【1日目】
魔理沙が朝起きると、枕元に手紙が置いてあった。
玄関には鍵をかけ、誰も入ってこれない筈なのにおかしいと思ったが、一応読んでみることにした。
一通り読み終わり、自分の役職が書いてある部分に目を通し終わった直後、手紙はサラサラと砂になって消えてしまった。
同刻、博麗神社
一通り境内の掃除を終え、神社内にもどろうとすると、賽銭箱の付近に魔理沙と同内容の手紙が落ちていた。
同様、自分の役職を確認した直後、こちらも砂となって消えてしまった
霊夢「全く、くだらないイタズラだこと、こんな高級な妖紙まで使って」
霊夢はそこまで気にも留めずにそのまま神社内の掃除に移った
同様に紅魔館でも同じような手紙が出回ったが、全員気にすることなく、誰に相談するわけでもなく、ただイタズラだと思い、手紙の話題を誰も口にすることなく時間が過ぎていった。
【2日目】
朝、霊夢と魔理沙は紅魔館に来ていた。
昨夜の夜更け、小悪魔が謎の死を遂げたという。
そこでフランが手紙のことを話し、そこで全員手紙のことを深刻に受け止めることになる。
霊夢達にも行っていたということで二人も紅魔館に招集され、今に至る。
どのくらい時間が経っただろうか、誰も口を開かず静寂の時間が続いていた。
重い空気の中狂狼探しはレミリアの言葉から始まった。
レミ「そういえばこのゲーム...というにはあまりにも酷過ぎるけど、まぁこのゲームとしておきましょう、手紙曰く予言という役職があるそうじゃない、例え予言対象が一般だったとしてもひとつの情報にはなるはずよ、何か情報はないのかしら?」
しばらくの静寂があり暇で寝かけていた霊夢、魔理沙だが、そんなレミリアの言葉で目を覚ます。
霊夢は何かを喋ろうと口をひらき「あ...」と言いかけたが、それを遮る大声で魔理沙が喋りだす。
魔理「ちょっと待つんだぜ、それはまだ隠しといたほうがいいと思うんだぜ」
思わぬ意見にレミリアは不満そうに魔理沙に向かって反論する
レミ「なんでよ、情報が無いと推理のしようがないじゃない」
そんなレミリアに魔理沙はヤレヤレ、とジェスチャーをしながらだるそうに説明を始めた
魔理「もし予言が誰かわかってしまったら狂狼が真っ先に殺しに行くだろ、もしそうなってしまったら今後の情報が消えてしまうだろ、それは痛すぎるんだぜ」
レミ「じゃあ護者に守ってもらえばいいじゃない」
レミリアは自分の意見を曲げない気だ、そんな彼女に魔理沙はほぼ拗ねるような形で折れてしまった
魔理「まぁそれでいいと思うなら勝手にしてろだぜ」
レミ「だそうで、予言は名乗り出て頂戴」
レミリアは勝ち切った顔をし、全体に強い命令をした。
しかし口を開くものはなく、またそこから静寂がしばらく訪れ、レミリアにも苛立ちの色が見える。
レミ「なんで誰も言わないのよ、手掛かりがないじゃない!」
再びの静寂でまた寝かけていた霊夢が大声に起こされ、面倒そうになだめに入る。
霊夢「まぁまぁ、さっき殺された小悪魔が予言だった可能性もあるんだしそんなにカリカリしないで」
そんな言葉も油を注ぎ、苛立ちが頂点に達しているのが見てもわかる。
そんな中さらに美鈴が追い打ちをかけるように煽りを入れてしまう。
美鈴「逆にですが、レミリアさんが狂狼で、先に予言を吊りだし今晩殺すつもりって訳ではないんですか?今苛立っているのも吊りだせなかったことに対する苛立ちって事も考えられなくもないですし」
そんな美鈴が最後まで喋りきる前に食い気味にフランが反論を始める
レミ「バッカ、私は何もない一般よ!私は早く狂狼を見つけたかっただけなの...!そんな吊りだすなんて、私は然考えてなかったの...」
物凄い焦ってまくし立てるものの、最後の方は恐怖からか焦りからか尻すぼみになってしまう。
咲夜「どっちにしろ情報が無いと何も分かりませんね」
冷静にかつ全員の話をしっかり目を見て聞いていた咲夜が口を開く
パチ「でも処刑は今夜からしなければならないわ、誰を選ぶのかしら」
パチュリーも別段焦るわけでもなく冷静だ
美鈴「完全に選ぶ要素がないし、各自怪しい人に投票という感じになるのかな?その投票相手も明日見れば狂狼探しの情報になると思います」
その言葉が終わる前に、またレミリアが話を遮りまくし立てる
レミ「まってそんなこと言ったら処刑されるのは私じゃない!この流れで怪しまれているのは私しかいないじゃない!違うわ!私は本当に違うの!」
完全に我を忘れ、慌てふためくレミリア、そんな彼女を見かねたのか、今朝から一度も口を開いてないフランが口を開く
フラ「仕方ないなぁ、予言は私よ、レミリアは一般人、だから違うわ」
フランの突然のカミングアウトに、その場の全員を視線が彼女にあつまり、レミリアの表情も少し和らぐ
レミ「ほ、ほらそうじゃない、だから言ったじゃないの!本当に私は一般よ!フランも言ってる!」
何も解決していないのに勝ち誇ったようなレミリア、しかし魔理沙が腕を組み大きめの声でそのレミリアの言葉を遮る
魔理「待った、それは嘘だぜ、レミリアは本当に狂狼側だ、ついでにいればフランも狂狼だと思うぜ」
一度フランに向いていた視線が今度は魔理沙に向かう。
咲夜「ほう魔理沙、どのような根拠があるのかしら?」
咲夜はまったくの中立のような振る舞いを見せ、魔理沙に問う。
魔理「今晩狂狼に殺される覚悟でぶっちゃけるぜ、私が本当の予言なんだぜ」
場のほとんどの人が口を挟まず一心に魔理沙の意見を聞いている。
魔理「私もレミリアを予言したんだ、初日だから特に意味はなくな、初日だったしあてずっぽうだ」
咲夜「して結果が狂狼だったわけですね?」
咲夜は全てを理解しているかのような振る舞いを見せる。
魔理「そういうことだ、だから私はレミリアとフランが組んで偽りの潔白を証明しあってると見たんだぜ!」
フランとレミリアを指さし、魔理沙が高らかに宣言をする。
美鈴「まぁそれなら最初に予言を吊りだそうとしたのも説明できますし」
ほとんど便乗のような形で美鈴も同意する。
レミ「で、デタラメよ!そんなんデタラメだわ!」
フラ「私は本当に予言なの!」
レミリアだけでなく、フランにも焦りの色が見える。
パチ「まぁ後出しだし、完全に信用できるわけではなさそうですけどね、後出しなら何とでもいえるもの」
そうこうしているうちに時刻は6時半、投票時間が近づいてきていた。
魔理「時間もないしとりあえず今夜は決まりだな、今日と明日で両方処刑して終わりだろ」
パチ「まだ決まったわけではないけど、今日の行動はそれで賛成よ、これ以上の議論は時間的にも厳しいわ、余計ややこしくするだけよ」
全員が議論を終わらせ、投票に移ろうとする中、レミリアはとりあえず目に留まった霊夢に助けを求める。
レミ「そ、そうだ、ずっと喋らずそこで寝転んでる霊夢!霊夢はどうなのよ!」
議論に飽き、端っこのソファーで寝ている霊夢は指名され、だるそうに体を起こし意見を言う。
霊夢「むやみにでしゃばって変な誤解まねきたくないから、しいて言うならあともう一回フランの予言結果も聞いてみたいしレミリアに投票するわ」
その霊夢にも投票するといわれてしまい、レミリアの顔が絶望に染まる。
魔理「寝てると思ったが一応考えてはいたんだな」
レミリアは最後まで抵抗し、取り乱していたが、半ば強制的に2日目は終わりを迎えた
投票相手
美鈴→レミ
パチ→霊夢
昨夜→レミ
レミ→魔理
フラ→魔理
霊夢→レミ
魔理→レミ