「こんにちは 沙霧真由です」
「こんにちは~ ゴッド純夏で~す!」
「さて、今回は説明回なのですが………ゲストはいません!」
「ええ!? やっぱり前回ギャラ使いすぎちゃって誰も呼べなかったの!?」
「いえ、一応Zガンダムのロザミア・バダムさん呼んでいたんですが……………直前に心のお兄ちゃん探してどっか行っちゃったそうです。マネージャーのゲーツ・キャパさんから連絡がありました。『自分がお兄ちゃんだと言っても信じてくれない』ってぼやいていましたよ」
「あ~~放浪癖あるもんね、あの人。ゲーツさんも大変だ」
「しょうがないので私達だけで始めましょう。ロザミアさん、もし終了までに来れるなら来てくださいね。私も妹なので気持ちはわかります。
では今回の説明は私の考えた”BETA全滅計画”についてです」
「おお!いよいよそれ、説明しちゃうの!?」
「BETA全滅。この一見不可能な命題も、実は前世から答えらしきものは考えついていました。
ヒントはオルタ原作で横浜基地襲撃直後に判明したBETAの命令系統。オリジナルハイヴを頂点とした完全な箒型であり、さらに物語の最後において、思考するBETAはオリジナルハイヴのコアの『あ号標的』こと重脳型BETA一体だけ。他のBETAはその命令を実行するだけのモノだということが判明しました。
『だったらそのあ号標的を洗脳して全BETAに自壊するよう命令させればいいじゃん!』………てのが私の答えです」
「ええ!! なにそれ? 宇宙人を洗脳とか本当に出来るの!?」
「その答えを得るためにBETA言語の研究をはじめ、洗脳の仕方やコンピューターウィルス、ハッキングなど関係しそうな技術までも学んできました。
さらに私の脳にはBETA技術で作られた記憶補器が埋め込まれているので、その脳波を使ってどれくらいのことが出来るかも調べました。脳波コントロール装置や鎧衣さんと戦った時のマシーンはその実験検証機です。
それでBETAの送信受信のシステムは大体わかるようになりました」
「へぇ~~。あれ、クーデターが起こった時いきなりチートで開発したわけじゃなかったんだ。で、結果はどうだったの?」
「研究の結果、可能だという結論が出ました。その説明前にこの映像を見て下さい。出典は『機動戦士ZZガンダム』からプルツーさん名セリフ集です」
『あたしよ、死ね!』
『気持ちが悪いの、消えちゃえ!』
『ダブルゼータの意思の中に、プルが………いた。』
『ひとりじゃないみたいなんだ、あたし。』
「いや~ゲストで来ていただいた時もセリフはたった一言だったのに存在感で他の強化人間さんを圧倒してました。それだけにさすが名セリフ多いですね」
「…………あれ?なんかデジャブが。00ユニット時代の痛い記憶が甦るような?」
「はい。これはプルツーさんが自分に近い存在のプルさんの死の直前の思念を受け取ったために、常に自分の中にプルさんの存在を感じ苦悩する様を集めたものです。
大変苦しんでいますが、プルツーさんに限らずニュータイプさんや優れた強化人間さん、他リーディング能力者は同じ様な苦しみを感じ、それがそのまま弱点になっているのです!」
「おお!その弱点とは!?…………て、聞く前にわかっちゃった。ヤバイ奴リーディングした時のアレね。」
「そうです!他人の思念を読み取ることのできるリーディング能力者は強い思念を読んだ時、その思念に影響され自分が誰なのか分からなくなるアイデンティティー崩壊を起こすことがあります。では、話を”あ号標的の洗脳”に戻しましょう」
「あ~~そういやその話をしてたんだっけ。長くて忘れてたよ」
「人間を洗脳する場合、使用する言語はその人の母国語でなければいけません。たとえ理解できても外国語ではいけないのです。さらに呼びかける声もその人の馴染みやすい声で。自分の声なんかが最上ですね。これらは呼びかける声が自分の意思と錯覚させるためです。これを催眠導入なんかでその人の意思が低下した状態で呼びかけて行うわけです。
以上。見たり聞いたりして状況やモノを脳内でイメージする人間を洗脳する場合は大変手間がかかるわけですが、これをあ号標的にかける場合はどうでしょう?ヤツの場合、意思疎通はBETA言語。直接脳にイメージ映像を送ったり受けたりする脳波型言語ですが、実はコレ、洗脳にとても弱いのです!送られるイメージ映像が強すぎる場合、それが自分の意思と錯覚してしまうのです。宿命的にリーディング能力者と同じ弱点を持ってしまっているのですよ!」
「なんだってぇ―――!?じゃあ今までどうやってやって来たの………ってBETAの中で思考能力を持っているのはオリジナルハイヴ深奥のあ号標的だけだっけ」
「そのとおり! 上位存在以外の他者の意思なんて受けたことがなく、耐性なんてないと考えられるので強力なイメージのBETA言語を送るだけで一発でダウンです!私の作っている”毒薬”とは強力なBETA言語で自壊命令のイメージを発信させる物質だったのですよ!!」
「な、なんだってぇ――――――!!!」
「ついでにもう二つBETAの弱点を発表しましょう」
「ええ!まだあるの!?」
「一つはオルタ原作で白銀君がオリジナルハイヴ深奥の『あ号標的』に接触して判明したことです。BETAとは地球その他惑星に資源採掘に来たマシーンだということです」
「え?いや、私もその場にいたから知っているけど、それって弱点になんの?」
「大変な弱点ですよ?我々人類がBETAと戦う時どれだけ損害が出ようともやめることはありません。でもBETAの目的は資源採掘。それには”コスト”というものがつきまといます。一億円分の資源を採掘するのに十億円をかけるわけにはいかないのです。
そしてもう一つ。話はかわりますがゴッド純夏さん。あなた、前世のオルタ原作において横浜基地襲撃の時に”BETAはエネルギー枯渇寸前”とBETAからリーディングしたにも関わらず、BETAは長時間活動しましたよね?」
「あ~~なんだったんだろアレ?BETAが私がリーディングしてるのを知ってウソついたのかな」
「いえ、そうではありません。あれは純夏さんが勘違いをしていたんですよ」
「勘違い?何を?」
「”エネルギー枯渇寸前”とは襲撃に来ているBETAではありません。BETA全体のことだったんですよ!人類が佐渡島の反応炉を潰したことによって!」
「え?でも反応炉は他のハイヴに20もあるよね?それなのに?」
「逆に考えるんです。数千万ものBETAを生み出し、さらにその活動エネルギーをわずか二十一の反応炉でまかなっているんです。それがもし一つでも無くなったらどうなると思います?」
「………………大変?」
「さらに”距離”という要素を入れて考えてみましょう。すると佐渡島ハイヴの反応炉を失った分の負担は鉄原ハイヴにほとんどかかってしまうのです!」
「あ! じゃあ横浜基地襲撃したのは………」
「はい、横浜基地の反応炉による人類の情報収集は非常に効果的なモノでした。なのにあえてそれを終わらし、反応炉を取り返しに来た。これはそれだけエネルギー不足が深刻なためです。
さらにコスト的にも痛い。反応炉を失うこと、これは一億円分の資源採掘の現場で百億円もの高価な作業機械をスクラップにしたようなものです。
さらに!情報収集のために人類に預けていた反応炉も潰されてしまいました。いつでも取り返せるように大深度地下壕を掘っていたにも関わらずです。これは明らかに『あ号標的』さんのミスです」
「あ~~~『あ号標的』さん、上位存在さんに大目玉だね」
「はい。これの動揺によって『あ号標的』さんはとんでもないミスを起こしてしまい、オリジナルハイヴ陥落に繋がってしまうワケですが、まあこれ以上は桜花作戦に入ってしまうのでやめましょう」
「そろそろ終了だけど結局ロザミアさん、来なかったね。私達だけでしゃべっちゃった」
「そうですね………あ!そうだ、私の声を鳴海孝之ボイスに変える音声変換器。これをカミーユさんの声に変わるよう調節して………」
『ロザミィ―――!お兄ちゃんだ。オレはここにいるぞ―――!!!』
グオォォォォォ――――――!!!
『お兄ちゃ―――――ん!!!』
「ぎえぇぇ!!サイコガンダムで来やがりました―――――!!それではこの辺でぇ―――――!!」
読み返して思ったんですが真由の前世ってどんな人間だったんでしょうね?
どうせ二話で消えるからと、”マブラヴ好き”ってだけしか設定考えなかったんだけど、もう想像もつきません。作者なのにね