俺達の戦いはこれからだ!
「か、勝てた・・・。」
その日、スマホアプリFate/Grand Orderの素材周回の息抜きの間、モンハンをしていた俺はやっとソロで集会所のアルバトリオンを倒せた。回復アイテムもモドリ玉も尽きてヤケクソに近い特攻をしたらやっと倒れてくれた。
「念願のソロアルバ・・・。パーティープレイなら狩れるとは言え、まだまだ俺も技量が足りないな。このスネ夫め・・・もうジャイアンいらねぇだろ。おっ!瑠璃色の龍玉来た!」
ゲームでも何かやり遂げたらスゴイ達成感があるな・・・。マイルーム戻って回復薬、グレート、秘薬といにしえの秘薬に粉塵、爆弾系もまた補充して・・・あぁー疲れた。
「セーブセーブっと。あ、ダメだコレ眠すぎる・・・。」
電源を・・・切らないと・・・。もう起きてからでいいか・・・。
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マシュの宝具も無事使えるようになり、さて大聖杯のある洞窟へ行こうとなったカルデア一行であったが。
「立香。あなた、大聖杯の元に行く前にもう一体サーヴァントを召喚できないかしら?戦力は多い方がいいでしょう。まぁ無理でしょうけどね」
「確かにそうだな。俺とマシュにもう1人追加はキツイかもしれんがダメ元でもやる価値はあるだろ」
『パスが不安定だからそこまで多くはないけどカルデアからも多少は魔力を送ってサポート出来ると思うよ』
もう一体サーヴァントを召喚しようという事になった。だが完全な一般ピーポーである我らが藤丸立香は、
「召喚ってどうやるんですか?」
「・・・やっぱり知らなかったのね・・・。もう私が陣を用意するのでマシュの盾を少し貸しなさい。その盾は召喚の触媒にもなりうるものですから」
「え?あ、はい。分かりました所長。」
〜少しして〜
「これでいいでしょう」
「う〜ん。取り敢えずお願いすればいいのかな?お願い来て!サーヴァント!!」
「そんなので来るわけがないでしょう・・・。ちゃんとした詠唱をして・・・」
「あ!陣が凄い光ってる!」
「」
召喚陣が英霊召喚成功時特有の三本の光輪で輝き、強い風が吹き荒れる。ここで礼装を引かないのは流石主人公か。
「どんな人が来るのかなー」
『なんだ!?この計測値は!?』
「どうしたのロマン!?」
『魔力や霊基の値が明らかに普通じゃない!こんなの竜種なんかの幻想種が当たり前のように生息しているような世界から来たとしか・・・!』
「・・・ッ!先輩!私の後ろへ!」
「おいおい・・・一体どんなバケモノが来るってんだ・・・?」
「え?え?スゴイの?やばいの?」
そして光輪が収束し、一瞬ではじけた後其処には・・・紅い竜王が立っていた。
紅い鱗や甲殻に覆われ、竜の荒々しさを体現するような棘の多いデザイン、そして風にたなびく黒地に白い紋様のはいったマント。それらを身にまとい、フルフェイスの装備のせいで男か女かもわからない者が圧倒的な存在感をもって降臨していた・・・。
その者は周りをゆっくりと見渡したあとこちらを見た。皆恐怖や警戒から何も出来なかったが唯一動く者がいた。
そう、この人物を召喚した張本人。
「あなたが・・・私の召喚したサーヴァント?」
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何だこれ・・・
まずそう思った。気持ち良い微睡みの中眠り、急になんかバチバチいってるなぁーDSぶっ壊れたのか?と思っていると急に地面に立っている感覚が。
周りは燃えてるし、目の前にはなんか見たことのある顔ぶれが揃ってるし、盾を構えた娘・・・恐らくマシュの後ろには某カルデア唯一のマスター、通称ぐだ子がいる。
(あぁーこれはあれか、特異点Fか。周りの人達の配置や足元の陣を見た感じ俺は召喚されたのか?
なんか警戒されてるっぽいけど。何故に?俺、普通の学生よ?英霊とかに勝てるわけないよ?
特にこのGrand Orderの世界では超級のサーヴァントバンバンでるし・・・あれ?やばくね?)
と俺が考えて多少パニクってるとマシュ(暫定)の後ろからぐだ子が出てきて、
「あなたが・・・私の召喚したサーヴァント?」
プロローグ完