国木田花丸の奇妙な冒険~プリーズサンシャイン~   作:ビーフクリームボロネーゼ

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『深紅』の誕生その①

目の前に広がるのは漆黒の闇…

耳には痛いほどの静寂しか感じ取れない…

黒澤ルビィの心の中には不安と恐怖が所狭しと溢れかえっていた!

突如、得体の知れない謎の少女に拉致されて気がつくとこの暗闇しかない部屋に閉じ込められていたのだ!

 

ルビィ「ぅゅ…おねぇちゃぁ…」

 

ルビィは瞳に涙を浮かべて今にも泣き出しそうである…

と、そこへ

 

バタァンッ!!

 

ルビィ「ピギィッ!?」

 

扉を開けて誰かが入ってくる!

開かれた扉から光が差し込むが、一瞬の出来事であり扉はすぐに閉ざされてしまう!

 

「貴女が…黒澤ルビィさん?」

 

声が聞こえる…

女性の声である…

 

ルビィ「あなたは誰?…ここは…何処なの?」

 

ルビィ「どうしてルビィを誘拐したりするの…?」

 

恐る恐るルビィは尋ねる…が

 

「ハァ…」

 

返ってきたのは溜め息であった!

 

「質問に質問で返すんじゃあない!」

 

ルビィ「ピギィッ!?」

 

「疑問文に疑問文で答えろって親にでも教わったのか!?このド低脳がァーッ!!」

 

ルビィ「ひぃぃ…ごめんなさいごめんなさい!!」

 

「ハァ…もう一度聞くわよ?」

 

「今度私の質問に答えなかったらその犬の糞が詰まった糞袋みたいなクサレ脳ミソを捻り潰すわよ?」

 

ルビィ「は…はいぃ…」

 

「…貴女が黒澤ルビィさんね?」

 

ルビィ「ハ、ハイ!黒澤ルビィです!!」

 

「よろしいわ、よくできました」

 

ルビィ「は…はい…」

 

「ご褒美の代わりにさっきの貴女の質問に答えてあげるわ」

 

ルビィ「…え?」

 

ツバサ「私の名前は綺羅ツバサ」

 

ツバサ「ここは私の館よ…」

 

ツバサ「そして私は貴女をスタンド使いにするために貴女を拉致したの」

 

ルビィ「え?え?」

 

ルビィは訳が分からず困惑する!

 

ルビィ「ルビィが…スタンド使い?」

 

ツバサ「ええ、そうよ」

 

ルビィ「そんなの…おかしいですよ…」

 

ルビィ「だってルビィはスタンド使いの才能が無いんだって海未さんが…」

 

ツバサ「それは違うわ…」

 

ツバサ「貴女はスタンド使いの才能をちゃんと持っている…」

 

ルビィ「でも…海未さんが…」

 

ツバサ「ハァ…」

 

ツバサ「いいかしら…よく聞きなさい」

 

ツバサ「園田海未のスタンド『ザ・リーズン』」

 

ツバサ「あのスタンドは他人のスタンド使いの才能を見抜き、才能がある者に当たった場合、その者をスタンド使いにする…」

 

ツバサ「そういう能力を持っているっていうのは知ってるわよね?」

 

ルビィ「は…はい…」

 

ツバサ「でもあれが見抜けるのはスタンドがその本体にとって害にならない場合だけなのよ」

 

ルビィ「え?」

 

ルビィ「それって…どういうことなんですか?」

 

ツバサ「…スタンドの中にはそのスタンドの本体にとって害になるものもあるのよ」

 

ツバサ「とあるスタンド使いは自分のスタンドのせいで鉄塔の中に閉じ込められていると聞いたことがあるし…」

 

ツバサ「またあるスタンド使いは自分のスタンドに背中を剥がされて殺されたらしいわ…」

 

ルビィ「ひぃっ!?」

 

ツバサ「そういったスタンドは園田海未のザ・リーズンのスタンドの才能探知レーダーには引っ掛からないようなのよね…」

 

ルビィ「…どうして」

 

ルビィ「どうしてそんなことが分かるんですか?」

 

ルビィ「ルビィには本当に才能が無いかもしれないのに…」

 

ツバサ「それはないでしょうよ」

 

ツバサ「だって貴女のお姉さんはスタンド使いじゃあないですか」

 

ルビィ「…え?」

 

ツバサ「血の繋がりのあるものがスタンド使いならばその血縁者もスタンド使いになれる素質がある可能性が極めて高い…」

 

ツバサ「…だからよ」

 

ルビィ「え…でも、あくまで可能性が高いってだけなんじゃ…」

 

ツバサ「そうね…でもまぁ、もし貴女にスタンド使いの才能が無くても貴女が死ぬだけ…」

 

ツバサ「私にリスクは無いもの…」

 

ルビィ「そ、そんなぁ!!」

 

ツバサ「と、いうわけで早速アナタに矢をぶち込ませてもらうわね」

 

ルビィ「ま、待ってください!害のあるスタンドなんて、欲しくな…」

 

ツバサ「問答無用よ」

 

グサリッ!!

 

→to be continued


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