ダンジョンにアチャクレスがいるのは間違ってるだろうか?   作:リーグロード

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英雄恩恵を刻む

僕たちはホームとなる寂れた教会の中に入っていく。

 

「中も外見通りだな」

 

「ちょ!ヘラクレスさん!そんなこと言っちゃ駄目ですよ」

 

二人の会話が聞こえあからさまに落ち込む神様。

 

「いいんだベル君所詮僕にはこの程度のホームがお似合いなのさ」

 

「か、神様きっと僕が神様にピッタリのホームを買えるぐらいがんばりますから落ち込まないでください!」

 

「べ、ベル君!君はなんていい子なんだ」

 

「私もベルと共にがんばろう」

 

「ヘラクレス君まで、うう!僕はこんなにいい眷属を持てて幸せだよ」

 

ベルやヘラクレスにはげまされ立ち直った神ヘスティアは教会の隠し部屋に入っていく。

 

「さあ、こっちが僕たちが寝泊まりする部屋だよ」

 

「へ~!こんなところに部屋があるんですね」

 

ベルとヘスティアは地下の隠し部屋に入るが!

 

「む!ここから先は私の体では入れんな」

 

体のでかいヘラクレスは狭い隠し部屋に入ることができないでいた。

 

「うわ!ホントだどうしましょう神様?」

 

「う~ん!僕が神様でもこれにはお手上げだな」

 

どうにもならないと神様はそうそうにギブアップした。

 

「仕方ないならば私はどこかの宿に泊まるとしよう」

 

ヘラクレスは解決案として宿に泊まることを提案する。

 

「ヘラクレスさんお金持っているんですか?」

 

最初に会ったとき無一文で弓と矢と毛皮の防具しか持っていない筈なのに金がどこから手に入れたか気になったベルがヘラクレスに聞いてみた。

 

「うむ!ダンジョンで倒したモンスターの魔石で稼いできた」

 

「「ええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」」

 

ヘラクレスが恩恵も受けずにダンジョンに挑んだことに驚く二人に大したことなさそうにヘラクレスはなんてことないと告げる。

 

「バカじゃないのか君は!!!」

 

「そうですよあまりにも無謀ですよ」

 

二人があまりにも自分を心配する為ヘラクレスは二人に対し謝罪を行った。

 

「すまないベル、ヘスティアよ、恩恵なしでこの身がどこまで通じるか試してみたかったのだ」

 

ヘラクレスが自分達に対して真剣に謝罪していると分かった為二人はそれ以上なにも言えなくなった。

 

「はぁ~、君がもうこんな無茶なことをしないと信じてこれ以上はもう何も言わないでおくよ、ただしもし君が死んでしまったら悲しむ人がここには二人いることを忘れないでくれよ」

 

「うむ、神ヘスティアにベルよこの身に誓って今後お前たちに心配を懸けないことを約束しよう」

 

「じゃあ、ヘラクレス君も反省したし改めて君たちに恩恵の授与をするからね」

 

ヘスティアのその言葉にベルは胸を躍らせていた。

(ついに僕も冒険者になれるんだ!)

 

「じゃあ、どちらから先に恩恵を受けるんだい?」

 

ヘスティアがそう言うとヘラクレスはベルの背をそっと押しだす。

 

「ヘラクレスさん?」

 

「ずっと憧れていたのだろなら私よりも先に授与してもらえ」

 

ヘラクレスは優しくベルの背を押し出しヘスティアの前に立たせる。

 

「じゃあベル君服を脱いで床に仰向けになってくれ」

 

言われた通りに服を脱ぎ床に仰向けになると何故かヘラクレスの視線が強くなった気がした。

 

「…それじゃあ始めるねベル君」

 

そう言い神様は自身の手にはりでちょっこと傷をつけた。

そして僕の背中に血で文字を書き始めた。

……ヘスティアはあっという間に文字は書き終わり、恩恵の授与は終了した。

 

「……お仕舞いだよベル君!これで君は今日から僕の眷族で、冒険者だよ!いやもはや眷族じゃなくて家族だね」

 

「あ、ありがとうございます神様それにヘラクレスさん!」

 

「何気にするな」

 

ベルは鏡越しに映った自分の背中に書かれているヒエログリフににやにやが止まらない。

…これで僕の夢への第一歩が踏み出せたんだ!後はモンスターを倒してヘラクレスさんのような武勇を作り上げるんだ。

 

「これがベル君君の今のステイタスだよ♪」

 

そう言って神様は僕に1枚の紙を渡してくれた。

 

―――――――――

 

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力:I0

 

耐久:I0

 

器用:I0

 

敏捷:I0

 

魔力:I0

 

――――――――――

 

渡された紙にはそう書かれていた。

 

あまりの何もなさに思わず乾いた笑みを浮かべてしまうベル…

 

「べ、ベル君別に落ち込むことはないよ誰だってここから始まるんだから」

 

そうだ神様の言う通りだ!誰だって初めから強い人なんていないんだ。

ベルは決意を胸に紙を握りしめる。

 

「次は君の番だぜ!ヘラクレス君!さぁ床に仰向けになりたまえ」

 

「ではよろしく頼む」

 

ヘラクレスはでかい体で床に仰向けになり背をあずける。

 

「それにしてもヘラクレス君の体って大きくて硬くて黒いんだね」

 

ヘスティアの発言にベルは顔を赤くする。

(神様…それいろいろアウトです…)

 

「それじゃあ始めるよ」

 

神様は血を垂らし文字を書き入れる。

 

「終了!これで君も僕の立派な家族だ」

 

「世話になる神ヘスティアよ」

 

鏡越しにヘラクレスの大きな背に合う立派なヒエログリフが刻まれていた。

 

「これで僕達冒険者になりましたね」

 

ベルは嬉しそうヘラクレスに近づいていく。

 

「うむ、共に頑張ろうではないかベルよ!ところでヘスティアよ何故さっきから動かない?」

 

ヘラクレスのステイタスが書かれた紙を見続け一切動かないヘスティアに疑問を抱き話しかける。

 

「ヘラクレス君君は一体何者なんだい!!?」




ヘラクレスのステータスは長いのでまた次回にします。

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