここでいいのかな?体育祭のことでメールしたんだけど、返事来なかったから直接来ちゃった」

「このメールの差出人…」

「あ、それたぶん私。文化祭の時みたいに体育祭も盛り上げていきたいんだー協力をお願いできないかな?雪ノ下さんと…えっと…」

「最低な奴ですよ」

「あら、比企谷君、文実で最低と言われたことを実は根に持っているのかしら?」

「いや、全然全く。名前覚えられないのも間違われるのも慣れてるからいちいち気にしねぇよ。名前なんて個人を特定するための記号みたいなもんだ。なら、相手が認識している俺という記号で対応すれば充分だ」

「それで『最低な奴』って呼ばれ続けるのは悲しくない!?」

「事実だしな」

「ち、ちなみに、ゆきのんとヒッキーが認識してる私ってどんなのかな?」

「「アホの子」」

「即答だ!?」

 

 

-シーン4-

「城廻、では会議を始めようか」

「あ、はいー。議題は体育祭の目玉競技についてです。みんな!アイディア出してこー!意見ある人は手を挙げて!」

「はい!」

「はい、由比ヶ浜さん!」

「部活対抗リレーとか!」

「(とかってなんだよ)」

「それだと、部活に入っていない生徒が出られないから不満がなぁ」

「他にもー、じゃんじゃん出してね?……はい、雪ノ下さん!」

「オーソドックスに、パン食い競争」

「ご飯派の不満がクレームに繋がる恐れが…」

「握り飯も吊るしゃいいじゃねぇか」

「ヒッキー、おにぎりじゃ崩れちゃうから吊るせないよ?」

「今日日、衛生面を考慮して袋ごと吊るしてるんだ、コンビニのおにぎりそのまま吊るしときゃいいだろ。咥え易さも考慮するなら海苔巻きという手もある」

 

 

-シーン6-

「はぁーぁ…」

「思った以上にアイディアが貧困だったわ」

「なんか言っても反対する意見のが多いし」

「俺たちが考えるってのも無理があるな」

「じゃぁどうするの?」

「適材適所っつーだろ?」

「確かに大事な考え方ではあるわね」

「できる奴は組織に使い倒されて、使い潰されるのが世の常だ。そのくせ給料は上がらない」

「あぁー!わかる!わっかるなぁ!」

「平塚先生、そこは共感してはいけないのでは?」

「できない奴が無理してやっても意味がない。その道のプロを呼んだ方がいい」

「つまり、依頼を放棄するということでいいのかしら」

「違う。ワークシェアリングだ。ジョブローテーションだ。アウトソーシングだ。丸投げだ」

「なんかよくわかんないけど凄そう・・・って丸投げ!?」

 

 

-シーン7-

「で、彼らがそうなのかしら?」

「なんで私呼ばれたの?」

「けぷこんけぷこん。うむ、左に同じく」

「あぁ、それはだな」

「なーるほどTHEユニヴァース!話題になって盛り上がる競技を考えろとな?」

「盛り上がればいいんだよね?ナニが盛り上がってもいいんだよねぇ?」

「ナニは盛り上がるんじゃなくて熱り立つもんだ」

「左様。魂の迸りによってそそり立つのだ!」

「ヒッキー、ナニって何?」

「あー…、パイルバンカー?エクスカリバー?」

「うぅむ、ディバイディンブドライバー?」

「余計わからないよ!?」

「結衣、ナニはナニだよ!ミートスティックだよ!」

「ぅおい!それ、比喩でもなんでもなくド直球じゃねぇか!」

「ミート…スティック……はっ!?」

「んんん?姫菜、お肉のぼ「由比ヶ浜さん、わからなくていいのよ。いえ、むしろわからないで。ね?」…ゆきのん?」

 

 

Bパート

 

 

-シーン2-

「なぁ、本当にこれでいいのか?」

「はっぽーん!その昔、千葉では里見氏と北条氏の争いがあってだな、その歴史を考慮した素晴らしい競技だ」

「当時はこの辺り海だったと思うけどな。で、その恰好、何?」

「私が知りたいくらいだわ」

「これちょー恥ずかしい…」

「そりゃ合戦だもん。大将はちゃんと鎧着ないと」

「いや、でもさ…」

「あ、動かない」

「プロデュースドバイ私、メイドバイサキサキのスペシャル衣装だよ!」

「サキサキゆーな!」

「(君たち仲良いですね)」

「何故、西洋風…?」

「確かに、これって侍じゃないの?」

「「ふっ、知れたことよ。私の趣味よ

  ふっ、知れたことよ。吾輩の趣味だ」」

「おーい、材木座ー。お前、いつもの女子相手に挙動不審になるのどうしたよ」

「うむ、何故だか知らんが海老名嬢が相手だと平気なようだ。我も驚いている」

「まぁ、女子っていうか腐女子だしな。どちらかと言えばお前側に近い要素が多いからじゃねぇか?」

「ふんむ。それはあるやもしれぬ。そしていつしか同士から恋に発展して…八幡よ。我、春来たんじゃね?」

「待て、落ち着け材木座。そういう思い込みや勘違いが心に癒えない深い傷を作るんだ」

「だが、当たって砕けろとも言うではないか」

「おー、じゃぁ当たって粉々に砕けて来いよ。そんでもって吹き飛ばされちまえ」

「ちょ、言い方酷くない!?」

 

 

-シーン4-

「ぉ、お疲れさん」

「後は任せたわよ」

「ヒッキー、後ヨロシク」

「て言われてもな…」

「続いての種目は男子による棒倒しでーす」

「海老名さんが考えたにしては案外普通だったな」

「愚府府府府……、だ、男子が組んず解れつ棒を倒すだなんて…ひ、卑猥…」

「(正常運転だった。シチュエーション重視かよ。妄想力逞しいですね)」

 

 

-シーン5-

「八まーん!」

「と、戸塚、その恰好は?」

「な、なんか、運動部の部長が大将やらなきゃいけないみたいで、へ、変じゃないかな?」

「いや、可愛い。戸塚は何を着てても可愛い。大丈夫だ、自信を持て。そして今すぐ結婚しよう」

「は、八幡…(照)」

 

 

-シーン7-

パァーン!

「さぁ、始まりましたー!男子の男子による男子の男子の棒倒しー!責めと受けー!両軍が入り乱れる!まずは白組からの先制攻撃!」

「(いや、間違っていないんだが要所要所でおかしいからね。男子強調し過ぎだからね?)」

 

 

-シーン8-

Take1

バッ!

「んぉ…」

「やぁ、来ると思ってたよ」

「葉山」

「その包帯、頭に怪我でもしたかい?」

「もともとちょっと頭が痛い子なんでな」

「材木座君だっけ?彼を囮にしたところまではいい作戦だった。けど、俺が君をマークしないわけないだろ?」

「普通の台詞なんだが、何故かお前が言うと身の危険を感じるというか尻の安全が脅かされそうというか、何にせよ俺のこと見過ぎじゃね?」

「何時如何なる時も君のことを見ているよ」

「いや、怖ぇよ。普通に怖い。もう通報もんのレベル」

 

Take2

バッ!

「んぉ…」

「やぁ、来ると思ってたよ」

「葉山」

「その包帯、頭に怪我でもしたかい?」

「もともとちょっと頭が痛い子なんでな」

「材木座君だっけ?彼を囮にしたところまではいい作戦だった。けど、俺が君をマークしないわけないだろ?」

「あんまり買い被るなよ」

「悪く思わないでくれ。スタンドプレーにはチームプレーで対抗させてもらう」

「それは数の暴力って言うんだ」

「人聞きが悪い。物量作戦さ」

「確かに、古来より戦にせよ何にせよ、相手より数を揃えて攻めるのは定石。だが、お前が言うと集団レイプを正当化する詭弁にしか聞こえん」

「俺としてはお互い合意の上でと考えているんだけどね」

「そんな未来は一欠片も無いから安心しろ」

 

 

-シーン9-

「まさか、負けるとはね」

「まぁ、反則負けは意外だったね」

「誰かさんが鉢巻きで下手な小細工をしなければ勝っていたのに」

「悪かったよ。誰も見てないと思ってたんだよ」

「いや、結構見てるもんだよ」

「そうね、貴方が包帯を取り出したときは何するのかと思ったわ」

「あ、ゆきのんも見てたんだー」

「…たまたまね」

「お前ら見てんじゃねぇよ」

「まぁ、ほら、めぐり先輩悦んでくれたし」

「けれど、体育祭で負けるのって案外悔しいものね。初めて知ったわ」

「うん、来年は勝とーう!」

「そうね。来年こそは」

「来年も同じ組とは限らんだろ」

「またすぐそういうこと言う」

「そうね、比企谷君は敵の方が楽しめそうだわ」

「何か急にやる気出てきてる!?」

「まぁ、俺としては敵であれ味方であれ、雪ノ下に罵倒されながらなら楽しめる。だからどっちでもいい」

「そこは最後までブレないのね」




あれ?今回、八幡が罵倒されていない?

予定の全13話、終了しました。
このような駄文にお付き合いいただきましてありがとうございました。

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