超常災害対策機動部タスクフォース―――『S.O.N.G』は、一週間に冬木市にて高エネルギー反応を感知。調査員を派遣すると、山中より破壊された仮設研究所を発見した。
詳細は不明だが僅かな手がかりから備品は財団Xのものであることが判明、政府の承認と共に調査を開始。そして本日、B県に遺る廃病院にて微量ながら一週間と同様のエネルギー反応を確認した……。
不気味な廃病院の前に、いくつもの車と黒服の男たちがやってきた。全員、『S.O.N.G』所属のエージェントである。
黒服たちの中心には、サラブレッドの少女『雪音クリス』が佇んでいた。
(イヤな感じだ……さっきから肌がピリピリする。何かあるなこりゃ)
胸騒ぎを覚えつつも、クリスは気持ちを入れ直し黒服たちに続いて廃病院内部を目指す。
だが、先行した二名の黒服が亡骸となって外に放り出されたために足を止めざるをえなかった。
「!!」
「不法侵入は犯罪ですよ、みなさん。非常に困りますねぇ~」
すると、不気味な雰囲気をまとった胡散臭い笑顔の男が姿を見せる。
それに続き、剣を携えた青年、大柄の男、最後に真っ白な髪に黒い着物のような服装の少女がぞろぞろと姿を現した。
全員が屈強な黒服たちを前にしながら、平然と彼らと相対している。死体が転がり、黒服たちが拳銃を構えているにも関わらず表情は変わることがない。それはクリスが一つの結論に至るには十分だった。
「てめぇらか、冬木で財団Xの研究所を破壊した奴らってのは!」
首に下げたペンダントに触れつつ彼女が吠えると、少女が一歩前に出て声を発した。
「―――躾がなってないな。【イチイバル】の装者雪音クリス」
「! なんであたしのことを知ってんだ?」
「知っているさ。シンフォギアのことも、『S.O.N.G』のことも。高度な知的生命である私にかかれば、この惑星の情報など容易に把握できる」
「高度な知的生命?惑星?いったい何の話をしてやがる!?」
「これ以上の問答は不要だ」
少女―――ゼロの強い一言の後、胡散臭い笑顔の男は懐から眼魂を取り出し側面の可動部を押し込むんでその姿を百目の異形へと変える。
「変、身!?」
驚愕する『S.O.N.G』の面々。それに構うことなく異形『Dミラクル』は両拳に暗黒エネルギー溜め込み数十もの黒い丸物を生成、それをクリスらへ向けて解き放った。
すべてを粉塵と化すほどの強烈な爆発の連鎖が襲った。
衝撃により固いコンクリートもろとも吹き飛ばされるクリス達……。
「ダークマタープラントは?」
「はい。細かい調整はまだですが試運転がてら既に稼働させております」
「しかし居場所がバレました。どうされますか?」
「そうだな……予定より早いが、すべての始まりの地に向かうとしよう。我らが目的を果たすための、一族再臨の地へ」
すでに絶命する者もいる中、間一髪でシンフォギアを装着したクリスは朦朧とする意識の中で、こんな声を聞いた。
「―――ポップスターよりヤツは引き寄せた。さあ、復讎と侵略を始めよう」
少女の「眼」が怪しく光り、四人がその場から消失すると共に、空を何かが覆い尽くし始めた……。
クリスちゃんは犠牲に……なってませんのでご安心ください。早速かませになってごめんね。
そして全然文字数書いてないのは区切りのいいところで細かく分けていこうと思ってのことです。長くなりすぎるとダレるからね、しょうがないね。←