最初は葉山グループも一緒に連れてこようかと思ったんですけど、それやってたら一話じゃ終わらないと思ったんでカットしました。
週刊誌における読み切りと思ってください。
じゃあどうぞ。
In異世界召喚
「……あれ?」
俺は何をしていたんだったか。制服を着ているのだから学校にいたのか登下校していたのだと思うが、この場にいる前の状況が思い出せない。
この石造りの壁はなんだ。四方を囲まれていて薄暗い。LEDすらあるこのご時世にランプとか時代錯誤にも程がある。千葉にこのような場所があっただろうか。どこかのアトラクションにでも紛れ込んでしまったか。
「比企谷くん……?」
「あ、雪ノ下、お前もいたのか。後ろにいるのは由比ヶ浜か」
「ヒッキー、それにゆきのんも?」
後ろから声をかけてきたのは雪ノ下だった。俺の方を向いていて気づいていなかったようで、雪ノ下の後ろには由比ヶ浜の姿もあった。二人とも制服姿で、俺と同じくカバンを持っていなかった。
「ここ、どこかしら?」
「さっぱりわからん。なあ、ここに来る前って、俺たち一緒にいたのか?」
「え、そうなんじゃないの? 奉仕部にいたんだと思うけど……あれ、でも何してたか覚えてないや」
「雪ノ下、お前もか」
「……そうね。思い出してみようとしたのだけれど、朝だったのか昼だったのかもわからないわ」
さて、いったい何事なんだ。俺たちを眠らせて誘拐したのか? だけど、頭がぼーっとするとか眠らされた感じもない。ならどうやったんだ。
付近を見渡す。たまたま近くにいたからすぐに雪ノ下や由比ヶ浜には気づけたが、離れたところに何人かがいるように見えた。
「なあ、他にも何人かいないか?」
「ほぇ。あ、ほんとだ! 総武校の制服着てるよ!」
「あそこにいるのは一色さんではないかしら?」
部屋中を探し回った結果、一色に小町、戸塚とついでに材木座。そしてなぜだか留美がいた。
「留美までいるとなると、学校にいて誘拐されたってわけじゃなさそうだな。どこで何してた
か覚えてるか?」
「ううん。気づいたらここにいたよ。でも、八幡がいてくれて、よかった」
心細そうに俺の袖をつかんでくる留美。独りだけちょっと離れたところにいたからか、怖かったのだろう。頭を撫でてやると、猫のように目を細めた。
「ロリ谷くん? その不埒な手を放しなさい。状況に変化が起きる様よ」
「ん、ああ、そうだな。勝手に頭撫でて悪かったな留美」
「……いいのに」
「こんな時でも攻める姿勢を忘れない留美ちゃん、すごいなー」
「っていうかお兄ちゃん。小町には何もないんですかねえ」
そんな一幕はさておき、薄暗い室内に光が差してきた。ゴゴゴと、重い音を室内に響かせながら重厚そのものの扉が開かれる。どうやら外から開かれている様子。
強くなっていく光のその向こうにいたのは、
「まあ、此度の勇者様はたくさんいらっしゃるのね! 召喚に応じてくださり誠に感謝いたしますわ!」
「……は?」
一見してお姫様としか表現しかできない桃色髪のフワフワドレス少女と、一見して神官の雰囲気を醸し出している男が数名いたのだった。
後ろで材木座が「異世界召喚キタコレ!」とか言ってるが、バカなことを言ってんなとは思えなかった。まさにその状況じゃねえのか、これ。
何がどうなっているのやらと混乱している俺たちが石造りの部屋から出た後に連れてこられたのは、中世ヨーロッパ風の一室であった。見たことないのであくまで風であるが、RPGの城の中のような雰囲気があった。
楕円上のテーブルの円弧の部分にまとまって座る。反対側に先の桃色髪少女と中年の男性が座る。勝手なイメージだけど大臣とかそこらへんの役職だろうか。頭頂部のハゲ具合とかがそれっぽい。
そして、イスに座る俺たちの横からメイドさんが紅茶を入れてくれた。メイド喫茶に行ったことはあるが、さすがにバイトメイドとは一味違う存在感と手際の良さ。クラシックメイドさんに見とれていると、女性陣からの冷たい視線。居たたまれなくなり反対を見れば苦笑する戸塚と、わかっているぞとばかりに笑顔のうざい材木座。
「さて、もう落ち着かれましたでしょうか勇者様方」
全員にお茶が行き渡ったあたりで桃色髪少女がニコニコしながら口を開く。普通に考えれば男性が話を進めそうなものだが、印象通りなら姫様の方が位は高いのだろうし順当なところか。
そしてそれに誰が回答したものかと、皆が顔を見合わせる。こんなとき葉山がいれば間違いなく奴が応えたのだろうがいない。一番しっかりしているのは雪ノ下だが、あいつだってこんな状況で冷静でいられるとは思えない。というか、雪ノ下が俺を見ていた。いや、俺を見られても困るんだけどもな。初対面の女の子とまともに会話できるわけねえだろ。
俺が困っているのがわかったのか、雪ノ下ははあとため息をつき、正面を向く。
「その、勇者様方、というのは私たちのことでいいのかしら?」
「ええ、もちろんでございます! 皆様方は我らが苦難に主神さまが差し伸べられた救いの手でございます」
桃色髪少女の言葉に雪ノ下がこめかみを抑える。この子はあれだ。自分がわかっていることは相手もわかっていると思って話すタイプだな。
「その、状況が全くわからないのだけれど、詳しく教えていただけるかしら。どうやって私たちを連れてきたのか、なぜ私たちがここにいるのか、いつ帰れるのか」
「あら、皆様方は天の御使いではありませんの?」
「……言葉の意味はよくわからないけれど、違うと言っておくわ」
雪ノ下がちょっと切れそうになっている。会話が成り立ってねえもんだから、気持ちはわからんでもない。
そして雪ノ下が悪戦苦闘しながら聞き出した内容によると、俺たちは見事に異世界召喚された勇者であり、桃色髪少女は俺たちを召喚した国の王女だとか。ちなみに王様と第一から第三までの王子たち、つまり姫さんの父親と兄弟は魔物の討伐に出ているそうだ。
この世界には白い力と黒い力があり、それらが固まり形を成すという。なんのこっちゃという感じだが、エネルギーが固形になるのだとか。白いエネルギーは神で、黒い力は魔らしい。
黒い力が集まると魔物となる。それが一気に噴き出すのが『浸透』なる現象であり、それまで散発的に出現していた魔物が群れになる。白い力が魔物を倒せば倒すほど黒い力が削れていき、いずれは消滅する。それを『漂白』という。『漂白』されると世界は空白期と呼ばれる時期に入り、魔物が生まれてこない平和な時が流れる。
そして、白い力とは俺たちのことらしい。白とか黒の力の概念がない世界に住む人間がこの世界に召喚されると力を吸収するので、白い力だけがを集めた場所に勇者を召喚し、白一色の勇者を作り出す。俺たちが最初にいたあの場所がその白い力が溜まる場所なんだろう。
なぜ自分たちでどうにかしようとせずに他の世界の者を呼び出すのかと言えば、効率の問題のようだ。この世界の人間は白と黒、両方の力を常に浴びているので灰色の力を持っている。だから魔物を倒しても白一色の力を持つ勇者よりも黒色の力の浄化率が随分劣るため、この世界の人間だけで『浸透』を防ぐのはほぼ不可能なのだとか。
ギリギリまで待たずにもっと早くから取り組めよと思うが、白い力を貯めるのに『浸透』と同じだけの時間がかかるのでダメなのだとか。なんとも融通が利かないというか。
「戦うって、私たちにそんなことをさせるつもり?」
「主神様より皆様の属性に応じた魔法や戦衣が授けられているはずです」
「魔法? そんなものが私たちに?」
「現に、私たちは会話を出来ているではないですか。翻訳魔法なるものだそうで。この世界ではどの国も共通の言語ですので、こういった機会でもないとお目にかかることはないのですが」
会話はできていても話が通じているようには見えないんですが、それは。
「魔物と闘わなければ私たちは帰れない、とそういうわけかしら」
「いえいえ、何をおっしゃいます。『漂白』を成した暁には、皆様を国を救った英雄として歓待いたします。お帰りになられては困りますわ」
これはどっちの意味だ。帰らせるわけないだろ、帰れるわけないだろ。いずれにしても一筋縄ではいかないようだ。
さて、本気でそろそろ雪ノ下を止めないと面倒になりそうなので、説明(一方的な通達かもしれんが)を受けながら仕込んでいた策を発動させる。
「いい加減に、っ!?」
「そういうことならば姫よ! 我らが勇者一同、全力をもって世界を救うことに尽力いたしますぞ!」
「ま、まあ、それは心強いですわ! 我ら国を挙げてサポートさせていただきますわ」
「え、ちょ、勝手に……」
「雪ノ下、いいから黙ってろ」
「比企谷くん、どういう?」
「いいから。今は言うこと聞いてくれ」
「わ、わかったから、その、手を」
雪ノ下を黙らせるのに相手から見える様にはできなかったのでテーブルの下で手を握ったのだが、効果は覿面だった。向こう側の女性陣の視線が怖いが、緊急避難ということで勘弁してもらう。
「だけど、ちょっと急な話だし、長くもあったから疲れちゃったね」
「であるな。姫よ、我らも急な召喚にて混乱しております。しばしの暇をいただけますかな? 皆で話し合いたき事がございます」
「あら、それは気づきませんで申し訳ありません。それでは私どもは席を外したほうがよろしいかしら」
「申し訳ありませぬが、お願いいたします」
芝居がかった感じで材木座が他の連中を追い出してくれた。普段ならうっとおしいと思うところだが、俺が依頼したことなので何とも言えん。
奴らが出ていき俺たちだけになった室内であるが、特に会話もなく、みな一様に黙っていた。なんでか俺が握った手をニギニギしている雪ノ下はいったん放置するとして、俺は材木座が懐に入れていたネタ帳として使っていたメモに必要事項を書き始める。
「えっと、あの、ヒッキー? どういう」
『フリートーク』
「はい? いや、あの」
「いやー。それにしても驚くことばっかりだね!」
「う、うむ! 全くであるな!」
雪ノ下と姫様の会話の間、俺と材木座と戸塚は気づかれないように仕込みを入れていた。というか、材木座が持っていたメモ帳にやってほしいこととを書いて渡しただけだが。
とりあえずは適当に話しておいてもらいたい。
「え、えっなに?」
「まさか、僕たちが勇者なんて、考えもしなかったよ」
「うむ。しかしながら、我らしかいないのであればやるしかないというもの」
『対盗聴。見られても多分字は読めない』
つまり、材木座には俺が合図したら奴らに賛同するふりをして追い出してもらい、戸塚にはそのフォローをお願いした。
そして俺は、メモ帳にしこたま書いている最中である。今この場を盗聴されていると仮定しての対策だ。この部屋に来る途中にいくつか部屋があったのだが、表札に書いてある文字が読めなかったことから、翻訳魔法とやらは言葉だけで文字には対応していないと推察した。
「そういうことね」
「ああ、なる。でも、小町たち戦うとか、したことないんですけど」
「ですね。なんか、魔法がどうのとか言ってましたけど、それでどうにかなるんですかね」
「そこは、国のフォローに期待するしかないかな」
「うむ。人類存亡の危機である。彼らも協力してくれることだろう」
『奴らは信用できない。言が正しいとは限らない。帰れるか不明。明言なし』
雪ノ下と小町、それと留美は意図を理解してくれたようだが、俺の疑い深さに飽きれているようにも見える。
「そりゃそうかもしれませんけど、怖いですよね。普通に考えて」
「だ、だよね。魔物って、虎とか熊とか、そういうのより強い、んだよね?」
『だけど、今は奴らに従う』
耳打ちされて由比ヶ浜と一色も理解してくれた。とりあえず、みんなには勝手に話していてもらい、俺は思いついたことを思いのまま書きまくる。
「軍人さんとかじゃなくて、私たちを呼んだっていうのはなんなんですかね」
「それは不明だが、全くの見ず知らずの集まりよりかはやりやすいというもの」
『今度の勇者はたくさん=昔は一人か少数?=八人いなくてもいい?』
なんと材木座が一色の質問に答えている。チラとそちらを見てみると、顔中からだくだくと発汗している。そろそろ材木座のテンパリ具合がやばくなっているのが見て取れる。声がでかくなってきた。急がなくては。
姫さんの発言から予想されることを書き連ねる。
「確かに、どこの誰とも知らない人よりかはやりやすい、かな」
「そうかもね」
『従わない→人質、脅迫or殺され、こうなりたくなければ従え』
丁寧に書いていられないので若干雑だが、頭の回転が悪い奴はいないので何とかなるだろう。アホの子由比ヶ浜が少々心配だが、一色が横から小声でフォローしているので多分大丈夫。
例えば俺が戦いたくないと言った場合、小町を人質に取られ、命が惜しくば戦え、だとか。勇者が八人もいなくてもいいのなら、俺一人くらい殺してしまい、こうなりたくなければ従え、だとか。様々なパターンが考えられる。
ネガティブに考えすぎと言ってしまえばそうだけども、警戒するに越したことはないだろう。
「それに困ってる人たちがいて、助けられるのなら、頑張ってもいいのかなって」
「おおー、勇者的発言」
『しばらく情報収集。信じられる→そのまま ダメ→逃げる どうだ?』
ベリベリと威勢よくメモを破っていたので、材木座が泣きそうになっている。だが、用心するに越したことはないので、我慢してもらおう。
俺のメモに目を通したみんなが軽く頷く。とりあえずはみんなの同意を得られたので少しホッとする。
『気にしすぎると警戒される。適当に』
「じゃあ、やってみるってことでみんなはいいの?」
「そですね。魔法とか、ちょっと興味ありますし」
「その理由はどうかと思うけれど、そうね。さっきの人たちが戻ってきたら協力したいと伝えましょうか」
メモを適当に胸ポケットに突っ込んでいると、雪ノ下がそう言ったところで扉がノックされる。
「勇者様方、そろそろよろしいでしょうか」
「……はい、構いません」
顔を見合わせる。話が終わるタイミングを見計らったかのようで、予想通り盗聴なり盗撮なりがされていたものと考えていいだろう。休憩するにはさして時間が経っておらず短すぎる。
しかし、あからさますぎてどう判断していいものか。あのお姫様が考えなしの阿呆なのか、気づかれても問題ないと考えているのか。前者だったらこれからが楽そうなのだが。
「お話しまとまりまして?」
「無論でございますとも! 我ら一同、全力をもって世界の平和を取り戻しましょう!」
もとから芝居がかっていた材木座だから、この世界には似合っているんじゃなかろうか。この世界の騎士があんなんかどうかは知らんが。
「もし、勇者様方がよろしければ魔法や戦衣の説明に移りたく存じますが、いかがでしょう?」
「あたし、まだお腹空いてないし、大丈夫だけど?」
「そですね。誰かトイレ行きたい人ー」
「なんか、いっきに修学旅行感がしてきましたけど」
適当にと書いたのは俺だが、緩すぎだなうちの妹は。雪ノ下もこめかみに手をやっている。なんだな、あんまり気にしすぎない方がいいな、うん。
さて、その後連れてこられたのは、学校の校庭並みの広さがある訓練場だった。見上げれば空が見えており、屋外ではあるが周囲が壁に囲まれているので若干閉塞感がある。先ほどまでいた場所と同じ建物とみていいだろう。
召喚の間(仮称)に応接間、そして訓練場。聞くところによれば食堂も、俺たち各自の部屋も、風呂場もあるそうだ。ここまで徹底して召喚勇者のための建物を作っているのは確かに効率的であるが、俺たちを外に出さないためなのではと穿って見てしまう。疑えば何でも怪しく見えるのだとわかってはいるが。
「さて、とりあえず今日のところは皆さまの魔法の属性や戦衣の確認をするだけにしようかと思いますが、いかがでしょう」
「はい。ではそれでお願いします。正直、少し疲れていますし」
桃色姫様が頷き、一歩下がる。後ろにいたのは大きな杖を持ち、とんがりぼうしを被った一見して魔法使いの女の子。年齢は留美と同じくらいだろうか。ちょっとオドオドしているように見える。
「彼女はこの国一番の魔法使いです。我らと皆様の魔法は威力こそ違えど、根っこは同じもの。彼女から説明させていただきます。じゃあお願いね」
「は、はい。わたくしが皆様に魔法の説明を行わせていただきます。よろしくお願いいたします」
ペコリと頭を下げてくる魔法少女。腰が低く丁寧な感じはこの年頃の少女としては普通なのだろうが、だからこそこんな子が一番の魔法使いなのかと驚かされる。
そして材木座。ロリ魔法少女キタコレじゃねえよ。
「魔法は一人一人違う属性を持ちます。共通しているのは、使用者の意のままに魔力を操り形を作ることです」
そう言って、魔法少女は手のひらに炎を生み出した。
「おー、ホントに魔法だ」
「わ、わ、あれ熱くないのかな」
「……物理法則やエネルギー保存の法則にケンカを売っているわね」
「雪乃さんならそう言うと思ってましたけど、細かいこと気にしない方がいいですよ」
そして魔法少女は上空に火の玉を打ち出し、さらに反対の手で氷の矢を作り、火の玉を打ち抜いた。爆発した炎が上空から降りかかってくるも、それを風で吹き飛ばす。
見世物ではないと分かっていても、俺たちは感嘆の声を上げ、魔法少女は気恥ずかしそうに帽子を被りなおした。
「え、えと、今のように、魔法とは魔力を心の内にて願った形に解き放つことであります。球にするも矢にするも、ただ漠然と放出するも、使用者の意のままなのです」
えーと、つまりだ。使用者が思った通りの使い方ができるということか。ファイヤーボールもファイヤーアローも、特に詠唱をする必要はなく、こうしたいと願えば使えると。便利ではあるが、言っちゃなんだが趣がない気もする。
「さて、それでは勇者達よ! まずは属性を確認する。手を空に向け、体の前に出すがよい!」
と、いきなり魔法少女の雰囲気が変わった。いや、雰囲気どころか見た目も変わっていた。オドオドしていた様子は微塵もなく、胸を張り尊大な態度で挑発的に笑っている。そして、少なくとも髪は白髪ではなかったはずだし、肌の色も褐色ではなかったはずだ。なんじゃこりゃ。
「あら、オババさま。急に出てこられては皆さま驚かれてしまいますわ」
「はは、許すがよい姫よ。久々の勇者なのでな、ワシもテンションが上がっておるのだ」
俺たちがキョトンとしている間に語られたのは、偉そうな方は魔法少女の師匠であり、数百年王国に使えた宮廷魔導師なのだそうだ。その時代の優秀な才能を持つ魔法使いを育てるため、杖に意識を封じ常に指導しているのだとか。そして、時折魔法少女の意識を追いやり、勝手に外に出て好き勝手していくのだとか。はた迷惑な話だな。
そして材木座。体は違法ロリ、精神は合法ロリBBAキタコレじゃねえよ。白髪褐色ロリに反応してテンション上げすぎだ。
「さあ、勇者達よ。魔力を感じるがいい!」
ロリBBA魔法少女の言う通りに俺たちは円陣を組むように並び、手を出す。異様な光景だが気にしないでおく。
「目を瞑り、集中するのだ。皆の心の内にすでに魔力はある。イメージしやすければ如何様にでも構わぬ。頭から、心臓から、腹から、魔力は流れている」
何となく。何となーくではあるが、体の中に何かがあるような気がする。それが頭なのか心臓なのか腹なのかはわからないが、俺の思う通りにかざした手の方へ流れている気がする。これは、かめ〇め破を練習したことがあるやつならイメージしやすいかもしれん。
「魔力を感じ取れれば、後は外へ出すだけじゃ。さあ、放て! 魔法使いの第一歩じゃ!」
そして目を開ける。俺の目の前から黒い何か立ち上っていった。
「うおっ!」
「わっ!」
「きゃっ!」
驚くと同時、黒い何かが消える。他のみんなも同じように驚き、掌から出していた何かが消えていた。
「さすがです勇者様方。皆様、魔力を放出することができておりました」
いつの間にか戻っていた魔法少女がパチパチと拍手をしている。あのロリBBAと比べるとホントにいい子に見えてくる。ギャップが激しい。
そして、なんかよくわからんが全員が魔力を出すことができていたらしい。みんな目を閉じていたし、目の前に魔法があったので驚いてすぐに消してしまったから詳しくはわからない。
ということで、個人ごとに魔法を披露することになった。
まずは雪ノ下。
「なんかキラキラしてる。これは、氷?」
「ですね。製氷皿の一個くらいの大きさですけど」
「精一杯やってるつもりなのだけれど」
どうやら雪ノ下はいまいち魔法を信じ切れていないようで、そのため放出する魔力も少なくなっているようだ。だがまあ、雪ノ下のことだから三日もすれば簡単に扱えるようにはなっているんだろう。スペック高いしな。
しかし、氷の魔女とか、イメージ通りだ。
「何かしら、比企谷くん?」
「いや、別に」
なんで俺の考えてることがわかるんだか、不思議でしょうがない。
次は由比ヶ浜。
「わぷっ!」
「あ、ごめんいろはちゃん!」
「手のひらからドライヤーみたいに風が」
「風属性ってことですか。お風呂上り便利そうですね」
由比ヶ浜がかざした手から風が吹き出し、隣にいた一色の髪をぐしゃぐしゃにした。空気を読む由比ヶ浜だから風属性なのか?
次に一色。
「わ、わ、いろはちゃん熱くないの!?」
「大丈夫みたいです。んー、なんか可愛くない」
「可愛い可愛くないの問題じゃない気がしますけど」
炎が燃え盛っていた。しかめっ面で炎を見ているが、可愛い属性ってなんだ。苛烈な気質でもないし、性格は関係ないのか。
そして小町。
「何か出てるの? 見えないけど」
「分かりづらいですけど、ピリピリしてます。マッサージにはちょうどいいかも」
「電気属性?」
雷属性だった。なんか小町のイメージかって聞かれるとどうともいえんな。何属性が合うのかと聞かれても答えられんが。
隣の留美はすでに構えていた。
「水、だね」
「はい。ちょっと試してみたんですけど、冷たくしても氷にはならないですね。雪乃さんのとは違うんでしょうか」
「蒸発はさせられるか?」
「ん……そこまではいけない、のかな。どうしても液体までみたい」
水の定義とは何だろうか。とりあえず冷水から熱湯まで水属性でいける様子だ。しかし、属性まで雪ノ下に似通っているとは、将来が心配になるな。
「何かしら比企谷くん?」
「いや、別に」
だから何で俺の考えてることがわかるんだよ。怖えよ。
そして俺。
「……何、これ?」
「……多分、闇、とかか?」
俺のかざした手の上に黒い丸が浮かんでいた。一応俺の考えている通りに動くので、魔力に間違いないのだろうが……やっぱ属性ってその人の性格が大いに関係しているに違いないな。
「さすがは比企谷くんね。陰湿な性格が属性にまで影響しているとは」
「うっせ。ってかこれ大丈夫なのか? 俺が魔物倒しても悪影響とかないよな」
魔法少女によると闇属性と黒い力は別物であるとのこと。それが本当かわからんが、とりあえずこの世界の人は使えない希少な力であることは間違いないく、しかしながら印象良くないな。
とりあえずはコツを掴めたので後で色々と試そうと思っていたところ、俺の横が光り輝いた。
「眩しっ!? 何ですかこれ」
「これは、光だ」
「光属性って、戸塚さんにはピッタリですけど、お兄ちゃん大丈夫? 浄化されない?」
「戸塚を直視できないかもしれん」
「ひ、光になーるぁー……」
「ご、ごめん! なんか調節が難しくて」
うまく調整できないのか、ワタワタしている戸塚が可愛かったがさておき、これまた希少な力であるようだ。それに俺のと違って印象もいいだろうし、ちょっとうらやましく思っていたんだが、
「えへへ、八幡。おそろいだね」
「そ、そうだな戸塚!」
はにかむ戸塚はさらに可愛かったのでよしとする。横から留美が抓ってきたので頭を撫でておく。
そして、隅っこにいたせいか大トリになってしまった材木座はというと、視線が集まり目に見えて狼狽えていた。そして、
「……砂、かしら」
「しかもチョロチョロって感じですね」
「……なんか、戸塚先輩の後だと、地味」
「いろはちゃん、しーっ」
サラサラと材木座の手から零れ落ちる砂は、ちょっと湿っている気がした。
「我の扱い、ひどくないか八幡よ?」
「いや、まあ。直前の戸塚が派手だったせいか、お前の地味さ加減が目立っちゃったな」
「ご、ごめんね材木座くん!」
戸塚が悪いわけはなく、誰が悪いのかと言えば、巡りあわせだろうか。
さて、本日の訓練(といっていいのかわからんが)の締めとして、お姫さんが何度か言っていた戦衣の説明になったのだが。
「神が御使いに贈られた装備であるので、私どもは詳細を存じません」
「そもそもその、いくさごろも、というのはどこにあるのかしら?」
「皆様の心の内に」
「……はあ、またそれなのね」
心の内、ということから魔法の一種なのだろうか。名前のイメージからすると戦闘用の衣装でいいんだろうが、どうやって出したものか。うーむ、戦隊ヒーローのアレのような感じなのか。
「ただ、言い伝えとして過去の勇者様が戦衣を身に纏う際に、蒸〇、エマー〇ェンシー、メビ〇ス、テッ〇セッター、お色〇し、と呼称は様々あるようですが、このように唱えていたと。文献に」
「なんでそんなの文献に残してんですかねえ」
アレのイメージでいいようである。っていうか先代勇者たち年齢層も趣味もバラけてるのかな。
とはいえ、アレ系でいいのなら俺と材木座、そして戸塚はいける。
「あれヒッキー? 中二に彩ちゃんも、どしたの?」
三人で顔を見合わせ距離を取ったのを見ていた由比ヶ浜に手を振り、そして、それぞれにポーズをとる。腰に手を、胸の前で交差し、入れ替えて、
「「「変身!!」」」
ポーズに合わせたため掛け声も同一であった俺たちの叫びに合わせ、局所的な天変地異が起きていた。
材木座が砂嵐に消え、戸塚は光り輝き(あ、いつものことか)、俺は闇に沈んだ。やはり厨二っぽいのが気になる。
さて、異変が収まると俺たちの姿は戦衣であろうものに身を包み一変していた。
「ふむう。あまり重さは感じぬのだな。む、この武器ならばイーク〇ップの方がよかったかもしれん」
材木座はフルプレートに身を包み、巨大な槌を軽々と振り回していた。非常に暑苦しい、典型的なヘビーアーマーの重戦士。戦衣は武器もセットなのだろう。
「そうだね。それになんでかな、なんとなく扱い方がわかるような」
対して戸塚は胸当てと腰回り、手甲と脚甲。ライトアーマーというのだろうか、動きやすそうだ。どういうわけか制服を着ていた部位に肌が見える。手には戸塚の身長より長い槍。俊敏なランサーといった感じか。くるくると長柄を手慣れた感じに振り回す。
「武器も魔力性なのな」
そして俺だが、見事に黒一色である。黒いシャツに黒いズボン、そしてフード付きのマントで、暗い時に見られたら通報されそうだ。暗殺者だこれ。そして右手に手甲と付属するボウガン。矢はどこだと探したら懐から勝手に出てくる。さらに蹴り用か、脚甲もある。
「まさに変身であるな。我、刀の方が好みであるが」
「えへへ、ちょっと恥ずかしかったけど、うまくいったね」
「感じからして、魔力を身にまとうって感じか?」
「うむ。そのためか先ほどよりもうまく魔法を使えそうな気がするぞ」
「うん。わかる気がするな」
材木座が石突で地面を叩くと、土が盛り上がってきて槌を支える。戸塚は槍を天に掲げると、先端から光が立ち上る。そして俺は闇の球を浮かび上がらせ、形を短剣に変えて空に飛ばす。射程距離はどんなものか。
「ちょっと待ちなさい」
「ん、どうした雪ノ下」
雪ノ下というか女性陣全員がぽかんとしていた。
「あなたたちが戦衣を着る前の掛け声? 辺りから展開についていけていないのよ。自分たちだけで分かっていないで説明してくれないかしら」
「それなら八幡。そちらは任せてよいかのう。我できるなら、魔法を少し撃っておきたいのだが。それに女子たちに説明とかできぬし」
「まあお前にそこらへん期待しちゃいないけどよ。それじゃ戸塚はどうする?」
「説明は僕もちょっと難しいかな。感覚的なものだし」
「よろしければわたくしが補助いたしますが」
「あ、じゃあお願いします」
材木座と戸塚が魔法少女と連れ立って離れていく。若干押しつけられた感は否めないが、まあ仕方ない。
「で、何について聞きたい?」
「それ、いくさごろも? っていうやつ、着る前に三人して変身とか何とか言ってたじゃん。あれ何?」
「ただの掛け声だよ。昔の勇者が戦衣を着るときに言ってたの、特撮とかで変身するセリフのパターンだったからな。そのイメージがしやすい台詞を言っただけだ」
「ポーズは?」
「それは気にするな」
「文献にありましたが、女性より男性の方が戦衣を纏うのが早かったと」
「だから何でそんな文献残してるんですかねえ」
昔の人の考えはよくわからん。
「私たちにも、それをやれと?」
「無言でもできればいいとは思うけどな」
自分のキャラに合わないと思っているのか、雪ノ下が頬をひくつかせている。そこは恥を忍んでやるしかないだろう。
「お兄ちゃんは声に出した方がやりやすかったって言うけど、三人ともやってみたかっただけじゃないの?」
「それはなくもないけど、慣れれば無言でもできるみたいだしな」
小町がジト目で絡んでくるので証拠をみせてやる。
戦衣を出したり消したりと。うん、一回感覚を掴めば簡単だ。自転車の乗り方を忘れないようなものか。
「初回だけでもやりやすい方がいいんじゃないか」
「簡単に言うしやるよね、ヒッキー」
「戸塚さんまでやるのはちょっと予想外ですね。そんなイメージなかったし」
「いやいや、戸塚だって男の子だし、な」
「先輩。言ってる自分が自信無くすようなこと言わないで下さいよ」
戸塚は男の子なんだよなあ。ソースの味だろうし核ミサイルを受け止めたりするだろう。
「それじゃさ。昔やってたプリキュアみたいな感じでやればいいの?」
「今でもやってるぞ」
「私は特にアニメとか見ていた記憶ないのだけど」
「私は最近まで見てたから、何となくわかります」
こいつらプリン〇スエンゲージとか、レッツ〇まぜまぜとか言ってそうなのに、案外言ってないんだよな。フェリーチェは雪ノ下に声が似ていたかもしれんけど。
「八幡。イメージはどんな感じ?」
「あー、そうだな。さっき変身した時、土やら光やら闇やらが出てきてただろ? 体から属性が吹き出して、それが体にまとわりつく感じでいいんじゃないか?」
「それでいいのかな」
「感覚的なもんだって言ったろ。俺はできたがお前らができるかわからんし」
ひょっとしたら変身じゃなくて装着の方がわかりやすいのかもしれんし、何とも言えん。
「それじゃ、なんて掛け声がいいの?」
「イメージしやすいのでいいだろ。開眼でもペルソナでもキュアップラパパでも」
「……最後のはなぜか耳に馴染む言葉ね。ともあれ、一番イメージのしやすい言葉でいいのではないかしら」
「雪乃さん、思いついてないんじゃないですか?」
「まあ、そうだけれど」
「それじゃ、みんなまとめて変身、でいいんじゃないかな」
「そうですね。みんなで一斉にやるのもいいかもしれませんし」
女性陣は適当に距離を開け、等間隔に並ぶ。いや、別に俺に見せる様にしなくてもいいんじゃないかと思うんだが、空気を読んで黙って見ていることにする。
ひとり雪ノ下がちょっとぐずったが全員一斉にやることに異論はない様子。
目を瞑り、精神を集中させ、そして
「「「「「変身!」」」」」
一斉の掛け声を上げ、それぞれの属性が吹き上がり、そして収まったそこには戦衣に身を包んだ少女たちがそこにいた。
「うまくいったわね」
「おー、できたできた!」
「やった、魔法と違ってわたしの鎧お洒落だ」
「これはどういう基準なんですかねえ」
「確かに魔法使いやすそうな感じがしますね」
ブレストプレートにレイピアを装備した雪ノ下。スカートアーマーも相まって姫騎士といった雰囲気だ。言っちゃなんだが、くっ殺が似合いそう。
どことなく巫女風の衣装に身を包み、弓を持った由比ヶ浜。マントもあるが、どことなく露出が多いのは気のせいか。和風のアーチャーだな。
白いドレスアーマーにサークレットと、どこか姫を思わせる一色。持っているのは剣だが、刀身に線が見えるので蛇腹剣かもしれない。
さらに小町。身軽そうな衣装に胸当て、手甲に脚甲だけ。武器はないところを見ると、格闘家だろうか。確かにどういう基準なんだか気になるな。
最後の留美はどことなく雪ノ下の装備に似ている。違いはレイピアではなく双剣であるところか。雪ノ下と並ぶとまんま姉妹だ。
と、一通りみたが、俺は今それを見てはいなかった。これは、悪くなくても悪くされるパターンな気がしてきた。
「ん、お兄ちゃんどこ見てんの?」
「どしたの、ヒッキー?」
「そっぽ向いて、何してるんです?」
「……私、前に八幡にバク転見せた時にこの対応されたことあります」
「留美さんがバク転をして、へえ……ねえ比企谷くん?」
背筋に氷を突きつけられたかのような雪ノ下の冷たい声に身がすくむ。というか、いつの間にか雪ノ下はレイピアを俺に突きつけ、さらに氷の刃を複数向けていた。悪戦苦闘していたの時とは大違いで、一気に慣れてんじゃねえか。
「あなたは、なにを、見たのかしら」
「怖えよ。怖えから」
両手を挙げて降参の意思を示す。俺に何ができるわけもない。
「これ、俺が悪いのかな」
「不可抗力であったかと思いますけれど」
姫さんは味方してくれるが、今一番信用できない相手なのもどうなのか。
「答えなさい」
「……あー、そのだな」
「あの、もしよろしければ私がお答えしますが」
「いえ、結構。比企谷くん? さあ」
「……わかったよ。お前らが氷やら風やらに包まれた後、服が弾けた」
「服が?」
「弾けた?」
「ああ。こう、パンと制服が光って弾けて、そんで何つーか、光るレオタードみたいな感じになって、すぐに今の格好になった」
簡単に言えば、超早回しの魔法少女の変身バンクを見ているかのようだった。デザインしたのが神だか何だか知らんが、いい趣味してやがる、全く。
装備に共通するのは、みんな非常に可愛らしい格好であるというところか。デザイナーがいるのであればSNSでグッジョブと祭りになっていることだろう。
自分で体を抱きしめて俺の視線から体を隠そうとしている由比ヶ浜が、ちょっと泣きそうな顔をして俺を見る。
「ヒ、ヒッキー、見たの?」
「いや、ひとつ言い訳させてもらうが、服が弾けたあたりで即座に目を逸らした。だからまあ、見てない」
「せんぱーい、正直に言いましょうね」
「小町は別にいいんだけどさ、いつも見られてるし」
「八幡。この服、可愛い?」
「いや、留美。お前だけなんかおかしくねえ? 可愛いけどよ」
そして責め立てられる俺。小学校の帰りの会を思い出すな、ちくしょう。
「……その、若干体の線と肌色部分は見えた。けど、際どいところは見えてない。とはいえ、すまん」
「……まあ、いいでしょう。正直に言ったことだし故意ではないのだから」
はあとため息をついた雪ノ下がレイピアを納めると、氷の刃も一斉に消えた。マジですげえな。もうほぼ使いこなしてるじゃねえか。
「いいのか?」
「ええ。水着のようなものと考えれば、すでにあなたには見られているわけだし。少なくとも私はね」
「不穏なこと言いやがって。由比ヶ浜。そういうわけだ、悪かった」
「ふえ、あ、いや、わざとじゃないんだし、いい、けど。っていうか、ただあたしが恥ずかしかっただけだし」
「一色も、すまん」
「まあ、いいですけど。今度プール行きますよ。ちゃんと水着見てもらいますから」
「何でだよ。それと、留美も」
「私はいいよ。レオタードより先になっちゃったけど、ちゃんと見せてあげるからね」
「いや、まあ、うん」
「……」
「はあ……ん、どした小町」
「お兄ちゃん、小町には?」
「いや、小町のはもう見慣れてるし、別によくね?」
「乙女の柔肌見ておいて何て言い草!」
んなこと言っても本当に見慣れてるしな。お前、うちでいつもどんな格好してるか忘れたとは言わせねえぞ。
「それにしても、わたしたちの戦衣って露出多くありません?」
「ああ、俺たち男に比べると多めだな」
「お兄ちゃん。戸塚さんのも結構多めだよ?」
「まあ、戸塚だし、似合ってるからいいんじゃねえの?」
そして、魔法と戦衣の確認が終わり、日が陰ってきたので今日のところはこれで終わりとなった。っていうか詰め込みすぎである。受験生だって一日でこんなに新しい知識を得るなんてことはないんじゃないだろうか。
晩飯はかなり豪勢で、ディナーと呼ぶのが正しいだろう。雪ノ下くらいしか正式なテーブルマナーを知らなかったが、身内しかいないので簡単に教わりながら食べた。いずれは王族や貴族と食事する機会があるらしいが、雪ノ下に丸投げしよう。
と思っていたら、ちょうどいい機会だから勉強しなさい、と俺に向けて言ってきた。読心術こわい。
その後、大浴場に連れていかれたのだが、お世話係を付けられそうになったのには参った。正直なところ興味がないわけではないが、女性陣からの冷たい視線に断念したのだった。でも、戸塚と一緒にお風呂に入れたので全く問題ない。
そしてそして、俺たちに与えられた部屋は個室である。これまでの歓迎っぷりから高級ホテルのスイート並みの部屋かと思ったが、八畳程度の広さでベッドと窓際にテーブルと椅子があるくらいの簡易な部屋だった。これは勇者がもっと少数なのを想定していたためだそうだが、むしろ助かるというもの。小市民にはこれくらいがちょうどいい。っていうか、俺や小町の部屋よりもでかい。落ち着かない寝室は簡便だが、これくらいなら許容範囲だ。
安全性を考えれば大部屋でみんな一緒にいるのがいいのだが、さすがに八人の男女が一緒に寝泊まりできる部屋はないだろうし、それにこの方が色々と都合がいい。何せ、これからスニークミッションを開始するのだ。
一日過ごして、まだこの世界の連中を信用するに値する情報が出揃わない。顔で笑っていても心で何を考えているかわからない、なんてのはどちらの世界でも一緒ではある。だが、下手に信用して裏切られたらを考えると、まさに命がけである。よって、足りない情報を補うためのお散歩だ。
極端な話、今いるところが島なのか大陸なのか、はたまたここ以外に人間がいるのかどうかすらわかっていない。俺たちはまだ今いる建物から出てすらいないのだ。
ディナーの際の会話では、お姫さんや魔法少女は近くに屋敷がありそちらに帰っており、ここには夜警の兵士しかいないらしい。それすらも本当かわからないが、とりあえずは信じて建物内を探索しようと思う。俺の属性は闇で戦衣は黒いので、闇夜にこそこそするのに適した隠密特化だろう。魔法を感じ取られることがあればバレるかもしれないが、それならそれで判断材料が増えるというもの。いきなり殺されるようなことはないだろうと思うのは楽観的過ぎるかもしれないかな。
ふっと息をつき、戦衣を身にまとう。瞬時に現れる衣装は、三年くらい前の俺が着たらにやける顔を誤魔化そうとして誤魔化しきれず、気持ち悪い顔で決めポーズをとっていただろう。しかし、今の俺でもちょっと燻っていた中二心に火をつけてしまいそうなかっこよさがある。……ちょっとバサッとなびかせてみたりなんかして、
「……何をしているのかしら?」
「っと、ビックリしたー。雪ノ下? なんでお前ここに、ってかその格好」
後ろから掛けられた冷たい声に、戦衣を消して振り向くと雪ノ下がいた。なぜか寝間着で。
「独りファッションショーを邪魔してしまって御免なさいね」
「いや、別にファッションショーじゃねえけど。っていうか、お前いつもノックしろって平塚先生に言ってるじゃねえか」
「それは、その……あなたに用事があったのだけれど、ノックしようとしたときに人の気配がしたので、つい入ってしまったのよ」
「なんだそりゃ? 別にやましいことしようとしてるわけじゃなし、堂々としてりゃいいだろ」
「や、やましいことなんて、あなたとするわけないでしょう」
俺の部屋に入るのを誰かに見られたくなくて、慌てすぎて俺の部屋に勝手に入ってきたというわけか。これはまれによく見るテンパリ雪ノ下だな。
どうしたものかと思っていると、部屋のドアが開いた。またもやノックはなし。勝手に俺の部屋に入ってくる奴多過ぎぃ!
「あ、いたいた! やっぱゆきのんだった」
「あれー、先輩の部屋で何してるんですか?」
「しかも雪乃さん、可愛いパジャマでお兄ちゃんの寝室に!」
「こんばんは八幡」
ぞろぞろと入ってきたのは、女性陣全員だった。え、どゆこと?
「眠れなかったからゆきのんとお話ししようと思って、部屋出たら雪乃っぽい人影がヒッキーの部屋の前にいたから、来ちゃった」
「わたしは先輩とお話ししようと思ってたんですけど、雪ノ下先輩に先越されちゃいました」
「小町はお兄ちゃんにお休みのあいさつしに来たんだけど、修羅場っぽくてわくわくしてるよ!」
「私は八幡と一緒に寝ようと思って」
「ちょっと待て、いきなりすぎてわけわからん。それと留美、それはさすがにダメだ」
女性陣を部屋に招き入れる。実家の部屋よりも大きいとはいえ、六人はさすがに多すぎる。しかも、こいつら風呂あがりな上寝間着なものだから、いい匂いがするし普段と違う服装だしで居心地が悪い。
「ゆきのんはヒッキーと何しようとしてたの?」
「今日のこととこれからのことを相談しようと思ってきたのだけれど」
「雪乃さん。パジャマでですか?」
「もう着替えてしまっていたからよ。別に他意はないわ。それより、比企谷くん。あなた、私が部屋に入った時、戦衣を着ていたわね。何をする気だったの?」
さっきまではテンパリ雪ノ下だったが、時間経過で通常モードに戻った様子。そこは適当に流してほしかったんだが。
「いや、まあ……かっこよかったから、着てみたかったんだよ」
「嘘ね。あなた、この建物を探ろうとしていたのではないかしら」
「……わかってんなら聞くなよ」
そして始まる女性陣五名からのお説教。いわく無茶するなだの、何かあったらどうするのだの、自分の価値を低く見積もるのをやめろだの、そういった内容を五人分受けた。部屋の中心で、正座で。
「あなたの言う通り、情報が足りないのはわかるわ」
「だったら必要なことをしているだけなのもわかってくれ」
「元の世界と同じやり方が通じるとは思っていないでしょう?」
「そりゃ、まあな」
「だったら、自分に悪意を集めるやり方はやめなさい。自分一人で何とかしようとせず、私たちを頼りなさい。それくらいには、私たちを信用してくれているのでしょう?」
雪ノ下の言った言葉が、俺とは違う意味で一人でやってきた雪ノ下が言うからこそ説得力のある言葉が身に染みる。そうか、俺はまた間違えるところだったか。
「あー……すまん。確かにうかつだったかもしれん」
「ヒッキー、わかってくれたんだ」
「まったく、先輩こそ状況判断が甘いんじゃないですか?」
「そだよ、お兄ちゃん。無理してもし捕まっちゃったら、小町たちが大変な時に助けにこれなくなっちゃうよ」
「八幡が無茶しないように、私が一緒に寝て監視しましょうか」
「悪かったよ。そして留美、それは……いい考えかも」
留美の際どい発言は最近よく聞くのだが、いいことを思いついた。いや、いいことかわからんな、まだ。
「比企谷くん? あなた今、何を言ったのかしら」
「いや、待て待て。変な意味じゃない」
「どう聞いても変な意味だよ!?」
「先輩がとうとう年下好きからロリコンに」
「うーむ、お兄ちゃん。これはフォローできない」
「いろはさん。私、ロリじゃないです」
言い方を間違えたな。さっきのじゃ確かにただの変態だ。
「いや、つまりだな。探索してるのがばれたらまずいわけだろ。誰かが俺と一緒にいたと証言してくれればごまかせないかなと」
「……その誤魔化すのが、比企谷くんなら私の横で寝ているわよ、と彼らに伝えること?」
「……いや、いい考えかと思ったが、色んな意味でダメだな。すまん、バカ言った」
「え、えーっと、ヒッキー? どうしても、っていうなら、その、あたしは、いいよ?」
「あ、ずるい結衣先輩。わたしもいいですよ!」
「いやいや、皆さん。ここは妹の小町が」
「言い出しっぺは私なので、責任は取ります」
結局、この後はドタバタごちゃごちゃして探索に出ることはできなかった。というか、うるさ過ぎて戸塚や材木座まで様子見に来てしまい、しばらく全員が俺の部屋にいることになった。
まさかの、異世界にて生まれて初めてのお泊り会開催である。
それからのことをダイジェストで語ろう。
翌朝から戦闘訓練が開始したのだが、その担当として現れたのが、
「私があなたがたの戦闘訓練を担当する。これからよろしく頼む」
雪ノ下とはまた別の、凛々しい女騎士だった。金髪碧眼での美女で、年のころは平塚先生くらいだろうか。材木座が喜ぶほどにファンタジーの典型的なヒロインタイプだった。
並べられた的に向けて武器を振って、適当に武器に慣れた後女騎士との稽古になったのだが、まあこれが相手になるわけがなかった。なにせ俺たちは生き物に向けて武器を振ったことがないし、向けられたこともない。その躊躇を無くすための訓練とはいえ、初めてでうまくいくはずもない。
しかしながら、雪ノ下は格が違った。雪ノ下の武器は女騎士と同じレイピアで、最初は錬度の違いから翻弄された雪ノ下だが、基本スペックが高く大抵のことはすぐに覚えると豪語した女である。しばらくすると慣れてきたのかだんだんと優勢になっていき、もう一息といったところでスタミナ切れで負けてしまった。それで女騎士にライバル認定されたようで、なんか妙に仲良くなっていた。
俺はと言えば、真正面からやっても勝てないのはわかっていたから、真正面から堂々と不意打ちをし、攻め気を無くすよう動いていたらめっちゃ怒られた。雪ノ下との正々堂々とした気持ちのいい試合の後だったから、より一層俺のこすっからいところが目についたのだろう。根性を叩きなおしてやるとまで言われてしまった。平塚先生と似たタイプのようだ。
これから訓練のたびに絡まれそうで、非常に憂鬱である。
そして、戦場に出た俺たちはついに魔物との戦闘を経験する。
魔物は死ぬと光になって消えてしまうのでグロい感じはしないのだが、それはそれとしていい気分はしない。初めて自分の意志で命を奪った日、眠れずにいると、またもや女性陣が俺の部屋に集合してきた。タイミングはずれたが戸塚や材木座も来た。俺と同じことを考えていたようで眠れなかったようだ。別に俺の部屋じゃなくても、とは思ったが野暮なことは言うまい。その日は、遅くまでいろんなことを話し合った。
命を奪うことに慣れたくはないのだが、それでも続ければ慣れはする。基本的に俺たち勇者はチームで行動するが、戦場で初めて屋敷にいる者以外の人間と出会った。戦う兵士たちだ。
いまだ信用ならない連中であるが、同じ姿で意思疎通が可能ならば魔物よりは親近感もわく。そんな兵士たちが命の危険にあるとならば助けないわけにもいかなかった。
そんなことを続けていくと、勇者と呼ばれる俺たちは有名になっていく。
氷雪の姫騎士。風舞の弓姫。紅炎の美姫。雷霆の神姫。流水の姫騎士。不動の重戦士。光の聖女。そして、影の暗殺者。
突っ込みたいところは多々あるがさておき、綺麗で可愛い女性たちが戦場を駆け、兵士たちの命を救っていけばそれは話題にもなるというもの。いつの間にやら俺たちに二つ名的なものが付けられていた。
戸塚は、僕男の子なのに、とむくれていた顔もかわいい。材木座はフルフェイスの兜で顔が見えないものだから、その素顔は美形に違いないだとか、武骨な男臭い顔だとか、色々と噂になっているようで、ハードルが偉い勢いで上がって我どうすればいいのか、などと悩んでいたりもした。
そして俺だが、戦闘スタイルが影からチクチク、なものだから存在は知られていても顔は知られていない。本当に存在するのかもわからないと思われており、影の薄さはこちらでも健在だった。
さて、美しさで有名になればお偉いさんに目を付けられるのもある種テンプレというか。召喚された日、姫様が言っていた魔物の討伐に出ていた王子やら将軍の息子やらにうちの女性陣が目をつけられたのだった。
「おお雪乃よ。麗しの姫騎士よ。我が愛を受け入れてはくれぬか」
「結衣殿。遠駆けに出かけませぬか。美しい日の出をぜひあなたと共に」
「いろはよぉ。いい加減俺のところに来るつもりはねえのか」
「小町ちゃん。わしの息子の嫁に来てはもらえんかのう。何ならわしのところでもいいぞ」
「る、留美! 今日もいい天気だな。僕と一緒に三時のおやつはどうだ?」
とまあ見事に、雪ノ下に第一王子、由比ヶ浜に第二王子、一色に将軍の息子、小町に将軍の息子というか将軍自身というか、留美に第三皇子と。様々な高貴な方々が口説きにかかってきていた。っていうか将軍、コラ。あんたいい年こいて何言ってやがんだ。小町に手を出したらぶっ殺すぞ。
俺はそれを大変だなあと遠巻きに見ていたのだ。あまり手荒な真似でもしてきたら助けには入るつもりではあったんだ。あまり波風立てない方がいいかと、そう思って。
だが、俺がステルス全開で見守っていたのを、なぜか全員見つけやがった。結構魔法に慣れて、本気で王城に忍び込んだとしても誰にも気づかれないくらいには熟達していたはずなのだが。すぐにばれてしまった。
そうしたら、全員がむくれた顔をした後俺をだしにしやがった。
「申し訳ありませんが殿下。私の、あ、愛は彼に捧げておりますので。行くわよ、比企谷くん」
「あ、すいません。今日用があるんです。おーい、ヒッキー!」
「殿下のところに行って、何かいいことあるんですかぁ? あ、ちょっとせんぱーい! お昼にパフェ食べに行く約束忘れてませんよね!」
「やだなあおじいちゃん、それはもう断ったでしょ。小町はお兄ちゃんとずっと一緒にいるのでダメです。お兄ちゃん、帰ろ!」
「こんにちはいい天気ですね。おやつはもう一緒に食べる約束しているので失礼します。行こ、八幡」
おかげでヘイトが溜まる溜まる。誰だよ、悪意を集める方法はやめなさいだの頼りなさいだの言ったのは。
しかも、俺の戦い方はフォローを重視しているものだから、あまり目立つ戦果を挙げているようには見えない。だもんで、なんであんな役立たずが、的な悪意を向けられている。
なんだかなあ。俺なりに頑張ってんだけどな。
さらに、こちらで出会った姫さんや魔法少女や女騎士だが、そいつらと言えば、
「八幡さま。午後のお茶会にご招待したいのですが」
「あ、あのお兄さん。もしよかったら、闇魔法の性質についてお話を聞かせてください」
「うむ。八幡の魔法の使い方は独特だからな。なかなか参考になるのだ」
「八幡殿! 組手をするぞ」
なんと言うか、なつかれたというかなんというか。
姫さんに関しちゃ、俺が警戒心バリバリだったのが逆に刺激を受けたらしく、勇者との親睦を深めるとかなんとかでやたらとお茶会に誘ってくる。その際に判明したのが、姫さんは世間知らずの天然で、裏表のないいい子だった。つまり、当初俺が感じていたのは全て勘違いだったのだ。恥ずかしい限り。まあ、全く無意味だったわけでもないのでよしとしよう。そうと気づいてから指摘していたら、今まで誰も注意してくれなかったとかでやたら絡んでくるようになった。
魔法少女は、ちっちゃい身体で頑張っているのを見たら小町や留美のように思えて、解除できないお兄ちゃんスキルが発動し世話を焼いてしまった。俺になついたらしくお兄さんと呼んでくる。小町や留美の冷たい視線が心に染みる。悪いことしてないはずなんだが。
ロリBBAは、まあ色々とあったんだが、年甲斐もなくキャピキャピしていて、BBA無理すんなと言ってやりたいところだが、見た目が魔法少女なので似合わないこともないというか。つまるところ、扱いかねているといった感じだ。
女騎士は、当初は俺を更正させるなんて劣化平塚先生みたいなこといっていたのだが、魔物との戦闘で俺の戦い方を認めてくれた。かなり脳筋である。危ないところを助けることができたのも少しは関係しているかもしれない。さらに、組手で翻弄されるのが気にくわないらしく、事あるごとに誘ってくる。
と、色々と悩ましいことはあるが、何やかんやあって、最終決戦である。
思い返せば様々なことがあった。世界の真実を知り、勇者召喚の本当の目的に衝撃を受け、姫様による王位簒奪やら、魔法少女の精神を乗っ取って復活しようとしたロリBBAを改心させ、女騎士の見合い話を妨害し……これ葉山みたいなキャラがやることであって、俺みたいな陰キャが出張ることじゃないよなぁ。
「何を呆けているの比企谷くん。非常に不本意だけれど、私たちの中心はもはやあなたなのだから、いつまでも目を腐らせてないでしっかりしてもらいたいものね」
「うっせ。どうしてこうなったのか考えてたんだよ」
「ヒッキーが頑張ったからじゃない? あたしたちとこの世界の人たちを守るためにさ」
「そんなことした覚えはないんだが」
「意識しないでやってたってことですか? 先輩あざといです」
「なんでだよ。俺は自分勝手にやってただけだろ」
「それが結果的にひねくれ勇者になったんだから、やっぱお兄ちゃんのねっこは働き者なんだろうね」
「……いやだ、働きたくない。社畜は嫌だ」
「これが終わったら私が八幡を養ってあげる」
「いやいや、さすがに留美に頼るのはダメだろ」
「じゃあ僕が養ってあげるよ」
「と、戸塚ぁ。幸せな家庭を築こうな!」
「むう。八幡よ。女性陣が恐ろしい目で見ておるぞ」
おっと。ラスボス前に味方にやられては目も当てられん。さて、気を取り直して。
「あー、じゃ世界を救いに行くとするか」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
仲間たちのそれぞれの雄叫びとともに、最後の戦いに向かう。
俺たちの戦いはこれからだ!
ご愛読ありがとうございました。
カシム先生の次回作にご期待ください。
ってなわけで、打ち切りです。
ネタ紹介
属性
八幡:一番合いそうだったから。
雪ノ下:一番合いそうだったから。
由比ヶ浜:空気を読んでどうのこうので風属性。
一色:三浦と雪乃で炎と氷の姫騎士、とかやってみたかったんですけど、断念したので代理で。情熱的なので合わないことはないかなって。
小町:シンフォギア。最速で最短でまっすぐに一直線に。雷を握りつぶすように。
留美:雪ノ下の妹的に。
材木座:ぶっちゃけあまりの属性を当てはめた的な。でも似合いますわな。
戸塚:闇属性の八幡のみならず小町さえも浄化しそうなほどの輝き。
戦衣
八幡:イメージはFGOのロビンフッド(黒)。裏でこそこそといったらこれでしょう。
雪ノ下:典型的な姫騎士のイメージ。重い武器使えそうにないのでレイピア。
由比ヶ浜:はたらく魔王さまの千穂ちゃん。弓道部なので。FGOの鈴鹿御前もいいかとは思ったんですけどもね。
一色:FGOのメイブ。アーマーはライダーで武器はセイバーの方にしました。武蔵ちゃんと悩みましたが、和風のイメージがなかったので。
小町:シンフォギアの響。アルティメットまどかで弓もいいかとは思ったんですけど、魔法と合ってるからこっちでいいやと。
留美:雪ノ下の妹的立ち位置ということで似たやつ。さすがに当初考えていた踊り子は合わないかなと。
材木座:ガオ〇イガー! ゴルディオ〇ハンマー!
戸塚:FGOのカイニス。まだ実装されてもいませんが。最初は法衣とメイスで聖女っぽさをマシマシでいってたんですけど、魔法使い系を無くそうと思ってからこちらに。あとはまあ、性転換したとかいう逸話があったなーって。
賛否あるかもですがこんな感じで。
あ、そうそう。活動報告のネタ募集もよろしくお願いします。
しておきながら、採用できるかわかりませんけれども。
じゃあまた。