また遅くなったよ!ごめんなさい!!!
言い訳をさせてもらうとガルパンと蟲師を一気視聴とかしてたらまた半月たっていたのです!←殴
今回も長くなったので二分割。タイトル違うけど。
永夢は聖都大学附属病院の特別個室で目を覚ます。
ひどい外傷のせいで、起き上がる際、節々が悲鳴を上げた。
しかしそんなことに気を向ける余裕はない。
なぜ自分が病室にいるのか、理由を考え、記憶を手繰る。
レベル5をもってしても手も足も出なかったゼロ。敗北の後、死を待つだけだったその時……。
「っ!!!」
逃れられない
「カービィを守れなかった……命を、救えなかった……!!」
悲泣と後悔と自責の想いが形となって、真っ白な布団を濡らしていく。
永夢の心は、信念は、砕け散っていった…………。
『……『闇』が再び拡大し始めてまる一日が経過した。ダークマターに取り憑かれた人々は皆、昏睡状態に陥っていて危険な状態だ。……最早、一刻の猶予もない。奴らが本格的に活動を再開する前に、根源を叩かなければこの国は、いや、この世界は支配されてしまう』
CRのモニター画面を通して、永夢を除くドクターライダー達と明日那、灰馬はとある人物と対面していた。
その人物に敬意を払ってか否か、灰馬は勢いよく立ち上がると、胸を張って言う。
「無論、承知しておりますとも!特に!ドクター達の先頭に立って世界救済というオペを完遂するのは!この不肖鏡灰馬の優秀な息子である……」
「親父」
「ん?」
「うるさい」
「ガーーーーン!!」
真っ白に燃え尽きた灰馬に代わり、息子の飛彩がその人物―――衛生省の衛生大臣官房審議官『日向恭太郎』へ発言する。
「お言葉ですが日向審議官。ダークマター一族の長たるゼロの力は、最大戦力であるレベル5を容易く退ける程に強大です。早急に手を打たねばならない状況であることは理解できますが、今、こちら側から仕掛けるにはあまりにもリスクが大き過ぎると思うのですが?」
それは誰もが至っていた結論だ。飛彩は、ただ当たり前の事を口にしたに過ぎない。
日向は、その反論が挙がることを想定していたのか、表情を変えずに、対する解答を述べる。
『勿論、その為の対策は既に用意してある。私の知人に、『S.O.N.G.』と繋がりのある人物がいてね。私の方から彼を通じてコンタクトを取ってもらったところ、快く協力することを約束してくれた』
「『S.O.N.G.』って、確か……」
『そうだ。超常災害対策機動部タスクフォース―――Squad of Nexus Guardians。超常的な事象に対処する組織で、ある意味君たちと似たような目的の為に組織された団体だ。ここ最近の出来事だと、魔法少女事変(アルケミックカルト)が記憶に新しい。これよりCRには『S.O.N.G.』のシンフォギア装者達と協力体制で事件解決に向かってもらう。そろそろ、そちらに使者が到着するはずだが……』
カツン、カツン。
噂をすればなんとやら……日向の言葉通り遣いの者であろう少女が一人、階段を上がって現れた。
頭と頬には包帯や絆創膏で患部を保護してあるものの、それでもサラブレッドの整った顔立ちは見る者の目を奪うには十分なクオリティだ。
堂々と立ち、少女は名乗る。
「あんた達がCRのドクターだな?雪音クリスだ。よろしくな」
「な、なんだね君は!子供がなぜこんな所にいるのだ!出ていk」
「どう考えても『S.O.N.G.』の関係者でしょうが!!」
「え、そうなのか飛彩!?」
「親父」
「ん?」
「もう喋るな」
「ガーーーーン!!」
クリスがCR面々の自由な様に呆れていると、唯一沈黙を貫いていた大我が軌道修正を図り本題を口にする。
「……それで、協力するにしても結局具体的にどうするってんだ?」
大我の周囲の人間にあまり良い印象を抱かせない一匹狼のようなぶっきらぼうな言い草に、クリスは何となく親近感を覚えながら彼に続く。
「それはあたしも聞きたい。こっちも捜索はしてるが廃病院でドンパチやられて以来、一向に手がかりがなくてな」
ゼロが日本国内の何処かに潜伏している可能性は極めて高い。恐らく何らかの小細工を施し地球技術での追跡を封じているのだろう。
つまり、このまま敵の潜伏先が掴めない場合、絶対に後手に回ることになる。かといって闇雲に捜していては、仮に居場所を突き止めたとしても時間と労力が割に合わない。
そして、次にダークマター達が動きを見せた時は恐らく……本気で世界を支配する為の準備を整えてしまっているだろう。
そうなれば完全に詰み。ジ・エンドだ。
人類は勝利の為の絶対条件として、敵の先手を取る必要に迫られた……。
『申し訳ない。まだこちらもダークマターの所在は掴めていないのだ。現在進行で『S.O.N.G.』と共に全力で情報を収集している』
しかし、頼みの綱である衛生省も『S.O.N.G.』も、目的を果たせず立ち往生している。
言葉のままに、崖っぷちだった。
「分かりました。それでは俺達の方でも、微力ながら捜索を始めさせてもらっても構いませんか?」
『ああ。よろしく頼む。本来であれば、ドクター諸君には傷が癒えるまで安静にしておいてもらいたかったのだが』
「気にしなくて下さいよ日向審議官。そこら辺の奴よか、頑丈に出来てるんで」
『うむ。貴利矢君、雪音君達との仲介役を買って出てくれた件は本当に感謝しているよ。それでは諸君、よろしく頼む』
それから面々は各々行動を始めるべく、CRを出て行った。
『ポッピー』
「はい?」
各々がCRから出て行った後、寂しくなったCRで、日向は部下である明日那に話を切り出した。
『永夢は、どうしている?』
その質問は、彼自身にとっても明日那にとっても辛い。
明日那の表情は見る見る陰を作る。それだけで、今の永夢の状態を察するには十分だった。
『永夢はドクターを志してから今日に至るまでの中、実際に命の灯火が消える様を見たのはこれが初めてだろう。純粋で正義感に溢れた彼にとって、カービィの命を救えなかったショックの大きさは想像に難くない。しかしドクターである以上、いつまでも同じ場所に立ち止まることは許されない』
しかし日向の予想に反し、明日那―――ポッピーピポパポの表情は明るかった。
「大丈夫ですよ。永夢はきっと立ち上がります。だって永夢は、天才ゲーマーで、そしてドクターですから!」
それは、永夢を心から信じていることの証。
かつてドクターとして永夢の命を救い、彼がドクターを志す道しるべを作った日向。
彼は知っている。宝生永夢はここで終わるような弱い人間ではないことを。だから彼も、信じることにした……。
飛彩と大我と貴利矢は、初めてダークマターと邂逅した現場に足を運んでいた。
何か重要な痕跡が残されていないか、調査をするためだ。
「研修医は立ち直ると思うか?」
唐突に、飛彩は大我に向けてらしくない質問を投げかけた。
「はぁ?知るかよ……ってか、お前がエグゼイドの心配をするとはな。昨日の戦闘で頭のネジがどっか飛んじまったのか?」
「俺は至って正常だ。心配などしているつもりはない。今は一人でも多くの人手が必要な状況だ。仮にも奴は仮面ライダー、貴重な戦力だからな。こんなところで脱落されては困ると思っただけだ」
大我の軽口に対し不機嫌そうに返す。
「……ドクターってのは、命が消えていくのを誰よりも近く、そして多く見なきゃならねえ仕事だ。これで心が折れるようなら、所詮その程度の奴だったってだけだろ」
「無免許医のお前がドクターを語るとはな」
「忘れたか?俺も五年前はドクターだったんだぜ?」
飛彩にとって大我は忘れようにも忘れることのできない、ある意味での敵であった。
彼の恋人・小姫は五年前、バグスターウイルスに感染し、そして命を落とした。
そんな彼女のオペを担当したのが、かつてCRのドクターだった大我なのだ。
「俺が小姫を救えなかったドクターを、忘れるものか!」
しかし大我はバグスターを倒せなかった。小姫に感染したグラファイトバグスターは当時のプロトガシャットでは手に負えない程に強過ぎた。
しかしだからといって飛彩は納得しなかったし、大我もあの出来事は自身の人生の大きな転換期だった。
その後、飛彩は渡米し失敗しない天才外科医に、大我は免許を剥奪され無免許医となり、二人のドクターはそれぞれの道を歩み始め、そして現在、交わった。
無言の睨み合いが続くが、決して手を出すことはない。ただの言い合いで感情的になったならば、それこそドクターとして永夢のことを言えなくなるだろう。
永夢が今、ドクターとして大きな岐路に立たされていることを理解しているから。
「まあ、あいつがどんな選択をするかなんて、俺達が考えることじゃねえだろ。俺としてはここで脱落してくれるんなら大助かりだがな」
そう笑って、大我は飛彩に背を向ける。
「研修医の選択、か……」
飛彩はポツリと呟いてから、反対方向へ歩き出した。
すると、珍しく黙って二人のやり取りを傍聴していた貴利矢が最後に言う。
「名人のことが心配なら素直にそう言えばいいのに」
「バカを言うな!ありえん!!」「監察医は黙って監察でもしてろ!!」
それからは全員無言のまま、街の探索を続けた……。
どうでもいい報告すると超スーパーヒーロー大戦観ました。
チームエグゼイドのやりとりに館内でずっとクスクス笑っていました。