ストライク・ザ・ブラッド〜空白の20年〜   作:黒 蓮

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疲れ気味で短くてすみません。

文章おかしいところあるかも知れませんが許して頂ければと思います。


第33話

「なあ、姫柊。魔導書ってどんなものがあるんだ?」

「魔導書にはそれぞれNo.が振られています。それぞれの魔導書が固有の能力を有していますがその能力の強さはかなり差があると聞いています」

「その中で強いのが闇誓書ってとこか」

「闇誓書というのは俗称です。特に強い力を持つ魔導書には慣用名のような物がつけられることがあるんです」

「さすが、よく知ってるな。とりあえず今回の騒ぎは魔女たちの仕業ってことで決まりなんだな」

「はい。図書館によるものとみて間違いないと思います」

古城と雪菜がある程度考えをまとめた頃、空から鳩のような鳥が雪菜へと飛んできた。

「先輩、紗矢華さんからです」

「煌坂起きたのか?」

「多分先輩が眷獣を使ったせいですね、私たちへの魔力供給が増えていますし」

「それで、なんて?」

「紗矢華さんは私達とは別行動を取るみたいです。なにかすることがあるらしいです」

「そうか。じゃあオレ達はその子をどうにかするか」

古城は雪菜が縛り上げた女の子を見つめる。

「そうですね、先輩その子をお願いします。私はなにか食べ物を調達してくるので」

雪菜が昼食を調達しに行ってから数分ほどして古城は独り言のように隣で縛られている女の子に向けて質問した。

「お前、さっきからずっと起きてるだろ?」

女の体がビクッと震える。

「別に何もしないって、オレの妹もよく狸寝入りしてたからなんとなく分かっただけだ。姫柊は多分気づいてないしな」

「何も聞かねぇんですか?」

「無理に聞き出そうとしても教えてくれないだろ?」

「よく分かってんじゃねぇですか」

そうして2人が話をして、少し経ってから雪菜がコンビニの袋を持って帰ってきた。

「あの…先輩?いつの間にその子を口説いたんですか…?ちょっと引きます」

雪菜の目の前には古城の脚の中に座り、笑顔を浮かべる魔女の女の子がいたのだ。

「いや、口説いてないぞ!?」

「もういいです、先輩がたらしなのは知ってますから」

雪菜はコンビニ弁当を古城の前に二つ置いた。

どうやら、女の子の分ももらってきたらしい。

「姫柊、これパクってきたのか?」

「そんなことしません!ちゃんとお金はレジに置いてきました」

「そ、そうか…ならいいんだ…」

やけに怒っている雪菜にこれ以上関わるとろくなことにならないと知っている古城は黙々と弁当を口に運ぶ。

「先輩、この子の名前は?」

「ライラって言うらしい、なんでも魔女の卵なんだってさ。姫柊お茶あるか?」

「はい、どうぞ」

雪菜は袋から緑茶のペットボトルを取り出し古城へと渡してから続けた。

「ライラさん、この島に何が起こっているか教えてもらえませんか?」

「教えるわけねぇじゃないですか」

「おい、ライラ。教えてくれてもいいだろ?飯も食わせてやったんだから」

「確かに…それは一理ありやがりますね…」

そう言うとライラは古城の耳元でなにやらコソコソと喋り出した。

「図書館ってとこのアレシアって魔女が来てるらしい、それ以外は知らないんだってさ」

古城はライラから聞いたことを雪菜へと伝えた。

「LCOのアレシア…。アレシア・ソリテュード」

「誰なんだ?それ」

「図書館の言語の魔女です。図書館は十進分類法になぞらえられた十部門の組織の集合体です。その内の1つ、言語の組織をまとめる魔女の名前です。誰もいない場所に1人で引き篭もっている穏健派と聞いていたんですが…」

「よく知ってやがりますね剣巫。総記のトップがいなくなってからうちは少々荒れてるんですよ」

「それって、派閥争いってやつか?誰がトップに立つかみたいな」

「そういうことでありやがります」

「じゃあ、そいつを探して魔導書を壊せばいいってことか」

「そうですけど…そう簡単にはいかないと思います。私たちは魔女に関しての知識はほぼ0と言っていいですし。言語の魔女は人の前に現れることを嫌うらしいので…」

「まあ、とりあえず探してみようぜ」

雪菜は呆れた顔をするがライラを担ぎながら歩いて行く古城のあとをついていく──

 

 

「携帯も車も使えないってどういうことよ…」

1人愚痴を言いながら紗矢華は拾った自転車に乗って咎の方舟(カインズアーク)と呼ばれる人口島をひたすら走っていく。

「そろそろいいかしら…」

紗矢華はそう言うと自転車を降り携帯を取り出した。

「やっぱり、今回の騒ぎは魔導書絡みってわけね…」

魔導書の効果が及ぶのはおよそ街一つ分ほどなのだ。

絃神島全体を覆うことはできても咎の方舟(カインズアーク)まで効果を及ばせることはできない。

紗矢華はやっと使えるようになった携帯でどこかへと電話をかける。

「誰だ?」

電話の相手は面倒くさそうな声を上げた。

「誰って…煌坂ですけど…」

「尻軽女が何の用だ?」

「尻軽じゃありません!少し力をお借りしたいのですが」

「ほう、30分後にその人口島の南端に行っておけ。いいものをくれてやる」

それだけ言うと電話は切れ、紗矢華は自転車にまた乗り指定された場所へと向かう──

 

 

 

「先輩、やっぱり見つからないじゃないですか!」

「魔力の感じからこっちだと思ったんだけどな…」

散々歩いて何の成果も得られなかった雪菜が怒っている。

それに頭を掻きながら謝る古城。

「夫婦喧嘩は他所でやってもらえると助かりやがるんですけど」

そんなライラの言葉で2人は赤くなり喧嘩をやめてしまう。

「でも、歩き回る以外に探す方法なんてあるのか?」

「魔女あるいはそれに精通する方がいれば…」

雪菜がライラの方を見る。

「私には無理な話でありやがりますよ」

雪菜の思惑を察してかライラは少し拗ね気味に返事をした。

「卵だもんな…」

「そうなると…紗矢華さんと合流するしか…」

「煌坂なら分かるのか?」

「呪術の類には詳しいはずなので…私たちよりは頼りになると思います」

「その程度なのか…、そうだ!那月ちゃんは?」

「南宮先生なら問題ないと思いますけど、どこにいるかは…」

「確かに、那月ちゃんがいればオレ達の前にすぐ現れるはずだもんな。どうすりゃいいんだよ」

「落ち着いてください、とりあえずもう少し気になる場所を探してみましょう」

戦闘能力こそ高い2人だが、索敵能力に関してはほぼ0なのだ。

それが1番よく分かっている2人はライラを連れてまた歩き出した──

 

 

 

「こんな所までご苦労だな、舞威媛」

「ここまでどれだけ距離があると思ってるんですか…」

「文句を言うな、私の立場もお前達獅子王機関の2人と大差がないということを忘れるなよ」

それだけ言い残し那月は空間転移によって消えてしまう。

「え!?それだけ!?」

「久しぶりだね、煌坂さん」

驚いて叫ぶ紗矢華の後ろから声が聞こえてくる。

「あなたは──」

「古城のところに連れて行ってもらえるかな?」

紗矢華の前には仙都木優麻が立っていた──




次回は…長く書く予定です。

キャラ紹介の更新も明日になると思うので次話の更新と共に2話分まとめて更新させていただきます。

那月と雪菜、紗矢華の3人のことも近いうちに触れます。

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