ハンターになって人理修復に参戦   作:YO!Hey!

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ゲームシナリオでは聖杯について知らないはずの生前のネロも何か感じてる風でしたが・・・あれもなにか伏線でしょうか?
あと大分前にも出しましたがハンターが採取したものはモンハン世界準拠のアイテムになるという設定で。


酒は飲んでも飲まれるな

街の中に入った俺達は、戦時中だというのに活気の溢れるローマの熱気に驚かされた。

街行く人々は皆笑顔であり、街の隅々まで情熱で満ちているようである。

 

「見るがよい、しかして感動に打ち震えるのだっ!これが余の都、童女でさえ讃える華の帝政である!」

 

「確かに凄い活気だ・・・!」

 

「うむうむ、そうであろう、そうであろう!なにしろ、世界最高の都だからな!

おお、店主よ。この林檎をもらっていくぞ。」

 

「へいらっしゃ・・・ああっ皇帝陛下!

どうぞお持ち下さい。陛下とローマに栄光あれ!」

 

「そうかしこまらずともよいぞ店主。

うむ、うむ・・・これはうまい林檎だな。お前達も一つどうだ、やや行儀は悪かろうと気にするな。戦場帰り、疲れには甘い果実が効果的だ。傷は癒えぬがやる気は回復するぞ!」

 

「む、少々目に余る行為ではありますが・・・林檎は美味しそうなので頂きます。・・・ん〜甘くて美味しいです!」

 

「マタタビ!マタタビは無いのかニャ?」

 

「おう、すまねぇな猫ちゃん。残念ながらうちは果物屋なんでマタタビは無いが・・・ほら、俺のおやつだったが蜂蜜はどうだ!」

 

「ニャ!ありがたくちょうだいいたしますニャ〜」

 

確か新選組は浪士の捕縛以外にも巡察、警備などの警察活動もしていたんだったか・・・たった今権力振りかざして万引き紛いのことをしたがそれはいいのかい一番隊隊長どの。

 

てか順応はええよ店主。

 

「それで、その方らは余を助けるのが目的と言っていたか?」

 

「はい、その認識で間違いありません。皇帝陛下を助けることはこのローマを脅かしている聖杯と呼ばれる物を回収すること。我々の目的の達成とイコールと考えていただいてよろしいかと」

 

「聖杯・・・いや、今は気にすまい。

よし。まずは共に来るがいい。我が館にて、ゆっくり話すとしよう。

・・・・・と、なんだ?なにやら市場の様子が・・・?」

 

 

「う、うわぁ!なんだ!うちの店に何するんだあんた達!」

 

 

「どうやら揉めている・・・いや、あの様子は少し違うな。一方的に襲い掛かっている・・・もしや敵の工作か?」

 

「余のローマで、余の民に対して何たる!」

 

『せっかくの情熱も冷めてしまうなぁ、あれでは。

数は1、2・・・5 人か。まぁあの程度のただの人間ならその辺の石ころで・・・そらっ』

 

 

 

石ころ。

何の変哲のない、ただの石ころ・・・とでも思ったかヴァカめ!モンハン世界に普通の物があるわけないだろいい加減にしろ!

この石ころ、肉質無視のダメージを与えるアイテムで、そのダメージは確定で1ダメージだが・・・それは裏を返すと如何なる強固な甲殻を持つ竜、例え古龍種であろうとダメージを与えられるということである。

そう、理論上ではかのミラルーツもこの石ころだけで討伐可能なのだ・・・机上の空論だが、キックだけでモンスターを討伐するHENTAIも世の中には居るので何の不思議も無い。

余談だが、タンジアの港のある少年は投石だけでモンスターの部位破壊をしたことがあるらしい。破壊王も真っ青の剛腕である。

 

 

 

「ぐあっ!」「痛てぇ!」「何だァ!?」「アッー!」「あべし!」

 

『お前達は今日の俺の一八十四球を一生忘れるなぁ!』

 

「すごい・・・全く衰えることなく全て的確に頭を狙って投擲しています・・・」

 

『世の中には黄金長方形の軌跡でアンパン投げる百発百中のパン屋さんも居るんだ、気にするな!』

 

「ハンターさんの腕力で投げられて大丈夫なんでしょうかね?」

 

そこはほら、きっとご都合主義で。

頭から血が出てるようだから一応回復薬も投げといてやるか。オラァ!

 

ガンッ!・・・ピクピクッ

 

「トドメを刺すとは貴様もなかなか容赦が無いのだな・・・まぁよい、捕縛せよ!」

 

「ハンター・・・」

 

『いやいや、ちょっとお手伝いをね!?』

 

石ころは耐えて回復薬は無理なのか、やっぱ善意の押し売りはいかんな。うん。

 

 

 

 

 

 

 

その後、ネロのでっかい館に行きローマの現状を聞いて今後の予定を話し合ったのだがネロの口からありえない言葉が出た。

 

「そしてこれは何とも言えぬのだがな、斥候の何名かから"竜を見た"との報告があったのだ」

 

『・・・なに?』

 

「その方らが信じられぬのもわかる。だが確かに見たと言っていてな。しかも報告する兵士の数も増えているときた、ここまでくると流石に余も無視できぬ・・・」

 

「どうしたハンター、竜なんぞ前の特異点で見飽きただろう?」

 

確かにそうだ、竜なんて今更という感じですらある。特に俺はな。

 

だが、この特異点に竜種なぞ出てきただろうか・・・?良くてゴーレムやゴースト系のものだった気がする。

 

『その竜というのの外見は判明しているのか?体の形や体色、なんでもいい。それから数、人間への被害は?』

 

「いや、どの者も遠目に見ただけらしくてな。形はよく分からぬが色は赤く、頭から尾先までの体長はおよそ20メートルほどで大空を一匹で飛んでいたらしい。人への被害の報告も受けておらぬ」

 

『20メートルだって!?フランスで戦ったワイバーンの数倍はあるじゃないか!そんなのがもし群れで襲い掛かってきたらひとたまりもないぞ!』

 

およそ20m程で、赤く、大空を飛ぶ・・・モンハン世界で言えばレウスの通常種だが、フランスにも赤いワイバーンはいた。大きさが大分違うが。

・・・うぅむ。これは慎重にならざるを得ないか?幸い、アカム装備だから火耐性は強いが・・・外で戦う時は注意するようにしよう。

 

「とまぁ話はここまでにして、そうだな。休む前に宴か!

戦時ゆえに普段通りの規模とはいかぬが、贅を尽くした宴を供そうではないか!」

 

『宴か。エミヤ、お前の出番だ・・・』

 

「いいだろう。せっかくの機会だ、ローマ皇帝に俺の技術、積み上げたモノがどこまで届くか・・・試させていただこう!

何故か、遠い未来でそこのローマ皇帝に仕えるような気もするしな」

 

「ノリノリだねエミヤ・・・」

 

そう言って彼は彼の厨房(戦場)へと向かって行く・・・。それはまさに漢の背中であった・・・。

 

 

『あ、エミヤ、できればこの竜の肉とか使って・・・』

 

「なんと、竜の肉とな!?余も是非食べたい!」

 

「「「却下」」」

 

『ちょっとくらいいいじゃないか・・・ハンターだもの』

 

「むぅ・・・ではハンターよ、後ほどその肉を少しばかり分けて・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブハァッ!もうダメだ・・・」

 

『はい、次ィィ!!』

 

「うぉぉ!また勝ったぞ!アイツの胃袋はどうなってるんだ!?」

 

『ハッハッハ・・・席に着いている限り、この俺に酒で敗北は無い!』

 

 

 

飲んだくれ。

ハンターのアクションの一つ。席に座ったままでいる限り何ともないが立ち止まるとハァハァ言い、歩けばフラフラ、走ればヒーヒー、しばらく立ち止まっているとぶっ倒れるという、ハンターとしてどころか生物として最弱の状態。

ところがどっこい、再び席に着いたり、ギルマスに話しかけたり1度倒れると1発で覚める。現実だとありえないがそこはやはりハンター。

食事の組み合わせによって発動するのもあるが、それはほとんどの確率でクエストに出ても悪影響がある。

 

 

 

精神にも何ら影響は無いので俺は酒を飲んでもずっと素面のままである。酔いやすい人には羨ましいかもしれんが、これは逆に酔えないということでもあるので酒を楽しみたい時には不便なものである。

 

『次の相手は誰だぁ!』

 

「この余が相手をしようではないか!余の連勝記録を破りおって・・・その座位、奪い返させてもらおう!」

 

『お前で28人目・・・恐れるな、敗北の時間が来ただけだ・・・』

 

「言うではないか・・・その余裕、すぐに砕け散るものと知れ!」

 

 

 

 

〜〜30分後〜〜

 

 

 

「うむ、もっと余に構うがよい〜!」

 

『お酒には、勝てなかったよ・・・』

 

皇帝陛下、見事なフラグ回収である。酔ったネロはそのまま宴ということで装備を外していた俺の膝の上に頭を置いていた。

普通立場逆じゃね?と思わなくも無いが幸せそうな顔をしてるので動かすことなどできない。できるはずもない。

 

それに酔ってるせいか、やけに俺の体に手を這わせてくる。

確かに自分で言うのもなんだが、ハンターボディの俺の体は筋肉モリモリマッチョマンの変た・・・いでは無いがイイ体をしている。女が男の筋肉触りたい的なノリだとは思うがいかんせんくすぐったい。

 

だからといって手を掴んで離そうとすると、

 

「うぅ・・・余を、一人にするな・・・」

 

「・・・」

 

という感じでどうしようもない。

今はネロが民からもっとも愛された時期だと思うのだが・・・もしや己の最後を何となくでも悟っているのか?

そういえば聖杯という単語を出した時もなにやら気にかかるとか夢に見たなどと言っていた気がする。この時代のローマに聖杯という単語は無いはずだが・・・

英雄は生きてる時でも死後の自分を夢見ることがあるのだろうか?

 

それはさておき、非常にやりづらい。

可愛さあまってそのまま抱きしめたいくらいだがまだまだローマ兵もいるしマスターたちもいる。

おのれ・・・美味そうに飯食いやがって・・・こっちは満足に動くことも出来ないんだぞ。

 

「エミヤの作るものはどれも美味であるな、是非料理人として雇いたい!

ハンターよ、余は次にあれを食べたいぞ!」

 

『はいはい、ほれっ。

ちゃんと起きて食わないと体に悪いぞ?』

 

「あー・・・んっ!気にするでない、今は余に尽くす誉れを存分に享受するがよい!」

 

確かに嬉しいがもっと料理を・・・あ、侍女の人か。ありがとうございます。

あ、沖田が血ぃ吐いた。食いすぎか?・・・そういえばまだあれを沖田に飲ませて無かったな・・・効果や持続時間も気になるし、早めに試しとくか。




ネロが酒豪(笑)なのはオリ設定、ですね。

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