総武高校男子生徒がサイゼで駄弁るお話し   作:カシム0

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 今回の話は見る人によっては不快になるかもしれません。無理しないで左上の矢印をどうぞ。
 また、アンチ要素が含まれているかもしれませんが、作者にその意図はありません。
 あと、かなり際どい話をしていますが……R指定は、多分、無いのかな? よくわからなくなってきました。
 話しているキャラクターを貶めるつもりはありませんし、何ならあなたが思い描いているキャラクターとは別かもしれません。
 それでもいいなら、じゃあどうぞ。


男の子女の子

 

 

 

 

 学生の強い味方であるところのサイゼリア。学校が近ければ多くの学生が通うのは当然のこと。

 今日も今日とて、二人の男子高校生がサイゼリアにて駄弁っていたのだった。

 小柄な男と大柄な男、彼らは友人の友人という迂遠な関係であったのだが、紆余曲折を経て友人になった二人であった。

 

「隼人君と戸部って、今日何してるんだっけ?」

「サッカー部にいってるんじゃないか。昨日言っていただろう」

「だよなー」

 

 仮に、そう仮に小柄な方を大岡、大柄な方を大和と呼称しよう。実在の人物とは関係ありません。

 

「どうかしたか?」

「いや、せっかくの休みに男二人でサイゼってのも色気ねえなと」

「仕方ないだろう。彼女がいれば俺だってお前と顔を突き合わせていたりしない」

「ひっでえの」

「お前だってそうだろう?」

「まあなー」

 

 大岡がため息をつきながらストローを咥え、ピコピコと揺らしている。大和はそれをチラと見ると腕を組み目を閉じた。

 

「はあ、彼女欲しいなー」

「いないものはしょうがないな」

「あー……正直言うとさ。俺隼人くんと仲良くなった時、ちょっと期待したんだよな」

「何をだ?」

「合コンとかやりまくるの。隼人くん目当てに群がってきた女から俺でもいいって言ってくれる子探したりしてさ」

「……お前な。それはかなり最低な発言だぞ」

 

 中々の下衆い発言に大和の眉間に皺が寄る。それを見てか、大岡はひらひらと手を振った。

 

「いや、誤解すんなよ? 隼人くんすげえいい奴だし、それ目当てで付き合ってんじゃないからな。だけど、お前だって少しは期待しなかったか?」

「……まあ、全くないとは言わないけど」

「だよな? 隼人くん、見た目かなりチャラいじゃん?」

「ああ。あそこまでガッツリ金髪にしているのはうちの学校でも珍しい。他は由美子くらいか? 茶髪くらいならいくらかいるが。戸部とか」

「だけど実際には真面目な性格で、でもお遊びにも付き合ってくれるし、自分からも遊ぶし。ギャップがあるじゃん?」

「そうだな」

「俺、こいつと仲良くなったらウハウハーのヤリヤリーみたいなバラ色高校生活になるんじゃねえかなってさ」

「そこまでは言わんが、今まで女に縁がなかった生活が変わるかもとは思った」

 

 共通の友人である金髪の男子を思い浮かべる。女にキャーキャー言われていても浮いた噂の一つもない友人である。

 

「だろ? あわよくば手を繋いだり、どうにかなってハグとか柔らかいところ触れたりとか、期待したろ?」

「お前の言いたいことは理解できるし共感できるんだが、言い方が下衆すぎてうんと言いづらい」

「誤魔化すなって。でも、実際はそうでもねえっていうな。まあ、由美子とか結衣とか海老名さんとか、隼人くんがいなけりゃ仲良くなってねえ、っていうか、ぶっちゃけ気にかけられることなかったんじゃねえかな」

「卑屈だな。ただのクラスメイトで今ほど話すこともなかっただろうってのは想像つくけど」

 

 さらに、その友人伝いに仲良くなった女子三人を思う。一見ギャルであったり、本来なら縁がなさそうな一見文芸少女であり、三人とも相当の美少女だ。

 

「それに関しちゃ感謝はしてるんだよ。だけど、こう、もうちょっと、こう、な?」

「意味わからん。というか、仮に隼人が合コンでもしようものなら、優美子が恐いぞ。覚えてるだろ、冬のこと」

「ああ、何でかヒキタニくんと隼人くんが一緒に他校の女子と遊んでた時のあれだろ?」

「しばらく優美子の不機嫌が限界突破してただろ」

「だな。あの二人もどうなってんだかわかんねえよな。優美子は確実に隼人くんラブだけど、隼人くんがどう思ってんのかわかんねえし」

「そういうこと言わないからな、あいつは。性格的にキープしてるってこともないだろう」

 

 二人の脳裏に浮かぶのは、おそらく何事かがあった翌日、教室で長くスラっとした脚を組み、不機嫌そうに眼を閉じていたリーダー格の少女の姿。普段ならばある程度気楽な会話ができるほどであったが、当時は近づくのを躊躇ったものだ。

 

「やっぱあれかな。親同士が仲良くて勝手に決めた婚約者とかいんのかな」

「今どきドラマでもないだろ、そんな設定」

「いやー、わっかんねえぞ。実際漫画みてえなキャラしてるじゃんよ」

「イケメンで頭もよく、運動神経抜群でサッカー部の主将。誰とでも分け隔てなく接する優しい性格。確かにな」

「少女マンガでヒロインに言い寄るのにいそうじゃね?」

「少女マンガを見たことがないからわからん」

「そうか? とにかく、来るもの拒まなかったら入れ食いだよな」

「かもしれないけど、そんな隼人なら俺たちも仲良くなっていないし、今ほどの人気者ではなかっただろう」

「あー、だな」

 

 色々といじった会話をしたのであるが、それでも得難い友人であることに変わりはなく、結局のところ彼に関する会話はだいたいが称賛を送るのがいつもであった。

 

 

 

 

 

「はー、女欲しいな」

「作ればいいだろう。優美子は無理にしても結衣や海老名に彼氏がいるとは聞いていないぞ。それ以外にも女子と全く絡みがないわけじゃないだろ」

 

 先ほどと同じようなことをため息をつきながら言う大岡。さすがに大和も呆れ気味である。

 

「っつーてもなー。結衣は好きな奴いるみたいだし、海老名さんとどうにかなったら戸部に悪いし。他の女子とはそれほど仲良くないし。ぶっちゃけ、優美子とかルックスいいから他の女子が見劣りしちゃうんだよな」

「かなり最低な発言だな。選り好みできる立場でもないだろうが」

「表には出さねえって。付き合うのに顔より性格っていう奴いるけどさ、顔良くて性格いい彼女出来たら最高じゃん?」

「贅沢すぎるだろ」

 

 かなりの下衆発言をした大岡に呆れながら、大和はコップに手を伸ばした。気が付けば相当温くなっていた。

 

「ところで、結衣は誰か好きな奴いるのか? 本人から聞いたことはないが」

「いや、普通言わねえだろ。俺も誰かってのはわからんけど、クラスの女子の話じゃいるっぽいな」

「そうか……なんか、ちょっと悔しいな」

「その気持ちわかるわー。俺たちより気安く接したりする相手がいるのってなんかな。結衣は見た目ギャルだけど、ああ見えてガード固いし」

「優美子も中身は乙女じゃないか? 海老名は、まあ、ちょっと恐いかな」

「だな。俺たちの周りの女子はギャップが激しい」

「隼人もそうなんだろ? じゃあ俺たち以外みんなギャップが激しい」

「だから何だよ」

 

 特に意味はなかったのだが。

 

 

 

 

 

 大和がドリンクバーのお代わりに立つと同時に大岡も立ち上がった。連れションではなくとも、なんとなく同じ行動をしてしまうあたり行動原理が近いのかもしれない。

 

「優美子も結衣も海老名さんもみんな可愛いじゃん?」

「まあ、そうだな」

「でも彼氏にはなれなさそうじゃん?」

「……そうだな」

「こう、もやもやしないか? せっかく仲良くなっても恋人になれないって思うとさ」

「全くなれないと決まったわけじゃないが、まあそう考えるとな」

「どっかの誰かが優美子の尻をもんだり結衣の巨乳を揉みしだいたり海老名さんの足を撫でさすったりすると思うとさ、ムカツクじゃん?」

「お前、酒を飲んでないのに酔ってるのか? 昼のサイゼってこと忘れてないか」

 

 ドリンクバーでコーラを入れている横でえぐいことを言い出した友人を心配する大和。病院は近くにあっただろうかと考えていると、大岡は氷を大量にコップに入れていた。どうやらアイスコーヒーを作ろうとしているらしい。

 

「酔ってねえし忘れてねえよ。普通の男なら見るしやってみたいと思うだろ? お前だって全くそういう目で見たことないとは言わないだろ」

「……まあ、三人とも可愛いしスタイルいいしな。正直そういう目で見たことはある」

「だろ?」

「ただ、ばれた時点で友達としては終わると思ってるからな」

「そらそうだ。男女の友情なんてどっちかが欲を見せた時点で終わる」

「わかっていてなぜ言った?」

「高校生男子だぞ? そんなん考えるに決まってんじゃんよ。っつーても、その後を考えると手を出すに出せないけどな」

「その後がなくても手は出せんだろう。お前ヘタレだし」

「うっせ」

 

 どっかとソファに座る大岡に、呆れながら大和が続く。席に着いた大岡はしかし、アイスコーヒーに口をつけようとしない。

 

「……はあ」

「何だかため息が多いな」

「いや、ふと思ってさ」

 

 今度は大岡が語るまでは待っていた大和であるが、直後に聞こえた言葉に若干後悔するのだった。

 

「お前さ、後腐れなかったら、誰とヤリたい?」

 

 それほどの衝撃的な発言である。

 

「お前な……」

「誰も聞いちゃいないって。俺は誰でもいいけど。っていうかぶっちゃけできるんならみんなとしたいけど」

「おい」

「まあ待て。そうだな……優美子を四つん這いにさせて後ろからガンガンいきたい」

「うわあ」

「いや、川崎も相模も捨てがたい。どいつも後ろから責めて涙目にさせたい。悔しそうに振り向かれたら最高だ」

「お、おう。お前の好みが気が強いキレイ系なのはわかった。けど、その無理やり屈服させたい願望はなんだよ。後腐れないんならイチャイチャでいいんじゃないのか」

「後腐れないから無理やりがいいんだよ」

「そ、そうか。ところで雪ノ下さんはいいのか? あの子もかなり気が強いだろ。とんでもない美人だし」

「あー、あの子はちょっと、ボリュームがな」

「あー」

 

 おそらく総武校で一、二を争うレベルの美人を思い浮かべるが、ある部分がかなり寂しいことになっている。どうやらこの二人にはそこは受け入れがたいところであった模様。

 

「で、お前は結衣の巨乳を後ろから好き放題したり、四つん這いの海老名さんに後ろからのしかかったりしたくねえの?」

「お前のやりたい体位がバックからなのはわかったよ」

「そういや、お前の好きなタイプって小柄な子だっけ? うちの学校だと誰だろ……いろはとか戸塚?」

「いろはは可愛いけどあんまり小柄って感じはしないなって、こら。確かに戸塚は可愛いが、男だ。……男なんだよなあ」

 

 さらに、現生徒会長と去年のクラスメイトであるところの、総武校で一、二を争うレベルの美少年を思い浮かべる。生徒会長は誰もが美少女というほどのルックスであるが、先述した雪ノ下ほどではないにしろボリュームに乏しいのでこの話では対象外であった。

 また美少年は男であることが不思議であり、話す内容が内容なので、大和は悔しそうに顔を歪めたのだった、

 

「なんかすまんな」

「いや。そうだな……平塚先生に手ほどきされたいかな。優しく」

「お前って年上趣味だったか? それとも好みとヤリたいタイプは違うとか」

「どうだろう。ただ、責められたい」

「Mっ気あったのなお前って」

「お前だって平塚先生にこんなに固くして、とか好きなように動いていいぞ、とか言われたら発奮するだろう?」

「うーん、まあ美人でスタイルいいしな、あの人。だけどお前の野太い声で言われてもキモイ」

 

 傍目には、という注釈が付くが大岡の語る通りのルックスとスタイルをもつ去年の担任である美人教師。大和の願う通りの対応をしてくれるのか、できるのかは不明である。

 

「それか去年の生徒会長。あのホンワカした人がリードしてくれたら最高だ。知識ないのに大人ぶってくれるのでもいい。あと、去年の学園祭に来ていた雪ノ下の姉とかもいいな」

「筋金入りだな、お前」

「お前も相当だろ。鬱屈したもの溜めこんでるんじゃないか」

 

 引きつった顔を見せる大岡に、お互い様だと返す大和。

 

「はあ……彼女欲しいな」

「仮にできても、すぐに破局しそうだと思わざるをえない」

「ちゃんと隠すよ」

 

 その後退店した二人だが、その隣の席に彼らの知り合いがいて、話を聞いていたかどうかは定かではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 いかがでしたか?
 不快感なく読めたあなたは懐の深い人です。
 不快感あって読み切った人は忍耐力のある人です。
 不快感あって途中をすっ飛ばして後書きを呼んでいる人は律儀な人です。

 冗談はさておき、高校生ってこういうことダベリますよね?
 ひょっとしたら大学生だったかもしれない。
 同じ学校に通う人が美人が多いって、目の保養にはなるでしょうけどもね。自分の母や姉が美人でも手を出せないように、美人たちとコミュニケーションを取れなければ意味がない。遠くから見てるだけ。そしてきもがられたり。

 それはさておき、ここまで読んでいただきありがとうございます。
 次回は……未定!
 じゃあまた。

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