ダンジョンにアチャクレスがいるのは間違ってるだろうか? 作:リーグロード
かつて冬木市で巻き起こった第五次聖杯戦争で小さな主を守れず散ったヘラクレスは後悔を残し座へと帰っていった。
次こそは守り抜くと己の胸に誓いを立てて英雄ヘラクレスは光となって散った。
『男なら英雄を目指さなきゃな!』
幼い頃から祖父に聞かされ続けた言葉だ。
物心がついた頃には祖父は僕にいろいろな英雄譚を聞かしてくれた。
怪物を退治し、人々を救い、囚われのお姫様を助けだす、最高にカッコイイ英雄達の話を聞き自分もなりたいと当時の僕は本気で思った。
僕はそれ以来外に落ちている木の枝を拾っては英雄の真似ごとをする様になっていた。
小さかった僕は英雄に憧れ続けいつか本に残る様な偉業を残したいと祖父に言ったら祖父は『ベルよ、英雄になりたいのなら将来迷宮都市オラリオに行きなさい』と言ってくれた。
オラリオにはダンジョンというものがありそこには冒険者という職業の者が日夜ダンジョンに挑み続けているそうだ。
いつかそこで名を残せる英雄の様な存在になる事を夢見ながら僕は眠りにつく。
「じゃあおじいちゃん僕行ってくるね、……迷宮都市オラリオに」
何もない田舎、その更に外れたところにポツンと立っている小屋にベル・クラネルは住んでいた。
かつては祖父と一緒に住んでいたが祖父が死に1人になったことで迷宮都市オラリオに行く事を決意した。
そして今日オラリオに行く事にし祖父の墓の前で旅立つ報告をしていた。
「じゃあおじいちゃん昔聞かしてくれた英雄譚に出てくるような英雄になって、また戻ってくるからね」
そう告げるとベルは墓を背に旅立って行った。
第?次聖杯戦争
薄暗い館の一室で怪しげな女が召喚陣を用いて、召喚を行なっていた。
「素に銀と鉄、礎に石と契約の大公ーー」
怪しい女が呪文を紡ぐ。
召喚陣が光輝いていく。
「汝三代の言霊を纏う七天、抑止の話より来たれ、天秤の守り手よ!」
詠唱が終わると共に周囲が光と煙に包まれる。
そして更に召喚陣は異常を起こしたかのようにスパークを放ち続ける。
「ちょ、何この魔力!?嘘まさか何かやらかしたの!?」
慌てている怪しい女は気付かない召喚した英霊が光となって消えていっていることに。
「ふう、オラリオ迄もう少しだな」
とある草原で腰を落ち着かせていたベルは再びオラリオを目指して歩こうとした。
その時、草原に嵐が巻き起こった。
ベルはその風に足をとられ尻餅をついてしまった。
そして誰もいない筈の草原から声をかけられた。
「サーヴァント、アーチャー。真名をヘラクレス。召喚に応じ参上しました。貴方が我がマスターか?」
突然筋肉質の大男に声をかけられたベルは驚いてしまう。
「へ?えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
これがいずれ英雄になる小さな少年と大英雄の出会いであった。
ベル君の反応が可愛いすぎる件について!!