結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。 作:海棠
1話『変身』
皆様、こんにちわ。結月ゆかりです。今は晴れて中学1年生です。
皆さまは【IS】、通称【インフィニット・ストラトス】をご存知でしょうか?
知らない方もいらっしゃると思うので説明いたしましょう。
【インフィニット・ストラトス】とは、かの大天災、【篠ノ之束】がつくりだしたまあ、アーマーと呼べばいいですかね。どうやら宇宙まで行ける代物みたいです。すごいですよね、宇宙服なしで宇宙に行けるなんて。これ使えば月面旅行や月面探査も夢じゃないと思うんですよ。
ですけど、現実はそういかないのも事実。なぜか日本に向けて世界中から発射されたミサイルは一基のISによってすべて撃ち落とされました。この事件は通称、【白騎士事件】と呼ばれています。
・・・よく考えたらそんなことしなくてもよかったと思います。なぜかって?そんな不思議な代物を急にポンと出されてはい信じろというのが無茶というものです。篠ノ之束はよほど非常識だったのでしょう。もしくはバカだったか。
天才は意外とバカだって相場が決まっていますからね。アハハ。
・・・失礼、脱線しました。とにかく、この事件からISは急速に広まり、全世界でISが侵食し始めました。結果、女尊男卑の風潮が生まれてそのままかと思われました。
しかし、大企業【ZECT】がそれに代わる新たなシステムを開発したのです。
・・・ああ、失礼。ZECTとは一体何か、ですって?これも説明いたしましょう。
ZECTとは先ほども申しましたように巨大企業です。車や建築、日常用品から薬品まで私たちの生活には絶対にこの企業が絡んでいるほどの巨大企業です。
『つまようじからロケットまで』。この言葉がよくZECTのフレーズで使われています。
・・・とにかく話を戻しましょう。先ほど申しましたようにその大企業ZECTがISに対抗するために作り出したシステムがありました。その名前は【MASKED_RIDER_SYSTEM】通称【M.R.S】です。ちなみにこれは男性しか扱えない仕様になっています。
これを発明したのは結城博士という博士でして、瞬く間に世界に広まりました。なぜかって?現実味があったからです。
このシステムによってISによるテロ事件が急激に減ったことは皆さま周知の事実なのです。それに、今こうして男女平等にほとんど戻ってきていることも実績の一つですかね。
さて、無駄話はここまでにしといて・・・。
『オイ!早くこれを運べ!』
『こいつを何とか食い止めろ!』
『ウワァアア!!』
・・・これはいったいどういう状況なのでしょうか?私がお気に入りの風景が見える港まで来たらこんな光景が目の前にありました。
化け物を4人のM.R.Sをまとった人たちが相手してます。あ、一人はなんかアタッシュケースを持ってますね。あれを狙ってるんでしょうか?
私はぼーっとそれを見ていました。なぜかというと、目の前の光景が現実とは思えなかったからです。
『グワァアア!!』ポーイ
あ、アタッシュケースを持ってた人が攻撃されてアタッシュケースを宙にほっちゃいましたね。そして吸い込まれるように私の手元に飛んできました。わお、なんて狙ったように飛んでくるんでしょうか。私はそれを両手でキャッチしました。
・・・ん?これってまずくないですか?あ、化け物こっち向いた。
すると化け物がとびかかってきました。・・・え?
「キャアアアア!!!」
~☆~
彼女は間一髪でよけると全力で走り出した。・・・なぜかアタッシュケースを抱えながら。
「なんでこんな目に合わなきゃいけないんですかぁああああ!!!!」
彼女は半泣きになりながら叫ぶ。しかし、それを聞いてくれるのは化け物だけである。しかも化け物には言葉なんか通じやしない。
するとアタッシュケースがガタガタし始める。
「ウェ?!ナ、ナンディスカ?!!ナズェアタッジュケースガガタガタシテルンディスカー?!!」
もはや何を言ってるかよくわからないくらいひどい滑舌になっている彼女。
「ガァ!!」ドガッ
「きゃああ!!」
化け物に攻撃されて思い切り吹っ飛ばされる結月。その拍子にアタッシュケースを落としてしまった。それと同時に留め金が外れて急に何かが中から飛び出してきた。
それは化け物を吹っ飛ばすと結月にぴょんぴょんと跳んできた。
「ふぇぇ・・・。なんで私今日こんなについてないんでしょうか・・・」
≪ソコノ君!≫
「え?だ、誰ですか?」
≪ココダヨ、ココ。君ノ目ノ前ニイルジャナイカ≫
結月が少し下を向くと機械のウサギがぴょんぴょんと跳ねていた。
「え?!この子ですか?」
≪ウン。トリアエズ君ニヒカレタカラサ、サッサトべるとヲ付ケテホシインダヨ≫
「え?!でも・・・」
≪死ニタクナインデショ?≫
「は、はい!」
彼女はまだまだやりたいことがたくさんある。ここで死ぬのはまっぴらごめんである。だから彼女は頷いたのだ。
≪ダッタラ方法ハ一ツ。変身スルシカナイヨ!ササ、あったしゅけーすノ中ニべるとが多分マダアルハズダカラ腰ニツケテヨ!ソノ間僕ハ・・・≫
バシィン!
その機械のウサギはぴょーんと勢いよく跳ねて化け物を弾き飛ばす。
≪コイツヲクイ止メル!サア、早ク!≫
「は、はぃいい!!」
ゆかりは転びながらもアタッシュケースまでたどり着くとベルトを取り出した。そして腰に巻く。
「こ、こうですか?!」
≪ソウ!ソシテべるとニアルぼたんヲ押シテ≫
「こ、これですか?!」カチッ
するとふたが開く。
≪キミ勘ガ鋭イネ!ソコニ僕ヲせってぃんぐスルンダ!!今カラ行クカラ!≫
「は、はい!おいで!」
≪ウン!≫ピョーンピョーン
するとその機械は彼女の右手の平に乗る。
≪言ットクケド頭ガ右ニ来ルヨウニせっとシテヨ!≫
「わ、わかりました!えい!」
≪痛イ痛イ!ソンナニ勢イヨク入レレバイイッテモンジャナイヨ?≫
「す、すいません!」
≪・・・マ、次カラ気ヲ付ケテヨ?≫
「は、はい!(・・・あれ?私がまた変身すること前提ですか?)」
≪サア、【変身】ッテ言ッテ!≫
「え?!」
≪【変身】ッテ言ッテ!!≫
「ヘ、ヘシン!!」
【HENSHIN】
そんな音声が鳴ると彼女の体の周りを何かが急に包んでいく。
『え?!なんですか?!これ!!』
彼女はうろたえる。そうしている間にも彼女をアーマーは包んでいく。
そしてアーマーが彼女を包み切ると再び音声が鳴り響いた。
【CHENGE! HASE!】
紺色の装甲に青く光る発光部分。今ここに次世代ライダー「仮面ライダーハーゼ(P)」が参上した。
『・・・?』
彼女は信じられないように自分の手を見た後、顔をペタペタと触る。そして叫んだ。
『エェ?!私、変わってるぅ?!!』
≪ダカラ【変身】ナンダヨ!!≫
彼女に突っ込む機械のウサギ。
≪トニカク、サッサト倒シチャッテ!≫
『えぇ?!どうやってですか?!!』
≪殴ッテ蹴ッテヲ繰リ返セバ倒セルンジャナイ?≫(適当)
『よぉし!!』
彼女は構えると走り出した。
≪・・・エ?≫
『とりあえず殴ればいいんですよね!!』
≪ウン、ソウダネ!ソノ通リダケドソノママ殴リニ行ク?!普通?!≫
『こういうのはノリのいい方が勝つんですよぉ!てぇええい!!』
彼女の繰り出した拳は化け物の腹に思いきりめり込んで吹き飛ばした。
「?!!」
『おお!効いてるみたいですよ?!』
≪ウン、ソウダネ!ソノ調子!≫
『よし!うぉおお!!』
そしてそのまま倒れこんでいる化け物に一気に突っ込んでいく。
『えーーーい!!』
「ガァッ?!!」
『やっぱり効いてるみたいですよ!このままいけば!』
≪倒セルカモシレナイネ!≫
『よぉし!頑張っちゃいますよー!!』
そしてそのまま突っかかっていく。
しばらくそのまま殴る蹴るを繰り返していると化け物の動きが鈍くなっていく。
≪トドメダ!≫
『え?どうやってです?!』
≪トリアエズ僕ノ足ヲ折リ曲ゲテ≫
『こ、こうですか?』
【Rider_Jump!】
『へ?』
すると急に足にエネルギーがたまり、そのまま跳躍した。
『ひゃああああ?!!』
≪ソシテ元ニ戻シテ!!≫
『は、はいいいい!!!』
【Rider_Kick!】
そしてさらに左足がエネルギーを帯び、そのまま重力に従って降下していく。そして左足が化け物に激突するとその化け物は吹っ飛ばされた。
そして化け物は一回起き上がったが緑色の炎に包まれて絶命した。
『も、燃えました・・・』
≪オメデトウ!君ハコレデ化ケ物ヲ倒シタンダ!≫
『す、すごいですね。コレ』
≪デショデショ?モットホメテモイインダヨ?≫
『すごいです!』
『動くな!』
≪『ヒャッ?!!』≫
ゆかりはびっくりしてあたりを見渡した。すると3人のZECT戦闘員に囲まれていた。
『お前!そのゼクターをこちらに渡せ!』
『すぐに渡してくれればこれ以上の危害は加えないと約束しよう!』
『・・・これどうやって外すんです?』
≪変身シタ時トハギャクニ引キ抜ケバイインダヨ≫
『こ、こうですか・・・?』ガチャガチャ
するとゼクターが抜けて装甲が解除された。
『なっ・・・?!』
『女?!』
『ありえない・・・』
「え、えっと・・・」
驚愕するZECT戦闘員とは裏腹にゼクターをそのうちの一人に手渡す結月ゆかり。
「こ、これ、お返しします」
『は、はい』
「す」
『す?』
「すみませんでしたぁああああああ!!!!!!」
そう叫びながら彼女は全力疾走でどっかへ走って行ってしまった。
続く
この世界のゼクターはしゃべります。