アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第八話 白銀君強化計画

 こんにちは 沙霧真由です。

 今、二〇七訓練小隊の皆さんは南の島でバカンス中。ジャングルで総合技術評価演習です。

 白銀君は蛇に噛まれてブッ倒れている頃でしょうか? 毒消し渡す誘惑断ち切るのに苦労しましたよ。

 白銀君のお荷物ながらも必死に目標にくらいつこうとする姿って、女として見るとかなりクるものがあるんですよね。訓練場の彼を見ているだけでもそうだから、二〇七訓練小隊の皆さんはこのうえなくカッコいい白銀君を目の当たりにすることでしょう。

 

 さて、私は一人白銀君から借りっぱなしのゲームガイで遊んでいます。

 ゲーム機は麻薬。おはじきやあやとりで遊ぶこの世界の人達に与えてはゲーム廃人にしてしまいます。実際原作でなりましたしね。

 とは言え、私が遊ぶといっても私の脳の処理速度は人間よりはるかに速いので普通に遊んではあっというまに終わってしまいます。オープニングからラスボス撃破までノーミスノーセーブでクリアしました。

 

 なので、これを基にXM3を作って遊んでいるのです。

 しかし実際作ってみると、ゲームガイの実物があると圧倒的に楽ですよね。オルタの白銀君も持って行って夕呼さんにプレゼントしてあげればよかったのに。

 ゲームガイの実物がある上に科学力チートの私が作るシロモノなので原作をはるかに超えたXM3になっちゃいそうです。

 さて、これくらいにしましょうか。どうせ超一流衛士の戦術機機動データがなけりゃ完成しないし、河崎重工との交渉もありますしね。

 

 あと夕呼さんはじめ、技術部の皆さんの絶望感がハンパなくて、ポッキン折れちゃいそうです。道を歩いていると、『アンタ、大事な人でも亡くしたのかい?』とか聞いちゃいそうです。私のレポートのせいで原作よりはやく限界が見えちゃったせいですね。テヘッ☆

 そろそろ本命を作らせないと。

 

 そして最優先の『白銀君強化計画』。

 舞台の小物作りが思いのほか手間取りましたが、どうやら開幕できそうです。

 

( ………夕呼さん、公式に閲覧される文章はもっと丁寧に書きましょうよ……)

 

 ハッ!何故全然関係ないグチが出てしまったのでしょう?ヘタな文字ばっかり読みすぎて疲れているようですね。

 

 

 

 

 

 

 そして時はたち、白銀君帰還。

 

 「おーっす霞、真由、受かったぞ!戦術機に乗れるぞ!」

 

 はい、知っています。男として衛士して一歩成長した顔をしてますね。

 HSST破壊作戦で壬姫さんを支えて二歩成長。慧さん、千鶴さんの仲を取り持ち三歩成長。冥夜さんと、お婆さんの想いのために奮戦して四歩成長。

 そんな階段を登る姿が見れないのは残念です。

 おみやげにきれいな貝殻もらいました。鎖をつけてペンダントにしますか。

 

 「おめでとうございます白銀君。ところで次はいつ博士の所へいきますか?」

 

 「あ?ああ、今夜行くつもりだぞ。報告しなきゃな」

 

 「じゃ、私もご一緒させて下さい。久しぶりに平行世界のことを聞きたいです」

 

 「おう!今夜一緒に行くか!」

 

 

 

 

 

 で、夜の副司令室。

 白銀君は陽気にしゃべり、夕呼さんは不機嫌顔。

 お話自体は面白いんですけどね。やっぱりカンにさわりますか。

 いい感じに行き詰まってますね。

 

 「もういいわ。今夜はここまでにしましょう」

 

 では私は始めますか。

 

 「ところで白銀君。これは私がここに来るときに作ったレポートです。これ、どう思いますか?」

 「……なっ!なんでそれ持っているのよ!返してないわ!」

 

 あわてた顔も素敵ですよ。夕呼さん。

 

 「コピーですよ。それくらい当然でしょう」

 

 「どうっていわれてもなあ……。素人のオレに感想とか……ってアレ?これ、見たことある!」

 

 さあ白銀君強化計画の開幕です。

 

 

 




 知らぬ間に演者にされる夕呼と白銀!沙霧真由の舞台劇の終幕は希望か絶望か?
 今、舞台の幕が開く!

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