オルレアン編少し長すぎたかな?次はもうちょい纏められるようにします。
俺たちは逃げた黒ジャンヌを追いかけて走っていた。
剥ぎ取りをしていた俺はボコられた。解せぬ。
「それで、あれはどういうことだったの?」
『ん?何がだ?』
「お前が邪竜の火炎を喰らってもそのまま攻撃をし、なおかつファヴニールに瀕死のダメージを与えられたことだろう」
狩技のことか、確かに初めて見るやつからしたらアイエエエエ! ハンター!? ハンターナンデ!?ってなるだろうな。
ショッギョムッジョ!!
『あれか。俺の声も聞こえてたと思うがあれは俺の宝具、狩技の一つだ。
大剣専用の狩技でな、獣宿し【獅子】の方は前も見たから分かるだろうがオーラを身に纏い、次に放つ一撃の威力を跳ね上げるって技だ。
で、ファヴニールの胸を切ったのは震怒竜怨斬って技。
あれは発動した後攻撃を受けたらその時点で喰らった分威力を上げて反撃するってもんだ。
が、この技には三段階の溜めがあってな、段階を踏む程に威力が上がっていく。しかもⅢなら溜めてる間はハイパーアーマー状態だから吹き飛ばされることもない。
俺はその三段階目の溜めた状態であの火球を喰らい、受けたダメージ+獣宿し【獅子】で上乗せした攻撃を放ったってことだ。』
獅子からの三段溜めて反撃とか浪漫溢れすぎてヘヴン状態なるかと思った。
「それ、ダメージはどうなっているんでしょうか?」
『勿論ハイパーアーマー状態でもダメージは受けている。しかも一度発動したら死ぬか攻撃を放つまで別の行動は出来ないから、しっかり弱点もあるというわけだ。』
「なるほど、それならばあの威力もまぁ納得はいく。一度見せたら2度目は無いであろう、まさに「一撃必殺技」だな。」
『英霊や人間なんかには確かに2度目はなさそうだろうが、知っての通り俺の宝具は対怪物。
相手が怪物に限れば何度放っても見切られることはないんだよ。』
普通に知能がある人間や英霊だったら簡単に避けられるだろう。実際大剣は緩慢な動きしか出来ないし、元々対人戦にはあまり向いていない。
怪物相手なら補正もかかって大分軽やかに動けるようになるんだが。
「到着しました!あまり時間をかけると新たなサーヴァントを召喚されてしまいます!急ぎましょう!」
「はい、フランス軍の為に残っていただいたゲオルギウスさんやマリーさんたちのためにも一刻も早く!」
まだ集まっていたワイバーンから疲弊したフランス軍を守るためにジークフリートとゲオルギウスを残して回復のためにマリーを残した。
しかしあいつら、清姫とエリザベートは完全にコッチに押し付けただけだろう・・・。
「・・・おやおや、お久しぶりですな。まさかファヴニールを倒し、ここまで乗り込んで来るとは・・・。正直に申しますと感服いたしました。」
「ジル・・・・・・!」
「しかし、しかしだ!ああ、聖女よ!その仲間達よ!
何故私の邪魔をする!?私の世界に土足で踏み入り、あまつさえ聖女を殺そうとするのか!」
・・・あの目ん玉剥ぎ取れるかな・・・?
「・・・(ゾクッ!!!)わ、私の邪魔をすると言うのならば!今ここで朽ち果てるがいい!
盟友プレラーティよ、我に力を貸したまえ!」
「うわっ!気持ち悪っ!何あれ、おっきいヒトデ?」
「ワイバーンまで・・・!?マスター、指示をお願いします!」
『スピードが命だ。1分で済ませよう』
「屋内では流石に弓は使えんか。では私も剣でいくとしよう」
「うん、いくよ皆!」
ヒャッハァァ!汚物は消毒だぁぁ!!
「・・・あの気持ち悪い異形に、良くもまぁあんなに生き生きと切りかかっていきますわね・・・」
「あいつの中ではこんなのも許容範囲なのかしら・・・流石のわたしも引いちゃうわ・・・」
ふむ、旦那をここで消すのは出来るだろうが、なるべく物語に沿って行きたい。となると・・・
『ドラ娘二人組、コイツは任せていいか?』
「エリザベートとまとめないでいただけますか?しかしまぁ・・・」
「そうね、私もこいつと一纏めにされたのは癪だけど、あんた達はラスボスをさっさと倒してきなさい!ここは私たちで抑えるわ!」
「ありがとうございます!お二人共!」
「行きましょう、マスター!」
黒ジャンヌの最後は・・・あれ?どんなんだっけ?
まぁいいか、とにかくATK&ATKだ。
ジャンヌが黒ジャンヌを哀れむ宣言をした。中々えげつないこと言うな、この聖女様。ほら、黒ジャンヌ激おこプンプン丸じゃねぇか。
「貪れ!シャドウサーヴァント!」
「くっ、シャドウサーヴァントと"竜の魔女"、向かってきます・・・!」
『えぇー、マジかよ・・・本来なら別々に来るはずなのに・・・まぁ手間が省けていいか。
流石に今更理性もないシャドウサーヴァントごときに遅れは取らん・・・!
多分!』
「ハンター!?もっといつもみたいに自信持ってよ!?」
仕方ないだろう、見る限り居るのはハサン、弁慶、メドゥーサにアーサー王。
俺が相手できそうなのはメドゥーサ、アーサー王と"竜の魔女"であり際立った戦闘技術が無いであろう黒ジャンヌくらいだ。
エミヤと一緒にこの3人を相手するとして、残りの2人を頼んだ!
「適材適所というやつですね、了解です。行きましょう!ジャンヌさん!」
「はい!すぐにそちらに加勢しますので、暫しお待ちを!」
さて、メドゥーサとアーサー王は何故かエミヤに切りかかって行ったから必然的に俺は黒ジャンヌとかな?
「思えば、貴方のせいで全てが狂ったような気がしますね」
『当然の帰結だな。この国を滅ぼす手段として竜種を選んだことが、あえて言うならお前の敗因かな?』
「最強の竜種を選ぶのが敗因・・・?そんな理不尽、認めてたまるもんですか!!」
「それは私も同意する」
『2対1で戦いながら茶々入れてんじゃねーよハゲ!
・・・んん!まぁとにかく、少なくとも俺たちを一乙くらいさせたかったらファヴニールをダース単位で持ってくるんだったな』
心なしか、黒ジャンヌがぐぬぬ顔で泣きそうなってるように見える。
大変ご馳走様でした。
『俺としては、お前には白ジャンヌと決着をつけて欲しいんだが・・・どうだ』
「・・・いいでしょう。私もあの女にはこの手で止めを刺したかったですからね。
あ、貴方は手を出さない・・・わよね?」
『安心しろ。そんな無粋な真似はしない』
あからさまにホッとしてる黒ジャンヌかわいい。この時点でアヴェンジャー時のポンコツ具合が出てきていると見える。
さて、それじゃあ俺もそろそろエミヤに加勢しますか。
あ、エミヤがアーサー王に吹っ飛ばされた。
「おお・・・我が聖女ジャンヌ・ダルクよ・・・今は少しだけ、眠りなさい」
「やはり、貴方だったのですね。ジル・・・」
「・・・相変わらず、勘の鋭いお方だ」
さて、ジル・ド・レェもこっちに来たな。
あとはコイツを倒せば修復完了・・・なんだが、そういえば青髭の旦那は最後のソロモンに来てくれなかったんだよな。いや、海魔でどう戦えという話ではあるんだが肉壁にはなるだろう。
俺としてはこの人も来て全員集合して欲しいんだよなぁ・・・。
とりあえず今は倒すか。海魔が邪魔だが、この人数なら袋叩きだ。それじゃあ・・・素材置いてけ!
予想通り、圧勝ですた。聖杯の力なんて無かった。
「馬鹿、な・・・!聖杯の力を以てしても、届かなかった・・・だと?」
「ジル・・・もういいのです。休みなさい、貴方は良くやってくれました。右も左もわからぬ小娘を信じて助けてくれたあの時の貴方を、私は信じています。
さあ、帰りましょう、私たちの在るべき時代へ!」
「・・・・・・ジャンヌ。地獄に落ちるのは、私だけで充分です・・・」
最後にはキャスジルも納得してくれた・・・のか?
んお、この感覚は・・・。
「——ジル・ド・レェ卿よ。貴卿が抱いたその怒り、憎しみ、嫌悪は義を心に持つものとして真っ当な物であったのだろう。
だがそれで狂い、無垢な子供たちを殺し、自分の身勝手な考えを少女に押し付けて故国を滅ぼさせるのは間違いであろう?」
「あぁ・・・そうですね、竜殺しよ。もう私にはそれを償うこともできませんが・・・」
「——そんなことはあるまい。貴方もまた私たちと縁を結んだ、英霊の1人なのだ。
最後の宙にて来たれよ。その罪、全て清算する事は叶わねど人の未来を守護する輝きとなれるであろうよ」
「フフ・・・ではその時は、また・・・」
消えたか・・・。
それにしても俺の意思を汲んで勧誘するとは、この口も中々いい事するじゃないか。しかも威厳っぽいのもあったし、もしかしてカリスマあったり?
「・・・ありがとうございます、ハンターさん。ジルも嬉しそうに消えていきました」
『俺の口が勝手に言ったことだから気にするな』
「ふふっ、じゃあそういうことにしておきましょう」
そういうことも何も、そうでしかないんですが・・・。
まあいいか。聖杯も確保したし、時代の修正が始まる。
『聖杯の確保を確認した!その時代の揺らぎも消えるだろう、レイシフトを始めるよ!』
「それではジャンヌさんこの度のご協力、ありがとうございました」
「またいつか会おうね、ジャンヌ」
「はい、でも私の勘がまたすぐに会うことになると言っていますので再会も近いでしょう。私の勘って結構当たるんですよ?
それでは皆さん、さようなら!」
やっと第1のお仕事完了か。思いの外楽ではあったが、これからはむしろ化け物ではなく人間の敵が増えてくるだろう。どこまでやれるか分からんが・・・・・まぁその時に考えるか。
しかし、聖杯を手に持った時に何か知識・・・記憶のようなものが吸われた感覚がしたが何も忘れた感じはないし、欠落もない。
はて?
やっと終わったオルレアン・・・。
次から暫くカルデア編挟みます。
さてと、次は誰を召喚しようか・・・。