その1 彼は魔物を狩る少女は落とせても時間渡航者は落とせない
「………くっそっ!」
迷宮区のとある場所、ずっと共に戦ってきた仲間が、袂を分かつと言って去ろうとする中、タドコロは槍の矛先を地面に叩き付けた。
「ああ、そおうかよ!? 結局お前はそう言う奴なんだよなっ!? どんなに俺やサヤが気に掛けたって、お前にとってはどうでも良いんだろ!? 心配してた俺がバカだったよ!」
普段は使わない一人称を口にしながら、タドコロは苛立たしい気持ちを振り返ろうとしない少女の背に向けて吐き捨てる。
「でもなっ! 俺は明日も来るからな! お前と一緒に迷宮区を攻略するぞ! バカだからな! 聞いてるのかよウィセ!? 俺は、お前の事が大好きなんだからなっ!」
少女は足を止める。肩を震わせ、彼女は振り返ると、タドコロの元へ真直ぐ走り寄り、その胸に飛び込んだ。
「………ウィセ」
「タドコロ………」
そして彼女は、ステータス上あり得ない力でタドコロの胸倉を掴み上げた。
タドコロの脚が地面から離れ、じたばたと暴れる。
「ねえタドコロ? アナタは自分の人生が尊いモノだと思う? 思いますよね? 思うんだったら二度とそんな暴言を吐かないで?」
「俺の告白は暴言レベルですかっ!?」
その2 乙女な僕に見つめられる森の猟師くん
ギルドにて、対面で食事中のケンとサヤ。
無言で食事するケンをニコニコ顔でサヤは眺めている。
「………」
「(じーーーーーっ)」
「う、うぅ………」
「(じーーーーーっ)」
「は、うあ………」
「(じーーーーーっ)」
「な、なんで見つめてるんデス………?」
「だって、本当に美味しそうに食べるんだもん。ケン」
「ご、ゴメンナサイ………」
「あれ? どうして謝るの?」(ニコニコッ)
「い、イヤ、別に………」
「僕も明日はハンバーグにしてみようかなぁ~~♪」
「………~~~~ッ!!」
席を立ち、一瞬で部屋の隅っこに逃げだすケン。
「み、見ないで~~~~~っ!!」
通りすがりのカノンが訪ねる。
「アレは一体どうしたの?」
「さあ~♪ きっと中の人的な精神影響受けてるんじゃない~~♪」
その3 まずはその黒歴史をぶち殺す
ルナゼスとヌエはフィールドでモンスターを倒し、レアドロップアイテムをゲットしていた。
「それでナッさん。どんなアイテムが手に入ったんだよ?」
「ええっと、剣みたいだが………なになに? 『暗黒の光』………」
「はあ? なんだそれは? 闇なのか光なのかどっちなんだよ? しかもオブジェクトされた剣、刀身が黒いフランベルジュだな? 『闇の炎』ってか? はははは………」
「ふ、ふふふ………っ」
「? どうしたナッさん?」
「『ナッさん』ではない! ルナゼス改め『ダークフレイムマスター』と呼んでもらおう!!」
「何事ッ!?」
「ふはははははっ! この剣さへあれば、世界は俺の物だ! 手始めに………、そこの虫けらを狩るとするか?」
「え? 俺? ちょっと、どうした? ナッさん!?」
「消えるが良い! 我が嘗ての友よ! 『闇の炎に抱かれて消えろ』っ!!」
ルナゼスの剣が黒い炎を纏い始める。
「よーし、解った。とりあえずその剣が、何かヤバいらしい。とりあえず………その
ヌエは右手の拳で剣ごとルナゼスを殴り飛ばした。
剣はバラバラに砕け散った。
「はっ!? 俺は一体何をっ!? ………あ、いや、憶えてる………。忘れろ~~~~っ!! 忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ~~~~っ!」
額を地面に向けて撃ちつけるルナゼス。
「ええ~~っと、とりあえず、黒歴史もぶち殺しとく?」
「お願いしますっ!!」
――こんな感じで四コマみたいなネタ話が続きます――
ネタが解らない人のために
その1『カノン』『まどかマギカ』
その2『乙女は僕に恋してる』『オオカミさんと七人の仲間達』
その3『とある魔術のインデックス』『中二病でも恋がしたい』
ちなみに、全てアニメ参照です。