ブーディカさんとガチャを引くだけの話   作:青眼

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はっはっはっは。何故、俺は大学受験一週間前にこんなことをしているのかな?

というわけで今回のバレンタインガチャ、再び訪れた玉藻の前ピックアップのガチャ報告です。息抜きで書いちゃいました!ま、まぁ一日で書き上げたので許してくれないかなぁなんて?皆さんは、満足行く結果でしたか?

私?ならば本編をどうぞ!!



※冒頭にUBWのセリフを改変したものを載せてあります。不快に感じられましたら申し訳ありません。ですが、私の本音の部分なので変更はしないと思います。ご了承ください。





夢とは儚く、いずれ覚めるもの

一面に広がるのは燃え尽きた廃墟。空からは残り火を掻き消すように雨が降り注ぐ。それは、何故かこの場に倒れ果てた、さながらゾンビの群れの様な人々を癒すかのようだった。何故、ここに人が倒れ伏しているのか。それは、己の夢が叶わなかったからだ。

 

ーーーある者は運が無かったと嘆き

ーーーある者は無駄だと知っておきながら飛び込み

ーーーある者は心を失いながらも、何かを求めて進んでいった

 

 

「これがお前たちの成れの果てだ。星5のサーヴァントを、ピックアップされているから当たるなどと驕り、理想を抱いて溺死した愚か者の末路だ。フレンド欄に、イベントボーナスの礼装とサーヴァントを置かなければ安心できないなどと言い訳をし、無駄に食費を割いてまで地獄(ガチャ)へと足を踏み込んだ、大馬鹿者達の最期だ」

 

 声が聞こえる。酷く冷たく、けれど力強い男の声。ああ、そうだろう。男の言っていることは正しい。決して間違いではない。だが違う(・・・・)間違いではないが(・・・・・・・・)それは違うんだ(・・・・・・・)

 

「………聞いていなかったのか。そこから先は地獄だと言ったのだが」

 

 男が咎めるように俺に声をかける。どうやら、自分でも知らないうちに足を動かしていたようだ。だが、一度動き出した足は止まらない。一歩、また一歩と、目の前に広がる地獄へと足を進ませていく。

 

「そうか。お前も、そこで朽ち果てている愚か者共と同じだったのか。いずれ同じ末路を辿ると知ってなお、歩みは止めないと?」

「………ああ。けどな。これがお前の、いや、俺たちの忘れてしまっていたものなんだよ。■■■」

 

 男の名前を呼びながら、俺は地獄に向かって歩き出す。■■■(おとこ)の言い分は正しい。だが、これはそんな正論で片付けられるものじゃない。俺たちがこうして、地獄へと足を踏み込むのは、なにもそこで死ぬためなんかじゃない。地獄の先に待っている、天国(彼ら)を目指すためだ。

 

「確かに、最初は憧れだったかもしれない。けどさ、根底にあったのは願いなんだよ。自分の好きなサーヴァントと共に戦いたい。この地獄を抜けた先で待っていると信じて歩んだ。そんな、誰もが持っている願いだったんだーーーー」

 

 足元に広がる人を踏まぬように歩く。空から降り注ぐ雨に体と服を濡らしながらも俺は歩き続ける。彼らの思いは、願いは決して間違いなんかじゃないと証明するためにーーーー

 

 

 

 

 

ーーーいつしか世界の様は変わり、雨は止み、一面には荒野と石板が広がっていた。

 風で起こる砂ぼこりを気にせずに歩く。砂丘の頂で現れた黄金の石板の前にまで来ると、俺は一度、そこで立ち止まる。

 

「たとえーーーその結果が報われない物だったとしても、お前は行くのか」

 

 男が、どこか懐かしんでいるように俺に言葉を送る。それに対し、俺は自嘲するように笑みを浮かべながらも拳を握る。

 

「ああ。たとえ、その結果が無意味なものだったとしてもーーー」

 

 一度言葉を切り、拳を構えーーーーーーーーーーーー

 

「俺は、ガチャを回し続けるーーー!!」

 

 ーーー黄金の石板を殴り壊した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界が切り替わる。さっきまで立っていた筈の俺の体は、いつの間にか地を這っていた。全身に負った傷から血が流れ、全身を熱い鉄板で押し付けられているような痛みに耐え兼ね、視界が狭まる。けれど、決して目を閉ざすことだけはしない。

 歯を喰いしばってゆっくりと立ち上がる。何も考えられないが、自然と、そうしなければならないと思った。瞬間、俺の体に異変が起こる。五体に負った傷から光が溢れだす。だが、それは痛みを助長させるものではなく、むしろ、光が痛みを吸い取っているかのようだ。事実、ゆっくりとだが、体の痛みが退いていく。

 

「何故だ、何故まだ立ち上がれる!?貴様は先ほど、全ての石を使い果たしたはずーーーー!!」

 

 男の声がする。先ほど聞いた、そこから先は地獄だと、親切に教えてくれた男の声が。俺の体に起きている異変に戸惑いを隠せていない。それはそうだろう。自分でも、何故傷が治っていくのか分からないのだから。

 

「ーーーそうか、『ダ・ヴィンチコード』……………!!」

 

 男が忌々しそうに声を出す。立ち上がろうとしている俺を助けている存在が、憎くて憎くて堪らない。とてつもない殺気がぶつけられているのが感じ取れる。

 

「運営がFGOを盛り上げるために実施した、イベント企画でばら蒔いた聖晶石。あれは聖遺物(プレゼント)。購入した物ではない。新規・古参のどちらでも、十個は手に入る…………!!」

 

 全身に傷から迸る光が俺を包む。それは暖かく、とても気持ちがいい。まるで、自分の体が一から生まれ変わるかのよう。痛みが引き、さっきとは違う熱が俺の体を覆う。

 ーーー負けられない。この戦いだけは決して負けられないと、冷えきっていた心と体に熱が宿る。

 

 

「体はーーーー」

「貴様ーーーー!!!」

 

 呆然と、けれどしっかりと脳裏に浮かんだ言葉を紡ぐ。それはきっと自分の全て。散々人生に迷った。けれど、それを支えいた力に報いるべく、確固たる自分の意思で、力強くそれを口にする。

 

「ーーー彼らとの繋がりで出来ている…………!!」

 

 同時に回転しながら投げられる、白と黒の剣。双剣の切れ味は人肌を容易に切り裂く。けれど、それに対抗するべく俺は両手に力を込める。

 

お前等(重課金者)には……………負けられない…………!!」

 

 両手に込められた力、俺の思いに応えるようにさっきとは違う色の光が溢れ、いつの間にか手には己に迫ってくる双剣と同じ物が握られていた。それを力強く振り抜き、二本の剣を弾き飛ばす。

 

「ガチャ運に見捨てられるのはいい。けれど、ガチャを回さないなんて事は絶対にしない!!」

 

 先ほどまで地面這いつくばっていたとは思えない、力強い声と共に、俺は立ち上がりながら目の前に立つ男を睨み付ける。男は一瞬だけ、呆気に取られた様な顔をしたが、すぐに嘲笑うような笑みを浮かべた。

 

「………ようやくその域に至ったか。だがそれでどうなる。目的のサーヴァントが排出される可能性など無に等しいと、骨の髄まで思い知ったはずだが?」

「幕間の物語も、フリークエストもまだ残ってる。負けていたのは俺の心だ!!期間限定サーヴァントばかりに目が移っていた、俺の心が弱かった!!」

「何……………?」

 

 男の顔が憎々しい表情へと変わる。当てられる殺意の濃度も増すが、それを無視して俺は言葉を紡ぐ。

 

「期間限定サーヴァントが魅力的で、強力なのは当然だ。だが、だからと言って、恒常サーヴァントを見捨てる理由にはならない!!」

 

  忌々しそうに睨んでくる男に、俺は確固たる意思を目に宿して睨み返す。自分の、誰もが持っているこの思いは、決して間違いなんかじゃないと証明するべくーーー

 

「俺は恒常サーヴァントを当てるためにガチャを回す!!たとえ物欲センサー(お前)が、俺から目的のサーヴァント(あの人たち)を遠ざけようがーーー」

 

 両手に握る剣の一つを男に向け、俺の覚悟を、俺の決意を言葉にする。

 

「俺も死力を尽くしてーーーーーーーお前と言う障害を打ち負かす!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という夢を見たんだ。だから今なら玉藻様を引けるに違いない!!!」

「駄目だ…………研砥がピックアップスルーされすぎておかしくなった………!」

 

 二月中旬。俗に受験シーズン&バレンタイン真っ只中で、俺はこの日に為に集め、貯蓄していた聖晶石と黄金に輝く呼符十四枚を片手に、我が家の守護神にして最強のお姉さん。ブーディカさんに訴えかけるも、彼女はどこか真剣に困ったように手を頭に当てて唸っていた。

 

「失礼な。別に正月の福袋で三蔵ちゃんが出てきたり、英雄王の時に出てきた金髪ロン毛ランサーのことに文句を言ってる訳じゃないだろ?」

「いや、そうだけどね。お姉さん的にはちょっとガチャを回す頻度が早いかなぁって思ってるんだけど………もしかしなくても、課金しちゃったの?」

「まさか。偶々ログイン五十日目ボーナスを貰ったり、岩窟王の時に使わなかった呼符があったり、(死ぬ気で)絆レベルを上げただけじゃないか」

「いやその最後がアウトでしょ」

 

 明らかに俺が悪いだろうとじとっとした目でこちらを見てくるブーディカさんに、まっさか~と言葉を濁す。いや~宝物庫狩りで手に入れた絆ポイントはおいしかったですねぇ。

 

「と、いうわけで彼女と縁がある人たちをお呼びしたわけでございます。これはもう、後には引けないな!!」

「………やはり、私のマスターは少し、頭のネジが飛んでいるのでしょうか」

「うむ!貯めた財を思いっきり使う辺り、やはり余に相応しいマスターよな!」

「………何で俺も呼ばれてるわけ?全く関係なくないですか?」

「それは俺もじゃんよ。というかこっちに近づくな酒呑!!」

「ええやないの坊主。折角あの牛女もおらんねんから、少しくらい付き合ってぇな?」

 

 上からメドゥーサさんにネロ。ロビンに金時。それから酒呑童子の五人がそれぞれの感想を言う。というか、メドゥーサさんの発言が一番心にグサリ来るんですが、それはどういうことですかねぇ?

 

「いやいや、ちゃんと関係あるでしょ?メドゥーサさんとネロとロビンは月の聖杯戦争で知り合いだし、金時はロンドンで会ってるし」

「なら酒呑は関係ねぇだろ!!早くこっから追い出してくれ!」

「つれへんなぁ。ちゃんとうちも関係あるのに」

「あぁ!?テメェは会ってもねぇし知り合いでもねぇだろ!?」

「同じ日本生まれで、それでいて同じ妖怪でかつ反英霊。これほど強い関係はないと思うけどなぁ?」

「…………………………………………………」←正論すぎて無言になる金時

 

 事実、酒呑童子ほどこの中で深い関係にあるサーヴァントはいないと思う。同じ人に仕えていたという点ではネロとの繋がりはあるだろうけど、同じ国、同じ種族、そして同じ反英霊。さらに言うなら着物を来てかつ色っぽい所まで似ているのだ。ここまで縁がある人たちが揃えば、今度こそ召喚できるに違いない!!

 

「聖晶石九十三個、そして呼符十四枚を生け贄に捧げ!!いざ行かん!!遥か爆死の彼方までェ!!」

「不吉なこと言わずに回しなよ!!」

 

 制止するブーディカさんを押し退け、とりあえず石を三十個放り込む。いつものように稼働している召喚システムから何枚かのカードが吐き出される。

 

「十枚目の『騎士の矜持』…………だと………!?」

「ダンの旦那ぁ!!これ以上家のマスターのやる気を削ぐようなことは止めてくれませんかねぇ!?」

「他にもあるね。え~と、『チョコ・エンゼル』……イラスト的にイリヤちゃんのカードだね」

「あらまぁ。こない幼い女子ばかり当てるなんて、やっぱり旦那さんはロリコンっちゅーやつやないの?」

「俺のターン!!拒否権を発動するッ!!」

 

 いやね、そりゃ確かに何故か幼女に好かれてるけどね!!俺はあくまで遠目に見て笑顔で幼い子供で癒されたいのであって決してロリコンなのではないッ!俺のストライクゾーンはブーディカさんの様な髪が長くて優しいお姉さん系の女性なんだ!!

 

「とか言ってる内になんか金色来たぞ?絵柄的にバーサーカーだけど」

「女性バーサーカーは今回にヒロインXオルタ以外全員揃ってるので帰ってどうぞォ!」

「それ、彼女が呼ばれたら真っ先に斬りかかられるよ?」

 

 ブーディカさんが咎めるように言うが、正直バーサーカーはもうお腹一杯なのだ。どうせ出てくれるのならヴラドさんをください。ブーディカさんとコンビを組ませてあげたいのです。護国の英霊コンビって、最高に格好よくないかな?なんてことを考えているとサーヴァントが顕現する。カードから現れたのはーーーー

 

「サーヴァント・バーサーカー。茨木童子。大江の山に潜みし、鬼の首魁よ」

「マスター………何か言うことはありますか?」

「MA☆TTE!!待ってくれメドゥーサ=サン!!俺は悪くねぇ!!俺はロリコンなんかじゃねぇ!!」

 

 茨木を召喚した直後、メドゥーサさんが武器の鎖鎌っぽい物で器用に俺を拘束する。彼女も本気でやっているのではないだろうけど、周りからの視線がとても痛い。見るなぁ…………そんな蔑むような目で俺を見るなァ!!

 

「さて、マスターが拘束されてしまったからな。余達が代わりにガチャを回すとしよう」

「あ、ゴメンやけどうちはここで抜けるわ。茨木にここを案内せんとあかんからなぁ」

「おい馬鹿やめろ!!俺の集めた呼符を勝手に使うなーーーー!!というか酒呑!!鎖を解いてくれ!」

「旦那さん悪いなぁ。放置した方が面白そうやからパスや♪」

「こんの裏切り者ォォォォォ!!」

 

 結局、俺は拘束を解かれることなく、目の前で集めた呼符が消えていく様を見届けるしかなかったのだった。…………どうしてこうなった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分後、残り三枚になった呼符を渡されながら俺は拘束を解かれた。目の前で繰り広げられていく(主にネロによる)ガチャの結果は散々な物で、星四すらかすることなく呼符だけ減っていった。

 

「それでネロ…………何か弁明は?」

「う、うむ…………少し調子に乗りすぎた。すまぬ研砥」

 

 唯我独尊を地で行く英雄王のアルトリア顔版とまで言われているネロが、トレードマークでもあるアホ毛までしょぼんと項垂れながら謝ってくる。天真爛漫という言葉が擬人化した様な彼女だが、ブーディカさんの「ネロ公。それ以上やったらご飯抜き」という脅しには勝てなかったようだ。まぁ是非もないよネ!

 

「わかればよろしい。んじゃ、残りの札も叩きつけますかね~っと」

 

 ようやくこっちに主導権が戻ってきたところで、俺は呼符をサークルに向かって投げつける。パシィ!と良い音がしながらシステムが起動する。バチバチと音を立てながら広がる青白い光の輪。その数は三本、つまりサーヴァントということが確定する。そして、その輪から現れたのは、魔術師の絵が描かれた金色のカード。

 

「おお!!流石は研砥!!ここで星四以上のキャスターを引くとは!!」

「これはもしかしなくとも、ワンチャンあるんじゃないんですかい?」

「そうだなぁ……………まさか、このタイミングで来るか。メディア・リリィ(仲良しの魔女)

 

 ネロとロビンが少し嬉しそうに言うが、それとは逆に俺は何となく察していた。いや、察してしまっていた。ふっ、と自嘲するように笑うと、周りの皆がえっ、と驚いたような顔をする。

 

「い、いや大将。折角ゴールデン・キャスターカードが来てんじゃん、フォックスが来る可能性だってあるじゃん。諦めんなよ!諦めたらそこでゲーム・セットじゃんよ!!」

「はっはっはっ。応援ありがとう金時。けどな、単発で出ちゃったらさ、今まで消費した四百近い石が可哀想だろ?そして、メディア・リリィを当てて俺のロリコン説が復活するというわけだ。けど回復要員が増えるのは私的に大歓迎だけどな!」

「駄目だ………研砥が遂に出ないからこそ美しい的な何かに取りつかれてるよ!」

「しっかりするのだ研砥!!それでも余のマスターか!!」

 

 皆からの暑い応援を背に、俺はサークルの前まで移動する。バーサーカーなら絶対にしないけど、キャスターが相手なら絶対に安全だからな。魔術(物理)するキャスターなんていないだろ?

 

「というわけでいらっしゃいませメディア・リリィ!『高速神言』と宝具で俺のサーヴァント達が死なないようにサポートーーー」

 

 

 

 

 

 

「はいはーい!ご用とあらば即・参・上!貴方の頼れる巫女狐!キャスター、ここに降・臨!!です♪」

 

 

 

 

 

 

 金色のカードから光が溢れ、その中から現れたのは魔神柱をパンケーキの素材(?)にする仲良しの魔女ではなく。青くて露出の多い巫女服。ピンクの髮の両端に付いている狐の耳。彼女の周りを飛び回る大きめの鏡。見るからに触り心地良さそうな尻尾。そして、輝かんばかりの眩しい笑顔。俺が費やした四百個以上の石でも現れなかった最上級ランクの魔術師の英霊(キャスター)。玉藻の前が、そこに姿を現していた。

 

「………………………………………………………」

「………はい?もしかして、私お呼ばれじゃなかった?貴方様も世間で言う孔明・マーリン最強派閥の一員だったりします?嫌ですねぇもう。あんなチートキャラ使って最強とか、思い上がりも甚だしいってんです」

「おお!キャス狐ではないか!!会いたかったぞ!!」

「おや赤セイバーさんじゃないですか。メドゥーサさんに緑茶さん。金時さんまでいるじゃないですか。もしかして、ここにいる方々、私をお出迎えに?てことは、私を必要としているご主人様(マスター)ですか!?」

 

 うわぁーい!!玉藻さん大勝利~!!一人テンションが上がって万歳をしている玉藻さん。突然の事に頭の処理が追い付かず、とりあえず深呼吸をしながら周りの人たちを見る。

 

ーーーネロは久しぶりに会えた友人の様に、玉藻さんと楽しそうに話をしていて、

ーーーメドゥーサさんは俺に「やりましたね」と嬉しそうに微笑み

ーーー金時は「やったな大将!!」と拳を突き出し

ーーーロビンは「緑茶じゃねぇ!ロビンフッドだ!」と訂正を入れ

ーーーブーディカさんは「今夜は歓迎パーティーだね!」と我が事のように嬉しそうだった。 

 

 そこまでして、ようやく俺は今の状況に理解した。今まで、彼女の時だけ、散々ピックアップスルーされ続けたが、今回の地獄(ガチャ)は、完全勝利したのだと。しかしーーーー

 

「……………………………こふっ」

「やったな大将っておぉい!?何いきなり血ィ吐いて倒れてんだよ大将!?」

 

 自分でも知らない内に吐き出した血に驚きながらも、力が入らずに倒れかけた俺の体を金時が支える。彼にお礼を言うと、さっきまでお祝いムードだったのが一変。ここにいる皆が俺の元に集まってきた。

 

 

「おい黒鉄の旦那!しっかりしろ!折角掴んだチャンスを不意にするつもりか!?」

「ちょ、大丈夫研砥!?お願い目を開けて!!」

「研砥よ!!目を開けるのだ!!そなたが居なくなったら余は泣くぞ!!泣くからな!!」

「研砥。意識をしっかりと持ちなさい!まだ、貴方はこんなところで終わる人じゃないはずでしょう!?」

「みこーん!?何故だかわかりませんが、いきなりマスターの命の危機ですか!?目をお開けくださいマスター!!」

 

 俺を取り囲むように駆けつけてくる皆。心配してくれる皆が嬉しくて、けれど同時に情けないと思ってしまう。まさか、自分でもこんなに落ちやすいとは思っていなかったからだ。けどまぁ、今の心境を一言で説明すればーーーー

 

「我が生涯に…………一片の悔い、無し…………!!がくっ」

「「「「「マスタァァァァァァ!?!?」」」」」

 

 どこぞの格闘漫画のラスボス最期のセリフを言い終えながら、俺は意識を失うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※後日談的ななにか

 

 

 

研砥「ふぅーーーー今日の周回も終わりっと。皆お疲れさま~」

金時「おう!今日も思いっきり暴れさせて貰ったぜ!サンキューな大将!!」

メドゥーサ「ふふっ、お役に立てたのなら何よりです」

玉藻「あの~私、何もしてないんですが、いる意味あるんですかねぇ?」

ロビン「ま、いいんじゃねぇの?今回の周回はオタクのためみたいなもんだし?後ろでドーンと待ち構えてりゃいいんじゃない?」

ネロ「うむ!余にも覚えがあるぞ!絆レベル上げ、というやつであろう!!」

ブーディカ「ネロ公は黙ってなさい。よぅし、それじゃご飯にしよっか!」

ネロ「何故余にだけ当たりがキツいのだ!?」

玉藻「自業自得ではありません?」

研砥「喧嘩する種を撒くのはおやめください」

玉藻「それじゃ、食後にまた頁狩りに行きましょうね!ご主人様(マスター)♪」

研砥「いや、そろそろ黄金リンゴが無くなりそうでして…………」

ネロ「リンゴないのなら、石を砕けば良いのだ!!」

研砥「やめろ皇帝様ァ!!」




というわけで、今回はなんと大勝利!!無事、玉藻の前様を引き当てられました!!

使用した石と札は作中の通り、石三十個と札を十二枚。いやぁ、岩窟王を諦めて良かったと思ってます。ありがとうピックアップ。ありがとう玉藻様!!さぁ!次は骨と頁と種集めだ(白目)

え?なに?冒頭のセリフが少しおかしいって?あははは…………見逃してもらえませんかね?

バレンタインガチャはもう回さないと思います。私、誕生日は2月20日なんですが、わざわざ13日のピックアップに合わせて誕生日を祝われまして。色々と触媒を送られました。
玉藻の宝具真名解放ストラップとか、EXTELLAのタペストリーとか色々。本当はバレンタインのことも書きたかったのですが、そこまで時間があるわけではないので、割愛しました。代わりといってはあれですが、ホワイトデーは書こうと思います。受験終わるんで、遊戯王の方も書かないとなんですが(汗)



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!!
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