ダンジョンにアチャクレスがいるのは間違ってるだろうか?   作:リーグロード

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英雄冒険者になる!

翌朝ベルとヘラクレスはギルド本部前で合流し冒険者登録をしに来た。

 

「昨日はよく眠れたかベルよ?」

 

「ハイ!ところでヘラクレスさんは何処の宿に泊まったんですか?」

 

「私は【黄金の鐘】と言うところで泊まっているよ」

 

ギルド役員が来るまで他愛のない話しで時間を潰している二人の前にハーフエルフの女の子がやって来た。

 

「お待たせいたしました、今後あなた方の担当アドバイザーとなるエイナ・チュールと申します」

 

礼儀正しくお辞儀をするハーフエルフのエイナに顏を赤らめテンパるベルは直ぐに同じようにお辞儀をし自己紹介する。

 

「ぼ、僕はヘスティアファミリアのベル・クラネルです!」

 

「同じくヘスティアファミリアのヘラクレスだ今後ともよろしく頼む」

 

エイナは礼儀正しい二人に安堵した。

冒険者の中には横暴で人の話を聞かない者が多いためギルド役員は非常に困っているのだ。

だが、エイナはヘラクレスはともかく体の華奢なベルに冒険者が務まるかどうか不安だった。

 

「では、お二人のファミリアに所属している証として君達のステイタスが書かれた紙を見せてくれないかな」

 

そう言うとベルはドキッとした顏をしヘラクレスは少し困った顏を作った。

 

「ええ〜と、これが僕のステイタスが書かれた紙です」

 

最初にベルが自分のステイタスが書かれた紙をエイナに差し出す。

 

「ふむ、別に問題は無いようだね!じゃあヘラクレスさんのも出して貰えるかな」

 

「実は私のステイタスは少々特殊なので黙っていてくれると嬉しいのだが」

 

そう言うとエイナは笑顔で了承する。

 

「はい!冒険者のステイタスを公開するような事は決してございませんのでご安心ください」

 

「これが私のステイタスが書かれた紙だ」

 

「はい、お預かりします!ふむふむ、フェ!!!LV「エイナ殿!!!」!?」

 

やはり予想通りの反応をしてしまうエイナになんとかヘラクレスは間一髪止めることが出来た。

 

「も、も、申し訳ございませんでした!?」

 

テンパるエイナに周りの冒険者とギルドの受付嬢達の視線が集まる。

 

「いえ、当然の反応でしょう」

 

「失礼ですがこれは本当に貴方のステイタスですか?」

 

やはり疑惑の視線を向けて来るエイナに証明する為背に書かれているヒエログリフを見せる。

 

「私も少しだけ読めるので分かりますが、LVは確かに合っている様ですね!しかしこれは凄いですよこの都市の最高LVが更新されたんですよ」

 

エイナは自身の担当する冒険者がオラリオ最強の冒険者オッタルのLV7を超えた圧倒的強者に興奮を隠せずにいた。

 

「エイナ殿少しお静かに願えるか」

 

「す、すいません!つい興奮してしまって申し訳ございません」

 

この後色々手続きをしてようやく二人は冒険者になった。

 

「やっと終わりましたねヘラクレスさん」

 

「すまんな私のせいで遅れてしまって」

 

ヘラクレスのステータスが以上に高い為冒険者としての規則などの確認やダンジョンなどの情報をエイナにみっちり教え込まれた為予想以上に時間を取られてしまった。

 

「今からダンジョンは少し遅いだろう今日は何か飯を食べて帰ろうか!勿論金は私が出そう」

 

「いいんですか!」

 

ベルは少し申し訳なさそうな顏をしたがヘラクレスが選んだ店から漂う美味しそうな匂いにお腹が鳴る。

 

「いいんですかこんな高そうなところに来て?」

 

店の中は高価そうな物が置かれていたり高そうな服を着込んだ客が多い為不安そうになるベルにヘラクレスは腰に下げている巾着袋に入っている金貨を見せる。

 

「この通り金ならある心配しなくて良い」

 

そう言うとベルはメニューにあったハンバーグを注文しヘラクレスはステーキを注文した。

 

「けどここの料理神様にも食べさせてあげたかったですね」

 

「ならレジで土産でも買っていけばいい」

 

「そうですね、きっと喜びますよ神様!」

 

食事を終えた二人は土産を買ってホームへ帰る。

 

「ただいま帰りました神様」

 

「遅いじゃないか二人共!」

 

頰を膨らませながら地下の隠し部屋からヘスティアが出て来た。

 

「ん!何かいい匂いがするんだけど」

 

さっそく買ってきた土産の匂いに感ずいたヘスティアに苦笑しながらヘラクレスはヘスティアに土産を渡す。

 

「こんな良い物を買ってきてくれるなんて僕は本当に嬉しいよ!!」

 

渡された土産の中身を確認し感謝するヘスティアに買ってきて良かったと思う二人であった。

 

「それじゃあまだダンジョンには潜っていないんだね」

 

「はい、ダンジョンには明日から入ろうと思っています」

 

「ヘラクレス君は心配しなくて良いだろうけどベル君は駆け出し冒険者だ無茶して死ぬなんて事は絶対しないでくれよ」

 

ベルを心配するヘスティアにヘラクレスは自身がベルを守ると約束する。

 

「安心しろ神ヘスティアよ私がベルに危険な目には合わせない!それに私がベルに一通りの戦闘技術を教え込もう」

 

こうしてベルはダンジョンに潜る前にヘラクレスとの訓練する事が決まった。

 

「それでは私はもうそろそろ宿に戻るとしよう」

 

「それじゃあヘラクレスさんお休みなさい」

 

「お休みヘラクレス君」

 

「ああ、お休み二人共」

 

こうして冒険者登録を無事終えた二人は眠りにつき明日を迎える。


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