九天の王となった操炎者   作:【時己之千龍】龍時

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第03話 戦いの毎日

 

 (レン)がラカンを騎士(下僕)にしてから随分と経った。ラカンはやっと自由になったが長く紅き翼といたため、いつしかその仲間に入っていた。

 

 そしてグレートブリッジ奪還作戦というのがはじまった。

 

 大戦では大規模な戦いで、かなりの大きさの拠点だ。実際のところ、かなりの高さから見ているというのに凄く長い。全長約300キロとふざけ気味な規模を持つ要塞だ。それをヘラス帝国は実験すらも済んでいない大規模転移魔法の実践投入でグレートブリッジを奪い、紅き翼と龍燕(シエン)達はそれを奪還するのだ。

 

 そして紅き翼及び龍燕(シエン)達は楽勝だというのように、戦いはすぐに成功に終わった。

 

 この戦いの後、少ししてガトウという男とタカミチという少年が紅き翼の仲間に加わった。

 

 龍燕(シエン)達の噂も広がり、あだ名がついた。

 

 龍燕(シエン)は『真紅の繰炎』『炎髪灼眼の瞬撃者』『九天の王』など。

 

 (アカツキ)は『重力少女』など。

 

 (レン)は『錬金少女』など。

 

 また、九天(クテン)がこの戦いで50頁を越し、二人の騎士が生まれた。

 

 九天(クテン)の守護騎士、緋李(ヒイリ)朱李(シュリ)だ。二人は双子の様な感じで非常に連携が得意。また能力は二人共炎を操る。

 

九天(クテン)の王よ。我ら九天(クテン)の守護騎士が一人、緋李(ヒイリ)

「同じく、朱李(シュリ)

「「我ら、九天(クテン)の王に尽くします」」

 

 二人は息を合わせて言った。

 

「よろしく。緋李(ヒイリ)朱李(シュリ)

 

 龍燕(シエン)は二人の頭を撫でながら言い返した。

 

 

 

 

 九天(クテン)の書の管制人格は主と融合することができること。融合することで自分の能力を向上させることができる。

 

 九天(クテン)の守護騎士はそれぞれ九人いて、それぞれが色にあった能力を持っていること。また守護騎士達は精神力を自己生成する事ができる。

 

 今回の更新でこれらがわかった。

 

 

 

 

 ある日、紅き翼はガトウにウェスペルタティア王国の首都にまで呼び出された。

 

「ガトウ。わざわざ本国首都にまで呼び出して」

「会って欲しい人が居る。協力者だ」

「ほう。というと、結構な立場の者か」

 

 本国の首都じゃないと来れない人というと、結構な立場の人しかいないだろう。

 

「そうだ」

 

 声のした方を向くと、そこには特徴的な髪型をしたおっさんが居た。

 

「ほう。マクギル元老議員、か」

「いや、会って欲しい方はわしではない。主賓はあちらにおられる、ウェスペルタティア王国……アリカ王女様だ」

 

 その後色々と話しをした。

 

 

 

 

 アリカ王女と会ってから数日後。紅き翼は休暇に入り、ナギやラカンは調査より肉体派なので他の、ガトウや詠春(エイシュン)達が調査をすることになった。

 

 龍燕(シエン)は調査が苦手ではないのだが、九天(クテン)の守護騎士達が調査に向かないためだ。

 

 休暇の間は龍燕(シエン)自ら守護騎士の緋李(ヒイリ)朱李(シュリ)に剣術を教えた。二人の使う武器は剣なので、剣術の使える龍燕が教えているのだ。

 

 鍛練を終え、このあとどうするかと考えながら歩いていると突然地震が発生し、心配になった龍燕は、急いで拠点に戻る。するとナギが詠春(エイシュン)にビシビシと怒られていた。

 

 何でも……一晩中姫様を連れ回して、遊び半分で敵の基地を潰したのだそうだ。どんな危険な夜遊びだと龍燕(シエン)は思った。

 

 

 

 

 

 休暇も残り少しだなと龍燕(シエン)達は部屋でくつろいでいると、いきなり侵入してきた大勢の敵に捕まえられそうになったため、返り討ちにしてやった。

 

「昨日まで英雄だったのが一転して反逆者か……」

「主、我等は最後まで主の傍にいます」

 

 九天(クテン)の守護騎士を代表して神威(カムイ)龍燕(シエン)に言った。

 

「ありがとう」

 

 その後、戦いながら紅き翼と合流しようとすぐに動いた。この移動中に九天(クテン)の守護騎士は皆揃った。

 

 九天(クテン)の王と紅き翼は、アリカ姫の救出のために、夜の迷宮へと襲撃を仕掛けた。

 

 最上部の部屋に捉えられていたのだが、そこまでは入り組んだ階を何度も繰り返し進み、上へ上へと普通なら行くが、そんなゲームのようにまじめに進むはずなく、天井をぶち破り、壁をぶち破りとほとんど直進に進んだ。

 

 アリカ姫を助けた後、九天(クテン)の転移で追跡される事なく紅き翼の秘密基地へ移動した。

 

「なんだ、これが噂の紅き翼の『秘密基地』か。どんなところかと思えば……掘っ立て小屋ではないか」

 

 アリカ姫は秘密基地を見て簡単に感想を述べ、溜め息をついた。

 

「俺ら逃亡者に何期待してんだ、このジャリは」

 

 ラカンが額に青筋を立てながら言う。

 

「何だ貴様!無礼であろう!」

「へっへ~ん!あいにくとヘラスの貴族に貸しはあっても借りはないんでね!」

「何ぃ!?貴様何者だ!」

 

 こいつらはガキかと龍燕(シエン)は二人の言い合いに溜め息をついてしまった。

 

 龍燕(シエン)は二人から視線を外し、ガトウに向けた。

 

「あのやけに元気な少女が……」

「ええ、ヘラス帝国第三皇女ですね。アリカ姫と交渉の為、出向いたところを一緒に敵組織に捕縛されていたのです」

 

 龍燕(シエン)はそうかと言ってアリカ姫を見た。以前見た時とだいぶ違う感じが凄くした。

 

「さーて姫さん。助けてやったはいいけど、こっからは大変だぜ?連合にも帝国にも……あんたの国にも信用できる味方はいねぇ」

「恐れながら事実です、王女殿下。殿下のオスティアも似たような状況で……最新の調査ではオスティアの上層部が最も『黒い』……という可能性さえ上がっています」

 

 ナギの言葉に続き、ガトウが言った。

 

「やはりそうか……我が騎士よ」

「だぁら、その『我が騎士』って何だよ!姫さん!?クラスでいったら俺は魔法使いだぜ?」

「もう連合の兵ではないのじゃろ?ならば主は最早私のものじゃ」

「な……」

 

 アリカ姫は勝手に近い言葉でナギに言う。

 

「連合に帝国…そして我がオスティア。世界全てが我らの敵という訳じゃな」

 

 常識的に考えて勝ち目はない。

 

 相手は数千数万。対するこちらはたったの、紅き翼7人に龍燕(シエン)側は13人。内タカミチには戦闘力はあまりない。九天(クテン)神威(カムイ)も支援程度。実質的な戦闘メンバーは18人。

 

「じゃが…主と主の『紅き翼』は無敵なのじゃろ?それに九天(クテン)の王とその騎士達もいる」

 

 一瞬ナギが呆けたような顔をして、その後ろに居るラカンは無敵という言葉に反応している。九天(クテン)の王、龍燕(シエン)も負ける気はほとんどない。

 

「世界全てが敵――――よいではないか。こちらの兵はたったの、合わせ20だが、最強の20人じゃ」

 

 宣言するようにアリカ姫は強い意思を込め、言った。

 

「ならば我等が世界を救おう。我が騎士ナギよ、我が盾となり、剣となれ」

 

 その言葉に、ナギは驚いた表情を浮かべる。

 

「……へっ。だから俺は魔法使いだっつーのに……。やれやれ、相変わらずおっかねぇ姫さんだぜ」

 

 ナギはすぐに勝気で獰猛な笑みを見せた。

 

「いいぜ、俺の杖と翼。あんたに預けよう」

 

 夕焼けの中。ナギは忠誠なる騎士のように、アリカ姫の足元に跪いた。

 

 

 

 

 


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