国木田花丸の奇妙な冒険~プリーズサンシャイン~ 作:ビーフクリームボロネーゼ
花丸は家から脱出するために玄関を目指して走っている!
そして、ついに玄関が見える…
と、思いきや!
メラメラメラァ…
花丸「そん…な…」
玄関前はシャングリ・ラ・シャワーの水蒸気で完全に燃やされて炎が立ち込めていた!!
花丸「玄関からは出られない…」
花丸「別の出口を探すずら!」
花丸は他に脱出できる場所を見つけるために踵を返した!
そんな花丸を玄関付近に溜まっていた水蒸気は追尾し、玄関口から花丸の家を焼いていく!!
シュボォォォォ…
花丸「炎が迫ってくるずら!」
水蒸気というものは本来は無色透明で人間の目には見えない気体である!
似たような湯気や湯煙などはその水蒸気に水滴が混ざり混むことで白く可視化されるのである!
現在花丸に迫っている水蒸気は水滴などの混じりけの無い純粋な水蒸気ッ!!
花丸にはその存在を目視で確認することはできず、その水蒸気が引き起こす火災と感じる熱気だけで大体の距離を把握しなければならない!!
そしてこの水蒸気の温度は木材の発火点である摂氏250℃を優に超えている!
もし花丸がこの水蒸気に直に触れてしまえばッ!!
火傷どころでは済まないだろうッ!!
花丸「はぁ…はぁ…」
見えない高熱の水蒸気の恐怖が花丸に迫る!
目視で確認できないということは心の中に恐怖心を生むものである!
花丸(怯えちゃあダメずら!)
花丸(今この場所にはオラ一人しかいない…)
花丸(気持ちをしっかり持たないと…殺られるずら!!)
花丸は走り続けてお寺の本堂へと出る!
花丸「ここから外に出れば…」
と、その時!
花丸「!?」
花丸は本堂の中へと湯気を放ちながら入ってくるお湯の塊を視界に捉える!
そのお湯は急激に沸騰を始める!
花丸「あれはまずいずら!」
花丸はお湯の塊から距離を取る!
その数瞬後にそのお湯の塊は大爆発を引き起こした!!
バッグォォォォォォーz_ンッ!!
花丸「うぁっ…!」
辺り一面に水蒸気が立ち込める…
先程発生したお湯の大爆発…
花丸は本で読んでその現象を知っていた!!
花丸「水蒸気…爆発ずら!」
水蒸気爆発ッ!!
それは熱された水(H2O)が一気に水蒸気となることで体積が急激に膨張し、それによって引き起こされる爆発のことである!
因みに水が水蒸気に変化する際に体積がどれ程膨張するのかというと、およそ1700倍である!
花丸「あ、熱い…今すぐここを…離れるずら…」
そして悪いことにシャングリ・ラ・シャワーの能力によって、水蒸気爆発でできた大量の水蒸気は更に熱されることで木材の発火点を超えて周囲を焼き尽くす灼熱の地獄ガスへと変わっていく!!
水の時より1700倍に膨れ上がったその体積の全てがこの灼熱の地獄ガスなのだ!!
焼き尽くす範囲は更に拡大し、周り中が火の海と化す!
それと同時に花丸自身に迫ってくる灼熱の魔の手も1700倍になるということなのだ!!
まさしく、このお寺の本堂は蒸し風呂地獄と言っても過言ではないッ!!
花丸の体力は水蒸気に直接触れずともその熱気によって徐々に奪われていくのだ!!
花丸「ぅお…」
花丸「ズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラズラァッ!!」
花丸はお寺の本堂の壁を破壊して脱出する!
花丸「ぁあ…頭がくらくらするずら…」
今、花丸はサウナに長時間入った時のようにのぼせてしまっている!!
視界はふらつき、思考力も鈍っている!
そう、これこそがスタンド『シャングリ・ラ・シャワー』の恐ろしさなのだ!!
花丸(はぁ…はぁ…敵を…早く…見つけ…ないと…)フラフラ
花丸(ぁあっ…)ペタン
花丸は蒸し暑さのあまりその場にペタンと座り込んでしまう!
花丸(ここで…止まったら…蒸気…が…)
花丸(早く…進まないと…いけ…ない…のに…)
花丸(立て…ない…ずら…)
座り込んでしまった花丸に蒸気の魔の手が徐々に迫ってくる!!
花丸(うぅ…もう…ダメ…ずら…)
花丸(暑い…うぅ…)
花丸(…………)
→to be continued