そして落ちるクオリティがやばい。
それと活動報告の方でも載せましたがtwitterの垢を作ってみました。よろしければ見てやってください。
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@hi_black5826
日向との通信が終了し、独りCRのゲームの中に居座るポッピーピポパポ。
その表情には、不安が表れていた。
日向にはああ言ったものの、やはり永夢が心配でならなかった。彼の純粋さは長所であり短所でもある。
誰かの支えが必要だと思った。
「よーし……こうなったら私が!」
自分はエグゼイドのサポートを任された存在……こんな時こそ自分の真価を発揮するのだと、ポッピーはゲームから飛び出し一気に螺旋階段を駆け下りた……。
「「いたぁ!!!?」」
突如全身に衝撃が襲いかかる。階段を駆け上がってきた人影と接触したのだとすぐに気づいたポッピーは階段で尻餅をついてしまい、額を抑えながら目を開けると、
「え、えむぅううう!!?」
今まさに自分が何とかしようと思っていた相手が階段の下まで転がり落ち、白目を剥いているではないか。
「永夢!しっかりして、死んじゃだめぇ!!」
永夢は腰に手を当てながら椅子に掛ける。超幸運なことに打撲や擦り傷はなく、先日の怪我が悪化するようなことにもならなかった。
一息ついた後、ポッピーは頭を下げる。
「ごめん永夢。よく前見てなかったから……」
「いえ、こっちも勢いつけて登っていたからお互い様ですよ」
はははといつもの笑顔を見せる永夢に、ポッピーは困惑した。てっきり塞ぎ込んで病室から出てこないものと思っていたから、あまりにいつも通りな態度に素直に喜ぶことができない。
心理が掴めず、どういう会話をすればいいか分からなかったのだ。
「あの、永夢……その」
「わかってます」
ポッピーの気まずそうな言葉をぴしゃりと遮って、永夢は答える。
「明日那さん……いやポッピー。心配かけてごめん。もう大丈夫だから、僕は戦うよ。カービィのためにも、絶対にゼロの野望を止めてみせる」
その言葉を聞いた時、ようやくポッピーは心の底から安堵した。
応急手当を簡単に済ませ、病院服からいつものTシャツへ着替え終えると、ドクターとしての証たる白衣とゲームスコープを身に付ける。
最後にゲーマドライバーとライダーガシャットを懐に入れ、ポッピーと共に病院の外に出た。
「でも、どうするの?まだ手がかり見つかってないんだけど」
「うーん……そうなんですよね」
しかし早速足踏み。当然である。永夢が立ち直っただけで、大元の問題は何も解決していないのだから。
「いったいどうすればいいのー!?」
ポッピーは頭を抱え、オーバーリアクションでその場に蹲る。
正直永夢にもゼロの居場所には見当が付かない。しかしなんだろう、この頭の片隅に引っかかるような、微細な違和感は……。
そして違和感の正体をぐるぐると考え、やっとの思いで手繰り寄せた結果、彼はある一つの過去の出来事に行き着いた。
「…………鎮守府。そうだ、鎮守府だ!!」
「え、どういうこと?」
永夢が思い出したのは、先日の鎮守府工廠で起きた大爆発事故。あの後すぐに頭に血が上ってゼロ捜しを始めた為にすっかり忘れていた。
表向きは事故として処理されていたが、永夢はあれを勝手にゼロの仕業だと解釈していた。
事実、事故に繋がるような物的証拠は何も見つかっておらず、真相は現在闇の中。
……手がかりになる可能性は、十分にある。
「ポッピー、急いでみんなを集めて!」
ポッピーは永夢に急かされ、やたらカラフルなスマホを操作しCRのドクター、『S.O.N.G.』、衛生省知りうる限り全てに永夢の言葉を伝えた……。
およそ十分程で永夢の下に飛彩、大我、貴利矢、灰馬、響、クリス、そして衛生省からの使者としてなんと日向自らが集った。
「ちょっと待ってください」
いざ、話をしようという時、永夢は待ったをかけて響を見た。
「あれ、宝生さんってお医者さんだったんですか!?」
「響ちゃんこそ『S.O.N.G.』の関係者だったなんてびっくりなんだけど」
「えっと、じゃあ改めて自己紹介するね。仮面ライダーエグゼイドの宝生永夢です」
「私は【ガングニール】のシンフォギア装者、立花響です!」
「なんだお前ら知り合いか?」
「いいからさっさと話を始めろエグゼイド。戦う気がないんならガシャット寄越せ」
二人ががっちり握手したところで、周囲の催促も相まって慌てて説明を始める……。
「ですから先日の鎮守府で起きた爆発。僕はそこに手がかりがあるんじゃないかと思います」
「なるほど……行ってみる価値はあるかもしれん」
「では、鎮守府には衛生省の方から連絡を入れておこう。ルート案内はポッピーに一任する」
「ピプペポ了解!みんな私についてきてー!」
鎮守府まではそれほど距離があるわけではない。このまま走って向かっても時間はかからないどころか、自動車を用意するよりも早く着く。
ポッピーを先頭に灰馬と日向を除く全員が走り出し、永夢も後に続いた。
「永夢!」
その時、日向が永夢を呼び止める。そして強く口にした。
「頼んだぞ」
「……はい!」
会話にして十秒にも満たないが、気持ちは通じ合っていたから、これでいい。
日向は永夢の再起をしっかりと確認した。あとは、彼らに望みを託すだけだ。
「鏡院長。私も事の顛末を、この病院で祈ることにするよ」
「へ……は、はい!ただいまお部屋をご用意致します!!」
そう言って、日向は鎮守府の連絡先を調べ始めた……。
鎮守府を目指して五分くらい経った頃、大事をとって『闇』の下にいた人々はシェルターへの避難が完了しており、現在の街は人の営みはなく、薄暗い廃墟のように静かであった。
認定特異災害ノイズが跋扈しなくなってからめっきり使用されることのなくなったシェルターが再び日の目を見ることになろうとは……。その異常性は、誰もが想像を絶する脅威に晒されているのだと理解することは難しくない。
「見えてきたよ鎮守府!」
ポッピーの指差す先に、赤レンガ倉庫の立ち並ぶ施設が存在していた。
世界大戦時の特徴的な建物を模して造られた鎮守府に間違いないだろう。
刹那、上空の『闇』に変化が起きた。
足を止め警戒する一同。
加えて、目に見える大きな変化を遂げていた。
成人男性と同程度の人間的な黒い肉体を形成していたのだ。
しかし顔には大きな単眼が宿り、ぎょろりと蠢いている様はグロテスクで耐性のないポッピーは顔をしかめる。
「人型!?」
「あと少しなのに!」
「俺達の邪魔する気満々だねぇ」
「ポッピー、隠れてて!」
永夢、響、クリスが着地と共に間髪入れず攻撃を仕掛けてくるダークマター達を蹴り飛ばす。
飛彩、大我、貴利矢はなんと自ら群れの中に飛び込み、身体能力の高さを活かして翻弄し始めた。
しかし一体ずつの戦闘能力は低いものの、いかんせん数が多く、ゴールは目の前にも関わらず、無尽蔵に現れるダークマターの壁を突破できない。
加えてダークマターが活動を始めたということは、ゼロが行動を起こしていることを意味する……。
「くそっ!どけぇ!!」
「キリないよもう!」
背中合わせに拳を構える響とクリス。悪態をつきながらもその耳が捉えたのは、プロペラの音だった。
遅れてドクター達もあるはずのない音に気がつき、揃って上空を見上げる。
そこにいたのは、一台の軍用ヘリコプター。
ヘリは呆然とする一同の真上までやってくると、どこに着陸するわけでもないのにその高度を保ったまま、ハッチが開いたかと思えば……。
――――そこから人を乗せたバイクが飛び降りた。
「え、嘘!?」
敵を突き飛ばしながら、永夢は驚愕に目を奪われた。パラシュートもないしにバイクがかなりの高度から飛び降りたのだ。驚くなと言う方が無理な話である。
バイクを操る人物は、臆することなく近くのビルの屋上に降り立ち、再びそこから背の低いビルへと、何度かその行為を繰り返しながら下へと降下を続ける。
やがて地上5メートル程の小さな倉庫から完璧に地上に着地して見せた。
まるで外国のパフォーマンスを見ているようで、唖然とするドクター&ポッピー。
バイクの人物は休むことなく、今度はダークマターに向かいアクセルを切っていく。
その巧みなテクニックはビルを降下してきた時と同じく、大群の敵を前にしながらもまったく衰えない。
前線にいた十数のダークマターをすべて蹴散らして戻ってくるバイク。
すると
「立花、雪音、待たせたな!」
現れたのは、凛々しい顔立ちの少女だった。
「え、えええええええ!!か、風鳴翼ぁあああああ!!!!???」
ポッピーが出したこともないような大声で叫んだ。
『風鳴翼』……世界でその名を轟かせる超人気アーティストの一角。
(そういえば一昨日、ライブがどうのって言ってたっけ……)
響とクリスの名を知っているということは、彼女も『S.O.N.G.』なのだろうか……。
興奮気味のポッピーを抑えながら、そう永夢が疑問に思う内に二人は翼に近づいていた。
「ったく、来るなら先に連絡入れろよ、先輩」
「そ、それよりも世界ツアーはどうしたんですか、っていうかわざわざ戻ってきたんですか!?」
「次の公演まで12時間ある。それまでに間に合えばいいさ。それに、仲間の危機だというのに私が駆け付けないなど、あるわけがない」
【ガングニール】立花響、【天羽々斬】風鳴翼、【イチイバル】雪音クリス。
フィーネの野望と、その結果によるルナアタックを阻止した三人のシンフォギア装者が、ついに出揃った。
「再会の水を差すようで悪いんだけど、敵さんまだまだくるぜ?」
ダークマターはその数をさらに増やした。確かに余韻に浸らせるつもりはないらしい。
「仕方ない、先に行け研修医!」
「え、でも……」
「時間がねえっつってんだ。うちの馬鹿並にお人好しだなあんた」
「ちょっとクリスちゃん馬鹿って私のこと!?」
「ば、馬鹿じゃないです!ていうかこんなことしてる方が時間の無駄じゃないですか!」
「立花、お前も行け。ここは私達が食い止める!」
「え、でも!」
「お互い馬鹿には苦労するな」
「「馬鹿じゃないです!!」」
飛彩と翼が右を、大我とクリスが左にダークマターを引きつけ、中央に僅かながら道が生まれた。全速力なら、一気に突破することができるかもしれない。
「じゃ、送り届けるのは自分の役目ね。変身!」
『爆走バァイク!』
「一気に二速!」
『ガッチャーン!レベルアーップ!爆走・独走・激走・暴走!爆走バイクゥ!!』
そこで可能性を引き上げるのは彼の役目だ。
貴利矢は唯一のバイク形態レーザー レベル2となって永夢を呼ぶ。
「早く乗れ、永夢!」
「……わかりました。ここは任せます!!ポッピー行くよ!」
「あっ、待って待って!翼さぁあん!ずっと応援してまーーす!後でサインくださーーーーい!!!」
引っ張られながらも、翼に熱い想いを届けるポッピー。
翼は、それにトップアーティストとして最高の笑顔で応えた。
「あぁああああカッコイイーー!!!」
「もう、自分で歩いてくださいよ!」
やっとの思いで永夢が運転席、その後ろに響が乗り、さらに彼女におぶさる形でポッピーが無理やり搭乗した。
「え……あの、流石に三人は定員オーバーなんだけど」
「お願いしますバイクさん!」
「いや、バイクさんって何」
「行きましょう貴利矢さん!!」
「あの、自分の話聞いて欲しいんだけど。無理だってあーーーーーー!!!」
レーザーの主張を聞かず、永夢はアクセルオン。
一気に敵の中央突破を敢行した。少しでも前輪が浮けばバランスを崩して倒れる危険な行為なので良い子は真似しちゃいけません。
飛彩と翼は互いに目配せする。なんとなく似た雰囲気を持つ者だと感じ取った。
「俺のオペの邪魔はするな」
「防人の力、侮らないでいただきたい」
「はっ、お坊ちゃんには荷が重いだろうから、俺が手伝ってやるよ」
「じゃ、あたしは先輩の手柄横取りさせてもらうとしますか」
「「言ってろ」」
二人の下に大我とクリスも集結し、四人は100をゆうに超えるであろう軍勢を前に堂々と立った。
『タドルクエスト!』
『バンバンシューティング!』
ドクターはガシャットを、装者はシンフォギアシステムを起動し、聖唱する。
「術式レベル2」
「第2戦術」
「―――Imyuteus amenohabakiri tron」
「―――Killter Ichaival tron」
『タドル・メグル・タドル・メグル・タドルクエストー!!』
『ババンバン・バンババン!year!バン・バン・シューティング!!』
希望は託した。彼ら彼女らに、後退の選択はない……。
勢いで書いたのでおかしなところがあれば指摘お願いします。
twitter始めました←しつこい
@hi_black5826