「あなたが・・・私の召喚したサーヴァント?」
そうだ・・・と言おうと思ったが喋れない。
というか口が喋ろうと動かない。なんでだよ!もっと頑張れよ俺の口!タダでさえ人見知り気味なのに縛りプレイかよ!
仕方ない、取り敢えず頷いておくか。
(コクリ)
「もしかして、喋れないの?」
(コクリ)
「そういう人も居るのかな?・・・えぇーっと、とにかく自己紹介からしようか。私の名前は藤丸立香あなたを召喚したマスターです。あなたは・・・クラス、ハンター?あれ?所長がさっき言ってたクラスにはハンターなんてなかったけど・・・」
「ハンター?そんなクラスあるわけないでしょ!?いい加減なことは言わないでちょうだい!」
いち早く硬直から戻ったらしい所長が喚き立てるが・・・落ち着いてくださいよ。ヒステリックにならなければ普通に優秀な美人さんなんだから。目つきが少しきついけど。余裕ないからかな?
「本当なんですか?先輩」
「ホントだよ?マスター権限?で見たステータスには確かにハンターってある」
「これも特異点の影響・・・?でもルーラーならともかく、ハンターなんてクラス聞いたこともない・・・あぁもう、こんな時になんでレフがいないのよぉ・・・」
どうやら独り言モードになったようだ。しかし今更だが俺が装備してるの黒炎王装備だな。カッコイイからってだけでよく着けてたが、武器は・・・燼滅双刃エタンゼルか。ってことは最後に俺が着けてた装備で召喚されたってことか?
なら・・・うん、回復薬も砥石も出せる。アイテムも最後のままか。さて、では最大の問題である俺の戦闘力だが・・・適当に双剣振ってみるか。そらっ!
シュシュシュスパーン!
「ッ!」
おおぅ、やっぱハンターボディになってるからかめちゃくちゃ速いし鋭いな。体もなんだかイメージした通りに動ける。元々この体を操作してたのが俺だからか?
そういえばヘルム着けてるのに視界阻害されてないし防具着けても重さ感じないし、元の俺だと一秒も持たずに潰れてるな。
って、ん?急に距離を取られたぞ?どうした・・・って急に武器振り回したらそりゃ警戒もするか。スマンスマン
「急に剣を振り回したかと思ったら今度は頭を下げて・・・何がしたいんだ?コイツは」
「えっと・・・自分がどれ位動けるのか試したかったみたい。急に剣を振ってゴメンだって」
「!(コクリ)」
おっ俺の言いたい事が伝わってんのか?
「あなた、彼?が考えてる事わかるの?」
「はい。なんとなくですけど言いたい事が伝わってきます。あとこの人男らしいですね」
「意外に紳士的な方、なんでしょうか?あっ初めまして私マシュ・キリエライトと言います」
「俺はクーフーリンだ。今のを見た感じ、そうとう強そうだな。今回はキャスターとして召喚されてるが・・・ランサーだったら1戦頼みたかったぜ」
『僕はロマニ・アーキマン。周りからはロマンと呼ばれてるよ。本来は医療部なんだけど緊急事態のため、オペレーターをやらせてもらっているんだ』
「・・・私はオルガマリー・アニムスフィアです。カルデアを纏める所長をしていますがとにかく今は召喚されたサーヴァントなら私達の指揮下に入ってもらいます」
(コクリ)
はいはい初めまして。まぁ俺にとっては皆初めてではないんだがな。あとキャスニキは勘弁してくれ。俺はチキンソウルなんだ。ハンターボディでも必中の槍(笑)は死ねる・・・と思う。
いや、流石にハンターとはいえ死ぬよな・・・?
「さて、ではまずあなたは何が出来るのかしら?」
「・・・」
「・・・?」
「あの、所長。ハンターは自分が何が出来るかよくわかってないらしいです」
「はぁ!?サーヴァントなのに自分の事がわからないの!?マシュのようなデミ・サーヴァントでもないのに!?」
「戦闘は問題ない、詳しい話は後で。だそうです」
「大丈夫なのかしら・・・」
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〜移動中〜
さて、戦闘は問題ないだろう体が何故かイメージした通りに動ける。だが流石に宝具級の攻撃は受けたらやばいか?まぁミラの隕石とか雷当たっても生きてるようなハンターボディだし、いざとなれば回復アイテムもある。
次はエミヤか・・・さっそく回復薬を使いまくりそうだ。ん?そういえば回復と言えば所長は確か・・・。
・・・どちらかと言うと好きなキャラだったからな死なせたくないし(もう死んでるけど)ダメもとで"アレ"を使ってみるか。
おっともう着いたか。
「道中全く敵に会わなかったね」
『それは恐らく彼の鎧のおかげだろう。その鎧は明らかに竜種、それも最上位に近いものが素材に使われてるようだ。コッチの計測器を振り切ってるぞ・・・』
へぇーこの防具そんな効果あったのか。
まぁ確かに空の王者(笑)の二つ名持ちとなると本能的に理解できるレベルで強大なんだろうな。それを暇つぶしで狩るようなハンター達も居るんですがね。やはりハンターとは新しい生命体なんじゃないだろうか?
もしかして俺知らない間に人間卒業?
これだから最近の若者の人間離れは・・・
「確かにそばに居るだけでスゴイ威圧感があるわね・・・」
「はい。まるで竜そのものがそこにいるような、そんな感じが・・・」
「まぁ雑魚に体力使うのも勿体ねぇ。これからボス戦なんだ少しでも温存できるならした方がいい。・・・と、どうやら聖剣の信奉者がお出ましか」
「別に信奉者になった覚えはないがね・・・。だが厄介払いをするくらいの仕事はするさ」
「アーチャーのサーヴァント・・・!!」
其処には黒いモヤに覆われたアーチャーのサーヴァントがいた。
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