アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第五十九話 オリジナルハイヴの真実

 

 

 こんにちは 沙霧真由です。

 実はずっと不思議だったんですよ。オルタ原作の桜花作戦において白銀君たち新任だけでオリジナルハイヴを突破できたことが。

 確かに凄乃皇は強力だし、ハイヴの内部構造のデータはありました。でも当時さまざまな悪条件が重なって圧倒的に戦力不足。

 それにハイヴ攻略というのはとんでもない難易度なんですよ。これまで世界各国の最強部隊がいくつもハイヴに挑戦してきましたが、G弾を使用した横浜ハイヴ以外全て失敗してきました。

 一例をあげますと、90年代に入った頃、拡大するBETAの勢力に対抗するために世界の枠を越えたスペシャルチームが結成されました。目的は世界中のハイヴの攻略。

 メンバーも豪華で世界中から対BETA戦闘で伝説的な活躍をした最強衛士や最高指揮官が集められました。白銀君ぐらい強い衛士や伊隅さんを超える指揮官なんかも何人もいましたし、それに準ずる能力の人も数百人もいる千人ぐらいの世界最高の精鋭部隊です。

 最初の目標はフェイズ2の小ハイヴ。データ収集や宣伝のために確実に陥とせる所を選んだようです。まあ、小手調べですね。

 ところがこのスペシャルチーム、この小手調べで全滅してしまったのです! ハイヴに入った衛士は一人も生還できませんでした。ハイヴ攻略というのはそれくらい絶望的なモノだったのです。

 そこで私、この前世知識の成功要因を徹底的に検証しました! ”横浜基地襲撃”をそのままやらせたのはその答えです。

 

 

 「準備不足でも大丈夫です。オリジナルハイヴのBETAは数は多いけど佐渡島のモノより弱いんです!」

 

 「はあ? あんた、何いってんの?」

 

 「先の佐渡島戦でハイブ攻略部隊はハイヴ中層まで行きました。そこに行くまでBETAとほとんど交戦することはなかったのに、そこからいきなり大量のBETAに囲まれ殲滅されてしまいました。これは明らかに人類の戦術、包囲殲滅を学んだものです」

 

 「そうね。もしそれをオリジナルハイヴでやられたら……………突破するのは難しいわね」

 

 「いえ、やりません。博士、そもそもBETAって何だと思います?」

 

 「…………言い切るわね。あの有効な戦術を本丸であるはずのオリジナルハイヴでやらないって? それにあんた、BETAの正体を知っているとでもいうの?地球侵略の宇宙生命体じゃないの?」

 

 「今まで人類が戦ってきたBETA……あれは生物の形をしていますが生物じゃありません。宇宙人の資源採掘マシーンなんですよ」

 

 「なんですって!!し……資源採掘マシーンですって!?」

 

 「突撃級はロードローラー、要撃級はブルトーザーと掘削機、戦車級はダンプカー、要塞級は高所作業車ですね。そしてオリジナルハイヴ以外の反応炉。あれはBETAのエネルギー源というだけではなく、オリジナルハイヴの意思を伝えるコントロールタワー。真に意思を持ったBETAはオリジナルハイヴ深奥にいる『あ号標的』だけです」

 

 「そのこと、やっぱり知っていたのね。それで?」

 

 「さて、BETAは地球に資源を採掘に来ましたが人類の抵抗に遭って作業は進みません。そこで資源採掘マシーンであるBETAのOSに人類から学んだ戦術や戦略をインプットして戦闘マシーンに変えました。佐渡島のように人類圏に接している外縁部のハイヴのBETAは戦闘マシーンと化して恐ろしく強くなっていますが、内陸部のハイブのBETAは元の資源採掘マシーンのOSのままなのです。その方が本来の役目である資源採掘は進みますから」

 

 そう。これこそオルタ原作の桜花作戦において様々な悪条件が重なったにも関わらず、白銀君達がオリジナルハイヴの深奥までたどり着けた理由の一つ。オリジナルハイヴのBETAは地球に来たばかりの散々に人類にやられていた頃のままなのです。

 

 「………………まあ、そのことはとりあえずいいわ。でも援軍は?あの超巨大BETAの”母艦級”。オリジナルハイヴならすぐ来るだろうし、来るのが1体だけとは限らない。いえ、常駐しててもおかしくない。凄乃皇でも1体と相打ちになるのがせいぜいよ」

 

 BETAが包囲殲滅戦術なんて覚える前からハイヴは難攻不落でした。長くその理由は不明でしたが、先日の佐渡島戦で原因が判明いたしました。

 それは”母艦級”と呼ばれる超巨大BETAの援軍!

 ハイヴに侵入した軍が中層あたりに迫るとヤツが援軍に来て皆殺しにしてしまうのです。ヤツはこれまでハイヴ内でしか戦闘せず、ハイヴに入った者を皆殺しにしてたためにその存在は不明でした。私は原作知識で知ってたはずなのに最後の方でちょっとしか出てこなかったために、人生をまたいだ間に忘れちゃいましたね。テヘッ♡

 

 さて、ここでBETAのハイヴ防衛についてまとめましょう。BETAには人類圏の制圧や人類の兵器を撃破することを目的とし、奇襲方法や人類の兵器の構造情報、優先目標を教育された戦闘型。そして本来の役目である資源採掘型がいます。戦闘型は主に外縁部に多数配備されて人類圏への侵攻とハイヴ防衛、資源採掘型は内部の安全圏でその本来の役目である資源の採掘を行っております。

 ハイヴが攻撃され人類が善戦して戦闘型をも倒し反応炉に迫ると、ハイヴは大量のBETAを生みます。ですがそれらは戦闘教育を受けていない資源採掘型。ただ突進するだけなので簡単に撃破されてしまいますが、それで時間を稼ぎます。そしてその間に母艦級BETAが大量の戦闘型BETAを運んで救援に駆けつけるのです。

 

 ではなぜこの母艦級はオルタ原作最終戦においてあんなに遅れたのか?遅すぎて白銀君と冥夜さんを深奥の広間に入れちゃいました。それは先の二つの戦いが関係します。

 佐渡島ハイヴ攻略戦、横浜基地襲撃と人類側は甚大な被害を受けてしまいました。この戦いでBETAは勝ったのでしょうか?いいえ、BETA側からしてもこの戦いは負けでした。なぜならBETA側の勝利条件とは最終的に反応炉を確保することであり、どちらも破壊されてしまったために手痛い敗北だったのです。

 

 以上を踏まえ桜花作戦を見てみましょう。

 『あ号標的』は二度の反応炉消失を受け、防衛計画、採掘計画の見直しを計っていました。そこにユーラシア外縁部のハイヴの一斉攻撃! 

 実はこれはオリジナルハイヴ攻撃のための陽動だったのですが、これに過剰に反応してしまいます。そしてこれ以上の反応炉消失を恐れるあまり、戦闘型と母艦級BETAの全てを送ってしまったのです!オリジナルハイヴだけでなく近くのハイヴからもです!

 そのため、オリジナルハイヴ内は資源採掘マシーンだけ。白銀君達新任だけで深奥まで突破されてしまい、やっと遠方から援軍を呼んだのも終盤。白銀君と冥夜さんが最奥の大広間へ行くのを止められませんでした。

 オリジナルハイヴ陥落というこの大いなる戦果は、”横浜基地襲撃の直後に桜花作戦”。オリジナルハイヴが奇跡的に大きな隙をつくってしまったこのタイミングを外しては成しえなかったでしょう。

 

 

 

 「…………つまり”母艦級も陽動につられみんな遠方に行ってしまい、オリジナルハイヴに来るのは大いに遅れるというわけね?」

 

 「ええ。ですから”退路を確保しながら進軍”というセオリーは無視してより早く奥へ進むことを優先させてください。それが唯一生き延びる可能性でもありますから」

 

 

 

 

 

 

 




 説明を説明回なしでやるとこんな感じになります。
 真由がひたすらしゃべりまくるだけのお話になってしまうので、自分ですら”読みたくねぇ!”と思ってしまいました。
 なので第二話以降出番のないハズのゴッド純夏さんを召喚して相方にしたり、ガンダムからゲストを呼んだりして飽きないようにしているのです。

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