楽器・・・歌・・・アイドル・・・閃いた
兵士たちがさっきの戦いの後始末をしている間、やはり気になったのかネロが聞いてきた。
マスターたちは沖田も含めてもはやスルー状態なので少し悲しい。これが成長か。
「ところで先程の戦闘、急に疲れなくなったり僅かだが力が強くなったような気がしたのだがそなたらの影響か?」
「それはきっとハンターさんの狩猟笛の効果だニャ」
「むっ!?なんだこの獣は、今喋ったのか!?それに立派に武装もして二足歩行だと!?」
「あー、この子はそういう生き物だということにしておいてください。
考えるのではなく、感じるのです」
「ムムムッ、そうか、なんとも珍しい生き物なのだな・・・余も欲しいぞ!」
「先輩方、お話はそこまでです。敵軍第2波、来ます!」
そういえばアイクも俺達の世界について説明できるんだよな・・・もう特異点来る度に説明役はアイクに任せるか?名前がスピードワゴンだったら最高の解説をしてくれそうだ。
「ええい、忙しない連合帝国の者どもめ!余の玉音を妨げるとは不届きな!
ゆくぞ!なかなかな姿をした少女よ、余の盾役を命じよう!」
「あっ、えっ、はい!?
・・・先輩、私たちいつの間にか仕切られています・・・!」
『まぁ良いじゃないか、サーヴァントなんてそんなもんだろ。まっ、敵は逆にサーヴァントが将として仕切っているようだが』
「我が、愛しき、妹の子よ」
「叔父上・・・!いや・・・いいや、今は敢えてこう呼ぼう。如何なる理由かさ迷い出でて、連合に与する愚か者!
カリギュラ・・・!」
話ぶった斬るけどカリギュラって最終再臨絵結構イケてるよね。ライオン絞めてるみたいだけどネロはカリギュラの影響で獅子と対決とかしたのか?
マシュやロマニがサーヴァントと、今を生きている者が血縁なことに驚いてたりするがとにかく戦闘だ。メインはカリギュラだろうが、後ろには軍もいる。
先程同様にサポートに回るか。
まぁサポートに徹する俺を積極的に狙ってくる奴がいればその限りでは無いが。
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こ、怖ぇ。何人かはゾンビみたいに何度吹き飛ばしても向かって来やがった・・・俺には分かる、あれは忠誠なんかじゃなく、己の欲望に従う者。つまりドMであった・・・!
やはりいつの世も殴り合いで最も強いのはマゾヒストか・・・アタリハンテイ力学で殺せないのを初めて恨んだぞ。
「あ、あ・・・。我が、愛しき・・・妹の・・・子・・・。何故、捧げぬ。何故、捧げられぬ。
美しい、我が・・・。我が・・・。我が・・・」
「消えたか・・・。いや、霊体化して撤退したようだな。敵の兵士たちも引き上げて行く」
「あっ、沖田!深追いしちゃダメだよ!ほら、戻って来て!
え?昔の癖?いいから戻ってこないとハンt・・・良し」
『いや良しじゃねぇよ。今マスター何をダシに使おうとした?そして沖田は何故そんなに早く反応した?』
『・・・そうだね。見た限りバーサーカーのクラスだったようだから自ら退散するとは考えにくい。
もしかして、マスターがいるのか?』
「なにやら先程から声はすれど姿の見えぬ男がいるな。雰囲気からして魔術師の類か?」
『魔術をお分かりとは話が早い。そう、僕とそちらに居るメンバーはカルデアと言う組織の』
「まぁよい。そこの5名!いや、7名か?6名と一匹か?」
『あっ遮られた・・・』
まぁそう落ち込むなよロマニ、きっと良いことがあるさ。いつか。
そして堂々と、ドヤ顔で名乗る皇帝陛下かわいい。皆なんとなく察してたけどマスターや俺がわざと驚いた風にしてるから余計に助長するネロ様万歳。
さて、先程はなんやかんやで途切れたがお待ちかね解説タイムである。
「して、先も言った戦闘中に感じた強化、どうやらそこの鎧の者が音を奏でた時に発動するようだな。
炎のように揺らめき、しかして太陽のような熱を感じる実に美しい調であった!どうだ、余の黄金劇場でその腕を奮ってみぬか?待遇は最高のものを約束するぞ!」
『なにやらドラ娘と赤王の立つ舞台の後方で演奏する俺の姿を幻視したが気のせいだと信じたい』
「・・・それより、戦闘中に感じた強化のことを聞くんじゃなかったのかニャ?」
「そうであった!この話はまた何れな。
それで、いったいどういったものなのだ?それもまた魔術に属するものか?」
『詳しく説明すると長くなるから要点をまとめると
・演奏すると俺が味方と認識した者達のステータスを強化、回復できる。
・奏でられる音楽は武器ごとに違い、効果もそれぞれ。
・演奏中は無防備
・自分を強化すれば攻撃が弾かれることは無い
・モンスターぶん殴っても壊れない頑丈な楽器・・・楽器?
・音聞かせるだけで耳栓効果付けたり風圧を無効化させたり地震などの揺れで転ばなくなったりさせられる。
・水中で演奏しても酸素を使わない、常識だな。
・柄で殴れば切断攻撃。これも当然だな!
とまぁ他にもあるがこんなとこか。正直魔術とかでもないと説明つかんからその認識でいいや。』
「後半突っ込み所が多すぎるぞ・・・いや、楽器の武器という時点でおかしいのだが。
聞いただけで発動する魔術は珍しく無いがそんなに単純なものでもないんだぞ?
それにお前のは笛というより竪琴ではないのか?」
『うるせー、細かいこと気にしてると禿げるぞ?
狩猟笛に形なんて関係ない。たとえギターだろうと太鼓だろうとハンドベルだろうと、果てはフライパンやスプーンであろうと!音が出るならそれは狩猟笛なんだよ!』
「・・・もう、何も言うまい・・・」
「なんと面白い・・・これを作り出した者は天才だな。余もいくつか欲しい・・・そこな獣と共に余の家臣にならぬか!?」
流石にそれは困るって。
狩猟笛と共に雇うってことはあれでしょ?ジャイアンリサイタルを特等席、というか1番近くで聞くことになるんでしょ?
それなんてスタイリッシュ自殺?
「そうか・・・残念だが、どうやら雰囲気からしてよほど深い理由があると見える。助けられた手前、強くは乞えまい。
・・・さぁ、前方を見よ!あれこそが余の治める神祖様より受け継ぎし世界一の都、ローマである!」
はー、でっけぇなー。"俺"だった時は海外にすら行ったことがなかったからあんなでかい都を見るのは初めてだな、フランスでは状況が状況だったし。
中がどんなか楽しみ・・・っ?
「(クルッ)・・・?」
「?、どうしたのハンター?」
『・・・・・いや、なんでもない。ただの気のせいだったみたいだ』
振り返っても何もなかったし、なんだろうか?
スキルが反応した気がするが今はなんともないし、恐らく本当に気のせいだったのだろう。
この世界に、モンスターがいるわけないからな。
はい、殆ど説明してないけど狩猟笛の説明会でした。
ホントになんで水中でやっても酸素ゲージ減らないんですかね?
しかしもっとネタを挟みたい・・・次はどんなアイテムやら動きやらを出そうかなぁ・・・。