気に入っていただければ幸いです。
Aパート
-シーン2-
Take1
ガラッ
「平塚先生、入るときはノックをお願いしたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間もなく先生が入ってくるんです」
「わかったわかった。では、ノックをして入りなおすとするよ」
「いえ、別にそこまでする必要は……」
ガラピシャッ
Take2
「……すぅ、はぁ、ぃよし」
ドンドンドンドンッ!
「雪ノ下!開けろ!居るのはわかっているんだ!」
……ガラッ
「ほら、ノックをしても返事をしないじゃないか」
「逃亡犯や立て籠もり犯を追い詰めた刑事のような台詞を言われて返事をする人は居ないと思いますが」
「むぅ、それもそうだな。やり直そう」
ガラピシャッ
Take3
コンコン
「雪乃ちゃん、ご飯此処に置いておくわね。……ねぇ、雪乃ちゃん。少しでいいから顔を見s」
ガラッ
「平塚先生、私は引き籠りのニートではありません」
ガラピシャガチャン
「……比企谷」
「今のは先生が悪いっすね」
-シーン4-
「何か?」
「あ、いや、いろいろ把握できてなくて。そもそもここは何部なんだ?」
「…ふぅ、当ててみたら?」
「ん~…、漫才部だ」
「へぇ、その心は?」
「この部屋の中に特別な環境、特別な機器が存在していない。加えてさっきの先生とのやり取りだ」
「はずれ」
「ならコント部だ」
「それもはずれ」
「じゃぁ何部なんだよ」
「今、私がここでこうしていることが部活動よ」
「何かを書いているみたいだが……降参だ、さっぱりわからん」
「比企谷君、漫才とコントの違いがわかるかしら」
「滑稽な掛け合いをする話芸と軽妙な寸劇」
「コントの中でも舞台セットや小道具を用いるものをコント、道具などを用いずにどこでも披露できるものをショートコントと呼ぶわ。娯楽に飢えた人に笑いを提供する、それがこの部の活動よ。ようこそショートコント部へ、歓迎するわ」
-シーン5-
Take1
ガラッ
「雪ノ下、邪魔するぞ」
「邪魔するならお引き取りください」
「……っう…ひっく…雪ノ下の当たりがキツイ…」
「(泣くなよ…)」
Take2
「雪ノ下、邪魔するぞ」
「ノックを…」
「悪い悪い。どうやら比企谷の更生に手こずっているようだな」
「本人が問題を自覚していないせいです」
「そうじゃねぇよ。なんだ、その、変わるだの変われだの他人に俺の自分を語られたくないんだっつの」
「貴方のそれは逃げでしょう」
「変わるってのも現状からの逃げだろう?どうして今の自分や過去の自分を肯定してやれないんだよ」
「それじゃ…、それじゃ悩みは解決しないし誰も救われないじゃない」
「いや、別に俺は悩んでないし」
Bパート
-シーン1-
ガラッ
「こんにちは。もう来ないかと思ったわ。もしかしてマゾヒスト?」
「あ、わかるか?雪ノ下の毒舌ってゾクゾクするんだよな」
「え!?」
-シーン2-
「なぁ雪ノ下。なんなら俺が友d」
「ごめんなさい、それは無理」
「俺と友達になってくれないか?」
「…そこでゴリ押すのね」
「雪ノ下の毒舌で毎日罵られたい!」
「さっきのシーンを引っ張らないで!」
-シーン4-
「さて、どうすればよくなるか考えましょう」
「由比ヶ浜が二度と料理をしないこと」
「それで解決しちゃうんだ!?……やっぱり私、料理に向いてないのかなぁ。才能っていうの?そういうのないし」
「解決方法は努力あるのみよ。由比ヶ浜さん、貴女さっき才能がないって言ったわね」
「え?あ、うん」
「その認識を改めなさい。最低限の努力をしない人間には才能がある人を羨む資格はないわ。成功できない人間は、成功者の積み上げた努力を想像できないから成功できないのよ」
「で、でもさ、最近みんなやんないっていうし、こういうの合ってないんだよ」
「その周囲に合わせようとするの、止めてくれるかしら。酷く不愉快だわ。自分の不器用さ無様さ愚かしさの原因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの?」
「……お…、お姉さま!」
「「はぁ!?」」
「もっと冷たくあしらって!罵って!」
「へ、変態しかいないのかしら……」
-シーン6-
Take1
コンコンガラッ
「やっはろー!」
「…何か?」
「え、何、あまり歓迎されてない?雪ノ下さん、私のこと、嫌い?」
「別に嫌いじゃないわ。マゾヒストの変態は受け付けないだけよ」
「この間のシーンを引っ張らなくていいからね!?」
「お前もマゾネタ引っ張るのかよ」
Take2
コンコンガラッ
「やっはろー!」
「…何か?」
「え、何、あまり歓迎されてない?雪ノ下さん、私のこと、嫌い?」
「別に嫌いじゃないわ。興味がないだけよ」
「それって嫌いよりもヒドイからね!?」
「(毒吐く対象が増えましたね)」
雪ノ下と関わって八幡も由比ヶ浜も変態(マゾ)化した…………何故だ?