アーマード娘空 はーどもーど   作:人類種の天敵

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今回はMTを出します。


MTは必要!

 

 

「えー、無事(?)のーまる娘鴉が4人も増えまして……見事資源が底をつきました」

 

鎮守府に溜まっていた資源は全て底を突いた。

有ることは有るのだが、どれも微々たるものであり、その中で唯一コジマ粒子はたっぷり有るのだが、それを扱えるねくすと娘空はこの鎮守府に1人も所属していない。

つまり、現状で深海棲艦に襲撃されて撃退に成功したとしても、失った燃料や弾丸の補給、並びに傷付いた装甲やAPの修復は難しいというわけである。

 

「誰か改善策若しくは対策等がありましたらどうぞー」

 

「はぁい」

 

いの一番に手を挙げたのはクソ天使。

では意見をお願いしまry

「まず最初に初期ねくすと娘空選んでもらって良いかしry」

「お前ばっかじゃねぇーの!?普通そういうのさぁ!いっちばん真っ先にやる事でしょ!?鎮守府着任して最初にやる事でしょ!?チュートリアルより先にやる事でしょ!?マジでバカなの?死ぬの?」

 

激怒して詰め寄るが、当の天使はあくびしながらリラックスしてやがる、ふぁっく。

 

「はいはいはいはい。選択肢はfA基準ね。GA、インテリオル、ローゼンタール、独立傭兵。好きなの選びなさい」

 

「…………ここで選ぶとしたらGAの小悪魔超人なんだろうけどなぁ……搭載火器の継戦能力と実弾防御的に……。でも、アリーヤも捨てがたいんだよなぁぁぁ………」

 

ライフル一本だけでも火力のある小悪魔超人にするべきか、弾数の豊富なマシンガンと補給一切不要のレーザーブレードを持つアリーヤを取るべきか……………。

でもそれなら丁度いい中間の立ち位置+アサルトアーマー使用可能なローゼンタールのランセルもいるわけだしなぁ。

………え?歯茎?やだよアイツ、実弾防御全くねえしASミサイルめっちゃ高価だし……。

 

「まあでも、今後の開発で出るし、あんまり深く考えなくて良いわよ」

 

「………じゃ、アリーヤで」

 

その数分後、鎮守府に新しい仲間、それもねくすと娘空が加わることになった。

名前はアリーヤ、黒一色の服と髪の毛に赤い瞳を持つ少女だ。

 

「レイレナード型中量二脚のアリーヤです!よ、よろしくお願いひまっ……!?か、噛んだぁ……ぁぅ…」

 

なんとも可愛い娘だ。

これからは彼女を核にして、当分は隊を組むことになるだろう。

 

「ハイハーイ。周りで屯してるゴミ虫どもを根絶やしにして物資を分取っちゃえばいいと思いマース!ギャハハハハー!」

 

会議を再開ーーー主任が笑いながら言うが、実の所その案は既に考えていたものだ。

鎮守府の四方を深海棲艦の拠点に囲まれており、資材は既に枯渇している。

そんな絶望的な状況であるものの、敵の拠点が幾つも近辺にあり、しかもクソ天使に聞くと鎮守府に一番近い拠点は深海棲艦の練度も低くく、その割には奴らが貯め込んでいる物資が潤沢にあるとか。

 

「そんな話を聞かされたらそら襲うしかねえだろ」

 

そこで一つ、問題がある。

それは、襲撃作戦の戦略だ。

総勢5名しかいない実行部隊を陽動と隠密の二手に分けて行動させるべきか、纏めて送り込んで制圧し、悠々と物資を運送させるべきか。

 

「でもなぁ………もし襲撃したのが深海棲艦にバレて実行部隊を投入してる間に反撃喰らうのもマズイよなぁ……」

 

3騙トリオとサイレントアバランチ、アリーヤをどう使うか……だな。

順当に考えればのーまる娘鴉を防衛に、ねくすと娘空を強襲に……っていうのがセオリーだよなぁ。

 

「なんかねえか?クソ天使」

 

考えた末に泣きついたのはクソ天使。

奴はニヤリと薄く笑うと、ひと束の紙と羽ペンを取り出した。

 

「あ?初心者提督支援?……あ?」

 

内容はランドクラブのレンタル、ねくすと娘空のレンタル、資源等の購入など、簡単に言えば課金システムか。

 

「おぉ、AF娘の燃料弾薬もあっち持ちで値段が3千円……ちょっと待ってこれ一回につき?それとも期限制?」

 

「一回で」

 

「キャロリン。この鎮守府って今の所資金は」

 

「一万円です」

 

「ナメてんのか?」

 

たまげた、いくら放棄されていたみたいな話があったとは言え、初期資金がたったの一万円。

AF娘は心強いが、使えるのは精々3回ほど、今回は使うのは仕方ないとさて、あと二回が限度か…。

資源は今回の強襲で手に入るとして、資金も手に入るといいなぁ……。

 

「……司令官」

 

服の袖をクイッとされた。

後ろを振り向くと、その正体はサイレントアバランチだ。

 

「強襲が成功しても…この人数じゃ時間が足りない」

 

「……………あ」

 

確かに、確かに確かに。

襲撃に成功しても他の拠点から深海棲艦が打って出てくるかもしれない。

もしそれで持ち出せた資源が少なかったとか、アリーヤやサイレントアバランチが損傷を受けるなんてこれからキツくなる。

 

「運搬は……MTが適正」

 

「MT?」

 

MTと言えば、あのザコ敵で知られるマッスルトレーラーの事か?

 

「まあ、そうね。MTの能力はそういう仕事向きだもの」

 

「どういう事だよ」

 

「ええと。分かりやすく言えば、分身かしら。質量を持った分身を少量の資源を消費して出現させる。それらは本体であるMT娘の号令に従って色々な事をするのよ」

 

それは凄え、正にザコのための救済みたいなもんだな。

 

「なら、今やることはMT娘を開発する……か」

 

「MT娘の開発は駆逐艦の様な立ち位置で覚えなさい。最低値で回せば出てくるわ」

 

へえ、ならのーまる娘鴉は重巡〜って事になるのかな、いやいや、あくまでも開発の場合か………。

駆逐艦みたいに超高速なMTとか想像出来ねえわ。

 

「とりあえず、回して。それから作戦を開始しよう」

 

 

 

 

 

 

「ステルスMTのフリューク。分身の数は3体まで。これから宜しく」

 

「ディギーよ。元は重工業に扱われていた作業用MTだ。分身の数はMTの中でも多いから、運搬や作業なら任せてね」

 

とりあえず二回回した。

出たのはステルス迷彩を持つフリュークと作業用MTのディギー。

 

…………それにしても運が良い。

今回の任務、襲撃と物資略奪に御誂え向きのMT娘が2人も出てくるなんて。

当初は適当なMTでも良いと思ったが、これなら少ない戦力でかなりの戦果が期待できるな。

 

「よし、3騙トリオとSアバランチ、フリューク、ディギーで敵拠点を襲撃。ディギーとフリュークは陽動部隊が暴れてる間に敵戦力の薄い所から侵入して、主にフリュークが制圧とディギーは物資の運搬だ」

 

サイレントアバランチ、フリュークとディギーが頷き、3騙トリオは「えぇ〜」という不満顔で互いに肩を組みながら顔を見せ合っている。

 

「そんでその間の拠点の防衛はレンタルしてきたランドクラブ(GAタイプ)とアリーヤだ」

 

防衛のためにAF娘のランドクラブをレンタルした。

とりあえずランドクラブで敵の動きを抑え込み、その間にアリーヤが敵の懐に突っ込んで制圧するといった役割分担になる。

 

クソ天使に聞くと、ランドクラブの中に小型AC(妖精が載るらしい)を搭載しておけば格納できる数小型ACの展開が可能になるらしいが、今回はあいにくと間に合わなかった為に、AFとネクストの組み合わせなら遅れをとることはないと割りきる事にした。

 

「次は、装備を改めよう」

 

実はフリュークを開発した時に光学迷彩を、ディギーを開発した時にとっつきを貰っていた。

とっつきは使わないが、光学迷彩の方は高性能フルオートハンドガンと一緒にサイレントアバランチに搭載した。

現AC部隊のエースとしてサイレントアバランチは運用するのでこの位のカスタムは必須だろう。

 

…………余談だが、3騙トリオ開発の報酬は、まさかのトロフィー獲得と『KING of 騙して悪いが』の称号だったーーーーーイラネ。

 

「……ありがとう、ございます」

 

新たな装備に目を輝かせたサイレントアバランチは、それが恥ずかしいのか、直ぐに首元のマフラーに深く顔を埋めた。

それを見て3騙トリオがブーブーと煩いが、無視を決め込む。

 

「それじゃ、作戦開始」

 

この鎮守府に来て最初の作戦が始まった。

 

 




MTは遠征系とか運搬などで必要不可欠な存在にしていきます

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