兎に優しいIS世界   作:R.H.N

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やっとこさの投稿です。

こんなに遅れてしまい待たせた方々には誠に申し訳ございません。

久方ぶりの投稿です

今話でとうとう・・・・・・と言ったところでしょうか。

多少展開に無理がある気がしないでもないですが、とにかく兎に優しいIS世界、更新停止状態からやっとの復帰でございます。

ではあまり進んではいませんが本編の方をどうぞ。



大会会場の片隅で・・・

~side千冬~

 

 

 

「ハロルド首相、いったい何があったんです?」

 

 

正晴がいきなりどこかへと去っていったあの後、私は急いで拘束されているハロルド首相を拘束している人物を引き離して開放し、他の人から離れたところに移って急いで事情を聴いていた。

 

 

 

 

 

 

「それが・・・私もさっき気づいたんだが・・・・・じつは決勝戦までにいつの間にか、オーレンドルフが偽物とすり替わっていたんだよ…」

 

 

 

「偽物!?じゃああの決勝戦実況は完全に偽物が行っていたということで?」

 

 

「突然湧いて出たジジイ口調がなければ偽物と判断するのは無理なほどに見た目も声もそっくりだった・・・、私も完全に油断していたよ、本物はどこかしらの休憩タイミングからずっとあのまんま、ってところだ。」

 

 

 

「ん?ちょっと待って、じゃあさっき正晴さんがどっかいったのって!」

 

 

「・・・・しまった!、束と正晴がいないのは偽物に・・・!」

 

 

一夏の一言で私はまずいことになったことを今更悟った、多分だが、束は偽物のオーレンドルフ首相におびき寄せられたのだ、正晴はそれに気づき一人で・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・大丈夫だよ、ちーちゃん」

 

 

「戻ったぞ千冬、とんでもない同行者が出来ちまったがな」

 

 

「束!正晴!」

 

 

 

「どこ行ってたのふた・・・ちふーがもう一人!?」

 

 

「千冬姉が増殖したあ!?」

 

 

言葉を続けようとした処で遮るかのように戻ってきた二人だったが、二人を心配したことだとか、どこに行っていただとかの疑問だとかは、束に抱きかかえられている私そっくりの少女によって全部吹っ飛んでしまった、当たり前だが一夏達も驚きのあまりその場で固まっている。

 

 

 

「・・・・・・ふぁぁ、なんだね、そこの皆一様に驚いて・・・千冬嬢が二人いる!?」

 

「あ、オーレンドルフ!キサマいつからのうのうと寝転んでいやがった!」

 

「いつからって?大会は今日の・・・今トーナメントはどのくらいまで進んでいる?」

 

「お前まさか最初から・・・ッ!」

 

「両人とも、その話は後にしてください、それにしても二人とも何処にいってたの?」

 

 

今更起きたオーレンドルフ首相と、ハロルド首相が話をしてる間に二人から事情を聞き出す。

 

「私はちょっと偽物に呼ばれてアリーナ中央へね・・・そこで偽物と話をしてたんだ」

 

「私は事が終わった後に追い付いたから、コレから話すことは、束からの伝え聞きだが・・・その子はその人物が保護していた子らしい」

 

 

二人から事情を聞くに辺り、当然ながら私そっくりの少女の話に移るのだが、その話は、私に衝撃を与えるには、あまりに十分すぎるものだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にわかには信じがたいが、一夏くんの双子の姉で、千冬、君の妹さんなんだそうだ」

 

 

 

 

その一言でまずその場が沈黙した。

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

束と正晴を除いたこの場の人物全員(私も含む)が、呆然としながらこの一言を呟いた。

 

 

 

私の妹?、一夏以外に血の繋がった家族がいなかった私に、いきなり降って沸いて出た妹の存在。

 

 

幼い頃に私と一夏を捨てた両親ならばともかく、私に妹がいたなんて事は全く身に覚えがない。

 

しかし、目の前の少女は少なくとも私と姉妹かと言われたら誰もが頷くであろう程にそっくりであり、体格から見れば一夏の双子の姉と言うより明らかに一夏の妹に見える事を除けば、私とこの少女に血の繋がりがあるであろうとは簡単に予測が付く。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ちーちゃん?、・・・完全に固まってるね」

 

 

 

 

・・・・・・なんと反応すれば良いのか、まさかこんなタイミングでこんな出会いが起きるとは夢にも思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも急すぎて思考がフリーズする、だが直後にもっと衝撃的な出会いがサプライズプレゼントかのように襲い掛かって来るのである・・・。

 

 

 

 

 

-side out-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side 束~

 

 

 

 

 

 

「・・・完全にちーちゃんといっくんが固まってるよー、はるるん、コレどうしよう?」

 

 

「どうしよう?って言われてもなぁ・・・早いとこ我に返させるか無理矢理連れていくかしないと・・・」

 

 

やっぱりと言うかなんと言うか、ちーちゃん達にマドカちゃんの話をしたら完全に固まっちゃった・・・移動しながら事の経緯を説明したはるるんはむしろ自分と同じ名字の人物が偽物の正体だったことに驚いていたけど、はるるんは「村ノ瀬 正成」と言う人物は知らなかった、自分の先祖に同名の人物がいるかもしれないが、ともいってたけど。

 

 

「・・・んでどうするの?まさかこのままちふーをほったらかしにするわけにもいかないでしょうし、オーレンドルフさんが運ばれてきた担架でも使う?」

 

「どうしよっかな、こう言うときのために鍛え上げた私ならマドカちゃんといっくんを担いで運ぶ位なら余裕だけど、ちーちゃんも固まってる訳だし・・・」

 

「その子はマドカって言うのか・・・ブリュンヒルデの妹と聞いただけで変な期待をしてしまうのは俺だけか?」

 

「安心しろ、私もだ」

 

マドカちゃんの名前を出したことに二人の首相が反応する、まぁ確かにちーちゃんの妹だからそういう期待したくなるのはわかるけど・・・

 

 

「千冬を担架で運ぶか?」

 

「そうしよっかな?」

 

結局オーレンドルフさんが載ってた担架を使うことで固まってるちーちゃんたちをどうにか運び出す算段がついたのだけど、この時、状況をすっかり忘れさせる出来事がすぐに起きるとは、流石の私も予想のしようが無かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏ああぁぁぁぁァァァァァ!!、千冬ううぅぅぅぅゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 

 

「そこを、退けェェェェェェェェ!」

 

 

 

「うっわあっぶなっ!」

 

 

 

突然遠くから叫び声がしたかと思うと、私とはるるんの目の前を二人の人物が物凄いスピードで通過していった。

 

そしてその直後、

 

 

「一夏!千冬!一夏千冬ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!一夏千冬一夏ぅううぁわぁああああ!!! ぶじでよがっだぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

「円香!円香!円香!円香ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!円香円香円香ぅううぁわぁああああ!!!やっど会えだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

女性の方が固まってるちーちゃんといっくんを無理矢理抱き締めて脇目も降らず大泣きしながら叫び、男性の方も男性の方で、私からあっという間にマドカちゃんを奪い取るとマドカちゃんを抱き締めながら泣きじゃくり始めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ふぁにふぉすふるぅ!」

 

 

「いきふぁりどうふぁってんふぁこふぇ!」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・うわぁ」

 

固まってた二人はいきなりの出来事に我に返るも、女の人にもみくちゃにされているし、マドカちゃんは目を覚ましてしまったけど目の前の男の人迫力に圧されて何も言えずにいるし・・・ってか二人とも、二人とも高身長かつ結構白髪が混じってるってだけで見た目はちーちゃんといっくんにコレまたそっくりだし・・・・・・。

 

 

「なぁ束、あの二人、もしかして・・・・・・」

 

「・・・だよね?絶対そうですよね?あの二人ちふー姉弟の・・・ですよね?」

 

「・・・・・・だと思う」

 

「なんと言うか、ここまで来るとクレイジーさを感じるな」

 

「また胃がいたくなりそうだ・・・・・・」

 

 

色々と言いたくなることが出てきたが、大の大人が目の前で見せる恥ずかしい光景を見て取り敢えず落ち着いた私達、ちーちゃん達は相変わらず二人にもみくちゃにされてるが、多分あの二人がちーちゃん達の両親なのだろう、胃を痛めるオーレンドルフ氏にしろクレイジーと言い放つハロルド首相にしろ私にしろ、その事はこの場にいた全員が確信した事だった。

 

 

「束!正晴!取り敢えずみんな無事か!?」

 

「義照さん!いらしてたんですね」

 

「よっしーがどうしてここに?」

 

「クッソ冷静だなオイ」

 

「正直あの二人を見ると、我々は焦ってるのがバカらしくなってね・・・・・・」

 

 

私達が冷静にあの光景を見つめていたら、よっしーがやって来た。

 

衝撃的な光景を見て冷静でいられる私達に真っ先に疑問を呈したが、オーレンドルフさんの一言がその答えの全てを物語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・取り敢えず、あの二人を落ち着かせて状況を整理するのが優先かなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

-side out-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、しばらく前に篠ノ瀬製作所を飛び出した白騎士は、一路ドイツへ直行し、有人飛行では到底出せないであろう恐ろしい速度でもって、まもなくモンド・グロッソの会場に到着するかといったところまで迫っていた。

 

 

そして何よりも、その身を流星のように光らせ突き進む白騎士には、ある1つの大きな変化が起こっていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくて、日の本を救いし白き騎士は、その身を流星とし遥か西洋、ドイツのその地に再び舞い降りる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

~続く~


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