結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。 作:海棠
風都の観光や様々な夏の思い出が過去の輝かしい記憶となりつつあるこの季節、最近学校はある一つの出来事で騒がしくなっていました。
『『『文化祭、キタ――――――――――ッ!!!』』』
そう、文化祭です。私としてはどうでもいいですけれどこううるさいと面倒な気持ちになるものです。
「うるさいぞ! 静かにしろ!」
するとシンッ…と静まり返りました。
さすがは織斑先生、黙らすことだけは得意のようだ。
「まずは出し物を決めるべきだ。これについては私からは何も言わん。好きに決めてくれ」
当たり前だろ。なに脳みそが腐ったようなことを言ってるんだ、この
するとチョークが飛んできたので私は手ではじいておく。
「・・・あまり失礼なことを考えるなよ? 結月」
「すいませんが…、その失礼なこととは、一体具体的にどういうことなのでしょうか?」
「・・・なんでもない、どうやら私の気のせいだったみたいだ」
「ないんだったら最初から話しかけてくるなよ」
「なんか言ったか?」
「空耳ですよ、織斑せーんせい♡」
面倒なのでそういうことにしておいてください。そんな意味も声と目線に込めて言う。
「・・・はぁ」
どうやら
~少しして~
「やっぱり織斑君のプロマイド写真とか売りだしたらどうかな?!」
「いやいや、ここは織斑君の執事喫茶でどうよ!」
「織斑君の女装メイド喫茶も捨てがたいと思います!!」
なんだこれ。
いつの間にか黒板にはすごいカオスなものが書かれまくっていた。例を上げたら
・織斑君のヒーロー劇
・織斑君による大人のご奉仕♡
その他もろもろetc...
もう一回言おう。
なんだこれ。
すると何か視線を感じたので視線の方向を見るとなんかぐったりした感じで真っ白に燃え尽きている織斑先生の姿が!と言ってもそこまで同情はしないですけど。
・・・まぁ、でも、ねぇ。
「すいません。少し話の腰を折るようで悪いのですが…」
「ん、なになに?」
「さすがに織斑さんをこれ以上パンダにするのはちょっとどうかと・・・」
「珍しいね。結月さんがそんなこと言うなんて」
「まぁ、確かにそうですね。ですが、ひとこと言わさせてもらいましょう。・・・あなた方は織斑さんを使わなきゃまともに文化祭をできないんですか?」
するとクラスがシンッ・・・となった。
「・・・どういう意味よ?」
「言葉の通りですよ。あなた方はさっきから織斑さんを利用して稼ごうとしか考えていないじゃないですか。確かに彼はネームバリューはありますし、客寄せ効果もあると思いますよ?思うんですがね?じゃああなたたちは彼が頑張っているときになにしてるんです?まさか高みの見物とは言いませんよね?」
『『『・・・』』』
「・・・言い返すぐらいしてくださいよ。そして織斑さん」
「え、俺?!」
「あなたも同罪ですよ。何流されてるんですか。自分をしっかりしないとだめですよ。それだから童貞なんですよ、全く」
「ど、どどどどど童貞ちゃうわ!」
「え?非処女?」(突発性難聴)
「まだ菊は散ってねぇ!!」
「切り落とすぞ」
「なにを??!」
「言わせんな恥ずかしい」
「恥ずかしいって感情あったんだ・・・」
「おい誰ですか今さっき言ったやつ。怒ってないから素直にこっち来てくださいな」
そう言った直後チャイムが鳴り、クラスメイトの方々は皆思い思いの方へばらばらに分かれていきます。
これは余談ですがあとで来た人にはデコピンをくらわしておきました。
そしてすべての授業が終わり、放課後になりました。
え?展開があほみたいに早いですって?
作者が感覚取り戻そうと頑張っている最中ですから仕方ありませんね。
「ゆかりさん・・・?」
おっといけない。簪ちゃんを待たせていたのを忘れかけていました。危ない危ない。
「えぇ、今日はどうしましょうか?」
「・・・」
「・・・?」
なんか今日は少し元気がないように見えます。朝までは普通だったので恐らく授業中のどこかか昼休みで何かあったに違いありません。
「簪ちゃん」
「?」
「何があったのかは聞きません。ですがあなたが何か悩んでいるのであれば、私は最善の努力を尽くしてあなたの問題を解決することを自身に誓っています。・・・こんな私でも、頼りないでしょうか?」
「・・・い、いや、ゆかりさんのことはすごく頼りにしてるよ・・・。だけど・・・」
「・・・?」
「これ以上困らせたくないっていうか…うぅ・・・///」
「―――――――――――」
何ですか、これ。尊すぎでしょう?こんなことがあっていいんですか?!え、マジで?嘘ぉ?
「オ、オホン。い、いえ、私は別に迷惑とも思ってないですし、困ったと感じたこともないですよ?」
「・・・ホント?」
「えぇ、ホントです。ささ、話してくださいな」
「うん、実はね…」
~事情説明中~
「で?お姉さんが私と付き合うなって言ったんですか?」
「うん。だけど、そんなの無理だよ・・・。私、ゆかりさんにたくさん助けてもらったのに・・・まだ・・・何も返せてないのに・・・」
そう言った簪ちゃんの目はうるんでいました。
「ッ・・・簪ちゃん」ギュッ
「・・・?」
「そんなやつの言葉、無視すればいいんです」
「え・・・?」
「簪ちゃんを悲しませる奴は全員無視すればいいんです。それに」
「?」
「私は貴方を絶対に守り抜きます。周りを信じられなくなったとしても、それだけは、信じてください」
「・・・ひどいこと、言わない?」
「いわないですよ。なんで言わなくちゃいけないんですか」
私は微笑みながら簪ちゃんの涙をぬぐってあげます。
「さぁ、今日は腕によりをかけちゃいましょうかね。食材買ってきてくださいませんか?」
「うん、月影さんも誘ってきていい?」
「どうぞどうぞ。誘ってあげてください。あの人も喜ぶでしょう」
私がそういうと簪ちゃんはにこにこしながらその場を離れていった。
・・・さて。
「そこの陰で見ているんでしょう。更識楯無」
「・・・」
返事はない。だけど気配はします。わざと気配を出しているんでしょうねぇ。
ま、言いたいこともありますしこっちの方が好都合でしょう。
「その場にいるんでしたら話が早い。更識楯無。私はここで宣言します。簪ちゃんは私が世話をします。姉としての責務さえ果たせなかったあなたに、簪ちゃんは救えない」
「・・・ッ!!!!」
「私だけが簪ちゃんを救えるとは絶対に思わない。・・・だが、それでもあなたよりかは絶対にマシだと、私は信じたい」
「・・・」
「つまり何が言いたいかと言うとですね?私はあなたたちに宣戦布告するということです。簪ちゃんは、もうあなたを必要としていないんですよ。なぜかって?」
「・・・」
「すべてあなたたちの自業自得だ。ということです」
私は言いたいことを全部言った後、簪ちゃんを追いかけるようにその場から離れました。
こっからある意味ラストスパート。
プロットはできているのでそれを文章化するだけなのですがなかなか練れずに困りどころ。