私の頃はただ組み立てただけでしたが、フレームから作るとか。最後に作ったのはXかエアマスターかレオパルドか。
ニコニコ動画でガンプラ検索すると面白いのが多いですよ。一番のお気に入りはジムボールアームズの動画です。よろしければ検索してみてはどうでしょう。
じゃあどうぞ。
「ガンプラバトルがしたい」
「お、おう」
今日も今日とて憩いの場、サイゼにて妄言を吐く材木座義輝である。
この言葉が一定の話の流れから出たのならば同意することもやぶさかではないのだが、何せこの男、空気を読むということを知らない。
ノートを広げている最中にいきなり言われては、こちらもまともに応じることはできないというものである。
「ガンプラバトルかぁ、確かにやってみたいな」
「うむ。早くプラフスキー粒子が発見されないものかのう」
「八幡はどんなモビルスーツに乗ってみたい?」
一応は勉強中だったんだが、戸塚が話に乗ってしまった。戸塚は見た目の印象に反して、男の子向けホビーは嗜んでいるし、結構ディープな話題にもついていけたりする。
まあ、そろそろ一息ついてもいいころ合いだったんで別にいいのだが。何より戸塚との会話を無駄にするなんて以ての外である。
「リアルに考えるなら、死ぬまでにザクに乗ってみたいとは思うけどな」
「夢のない奴よのぉ。お主はスーパーパイロットになると宣言したのだから、AGE-2に乗りたいと言えばいいではないか」
クリスマスのことよく覚えてやがんなこいつは。俺も忘れちゃいないが。
「材木座くんは?」
「そうさな。やはり我としては陸戦型ガンダム、いや戦場にて改修されたEz8のような泥臭いものが好みであるな。全弾発射はロマンだ」
「ああ、お前ヅダとかグフカスとかケンプファーとか、渋いのが好きとかいいそうだもんな」
「何を言うか八幡。お主とていぶし銀の良さがわからぬとは言わさぬぞ」
まあ、俺もそこらへんのは好きなんだけどな。いや、フリーダムとかジャスティスがかっこいいのはわかるんだけど、そこいらのが好きって言うとにわか扱いされそうなのがね。
「僕はパーツ換装系が好きだから、ストライクとかガンダムMkⅡとかかな。色々装着するのってかっこいいし」
「うむ。パーツ換装によりどんな戦況にも対応できるのは強みであるな」
「何でもできれば色んなフォローもできるようになるしね」
一機で何でもこなす機体はぼっちの俺にはピッタリだと思ったんだが、さすがの戸塚。俺のような考えはしていなかったか。
「高機動、実弾火器、援護の三体か。中々バランスの良いチームではないか」
「トライは三人のチームプレイだったよね。他にはどんなチームがあるかな?」
「他の三人組なあ」
さてどんなのがいいものか。身近なところではうちの連中だが……そうだな。
「チーム奉仕部。由比ヶ浜はエアマスターでかく乱、雪ノ下はキュベレイでアタッカー。で俺がAGE-2か」
空気を読む能力に長けた由比ヶ浜がEWAC装備で索敵かく乱。ワルキューレをやってもらおう。
雪ノ下はニュータイプかラウンダー能力とか持ってそうだから、ファンネルやビットを使えるサイコミュ系モビルスーツ。エルメスかサザビーでもいいかもしれん。
「アタッカー二体のサポート一体か。これまたバランスの良いチームであるな。機体の統一感がないのが気になるが」
「それを言い出したらキリないだろう」
そこまで機体に詳しいわけでなし、そもそも主人公たちだって統一してるわけじゃないしな。
「えーっと、じゃあ僕は去年のクラスメイトでチーム2F。三浦さんがジムスナイパー、海老名さんがビギナギナ、川崎さんがゴッドガンダム」
「してコンセプトは?」
「遠中近に隙なし、かな」
「だな」
三浦は天元突破なスナイパーもいいが、ワイヤーとプラズマ手刀もといシャイニングフィンガーを兼ね備えるターンXもいけるんじゃなかろうか。停止結界はミダスで。
海老名さんは名前からの印象だろう。俺も思ったし、エビナビナとかガンプラバトルに出てきそうだし。千成将軍を改造したらエビにできるだろうか。決してバカにしているわけではないのは明言しておこう。
川崎はアデルが似合いそうな気もするが、ゴッドフィンガーで弾けろと叫んでほしい。足にローラーは必須だ。
声が似てるからね。仕方ないね。
「むう、では我はチーム生徒会。現生徒会長はヘイズル、八幡の妹御はガーベラ・テトラ、書記の娘はデナン・ゾンでどうだ」
「ヘイズルってなんで?」
「うむ。SDガンダムで戦乙女であったのでな」
AOZは世代としてはZと一緒で、スクランブルガンダムはZの改造機、あっ(察し)。ウーンドウォートちゃんでもいいような気はするが、どっちでもいいか。
「小町ちゃんがガーベラなのは、まあわかるとして」
「うむ。キララと輝いてくれることであろう」
「書記の人ってどんな人だっけ?」
「えーと、藤沢だな。二年生で眼鏡をかけた……デナン・ゾンってそういう?」
「うむ」
SDガンダムで言うなら黄月英ガンイージが眼鏡をかけていた気がする。キット化されていないから無理だろうけども。
しかしながら、こいつもこいつでネタに走ってやがる。
「なんで藤沢選んだ?」
「前生徒会長が思い浮かばぬでのう」
「あ、じゃあ雪ノ下さんのお姉さんは?」
「あの人生徒会やってないぞ。陽乃さんに似合いそうなのは、サタンガンダムだろ」
「むう。それではチームOGではどうか?」
「陽乃さんがサタンガンダム、城廻先輩が側近の騎士サザビー、平塚先生が闘士ネモ、だとちょっと弱いな。マックスガンダムで」
魔王たる陽乃さんにはピッタリ合ってるだろう。強化外骨格みたいな外面ということでチョバムアーマー付きのアレックスでもいいか。ブラックドラゴンかジークジオンには雪ノ下の母ちゃんで。
城廻先輩は戦う姿が欠片も思い浮かばんし、側近というより仲のいい先輩後輩ではあるが、近しい間柄ということで。
平塚先生は臓物をブチ撒けろなデスサイズかキュリオスでもいいとは思うが、自慢の拳で切り開くマックスター、他の二人に合わせてSD化と。
発売されてるかどうかなんか知らん。
「実用性とか強さを度外視してネタに走った感はあるが」
「甘いぞ八幡! ガンプラバトルに重要なのは、強さではなく愛だ!」
「そうそう。ガンプラはどんな自由な発想で作っていいんだから!」
まあ、そういうことならな。何でもできる陽乃さんでも、ガンプラに手を出しては……いないよな?
「そういえば、八幡はあれからガンプラ作ってみた?」
話し込んだのでドリンクバーのおかわりを持ってくる。ほっと一息をついて首を傾げて俺に問うとつかわいい、もとい戸塚。
そういえばクリスマスの時、さっきと同様ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだと誘われていたな。作ってないけど。
「いや、結局あれからおもちゃ屋行ってないんだ。受験が上手く終わったら手を出してみようかとは思ってんだが」
「そっか。じゃあ、時間ができたら素組じゃなくて改造して、ガンプラバトルに参加できそうな作品作って見せっこしようよ!」
戸塚に見せっこしようと言われると、そこはかとない背徳感が……ゴホンゴホン。
「お、おう。そうだな。なんにしようかな。ホントに最近のはよく知らんからなぁ」
「む? お主はAGE-2にてスーパーパイロットになるのではないのか?」
「そうは言ったけど、もっとオリジナル色を出したくなってきた。オー〇バトラーを再現したのとかいただろ?」
「ああ、タイの選手だね。あそこまで改造するのはかなり手間がかかりそうだけど、面白いよね」
改造って、プラ板削ったりするんだっけか。しばらく作ってない上に工具も揃えないといけないが、ちょっと楽しみになってきたぞ。
「ふむん、そうさな。我ならばEz8を改修し、ゴッテゴテの重装備にしてHard8というのはどうか」
「ガンプラっぽいな。ただお前の好きな戦い方ができなそうだけども」
「うむ。やはり剣豪将軍の名を継ぐものとしてはアストレイレッドフレームで真っ向から竹割を扱いたいものであるが。トライオン3ができるのだから勇〇特急や勇〇王もいけるであろうか」
と、ここで材木座が物思いにふける。
「うむ、いいことを思いついたぞ。八幡よ、Ez8を改修してEz8Manを作ってはどうか」
「エイトマンって加速装置でもつけろってか」
「あ、じゃあ僕EzHEROMANにしようかな」
「三人そろって08小隊である!」
Ez8だけで小隊作ってもなあ。コンセプト統一はできているけども。
ところで、あの世界でのガンプラ作成で一つ疑問があるのだが。
「そういやトランザムって、どうなってるんだろな」
「む? 太陽炉のGN粒子を一気に放出して機体出力を三倍に跳ね上げるのではなかったか?」
「いや、ガンプラバトルでのトランザム。太陽炉を乗っけとけば発動するのか? OOの機体はどれが太陽炉かってわかるけど、それ付けとけばいいのか? ファンネルなんかはわかりやすいけどよ」
「確かミノフスキークラフトはクスィーやアプサラスに搭載されていたと思うが、むう、どの部分はわからぬな。スラスターや足がそうだったとは思うが」
「えーと、今やってるダイバーズだと、完成度が高ければできるようになるはずだよね。それって誰が判断するんだろう」
「システム的なのって他にもバイオセンサーとかALICEとかEXAMとか? そこいらへんはガンプラバトルでどうやってんのかなってふと思った」
「うむう。明鏡止水やハイパーモードはアシムレイトで代用していたようであるが」
「まあ考えてもわからんことではあるけどもな」
「きっとあの世界じゃ、プラモ屋に売ってるんじゃないかな?」
太陽炉やミノフスキークラフトだけをパーツ売りか。うーむ、まあ、きっとそうだ。そう考えた方が夢がある。
「それを言うならば、他のロボットアニメのプラモデルはどうなっているのかのう。八幡も言っておったが、オー〇バトラーはあるのだろうし」
「ガンプラに使われているプラスチックに反応するんだから、ガンプラ用プラ板で作ればいけるのかな?」
「ビルダーが作った武器がバトルで使えるんだから、その可能性はあるかもな」
「発売されているガンプラか、それを改造したもののみでしかガンプラバトルができないのならば、少々寂しいものがあるからのう」
「だったら、マジ〇ガーとかゲ〇ターとか作れるかな? 他のアニメのロボットに似てる機体を改造してさ。例えばイ〇オンとかガン〇スター」
「ジム神様とザク神様であるな」
「さすがに謎エネルギー武器は難しいかもしれんけど、見た目だけならなんとかなりそうだ」
さすがに射程無限のソードやガン、マイナス一億度レーザーはできなかろう。
「プラフスキー粒子の応用でどうにかなるのはあるかもね」
「そもそも他のロボットアニメはどれだけの市民権を得ているのか。バトルできないなら買わない、という発想に至ってもおかしくなかろう」
「実は描写されていないだけでバトリングとかやってんのかもな」
それはそれで楽しそうだ。あの世界はガンダムが世界を席巻してんじゃないかってほどにガンダム一色だったけども。
ああ、こんな話していたら作りたくなってきたな。いやいや、受験生がガンプラに手を出したら、終わる。色んな意味で終わる。我慢我慢。
「八幡、材木座くん。受験終わらせて、楽しもうね!」
「もちろんだ戸塚」
「うむ! 我のガンプラが火を吹くぞ!」
戸塚と楽しむために、さっさと受験を終わらせたいものだ。
八幡ら総武高男子生徒が退店してしばし、身を起こす女性が三人。
「静ちゃん、行った?」
「みたいだな」
「はるさん、平塚先生。なんでずっと隠れてたの?」
黒髪のショートカット、素晴らしいプロポーションを持つ女子大生。雪ノ下雪乃に似た雰囲気を持っている。それもそのはず、雪ノ下雪乃の姉、陽乃である。
対面から身を起こしたのは長い黒髪、やはり素晴らしいプロポーションを持つ妙齢の女性。なぜか白衣を着ている彼女は平塚静。総武校の教師である。
ノリノリで隠れていた二人に引きずられる形で隠れていた、穏やかな雰囲気のやはり女子大生である彼女は城廻めぐり。陽乃の後輩であり、八幡らの先輩であり、先代生徒会長である。
可愛い、キレイな女性たちが身を屈めていたので、他の客から注目を集めていたのであるが、それはさておき。
「いやー、比企谷くんが見えたからさ。どんな会話をしてるのか気になっちゃった。っていうか聞いた? 比企谷くんって私の前じゃ言わないけど、私のこと陽乃さんって言ってるんだね」
「うれしそうだな陽乃」
「そりゃあね。小生意気な後輩が実は私のこと名前で呼んでるとか、可愛いじゃない」
「はるさん、その時ちょっと赤くなって」
「めぐりー、なんか言ったかなー?」
「ううん、別に。何も言ってないよ」
にこやかな陽乃ににこやかに返すめぐり。何だかんだでよいコンビである。
「うむ。まあ、私も生徒たちが普段どんな会話をしているのか気になったのでな。悪いとは思いつつ聞かせてもらったわけだが」
「静ちゃん、すっごい話に入りたそうにしてたよね」
「だってそうだろう!? ガンプラの話をしているんだぞ。うちの先生たちはガンプラに興味ある人少ないし、男の先生ですらしないんだぞ。私もダイバーズの話とかしたい」
「よくわからないけど、大変なんですね、先生も」
「めぐり? 静ちゃんのは特別だよ」
ぐぬぬと歯を食いしばる平塚教諭に同情するめぐりと、呆れながらなだめる陽乃。静の残念さはめぐりには伝わっていないようである。
「それにしても、失礼しちゃうなー。誰がサタンガンダムなんだか」
「あはは。私、サザビーのバッグとか持ってないけど、どうしてだろね?」
「めぐり、ブランドの方じゃないわよ」
「マックスターか。格闘は望むところだが、ガンプラバトルなら射撃武器が欲しいな。ティエルヴァのような」
「恋人を失って敵方に裏切っちゃうよ、それだと?」
「ふぐぅっ!」
「私はモビルアーマーとかいいかなーって。ユグドラシルみたいな三人で乗るやつとか」
「裏から上官を操ろうとするとか、お前にピッタリかもな」
「んー、静ちゃん何か言った?」
「言ったが、まあ別にいい」
「ふーん」
「?」
若干険悪な雰囲気を出している二人をほんわかと見守るめぐり。本気で仲が悪くなることはないとわかってのことだろうが、なかなか胆力がある模様。
「しかし、陽乃も嗜んでいたか」
「ちょうど講義がなくて家にいた時期だったから。静ちゃんほどがっつりいってないよ?」
「そうか。しかし、あの三人も年代が違うだろうに結構詳しかったな」
「平塚先生、男の子のアニメ詳しいんですねえ」
「う、うむ。話題にできるというのもあるが、ただ純粋に好きだし」
「静ちゃん? 行き過ぎると男性の方もひいちゃうよ?」
「ふぐぅっ」
泣きそうになる妙齢の女性がそこにいた。
アニメを見る量が減ってきて久しく、ネタを探すのに苦労しました。ならなんでこんなの書いてんだとか言われそうですが。
八幡が言ってるにわか扱いどうのは私が勝手に思ってるだけです。かっこいいのも好きですけど渋いのも好きです。
一応ネタ解説。
八幡・材木座・戸塚:声優さん
由比ヶ浜:ガンダムに出てないんでマクロスデルタから。
雪ノ下:アイラとユリンとララァ。
三浦:ヨーコとラウラ
海老名:ビギナギナとエビナビナが似てると思ってたら、原作でもそう言ってました。
川崎:カレン
一色:アイラの娘→スクランブルガンダム→Z→AOZ
小町:キララ
藤沢:眼鏡
陽乃:魔王なのとレコンギスタから
城廻:出てないからサタンガンダムの側近ということで
平塚:拳を使うガンダムということで。あとAGE
ところどころ強引なのは承知してます。めっちゃ悩んじゃった。
次は声優でいきます。
じゃあまた。