~読者達のあいんくらっどコメディオン~   作:秋宮 のん

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久しぶりの投稿。
時間がなかったので本編には手が進まん………。
まあ、それまで、皆さんも気休めになればと思います。


その16~18

その16 待てお前等、これは本番じゃない!

 

 アインクラッド、とある階層の空中庭園。

 白い花が咲き誇る中心で、サスケとサヤが向き合っていた。

「さ、サヤ殿! 拙者、サヤ殿の事がすいれぇ(、、、、)―――ッ!!」

「“すいれ”?(今噛んだ?)」

「す、睡蓮の様に御美しい方と思ってござった!」

「色で言ったら何色ですか?(噛んだんじゃなかったのか?)」

「し、白で………っ!」

「………はっ! だ、だめだよ………! 僕はギルドのリーダーで、僕には責任が………!」

「構わぬ!」

「多くの人の恨みを買う事になるかもしれないんだよ!?」

「構わぬっ!」

「だ、だけど………」

「くどいっ!」

 サスケはサヤの肩に両手をお―――こうとして、本気で怯えられたので諦めて、大きく息を吸って思いのたけを叫んだ。

「自分! サヤ殿の事がすりれる(、、、、)っ!!」

 サスケの言葉が『好きです』だと言う事に気付くのに一瞬かかり、顔を赤くしたサヤが両頬に手を当てて照れながら返事をする。

「『私もです………』」

 互いに顔が近づき、目を瞑る。次第に距離は狭まり、互いの息遣いまで感じられるようになる。

 次の瞬間、唇が重なる一歩手前。そこで止まった二人は同時に離れて満面の笑みを向け合う。

「いや~~~~っ! サヤ殿! 告白の練習に付き合ってもらってすまなかったでござるよ~~~っ!」

「あはははっ! ちょっと僕もドキドキしちゃったよ~~っ! でもだいぶ良くなったよね~~! 最後で噛んじゃったのはいけなかったと思うけどさ!」

「ぐうっ!? そこは確かに痛恨事でござる………。まだまだ修練は必要と言う事でござろうか? ………サヤ殿! また頼めるでござろうか!?」

「別に良いけどなんで僕が相手なの?」

「なんとなく、サヤ殿に告白するのがとても自然な事のように思えたのでござる」(他意は無い)

「ふ~~~ん………?」(解ってない)

 

 

 

 空中庭園、サスケ達から離れた建物の影にて。

「殺す………殺す………殺す………殺す………殺す………殺す………」

「ふふ………っ、サスケったら、自分が何をしているのか解っているのかしら? 無関係な人間を巻き込んでいると言う事を教えてあげるべきよね?」

 偶然見ていたワスプとウィセが、尋常ではない殺気を放ち、サスケをPKしようと武器を構えていた。

「待てお前等! 落ちつけ! アレは練習だって聞こえただろっ! ほんと本気で落ち着いてくれっ!?」

 それを止めようとしてヌエが居合刀を構える。彼の足元には、既に止めようとしたマサ、タドコロ、ルナゼス、フウリン、ラビット、キリト、アスナが、死屍累々と倒れ伏していた………。

「「知った事か………っ!」」

「なんだこの状況はっ!? なんでこのギルドはいつもこんな騒動を勃発させまくるんだよっ!?」

 その後、ヌエ達がどうなったのかはさておき、サヤとサスケは、裏でこんなやり取りがあったなどとは一生知らぬままで過ごすのだった。

 

「ふ、不幸だ~~~~~~~~~っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その17 奥さん属性なのにどうして私には………っ!?

 

 ケイリュケイオンに、『使い道に困るちょっと変なアイテム』が大量に持ち込まれ、検分する事になった、ヌエ、スニー、キリト、ロア、ヴィオ。

「メンドくせぇ………。変なアイテムが急激に増えたな………なんでだ?」

「『読者達のあいんくらっど~コメディオン~』その13 マソップ発言を参照」

「そうかよ………」

 ヌエの台詞にロアが的確に返す。

 ヌエ、とあるアイテムを手に取り、試しに使ってみる。

「なんだ? ………ああ、コレ他人が別人に見えるメガネなのか………? どうせなら透視メガネとかの方が使いようもあっただろうに………」

「うふふっ、ヌエさん的には≪透視メガネ≫で女性の裸体を眺める事をご希望だったのかしら?」

 スニーの微笑みに対して、ヌエは何故かとびっきりの驚愕を得た。

(何故だ? 何故かスニーがすごく身近な誰かに思える………!? 逆らえない………っ!?)

 別のアイテムを調べていたヴィオが、とあるアイテムを手に取って苦笑する。

「『十分間増乳されるアイテム』? うぅ~~………、こんなのいりませんよ~~………、どうせなら胸を小さくするアイテムとかあればいいのに………」

 刹那、隣で何かのアイテムを使ってしまったキリトが、猛烈に反応。

「何考えてんだテメェはっ!? 巨乳キャラの胸をわざわざ小さくするだとっ!? 巨乳キャラから胸を取ったらただの“ハズレキャラ”だろうがっ!? 余計な事しようとしてんじゃねえよっ!? ………僕はおっぱいが好きなんだぁ~~~~~っ!!」

 思いっきり叫んだあと、静まり返る室内。

 次第にキリトの言葉を理解していったスニーが瞳に一杯の涙を浮かべる。

「私のおっぱいは、私のおっぱいは………、ケイリュケイオンの“ハズレおっぱい”だったんですね~~~~~っ!?」

 泣きながら外へと走り去るスニーに対し、慌ててロアが追いかける。

「俺は大好きだ~~~~~っ!!!」

 彼も、何かのアイテムを使ってしまった可能性はある。

 その後、アイテムによって性格改編が行われたメンバーは、全員ヌエの右手で元に戻ったが、全員、トラウマを抱えて数日引き籠る事になったとか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その18 子供には自慢できないシーン

 

 SAOが始まる前のタドコロ。

 とある喫茶店で高校時代の友人を呼んで相談していた。

「よく来てくれた二人とも! お前等にどうしても聞いて欲しい案件があるんだ!」

 言われた男女の二人が答える。

「アンタが俺達に相談とは珍しい………、一体なんだよ?」

「言っとくけどさ? いくら幼馴染でも、お金の相談は乗らないわよ? 私」

「紗里奈さんに告白しようと思うっ!!」

「―――ッ!!」

「お~~い? しっかりしろ『幼馴染』? 完全に石になっとるぞ~~~?」

「な、なななな、なっ!? こ、ここ、コイツが、恋………っ!? か、叶うわけないじゃない? 何バカな相談しちゃってるの?」

「どうした? もう空のコーヒーカップを何故混ぜる? 『幼馴染』?」

「うっさい『日記』! ツッコミ入れながら他人の観察日記記録すんの止めろっ!」

「だって『ピエロ(タドコロの事)』の周りって面白いやつばっかりなんだもんよ?」

 相談役二名が二人だけで話しているのも無視してタドコロは続ける。

「俺は本気だ! 超本気だっ!! どのくらい本気かと言うと、この歳になって女の子のスカートめくりに挑戦してみても良いと思う程本気だ!」

「普通に犯罪で捕まるな………」

 『日記』男が呆れる隣で、『幼馴染』女がビシリッと指を突き差しタドコロへと告げる。

「どうせ口だけでしょっ!? 本当に本気なら、その証拠として『幼馴染』に一品奢ってみなさいよっ!!」

「すみません店員さん!! ここで一番高いスイートを彼女にっ!!!」

 ジャイアント・テラ・スイートパファ・クリーム・ア・ラモード。税込一万円が『幼馴染』の元に置かれた。

「………っ!!」

「『やり過ぎた』って顔するくらいなら言うなよ。『ピエロ』は本気になると上限ないんだから………」

「く………っ! これだけじゃ信用しないわよっ!? その本気を信じて欲しかったら、私を………、ね、熱烈に抱きしめてみなさいよ………っ?」←(途中から減速)

 タドコロは、『幼馴染』の後ろに回ると、肩に優しく手を置き、そして情熱的に強く抱きしめた。

「………~~~~~~っっっっ//////////!?!?!?」

「思考回路飛ぶの解ってんだからさせんなよ………」

 『日記』男は、呆れて突っ込みながら、しっかり愛用の日記手帳にその姿を描き込んでいく。

「さて! お前等に相談したいのは他でもないっ! どんな告白をすれば紗里奈さんに気に入ってもらえるかっ!? 告白の方法を相談しに来たんだっ!!」

 完全にゆで上がってグロッキー『幼馴染』を無視してタドコロは元の位置で再提案する。

「それは普通にしたんで良いんじゃないか?」

「普通に告白とかただのギャルゲ―じゃんっ!? エンターテイナーにそれは許されねえよっ!?」

「じゃあ、グラウンドに大きく『好きだ』の文字でも掘ってみる?」

「青春ラブコメでどうすんだよっ!? 俺らしい面白み0だろうがっ!?」

「そんなら歌はどうだ? バラードとかでラブソング歌えばそれなりに様にはなると思うぞ?」

「そこはせめてヒップホップだろうっ!? なんでお前はそんなに普通なんだよっ!?」

「さっきから俺、一つたりとも間違った事言ってないよねっ!? ツッコミとボケが逆になっている気がするのは俺の気の所為っ!?」

「エンターテイナーがツッコミなわけねえだろうぅっ!?」

「真面目に告白する気あるのかよっ!?」

 

 タドコロは、近くの女性店員のスカートを風の如くめくって見せた。しかも女性店員には見つからずに戻ってきてドヤ顔をして見せる。

 

「時々俺はお前が凄い奴に思えるよ………」

 机に突っ伏し悔しそうに呟く『日記』男。だが、その手はもちろん日記を取ることを止めていない。

「だったら私がとっておきの方法を教えてあげるわっ!!」

 復活した『幼馴染』女が、二本指でタドコロを指して告げる。

「これから世界の何処かにある伝説のランジェリーをゲットして、それを頭につけてコサックダンスしながら『好きだ』と叫ぶのよっ!!」

 稲妻が落ちた様にショックを受けたるタドコロ。

 彼はしばらく硬直した後、徐にサムズアップ。

「さすがわ俺だけ(、、)の『幼馴染』だっ!!」

「ぶっ!?」

 吹き出す『幼馴染』を無視して、タドコロは伝票を持って走り去っていく。

「ちょっくら世界の果てまで伝説のランジェリーを探してくるぜっ!! あとロシアにも行かねえとなっ!」

「いやおいっ!? ホパーク(コサックダンス)の本場はウクライナだぞっ!?」

「よし解ったっ!!」

 『日記』男のズレたツッコミを処理しないまま、タドコロは会計を済ませて立ち去って行った。

 残された『日記』男は、呆れた視線を『幼馴染』へと向ける。

「………好きなら好きと素直に言えば良いのでは? もう学生じゃないんだしさ?」

「う、ううう、うっさいっ! 私は別にあんな奴の事、嫌いでもないわよ! ただの幼馴染! 『幼馴染』なんだからっ!!」

「『ピエロ』も何故にこの解り易い奴を見落とすのかねぇ………?」

 呆れた溜息を吐きながら、やっぱり『日記』男は日記を書き続ける。

 

 

 そして半年後、頭に伝説のランジェリーを被って、見事なホパークを見せながら、氷を張った池の上を、ペキリッ、パキンッ、と、危なげな音を鳴らしながら前進し、紗里奈に告白するタドコロの姿があった。

「好きだ~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!! 俺と付き合ってくれぇ~~~~~~~~~~~~っ!!!」

「はいっ♡」

「うっそん!? マジで良いのっ!?」

 即答だったと言う。

 




ネタバレ

16『境界線上のホライゾンⅡ』『とある魔術のインデックス』
17『とある魔術のインデックス』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』『クラナド』

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