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「おかえりー、もっと遅いかと思ってたよ」
「ああ、割と早く終わったからな」
「どうしたの?3人とも元気ないけど…」
「ちょっとな…」
「ご飯作るね?」帰ってくるなり自室へと向かう古城を心配しながら凪沙はキッチンへと向かいいつものように4人分の夕飯を作り始めた。
「はぁ…」自室に戻った古城から自然とため息が零れる。
自分がなんとかするとは言ったものの相手の実力が真祖の眷獣と同レベルということを考えれば自分にもどれだけ戦えるかは分からないのだ。
そんな後ろ向きなことを考えながら古城は昨夜寝れなかったこともありいつの間にか寝落ちしてしまった。
「先輩?いないんですか?入りますよ…?」何度ノックしても古城の声が聞こえないため心配した雪菜が古城の部屋へと入ってくる。
すやすやと寝ている古城の寝顔を見て雪菜は微笑み彼の身体に布団をかけてやる。
雪菜は少し迷ってから眠る古城の頬に口づけをし起こさないように静かに部屋を出た。
「雪菜ちゃん、古城くんは?」
「ぐっすり寝てるので寝かせておいてあげましょう」
「そっか、じゃあ3人で先に食べちゃおっか」
そうして3人はあまり話すこともなく夕飯を食べいつも通り風呂に入り眠りについた。
「ん…寝落ちしてたのか」
時計を見ると1時を過ぎたところだった。
とりあえず風呂に入るため古城は部屋から出たが凪沙を起こしてしまっても悪いので水を飲み喉の渇きを潤すだけにしておく。
少しして色々と考えた古城は自室に戻り浅葱に電話をかけた。
「もしもし?古城?」
こんな時間にも関わらず浅葱はすぐに電話にでた。
「ああ、悪いなこんな時間に」
「いいわよ、なにか大事な用なんでしょ?課題なら前データあげたはずだけど」
「今日はそんなのじゃなくてさ、エジプト連合がアルディギアとの同盟を破棄したってのは知ってるよな?」
「まあ、ニュースもそればっかりだから一応はね。それで?」
「そのエジプト連合がうちに宣戦布告してきたんだ」
「えっ!?ってことは戦争!?」
「ああ、そういうことになる。幸いアルディギアと同盟を結んだし大抵の事はオレがなんとかする、それでだ凪沙のやつのことを頼みたいんだ」
「それはいいけど…あんた大丈夫?」
「なにがだ?」
「なんかさ、珍しく嫌な予感がするのよ。今の古城はすごく危ない気がする」
「かもな、でもオレがやらなきゃいけないんだ」
「まあ、いいわ。凪沙ちゃんのことは私が面倒見るから、あとで色々調べて送るわ。私もできる限りのことはするから」
「悪いな浅葱」
「じゃあ、そろそろ寝るわね。おやすみ古城」
「ああ、おやすみ」
電話が切れてから古城は一番心配していた凪沙の安全をある程度確保出来たことに安心しまたすぐに眠ってしまった。
「古城、起きなさい」
「煌坂か、姫柊は?」「凪沙ちゃんと買い物に行ったわ」
「買い物?今何時だ?」
「もう昼前よ、いつまでも寝てないで早く起きて」
「悪い…」
「色々と心配して考えるのも分かるけど、あなたがすべてを背負う必要はないのよ私たちだっているんだし」
「オレがやらなきゃいけないんだよ」
「そう…」
「オレが守らないといけない」
古城のその言葉を聞いた瞬間、紗矢華の顔が引きつったように見えた。
そして古城の顔を強烈なビンタが襲った。
「自惚れないで!あなた1人が頑張ったところでどうにかできるの?あなたがそんなのだから雪菜が苦労するんでしょ!」
「なにするんだよ煌坂、前にお前が言ったんだろ全部自分で守れって」
「呆れた、それはそれくらいの気持ちでいてってことでしょう?あなたは私や雪菜を信じれないの?」
紗矢華の目はどんどん潤んでいく。
「そんなことはないさ、でもオレはお前らのことを心配して…」
「どうして逆のことは考えないの?あなたに傷ついて欲しくない人がいるように、私たちはあなたに傷ついて欲しくないのよ」
「っ…」
「あなたは自分だけが傷ついて私たち全員を守ろうとしてる。その気持ちは大切だと思うし素晴らしいことだと思うわ。でも、そんなあなたのことは誰が守ってくれるの?もう少し私たちを頼って、あなたの力を頼らざるを得ないのは事実だけどお互い背中を合わせて闘えばきっと勝てるわよ」
「煌坂…、悪いオレはまた」古城は中学時代の部活のことを思い出していた。あの頃も自分が頑張ればなんとかなると思っていた。
しかし、どうにもならなかった。
「いいわよ…目が覚めた?」紗矢華の目からは涙が流れている。
「ああ、煌坂にはいつも助けてもらってばかりだな」
「ほんと世話の焼ける真祖ね、あなたは。みんなで出来るだけのことをしましょ」
「そうだな」古城は紗矢華の目から流れる涙を拭ってやる。
「ありがと、じゃあ私は向こうにいるわね。残り3日と少ししっかり休んでおきましょ」
それを最後に紗矢華は部屋から出て行った。
しばらくし雪菜と凪沙が帰ってき、いつも通り4人で夕飯を食べる。
そんな普段と変わらない日々が3日ほど続きエジプト連合との戦い、後に人間戦争と呼ばれることになる戦争が始まる日がやってきた。
いつものパーカーに袖を通し部屋を出た古城は凪沙を連れ浅葱の元へと送り届けた。
浅葱は人工島管理公社から古城達のサポートをするためこの島で一番安全なところにいる彼女に凪沙を預けておくのが一番安心だ。
浅葱と少し言葉を交わした古城はすぐに雪菜と紗矢華が待つ自宅へと帰った。
3人はそれぞれ準備を済ませると島の中心部にあるキーストーンゲートの屋上へと向かった。
「相変わらず、ラフな格好だな暁 古城」豪奢なドレスに身を包んでいるのは那月だ。
「ああ、那月ちゃんもいつも通りの格好だな」
「こんなときに教師をちゃん付けで呼ぶな」古城の緊張を気にしたのか今日は那月の扇子が彼の頭に突き刺さることはなかった。
周りを見れば那月の他にも基樹やアルディギアの聖環騎士団や
「おはようございます、古城。今日は武運を願っております」
「ああ、ラ・フォリアも気をつけてな。なにかあったらお前のとこの親父さんにあとで殺られる」
「この戦争が終わった後のことを考えているなんて、さすが古城は頼りになりますね」そんなことを言いながら1人ラ・フォリアはクスクスと笑っている。
「まあ、オレにはみんながついてるからな」
「いい言葉です。では、これを、雪菜と紗矢華にもありますよ」そう言ってラ・フォリアが取り出したのは耳につけるタイプの通信機のようなものだった。
「これはなんですか?」雪菜がラ・フォリアに説明を求める。
「あー、それはだな戦況を見ながらオレと浅葱で指示を出すためのものだ」後ろで飄々と古城達のやり取りを見守っていた基樹が会話に加わってくる。
「そうか、お前らも気をつけてな」
「オレがやられる時はもうこの国は終わりだ。頼むぜ古城」基樹は基本的にここからは動かないつもりなのだろう、確かに島の中心部が攻撃されるということは古城たちの負けを意味する。それだけは避けたいものだ。
島中を緊張感が覆っていた。2日前からニュースでも今回の件について報道がされている。戦争と聞けば誰しも不安を感じるのは当たり前のことだ。
古城がそんな空気を感じ取り改めて気を引き締めた時だった、早速通信機から浅葱の声が聞こえてくる。
「南西からなにか凄い速さで近づいてくる、反応は9個!」
「来やがったか」
「おいおい、9個ってことはそのなんとか神官ってやつだけか?」
「先輩、
またしても締まらない古城に雪菜が小言を言った時だった。
島の外縁部で大きな爆発が起こった。それと同時に浅葱から連絡が入る。
「南西から上陸された、アルディギアの魔導兵器トールが交戦中!1人は海の上、その他8人はバラバラになって移動してる」
戦争というものは如何に自分達の強さで相手の弱点を突けるかというものだ。奇しくもエジプト連合は個々の強さという彼らの強みで古城達の戦力の少なさという弱点を突いてきた。
「絶対に無事で帰ってこいよ、お前ら」
「お前に心配されるまでもねぇよ、那月ちゃん頼む」
基樹の言葉で緊張が解けた古城を那月の空間転移魔術による魔法陣が覆い隠す。
空間転移特有の違和感が消え目を開けた古城の前ではちょうどアルディギアの魔導兵器トールが仮面の男に真っ二つにされたところだった。
「これはこれは、早速当たりを引いてしまいましたか」
「何言ってるんだよ、オレが一番のハズレだろ」
「あまり驕らない方がいいですよ、そうでなければあなたはすぐにこの世から消えてしまう」仮面の男が古城にそんな言葉をかけると同時に大きな鎌鼬のような斬撃が飛んでくる。
飛んでくる虫を払うかのように古城は面倒くさそうに金剛石の盾を展開し攻撃を防いだ。
「言いたいことはそれだけか?すぐに終わらせてやる」
「血気盛んなことですね、私だけあなたの正体を知っているというのも不公平でしょう。私は
仮面の男はそう言うと不敵な笑みを浮かべた──
次回から本格的に戦争が始まります。
おそらく今夜また更新すると思うのでしばらくお待ちください。
キャラ紹介の方ですがシューの分は夜の更新で出てくるキャラとともに更新する予定なのでそちらも、もうしばらくお待ちください!
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