双剣の騎士 ベイリン   作:とれんた

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ロリトリアさんの登場回です。登場させるか、させないか迷いました。

それとアニメのチェインクロニクルのフィーナさんがかわいい。



七話

 エクター卿との母が想起した訓練の後、俺たちは家に帰った。家に帰るとベイランは俺のことを心配していたが何度も大丈夫だといって、無理やり納得させた。それから、ベイランは自分の部屋に行ったのを見てから俺は執務室にいるだろうバーロンのところに向かった。今日あったことを誰かに聞いてもらい、そのことで自己分析と他者の意見を聞いてみたかったからかもしれない。ノックし返事をもらった後に執務室に入るとバーロンは葬儀の知らせと招待に関すること手紙に書いていた。その普通なら自分がやらなればならない仕事をやらせているうえに、自分の自己分析につき合わせてしまうようで少し申し訳なくなったが、その気持ちを少し振り切り声を出した。

 

「バーロン、その葬儀の知らせについて書きながらでいいから今日の外出している間の話を聞いてくれないか」

 

俺がそう話しかけたらこの数日間話しかけることが少なかったからかバーロンは少し驚いて、一瞬持っているペンが止まったが、すぐにペンは動き出し、こちらを見てしゃべるならしゃべれと言って、すぐに作業に戻った。そういったバーロンに対し、俺は今日の外出中にあったことのほとんどすべてを話した。外出してすぐのベイランと談笑をしながら大通りの店を回ってみたこと。その途中で、真っ白なマーリンと名乗る魔術師に出会ったこと。そのマーリンの仲介によってケイとエクター卿と知り合えたこと。そのエクター卿に稽古をつけてもらったが、俺が泣きそうになって稽古を切り上げさせてもらったこと。このこと特に詳しく話した。話が終わると、バーロンは少し安心したかのような表情をして、短くそうかといった後、動かしていたペンを置き、

 

「ベイランのことは分かった。それと、お主はなぜ儂が少し安心したかのような顔をしていたのか疑問に思っておるじゃろうから答えてやる。儂は主が主の母が死んだ日以外ろくに泣いている様子がなかったからその感情ため込んでいるかと思っていたんじゃよ。前にも言った通り、そのような感情はなるべく早く吐き出さねば死者にとりつかれるからの」

 

といった。その言葉を聞いて、自分でも振り返ってみると俺は母の死んだ日以降、確かに泣いていたことがなく、また、自分でもそのように律してした。そのことが逆にバーロンを心配させたと思うと少し、悪いことをしたなと感じた。その様子を見ていたバーロンは、

 

「主がそのような気持ちを沈めて、感情を律しようとしていたことを知っておったが、子供がそのように隠そうとするのは不気味じゃったわ。じゃが、そのようにしなければならなかったのもわかるがな」

 

と言って自分のことを振り返っているかのように言った。俺はそんな風に言うバーロンに感謝を言った。確かに客観的にみると、母が死んだのにあまり悲しんいなそうな子供は不気味だなと思い、また納得する。その後、部屋にノックの音が響いた。バーロンが返事をすると家政婦の女性が入ってきて、お食事の準備ができましたと言って去っていった。その言葉を聞き、俺は食事にしないかというとバーロンは

 

「あぁ、晩飯にするか」

 

と短く返し、二人でお茶の間に行った。

 

 

 

 

 居間につくとベイランはすでに机についており、俺たちが来るのが遅いと思っていたのか少し頬を膨らませていた。そのさまが個人的には少し面白く笑っていると、さらに頬を膨らませていた。さすがにすねたのかこちらから顔を背け始めたので、まずいなと感じた俺は、

 

「すねるな、ベイラン。俺が悪かった」

 

と、いうと素直に元の顔に戻し申し訳なさそうに謝ってきていた。そんなふうに他愛のない話をしているうちに俺はベイランの対面、バーロンは上座に座ると料理が運ばれてきた。端的に言って、ブリテンの料理は基本的にあまりおいしくない。というより、工夫が全く施されていない。だからだろうか、母はそんな味気のない料理を嫌っていた。うちのシェフはそんな母の要望に応えて、なるべく工夫の入った料理を出すようになったらしい。らしいっていうのは、俺が生まれるころになるとシェフの料理はすでに母の満足のいくレベルに達しており、俺は比較的工夫のなされた料理を食べていた。シェフはよく煮物系の料理を作る。今日、運ばれてきた料理も煮物だった。その料理を食べながら、俺は明日の予定を言った。

 

「バーロン、明日俺はエクター卿のところに行きたいと思う。エクター卿のところに行って、剣術を少しでも学んできたいと思っている。それでいいか?」

「おう、そうか。主は剣術の修練にいくのか。ベイラン、主はどうする?」

「私はお兄様についていって、一緒に修練に参加したいと思います」

 

という会話をして、夕食は終わった。

 

 

 

次の日、エクター卿とケイに教えてもらった修練場に行くと金髪碧眼の五歳くらいの女の子っぽい子がいた。

 

 




ロリトリアさんを出すとは言いましたが、しゃべるとは言ってないです(小声)


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