~読者達のあいんくらっどコメディオン~   作:秋宮 のん

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なんか、一休みついでに書いてたら書けたので出します。
良いのか私? 本編は?

とりあえず19は未来編終了記念です。


その19~21

その19 何気に未来編に辿り着くのは大変だった………。

 

 

 数多の戦いを潜り抜け、ついに50層のボスを倒す事に成功した≪ケイリュケイオン≫。

 その中でも特に、千切れかけた絆を強く結び直したワスプとサヤ。

「サヤさん、僕は過去を忘れる事はできない。無かった事にもできない。だから、もしかすると、またサヤさんに嫌われる様な事をしてしまうかもしれません………。それでも、やっぱり僕にはアナタしかいないから、これからも一緒に居てくれますか?」

「ワスプ………。………。………うん、いいよ。僕も、これから一杯我儘言うから、ワスプもずっと、僕に付き合ってくれる?」

「もちろんです」

 そうして二人は、長い長い時間を掛けて、ついに結ばれた………。

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 ≪バンダースナッチ≫との対決中、敵リーダーに殺され掛けるサヤをマサが助ける。

「守るって言ったじゃないか………!」

「マサ………!」

「俺が皆を………サヤを守る!!」

「―――っ!」

「俺が君の盾になる。だから君は―――!」

「………うん。僕がマサの矛になる!!」

 敵を退けた二人は向かい合い、やっと心を重ね合わせた。

「サヤ、俺が君を守るから、ずっと俺と居てくれる?」

「うん//////」

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 知りたくなかった事実を悟り、自ら命を投げ出そうと飛び降りかけるサヤ。

 そんなサヤを、カノンが腕を掴んで必死に引き止める。

「はなしてよ………カノン………」

「放さない………っ!」

「こんな事しても、僕はもう………、生きていられないんだよ?」

「それでも、放さない………っ!」

「お願いだから………っ! もう放してよっ!」

「放せるわけないでしょうっ!? ………一番好きな女の子が、目の前で死のうとしていて、なんで放っておく事が出来るって言うだっ!?」

「カノン………」

 カノンはサヤを引き寄せ、腕の中へと抱きしめる。

「もう自分の何もかもを捨てると言うなら! その残りは僕が貰うっ!! 残ったサヤちゃんの時間、僕が全部幸せにする! 生きていた事を………! 君が生まれて来てくれた事を、誰にも否定させたりなんかさせない!!」

「カノン………////////」

 やがてサヤは、カノンの胸に顔を埋め、その背中に手を回した。

 曖昧だった二人の時間が、やっと重なった。

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 薄暗い夜の街、人通りの無い路地裏で、アマヤとサヤの何度目かの密会。

「………僕もサヤも、リアルじゃ色々問題だらけだな」

「うん、そうだね………、僕は眼が見えないし、アマヤは耳が聞こえない………。だから―――」

 サヤは少し怯えながらアマヤの手に指先をくっつける。

「こうして、触れ合っていく事が、僕達には一番必要な事なんだよね?」

「………僕も、そう思う」

 アマヤも躊躇いがちに指を触れ合わせ、二人はぎこちなく指先だけで触れ合いを楽しむ。

 やがて、それだけで充分な気持ちが伝わったと言う様に、二人の顔は近付いて行った。

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

「ゼロ~~! はやくはやく~~!」

 丘を駆けるサヤの後を追って、ゼロは微笑を浮かべながら、ゆっくり追いかける。

「サヤさん、本当に良かったんですか? 自分のギルドを他人に譲ってしまって?」

「ん? 別に良いよ。君と一緒にいられるなら」

 無邪気な笑顔で、でも本当は少しだけ惜しむような表情で答えるサヤに、ゼロはこれ以上何も語るまいと決める。

「その変わり、ゼロは現実に戻ったら、ちゃんと立派なお医者様になってよ? それで、僕のこと治してもらうんだからね!」

「ええもちろん、愛するアナタの事を、必ず救ってあげますよ」

 そう言ってゼロは、無防備なサヤの腕を捕まえ、自分の方に引っ張り寄せる。

 不意を突かれたサヤは、バランスを崩し、ゆっくりとゼロの方に倒れて行く。

「だからこれからも、アナタの事を一人占めさせてくださいね?」

 そのままサヤは、ゼロに引き寄せられるまま、彼と唇を重ねる。

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 迷宮区を歩くアレンは、ずっと付いて来ているサヤへと振り返る。

「もう一月だぞ? やっぱり付いてくるのか?」

「うん。だって決めた事だし」

「ギルドを作るんじゃなかったのか?」

「結局、仲間を集められなかった僕の失敗だもん………。だけど、君だけは追い続けるよ」

「なんで?」

「君と僕は、絶対解り合えるって信じてるから。そしていつか、君が僕の事を見て欲しいから」

 そう言うサヤに対し、アレンは視線を逸らす。ずっとずっと、ただの一度も挫けず、どんなに傷ついても付いて来てくれる少女に、さすがの彼も根負けした。いや、受け入れたいと、望んだ。

「だったら隣を歩いてくれよ。後ろより………その方がずっと近いだろう?」

「………! うん!」

 笑顔になったサヤは、彼の隣へと走り寄る。

 そして二人は、まるでそうするのが自然であるかのように、指先だけで手を繋いだ。

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

「うふふっ! サ~ヤさん!」

 事務仕事中のサヤの後ろから抱き付くスニー。慌てるサヤ。

「わわわっ!? ス、スニー!? 驚かせないでよ………」

「ごめんなさい。でも、朝一番にサヤさんの匂いを嗅ぐのが(わたくし)の日課ですから」

「知らない人が聞いたら凄い意味だよね………?」

「ス~~~………、はい、今日もサヤさんの良い匂いです。死亡フラグ無しで何よりですわ♪」

「時々スニーがリアルに怖い………」

「うふふっ、サヤさん………」

「もう、スニー、いつまで抱き付いてるの?」

「いつまでも、時間が許す限りですわ………。だってアナタは、私の命その物なのですから………」

「うん………、僕はスニーの命だよ。だから、ずっと一緒に居てくれなきゃダメなんだよ?」

「はい、いつまでも一緒に。我が主」

 

「………くっ!」

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 とある絶景スポット候補で、落石のトラップに掛って逃げ回るサヤとフウリン。

「わわわっ! 本気で死んじゃう~~~っ!」

「あはははっ! コイツはすごいね~~~!」

「なんでリンちゃん余裕で笑ってるの~~!?」

 何とか罠を掻い潜る二人。

「ぜえ、ぜえ、リンちゃんの絶景スポット探しはなんでいつも命がけになるのかな?」

「なんでだろうねぇ~~? でも、おかげで沢山宝箱ゲットだよ! コレすごくない!?」

「こう言うのは“観光名所巡り”じゃなくて“トレジャーハント”って言うんだよっ!?」

「いつからそう言う感じになったんだろうね? サーヤがウチのギルドに異動してから?」

「まるで僕の所為みたいに言わないでよっ!?」

「まあまあ、成果もあったし、そろそろ帰ろう! ………あ、≪転移結晶≫忘れた?」

「ちょっとっ!? ≪転移結晶≫は自分が持っていくから僕は持たなくて良いって言ったのリンちゃんだよ!?」

「てへっ♪」

「可愛い顔してもダメ~~~! ………もう、リンちゃんは僕がいないと危なっかし過ぎるよ」

「サーヤがそれを言うか………!?」

「言う程なんです! ホントにもう………、目が離せないなぁ」

「あははっ! そんなに言うならさ? サーヤが私の嫁になってよ!」

「………。もう、そうしちゃおうかな?」

「え………、本気?//////」

「どうして欲しい?」

「あ、う………////// 嫁で………///////」

「はいはい。じゃあ現実に戻ったら、ちゃんと僕の事迎えに来てよ? 僕探しにいけないんだから?」

「お、オーケー………!///////」

 

「………。くぅ………っ!」

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 嘗て仲間だったクラディールを殺し、頽れるサヤを、キリトはきつく抱きしめ、唇を重ねる。

「俺の命は君の物だ! この先何があろうと、俺の命がある限り、俺が君を守り続けるっ!!」

「ホントに………? ホントに守ってくれる………?」

「ああ! ずっと守る! もう、君には何も背負わせない!」

「うん、うん………、ずっと一緒に居てよ? もう、僕を………()の事を、置いて行ったりしないでよ?」

「絶対しない! もう二度と置いて行ったりしないよ! ずっと俺の傍にいてくれ………っ!」

「約束………ですよ………」

 二人はもう一度キスをして、その後も感情が求めるままに抱き締め合った。

 

「………もう、誰も信じない。誰にも頼らない。私一人で………」

 

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 

 アインクラッド100層、ボス部屋前、一人の少女が門番であるかのように陣取っていた。

 真っ赤な城造りの≪紅玉宮≫に、全身赤と黒の戦衣を纏い、長い黒髪を無造作に垂れ流している少女は、覇気に満ちていながら、生気をまったく感じさせない。

 最早、このアインクラッドに≪攻略組≫と言われたプレイヤーは一人もいない。

 ラスボスとして城で待ち構えるヒースクリフの所にまで辿り着いた者も一人もいない。

 門前で、長き戦いに疲れ切った武士の様に座り込む、赤黒い少女が、その手で全て殺してしまった。

 その少女の元に、紫苑の着物を纏う少女が、ゆっくりと近づく。

 赤黒い少女はゆっくりと起き上り、紫苑の少女を確認する。

「来たねウィセ………。もう、このSAOを解放できる可能性は君一人だけだよ」

「サヤ………」

「でもね、君を行かせるわけにはいかない………。現実に戻れば、何もできない役立たずの僕に戻ってしまう………、そんなのは耐えられないから………」

 呟いたサヤは、ここに陣取る様になって、いつの間にか発現したユニークスキル≪連結槍≫の仕掛けを外し、その手に二槍を構える。

「どうしてこうなってしまったの? 繰り返せば繰り返す程、あなたと私の心はずれていく………、言葉も届かなくなって………」

 ウィセはその場に頽れると、涙を流して絶叫する。

「何度繰り返してもアナタを救えない(落とせない)っ!!」

「うをぉ~~~い? ウィセ~~~?」

「約束するわ! 絶対! 絶対アナタを救って(落として)見せる!!」

「ええ~~~~………?」

 ウィセは装備していたバックラーを回した。

 

 

 カチッ、カシャンッ。ギュイイィーーーン!!

 

 

 私は繰り返す、繰り返す、繰り返す。何度でも………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その20 サチがキリトの妹になると………?

 

 ユイの遊びで、キリトとサチが兄妹設定を演じる事になった。

「キリト………、私妹とかよく解らないんだけど?」

「とりあえずサチが思う通りにやってみれば良いんじゃないか?」

「うん、それじゃあ………心が赴くままに………」

 めい一杯考えたサチは、まるで恥ずかしさを紛らわす様に叫ぶ。

「お兄さんっ!! 相談があります!」

「なんでキレ気味なんだよっ!?」

「あ、その前に手錠掛けてください」

「なんで手錠!?」

「そんなのお兄さんと二人っきりで部屋にいるなんて怖いからに決まってるじゃないですか?」

「だからって手錠は無いだろう!? 危機感持ってるウィセでも、部屋に招いておいて手錠掛けたりなんてしないぞっ!?」

「私と話してるのに、なんで他の女の子の話するんですか? それともその女がいけないんですか? じゃあ、殺しちゃいましょうか? その泥棒猫?」

「待て待てサチ! それは妹とか言う属性とは何か違うっ!? むしろ他人だろうっ!?」

「あれ? 設定間違えた? 何か正しい気がしたんだけど?」

「と、ともかくやり直そう………」

「うん、じゃあ………」

 サチはもう一度、自分は妹だと自己暗示を試みる。

「私! お兄ちゃんが大好き!」

「うっ! ま、まっすぐでついドキリとしてしまったが、これは確かに妹―――」

「だって聞いて! お兄ちゃんってね、カフェイン0なのよ!」

「―――かと思ったらやっぱり斜め方向だったぁ~~~!」

「ミネラルだって豊富だし! 健康にとっても良いのよ! 毎日飲んでも飽きがこない。これってまるで麦茶の様だと思わない?」

「って言うか麦茶その物だよね!?」

「そう! お兄ちゃんは麦茶の様な人なの! そして、麦茶はまるでお兄ちゃんなの!」

「戻ってこいサチ! お前一体どんな妹想像してんだよ!? やっぱりアレか!? このギルドか!? ≪ケイリュケイオン≫に係わったら皆おかしくなるのかっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その21 使い魔パニック

 

 とある階層で使い魔によるイベントが開催されると聞き、やってきたキリト。

「やっぱり、ビーストテイマーと言ったらシリカだろう?」

「はい! キリトさん! がんばるので見ていてくださいね!」

「シリカとピナなら優勝間違い無しだな」

「それはどうかなっ!?」

 突然ゼロとマサが現れた。

「僕らも新しい使い魔を手に入れたぞ!」

「この二人が使い魔!? 既に≪ケイリュケイオン≫のメンバーと言う時点でツッコミの準備をしてしまう!?」

「行くぞ!「試験召喚(サモン)!!」」

 ゼロの元にゼロソックリの首無しデュランが現れた。片手で頭を抱えないといけないので、手に持っている剣がやたらと重そうだ。

 マサの元には、妖怪≪迷ひ神≫が出現した。

「って、なんで召喚してるんだよ!? SAOにそんなシステムは無いだろうっ!?」

「それがあるんデスヨ。このコメディオンでは!」

 ケンが現れ、身体中から黒いオーラを放つ。そして、彼は声高に己が使い魔を呼ぶ。

「来いっ! ≪(くろがね)≫!!!」

「 闇より深き深淵に 祖は 科学が落とす暗き影 」

 何処からか意味深な声が響くと同時に、真っ黒な鎧タイプのゴーレムが、ケンの後ろから現れる。

「SAOの使い魔領域間違ってんだろ!? なんでフロアボス並みに巨大なモンスターを使い魔にしてるんだよ!?」

「ふっ、皆すごいじゃないか! 俺も負けてられないな!」

「マソップ!? って、こっちはなんでSAOなのに携帯持ってんだ!?」

「≪白虎≫!!!」

 巨大で白い虎が現れた。

「一番まともそうに見えるな………、携帯で呼び出してる時点でアレだが………」

「やれっ! ≪白虎≫!!」

 白い虎は雷撃を放ち、デュランに先制攻撃した。

「ぎゃああああぁぁぁぁっ! フィードバックがぁ~~~っ!」

 ゼロが倒れた。

「なんだよ今のっ!? やっぱりこの虎もツッコミどころかっ!?」

「あぁんっ!? 上等だこら! 私らの力思う存分思い知らせんぞぉピナ!?」

「ギュビイィィッ!!」

「え!? シリカ!?」

「ん? どうしたんですキリトさん?」

「きゅう?」

「え、えっと………」

(今、シリカが別人になった様な気が………! ああ、もうどうすりゃいいんだよっ!? ≪ケイリュケイオン≫は変態ばっかか~~~っ!?)

 苦悩するキリトの背後で、滅多に御目にかかれない使い魔バトルが繰り広げられている。

 




ネタバレ

19『魔法少女まどか★マギカ』
20『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』『絶対防衛レヴィアタン(たき火劇場)』
21『バカテス』『アスラクライン』『DEVIL SURVIVOR 2』『アクセル・ワールド』

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