九天の王となった操炎者   作:【時己之千龍】龍時

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第13話 歓迎の宴

 龍燕は教員であるため、朝の5時頃に起床する。その後軽く朝の鍛練、朝食、着替えをすませて向かう。

 

 

─学園長室

 

「おはようございます」

「うむ、おはよう龍燕君」

 

 龍燕は学園長と挨拶を交わし入る。

 

「龍燕君、今日の夕刻頃に世界樹の前に来てくれるかの」

「世界樹…はあの大きな木の事でしたね?」

 

 学園長はうむと頷く。

 

「わかりました。時間は大体5時頃でいいですか?」

「構わぬ。今日は夜の警備員達と顔合わせくらいだからの」

「わかりました」

 

 龍燕は一礼し、学園長室を出た。

 

「ええと、今は…8時過ぎか」

 

 龍燕は教室へ向かった。教室に着いた龍燕は時間を再度確認する。

 

「うむ、丁度よい時間だな」

 

 時間は8時26分を指し、朝の号令にも丁度よい時間だろう。

 

 教室に入ると、生徒は皆揃っていたがネギがいなかった。

 

「あれ?ネギがいないな」

「あ、龍燕先生!おはようございます!」

 

 気づいた生徒が龍燕に挨拶し、続き皆が挨拶をしてきた。

 

「おはよう。ネギはまだのようだな。ん、雪広と明日菜と近衛がまだか」

 

 龍燕は気配と目で確認しながら窓辺に移動する。

 

「「龍燕先生!」」

「ん、鳴滝姉妹か。どうした」

 

 鳴滝姉妹は交互に言ってきた。

 

「龍燕先生は」

「飲み物は何が好きですか?」

「飲み物?お茶が好きだが」

 

 二人はそうですかと席に戻って行った。

 

 すると教室の引き戸が開き、雪広と明日菜と近衛が急いで入り、席に着いた。その後にネギが教室へ入ってきた。

 

「おはようございます」

「おはよう」

 

 その後簡単な号令をすませ、授業が始まった。

 

 

 

 

 

 放課後。授業が全て終わり、エヴァの家に帰る途中に龍燕は茶々丸とエヴァに声を掛けられた。

 

「エヴァか」

「ああ。あのクラスの連中に頼まれてな、お前を迎えにきた」

「迎え?」

 

 龍燕は首を傾げる。

 

「話しによれば、お前とネギの歓迎会だそうだ」

「歓迎会?そうか。そういうのは初めてだ。わかった」

 

 龍燕はエヴァに案内された。

 

 

 

 

「ようこそ!」

「「「「「龍燕先生」」」」」

「「「「「ネギ先生」」」」」

 

 ネギと合流した龍燕が戸を開くと同時に歓迎された。

 

 机を合わせ長方形に伸ばし、上には飲み物やお菓子が沢山載せられていた。

 

 生徒の他にも高畑先生も席に座っていた。

 

 龍燕とネギは中央の席に案内された。

 

「龍燕先生」

「どうぞ」

 

 鳴滝姉妹からお茶を渡され、龍燕は受け取った。

 

「有難う」

「あのね。お茶っていろいろと」

「種類があるから飲み比べてね」

 

 見ると色々な種類のお茶が龍燕の前に置かれていた。

 

「凄いですね」

 

 ネギ先生が色々なお茶を見て驚く。

 

「色々あるな」

 

 暫くすると2―Aにいる部活所属の生徒が順に動いた。その中でも龍燕は超と古菲の組み手に興味を惹かれた。

 

「それは何だ」

「中国武術ネ」

「ほう。武術か」

 

 二人は組み手が終わると一礼した。皆から拍手されると、古菲は龍燕に言った。

 

「龍燕先生は何か武術をやっているアルカ」

 

 龍燕は頷く。

 

「ああ。俺の家系に代々伝わる流儀で、眞炎流って言うんだ。眞炎流は色々な種類があるが、俺はその内剣術と体術を曾祖父に学んだ」

「強いアルカ」

 

 古菲は目を輝かせて言う。皆も興味があるのか、皆の視線が龍燕に向けられる。

 

「そうだな。比べるものがあれば…」

「なら先生、勝負アル!」

 

 その言葉に高畑先生は驚いたが、生徒側は盛り上がった。エヴァも興味ありそうに龍燕を見ている。

 

「しょ、勝負?……ええと、高畑先生?」

 

 龍燕は高畑先生の方を見る。

 

「室内ではやめてくれよ」

 

 止めに入ると思いきや室内ではするなと言われ、龍燕は予想外な返答に思考が遅れた。

 

「高畑先生の許しが出たから広場行こ」

「そうね。皆!急遽場所移動するよ!」

 

 会場を変える為、簡単に掃除をし始めた。

 

 龍燕は今更先程言った自分の返答に誤ったなと思った。

 

「どうするの」

 

 明日菜がコソッと龍燕に言う。

 

「返答を確実に誤ったな。まぁ加減してやるよ」

「…そう」

 

 ちなみに、明日菜が龍燕の養子なのは秘密にしている。といっても家名が同じなのだが全くその質問等がない。確実に学園内で知っているのは高畑先生と学院長くらいだ。

 

 あらかた掃除が終わると中国武術研究会の組み手用の広場に行く事になった。その広場を見ると、以外にも広く、動きやすい広場だった。

 

 龍燕と古菲は広場の中央、少し距離を持って立った。生徒達は応援席で見ている。

 

「よろしくお願いしますアル!」

「よろしくお願いします」

 

 お互い礼をして構え、超の合図を待つ。

 

「じゃ………始め!」

 

 古菲は龍燕に向け、走り出した。

 

 

 

 

 

 


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