ストライク・ザ・ブラッド〜空白の20年〜   作:黒 蓮

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遅くなってすみません!
色々と用事が入ってしまって( ̄▽ ̄;)
なんとか短いですが、更新しました!
納得いかないことも多いかと思いますが読んでやってください^^*




第20話

大気の神シューを司るという九柱神官(エネアド)の1人から謎の自己紹介を受けたあと古城は激しい鎌鼬の嵐を受け続けていた。

金剛石の盾を周囲に展開し鎌鼬を防ぎながら古城は浅葱を呼び出した。

「浅葱、他のみんなは?」

「今那月ちゃんがみんな送り終えたところ」

「そうか、やばそうなところが出てきたらすぐに言ってくれ」

「わかった、それじゃ私は他のサポートで忙しいから。サッサと終わらせなさいよ、古城がいないとジリ貧もいい所なんだから」

「わかってるよ」

今回の戦いでは基樹が指揮を取っている。

エジプト神話と関連性の強い敵ということもあり浅葱の情報収集やサポートを頼りに敵を食い止め、その間に古城が各個撃破を狙うという簡単な作戦だ。

基樹の横にはもしもの自体に備え那月が控えている。彼女には古城の運搬役に加え古城の手が回らなくなった場所を埋めてもらうという役割もある。

那月を温存したまま古城が2,3人ほど倒せればいいところだが実際はそう簡単にはいかないらしい。

「作戦会議は終わりましたか?」

「作戦会議なんてしてねぇよ」

「そうですか、ならそろそろやらせていただきます」そんな声が聞こえた時だった突如古城の展開していた盾の中の空気の流れが変わり古城の死角から一際大きな鎌鼬が出現する。

後ろから空気が圧縮される音を聞いた古城は迷わず金剛石の盾を解除した。

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁 古城が汝の枷を解き放つ―――! 疾く在れ(きやがれ)2番目の眷獣牛頭王の琥珀(コルタウリ・スキヌム)!」溶岩でできた琥珀色の牛頭神が現れギリギリのところで古城の足元の地面を10メートルほど上に上げた。

「ほう、そんな眷獣もいるのですか。なかなかやっかいですね」

「涼しい顔してれるのも今のうちだけだぜ」

琥珀色の牛頭神がシューの立つ地面から溶岩の杭を吹き上がらせる。

シューの身体を目掛け全方位から溶岩の杭が襲う。

しかしシューの身体は杭があたる直前に不自然に揺れ、全ての攻撃を躱しきった。

「私に物理攻撃は効きませんよ」

どうやら周囲の気流を操り普通の人間には不可能な動きを実現しているらしい。

まるで水中にある小さなもの掴もうとするときのようにギリギリのところで古城の攻撃はシューの身体を捕まえることが出来ない。

仕方なく古城は眷獣の実体化を解いた。

それを好機と見たのかシューは古城を分厚い風のヴェールで包んでしまう。

「クソ…これは触ったら身体がちぎれる程度じゃ済まないな…」

古城は右腕に高周波振動をまとわせ分厚い風のヴェールをぶち抜き致死の空間から脱出する。

シューの能力は大気を司ると一口に言っても驚くほど多彩だった。

「他の連中もこんな感じなら早々に片付けないとやばいな…」

「私の目的はあくまでも時間稼ぎです、そう簡単にはやられませんよ」

相手が時間稼ぎに徹する以上撃破は困難を極める。

時間が経つにつれ古城には焦りが生じるためこの戦いは明らかに古城に不利な戦いだ。

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁 古城が汝の枷を解き放つ―――! 疾く在れ(きやがれ)5番目の眷獣獅子の黄金(レグルス・アウルム)!」古城の声と同時にシューに向かって雷光の獅子が飛びかかっていく。

しかし、シューの目前で雷光の獅子は進路を変え彼の横を通り過ぎてしまう。

「古城、多分部分的に真空空間を作り出してる。真空だと電気は真っ直ぐ進まないって中学生のときにやったでしょ」古城を見かねてか浅葱がそんなことを言ってくる。

「なにか突破口はないか?」

「そんなもの自分で考えてよ、こっちは色々と調べることが多くて忙しいのよ。エジプト神話かなんだか知らないけど情報が少なすぎる!」

「そうか、じゃあもう少し頑張ってみるよ。なにかあったらまた教えてくれ」

そんな2人の会話を邪魔するかのように色々な方向から大小様々な鎌鼬が古城を狙って飛んでくる。

盾を展開してもその中から攻撃されることが分かった古城は重力制御の能力を少しだけ解放しシューと同じように常人には不可能な動きで全て回避する。

「ほう、そんな力もあるのですか」

「便利そうだからオレなりにパクらせてもらったよ」

「では、これはどうですか?」

その言葉を境に古城の身体を有り得ないほどの力が上から加わる。

「くそ…」

「大気圧を利用することでこんなことも出来るんですよ」

「ぐ……」

「古城?生きてる?」そんなとき浅葱から何度目かの通信が入った。

「なんだよ、こっちは死にかけてるっての」

「死にたくても死ねないでしょ、大気を操ってるなら真空状態にして能力使えないようにすれば?」

「そんな簡単に…言う…けど…な」古城はジリジリと地面に押し付けられていく。

「仕方ないな…このバカは」そんな声と同時に古城の身体を紫色の魔法陣が包み反対側へと飛ばされた。

「那月ちゃん…」古城は異常な圧力から解放され立ち上がり那月の声がした方を向いた。

「ボサッとするな早く片付けろ」那月の言葉に我に返った古城はいきなりの彼女に登場に戸惑うシューの方を向き直る。

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁 古城が汝の枷を解き放つ―――! 疾く在れ(きやがれ)冥姫の虹炎(ミネラウバ・イーリス)夜摩の黒剣(キファ・アーテル)!」

古城の呼び声に応じ巨大な三鈷剣と虹色の戦乙女が現れる。

「2体眷獣を呼び出しても同じことですよ」シューの手が動き古城の身体にさっきよりも強い圧力がかかる。

「ぐっ…、お前と戯れるのもこれで終わりだシュー、オレは早く他のところに行かなきゃならないんでな」

古城は這いつくばりながら眷獣に指示を送った。

虹色の戦乙女が巨大な三鈷剣を手に取りシューの周りの空間を三鈷剣の持つ重力制御の能力を併用し凄まじいスピードで切断していく。

「当たらない攻撃など避けるまでもないですね!」

そんな言葉を放ちシューは古城の身体を潰そうとより圧力を強くした時だった。

「バカだろあんた、無闇矢鱈に当たらない攻撃するわけないだろ…」

虹色の戦乙女がついにシューの身体目掛けて巨大な三鈷剣を振り下ろした。

シューはまたしても大気を操り攻撃を躱そうとした─が、能力は発動せず身体を綺麗に真っ二つにされる。

「な…っ…」

虹色の戦乙女は物理だけではなく因果律も含めた切断能力を有する。

重力制御による超高速斬撃によりシューの周りの空間の空気やあらゆる物質を切断し、粒子にまで分解することによって一時的な真空空間を作り出したのだった。

「かなり強い能力だったけど、あんたあんまり賢くないみたいだな。オレに言われるんだからよっぽどだよ」そんな言葉を相手にかけながら古城は那月の元へと急いだ。

「随分とだらだらとしてくれたものだな、暁 古城」

「悪い、早く次の場所に飛ばしてくれ」

「言われなくてもそのつもりだ」

そんな言葉とともに2度目の空間転移魔術特有の違和感を感じる。

違和感がなくなり目を開けた古城の前ではギリギリのところで踏ん張る聖環騎士団の半分のメンバーが闘っているところだった──




そろそろUAが10000を越えそうで…日間ランキングにも載ることが多くなりなんとお礼を言っていいのやら…

今回少し短かったですが次回はしっかり長めにするので許してください( ̄▽ ̄;)

ここおかしいだろ!とかあったら感想なんかで言ってもらえると嬉しいです!
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