ダンジョンにアチャクレスがいるのは間違ってるだろうか?   作:リーグロード

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最近の評価の上がり具合にテンションアゲアゲです!!


英雄ダンジョンに潜る

日が昇り朝焼けが差す早い時間にベルとヘラクレスはダンジョンに潜る前に訓練していた。

今いる場所は誰もいない空地で一方的な攻撃を避けつづけるベルの姿が見られた。

 

「ベルよ足を使え!常に相手の死角を突くことを心掛けるのだ!」

 

「はい、分かりました!」

 

今やっている訓練の内容は狭い空間での戦闘を想定した模擬戦闘である。

ヘラクレスが敵役となりベルにダンジョン内での戦闘の立ち位置を教えているところである。

ヘラクレスはベルに合わせて力を抑えているのだが戦闘経験差でヘラクレスが一方的に攻撃を繰り返している。

 

「呼吸が乱れ始めているぞ!もっと動きに無駄をなくせ!!」

 

「はぁはぁ、っはい!」

 

すでに訓練が始まって40分以上ヘラクレスの攻撃を避けつづけているためベルの体力はもう尽きかけているのだがヘラクレスは一切手は抜かず攻撃の手を止めようとはしない。

 

「体力が尽きてなおその限界以上の力を出して初めて英雄への道は歩めるのだ!」

 

「そ、そんなこと言われてももう足が動きません」

 

最初の時と比べて動きは良くなったが速さにキレが無くなり今にも動きが止まりそうになるベルにヘラクレスは殺気を込めたパンチを撃つ。

 

「うわぁ!!」

 

ベルはとっさにそのパンチを避けようと足を動かし後退する。

 

「動けたではないか、まあ動けなければ冒険者をやめろと言っていたがな」

 

にやりと笑いヘラクレスは動くのをやめた。

 

「ではダンジョンに潜るとするか」

 

「ええ!今すぐにですか少し休憩しませんか」

 

弱音を吐くベルにヘラクレスは一切の甘さを見せない。

 

「今覚えた動きを忘れないためにダンジョンで実践しなければ意味がないだろう」

 

「わ、わかりました」

 

ヘラクレスの正論?に何も言えずベルは疲れ切った体を引きずりダンジョンに潜る。

 

――――――――

 

「ここだ!」

 

ダンジョンに潜り最初に見つけたモンスターはダンジョン最弱のゴブリンだった。

最初はビビッていたベルだったがヘラクレスとの訓練の方が恐ろしかった為すぐに朝の訓練で得た動きを使いゴブリンを倒していった。

 

「ふう、あまり大したことないですね」

 

「あまり油断するなベルよダンジョンでは何が起こるか分からない昨日エイナにも言われただろう」

 

あまりにあっさりゴブリンを倒せて油断しているベルにヘラクレスはこれではいけないと思い注意する。

素直なベルは直ぐに反省し油断なく辺りを確認し常に群れていない一匹だけのゴブリンを倒していく。

 

「ふう~、これで12体目ですね」

 

「これなら多対一の戦闘も体験していいだろう!ちょうどあそこにゴブリンの群れがいる私が2体まで減らすから後はベルお前が倒すのだ」

 

そういうとヘラクレスは地面を蹴り砕きゴブリンの群れに突っ込みあっという間に2体まで減らしベルの為の舞台を整えた。

 

「ありがとうございます!それじゃいってきます」

 

ベルは仲間が一瞬で殺されたことに戸惑っているゴブリンの首を支給されたナイフで切り落とし残りの一匹もすぐさまゴブリンの死角から首に向けてナイフを突き入れる。

 

「「グギャアアァァァ!!」」

 

断末魔をほぼ同時にあげるゴブリンを見てヘラクレスはベルのアサシンの適性があると判断する。

 

「死角からの一撃に次へと繋げる体の動き初めてにしては上出来だベルよ」

 

「ありがとうございますヘラクレスさん」

 

ヘラクレスはベルの頭を撫で先の戦闘を褒める。

これでベルの初のダンジョンでの成果はゴブリン14体というルーキーとしては破格の成果を残し終わったのだった。

 

「それでは私は自身の力がどこまで上がったか確認してくるとしよう」

 

「ヘラクレスさんまた無茶なことはしないで下さいよ」

 

「分かっているベルも気をつけて帰るんだぞ」

 

「はい!じゃあまた夕方噴水の前で会いましょう」

 

ベルはヘラクレスと別れ地上にヘラクレスは更に自身と対等に渡り合えるモンスターを探して中層に向かう。

この二人のやり取りを見ていた冒険者は後にこう言い残した、「ダンジョンの破壊神が兎の冒険者に狩りを教えていた!」

 

――――――――――――

中層14階

「ふむ、多少モンスターの強さと数が上がったがたいして苦戦はしないな」

 

ヘラクレスはあれから32分という恐ろしい速さで中層まで潜っていった。

ヘラクレスの進む道の前に立つモンスターは彼の体に傷一つつけれずに魔石を残し灰と消えた。

 

「拳ひとつで倒せていては弓を使う必要が全くないな」

 

そしてヘラクレスはさらに奥に潜り続け安全地帯と言われる18層に辿り着く。

 

「ここは一体?今までのダンジョンの風景と全く違うぞ!それにモンスターの気配もほとんどない」

 

ヘラクレスは辺り一帯を警戒しながら探索すると明らかに人工物である村を発見する。

そしてヘラクレスは村に入り情報を手に入れる。

 

「なるほど、ここは冒険者の休憩所というわけか」

 

「そうですぜ旦那!しかしここまで傷一つつけられずに潜れる実力があるというのにというのにここを知らないとはおかしな人ですね」

 

今ヘラクレスと話している人物はたまたま出会ったLV2のベテラン冒険者のレフ・ガバノールという親切なおじさんで困っていたヘラクレスに話しかけてくれたのである。

 

「確かここの天井の水晶の光の量は時間帯によって変化するんだったよな」

 

「はい、そうですが旦那どうしたんですか」

 

水晶の光は昼の光から夕方の光に変わりかけている。

 

「では私はそろそろ帰るとしよう」

 

「旦那一人で帰るんですか?まあ旦那は強そうなので心配はいらないでしょうがお気をつけてください」

 

こうして二人は別れヘラクレスはベルとの待ち合わせの時間に間に合わせるために行きにかかった32分を24分に短縮させることに成功させた。

ダンジョンから出たヘラクレスは待ち合わせの噴水に間に合った。

 

「あっ!ヘラクレスさんここですよ!」

 

「遅かったじゃないかヘラクレス君」

 

「待たせたかベルよ!それに何故ヘスティアがここにいる?」

 

待ち合わせの場所にはベルと何故かヘスティアが待っていた。

 

「僕も君たちと一緒に食事をしたくてね!昨日は二人だけで食べてくるんだから僕は寂しかったんだぞ」

 

こうしてヘスティアを加えた三人は昨日のレストランで食事を済まし、三人は店の前で別れベルとヘスティアはホームにヘラクレスは宿に帰って行った。




次話からヘラクレスの漢らしい場面を作りたいと思います。

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