バミューダ諸島沖のとある地点、戦艦《グナイゼナウ》艦上。
「おう、ウォーダン、お疲れさん、」
「そっちもお疲れさんだな、解析どうなっている?」
「・・・やっぱりというかなんか、コアは完全にブラックボックスだな、この俺をもってしてもそんな有り様だ。」
「そうか・・・・・・お前でも無理だとすれば後は、
千冬達を安置した後、グナイゼナウ艦上では二人の男が白騎士の真ん前で話をしていた。
その二人は、ウォーダンと呼ばれている男と、見た目が正晴に酷似している科学者の男で、どうやら《白騎士》のコアを調査していたが、碌な結果にならなかったらしい。
「それにしても、ブリュンヒルデ撃墜とかあんなアカンことして大丈夫だったのか?」
「無茶苦茶染みてはいるが、これで当初の目的は達成されるだろうからな、」
「《現在と未来は過去をねじ曲げる事が出来るが、過去は現在と未来を傍観することしか出来ない》か、お前が昔発言したんだっけ?」
「そ、せっかくこんな形で
「でもお前、
「そ・・・それはノーカンでお願いしてくれ……(汗)」
ウォーダンと呼ばれた男は科学者の指摘に滝汗を流しつつも、直ぐに立ち直って話を続けた。
「なぁ、
「現実は非常である、誰も気がつかずただの怪事件扱いで終了と見る」
「辛辣だなおい!?」
「おめーのやり方が回りくどい+やり方が無茶苦茶すぎるんだよ!!、第三者的に説明しようとしたら荒唐無稽な事実が多過ぎて誰も信じねぇよこんなの!!」
「《お前のネームバリュー使えば楽勝じゃね?》とかほざいて俺にこの作戦決行させたのお前だろ!!」
「だーれがこんな無茶苦茶な事考えるんだバカヤロウ!!生前のお前が荒唐無稽過ぎることリアルでやらかしたからって、ISを艦砲射撃で落とすのと戦艦に射撃当てるのじゃあ難易度は天と地ほどの差があるんだぞ!!」
「両方ともどこかしら一ヶ所にピンポイントで連続命中させるってだけだから難易度は元が高すぎるだけで一緒だわボケ!」
「ISは空飛んでただろーが!!、ジェット戦闘機を徹甲弾装填した戦艦大和の主砲で打ち落とすのと同じくらいムリゲーだわアホ!」
「「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!!!」」
二隻の船は、相変わらずバミューダ諸島へと向かっているのだが、その甲板上では、この後も、暫くの間、二人の男の下らない罵倒合戦が続くのであった・・・
「え?なんですって!?ブリュンヒルデがバミューダ諸島で消息を絶った!?どういう事よ!!」
一方その頃、白騎士が行方不明になって大慌ての日本国、在日米軍の伝達ミスにより真っ先に事態を知った統合幕僚総長の純香、大慌てで喚き散らす彼女と相対的に、凄まじく気楽な状態で事の流れを聞く重造、自衛隊のトップと海上自衛隊の艦隊司令との温度差に周囲は困惑する。
「重造!あなたも少しは焦りなさいよ!!」
「まぁまぁ落ち着け統合幕僚総長、少し落ち着け、大体あのブリュンヒルデがそう簡単にやられるような奴じゃないのは、モンド・グロッソで一戦交えてるから知ってるだろう?」
「うぐっ・・・・・・確かにそうだけど・・・」
「それに・・・・・・バミューダってことは俺の予測が正しければ
「アイツ?、誰のこと?」
「直にアイツから電話来ると思うから、バミューダでマスコミに追われてるって」
「マスコミ?追われてる?あっ、ふーん(察し)」
そんなこんなで時が過ぎ、シャルンホルストとグナイゼナウはバミューダ諸島はバミューダ島、この二隻はバミューダ諸島を含めた周辺海域一帯に立ち込める霧を利用してバレること無くバミューダ島外れの岸部にやって来れていた。
「・・・はぁ、全く、シャルンやグナウ、私を含めた全部が
「あー、バミューダって近海は岩礁や浅瀬が多いから、船が岩礁に接触したり衝突したりで沈没事故が起きやすい場所となっているんだったな」
「そうそう、バミューダ・トライアングルはパチの伝説だが、バミューダ諸島が船舶交通における難所なのは史実なんだよなぁ、っと、ここいらへんで良いか」
ウォーダンともう1人の男は、バミューダ島の岸辺に千冬達を安置し、ゆっくりと寝かしつける。
その寝顔は皆一様にしてやけに安らかで、幸せそうな物であった。
「さて、我々も
「そうだな、
「さて、もしも次世があるならば、あの二隻と再び、相見える事を願うか」
もう1人の男が告げる、どうやらもう1人の男はウォーダンの親友のようだ、
「シャルン!錨を上げろ!
「グナウ!我々も出発だ!!・・・
「「そして最後に、そこの漢よ、彼女達の後事を託す、さらばよ!」」
ウォーダンと呼ばれた男ともう1人の男は、シャルンホルストとグナイゼナウへ分乗し、バミューダの海を颯爽と去って行く・・・
「・・・あの船、それに乗っていた二人の男・・・・・・マスコミから逃げ回っていたら、誰だかは解らんが、いつのまにかすごい人物と遭遇してたみたいだなぁ」
「っと、取り会えず千冬達を・・・・・・って、良い寝顔してやがる・・・・・・」
二人の男に千冬達の事を託されたのは、ジブラルタルから遥々此処バミューダまで逃げてきていた日本国元首相、槇田義照であった・・・・・・
「・・・しかし、こうも良い寝顔をしているとリア充爆発しろ的な意味でイタズラしたくなるな・・・・・・確か千冬の白騎士の荷物入れが拡張されてた筈、何か良いのは・・・・・・お?」
・・・槇田が何かを見つけて数十分後・・・・・・
(こち亀のオチのBGM♪)
「・・・・・・で、俺に助けを求めたと、バッカじゃねえのwwwwwwwwwwww」
「だってさホントに良い寝顔してたんだぜ、こっちは追っかけから逃げるのに必死こいて、丸5日も飲ます食わずの寝ずなのにさ!、だからむしゃくしゃしてやった、反省はしているが後悔はしていない」
「だからって寝顔にそのピンポイントな落書きはねえだろwwwwwwww自業自得だわwwwwwwwwワロスwwww」
「重造、スピーカーで聞こえてるんだけど、一連の話、」
「ま゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁて゛ぇ゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「束!いい加減レールガンを使わせろ!!あのバカに一発ぶちかまさないと気が済まん!!」
「ちーちゃん落ち着いて!私もよっしーを一度ボコボコにしないと気が済まないけど、ちーちゃんのそれは巻き添え出たら大変なことになるから!!」
「おのれ元首相・・・ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
「あなたって人はぁぁぁぁぁぁ!!」
「こりゃあ凄い画だ!生中継と録画絶やすなよ!」
「此処までひどい逃走劇は見たこと無いぞwwww」
槇田元首相は追いかけられていた、千冬達にである。
原因は簡単、この元首相、ぐっすりすやすや寝ている千冬達の寝顔にムダに綺麗な字で落書きをしたのである。
それも油性ペンで。
寝顔にそれぞれ
千冬「ズボラ13」
束「むらさき、う☆さ☆ぎ!」
みとり「貧乳は(ry」
正晴「リア充」(大文字)
行信「ヤムチャしやがって・・・」(寝てた時の体勢のせい)
と書かれ、起きたと同時に槇田を追いかけて来たパパラッチのカメラの餌食に・・・・・・
キレない理由がない、それでもって今に至るのである。
「重造!出来ればでいいから助けて!!あれ全部のお仕置き食らったらマジで死ぬ!特に千冬さんの!!」
「こうなるのは予測できてただろwwwwwwwwダイジョーブダイジョーブ、科学ノ進歩、発展ニ犠牲ハツキモノデース」
「ちょwwwwダ○ジョーブ博士wwwwwwww」
「いまだ!取り押さえろ!!」
「あっちょっまっ、謀ったな!重造!!」
(ムンズッ)
「覚悟は良いよね?よっしー?」
「何をがたがた震えているんだ?もうすでにOHANASHIとOSHIOKIの準備は終えているぞ?」
「小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?」
「もしもし?私みとりちゃん、いまあなたの後ろにいるの?」
「ユルサナイ・・・・・・ユルサナイ・・・・・・」
「ちくしょおおおおおお!!パパラッチなんて、 大っ嫌いだぁーー!!!ぴょげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
槇田がボコボコにされ、ぼろ雑巾のごとき状況で日本に連れてかれたのは、それからそう遠くない時間のことであった・・・・・・
~続く~
本話は全編シリアスに纏めるつもりだったのに、どうしてこうなった。