アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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第四十一話 新章プロローグ(やり直し)

 こんにちは 沙霧真由です。

 クーデター事件決着から三ヶ月たちました。私はこの『横浜特別少年刑務所』で研究の日々ですが、横浜基地では色々あったようです。それまでの出来事をざっと教えますね。実際の私が知らないことなんかも言いますが、プロローグ中の私は《説明回》の私と同じようなものと思ってください。

 まず、二〇七訓練部隊も皆さんはあの後すぐ正式な衛士になりました。彼らも佐渡島の作戦に参加させるためですね。

 そして衛士初任務の評価演習。新型OS・XM3の正式採用トライアルです。私の流星に散々にやられてケチがついてしまいましたが、旧OSの機体を圧倒することでその性能を証明することができました。ただ白銀君は凄すぎて相対した機体を全て秒殺しちゃったそうです。演習が終わった後、何とかやっと反撃できたベテラン衛士にこう言われたそうです。

 

 「世界中に流れた映像の銀の戦術機に乗っていたのはお前さんだろ?で、アメリカ相手にヤンチャやらかして訓練兵からやり直しってワケか。まあ俺もあの国にゃ色々言いたいことは有るが、それでも人間の国家だ。あの映像でご自慢のラプターも面目丸潰れだしこの辺で やめとくんだな。今度はBETA相手にその腕を振るってくれ。

 しかし横浜ってのはバケモノの巣だな。この新型OSといいお前さんといい。極めつけはあの銀のでかい戦術機だ。ラプター抱えてとんでもねえ高さまでジャンプするパワーも、それで着地して全くダメージ無しだの。その力、BETAに喰らわしてくれりゃこんなに心強いことはねえ!」

 

 と、固く握手して友達になったそうです。いや白銀君、あれをあなたがやったことにされちゃったらヤバイでしょう!しらないオジさんと友情結んでる場合ですか!

 

 そして現在。ちょうどオルタ原作より三ヶ月遅れましたが、佐渡島戦目前です。遅れて申し訳ありません………って原作の方が早すぎなんですよ!クーデター終わって卒業やって評価演習やって佐渡島戦。それ全部を二週間ちょっとでやるとか!帝国の方も大分戦える衛士を減らしてたハズなのに部隊編成とかどうやったんでしょうね?

 

 私はというとXG-70bこと凄乃皇の荷電量子砲の改修設計が主な仕事です。エネルギー効率を良くし、さらに流星に使った超高電池により元のものより倍以上の発射回数ができるようになりました。さらに威力も砲身に宇宙断熱素材を使うことで数倍の熱にも耐えられるようになり、ガンガン威力を上げてスーパー荷電量子砲にしました。ハッ!これはもはや波動砲!?

 佐渡島ではこれでハイヴ上部から反応炉目がけて撃ち込む作戦です。その前にハイヴ突入作戦をやるそうですが………私はそれは失敗すると思うのでやめた方がいいと思います。でもその辺の作戦に口出しできるはずもないのでほっとくしかないですね。

 凄乃皇、『ハイヴに入らず安全に反応炉壊せます!』とのキャッチフレーズで大人気になること受けあいですね!

 

 あと00ユニットであるロボ純夏さんですが、無事完成しました。まあ、完成しなきゃ佐渡島の評価試験自体無いワケですが………問題はやっぱり壊れちゃった心。口を開けば『殺す殺す』言う純夏さんを調律するのはもちろん白銀君!………なんですが、ここの白銀君はラブコメマブラヴから来たばっかりのアンリミテッドの白銀君。オルタ原作より心が弱くて、中々上手くいかなくて、それでも頑張って。ようやく純夏さんを人間らしい状態にしかけたらまたまた問題。実は白銀君、前のラブコメ世界じゃ、よりにもよって『冥夜ルート』だったのです!

 なのでそれから色々大変だったんです。

 

 

 純夏さんがリーディングで白銀君の心を覗いて自分をふっちゃうシーン見ちゃったり、冥夜さんとのHシーン見ちゃったり。

 

 

 純夏さん白銀君に会いたくないと引きこもったり、白銀君雨に打たれて純夏さんの名前を叫んだり。

 

 

 白銀君霞ちゃんに『弱虫』といわれたり、美琴さん話を聞かなかったり。

 

 

 白銀君冥夜さんと激しく模擬刀で剣道したり、激しく打ち合うなかであの世界の冥夜さんの恋を終わらせる決意しちゃったり、壬姫さんそれ見てあわあわしちゃったり。

 

 

  白銀君かなしみのまなざしを背中にうけて夢のような過去をすてちゃったり、冥夜さんのこころに失恋のいたみを残してはしり去ったり。

 

 

 私『女の子はモノで釣りましょう!きれいな貝がら嬉しかったです。』と手紙でアドバイスしたり、千鶴さん道具を手配してくれたり、それで白銀君木彫りでサンタうさぎ作ったり。

 

 

 白銀君純夏さんを横浜基地見下ろす丘に連れてきちゃったり、横浜わたる風に愛をさけんだり、慧さん焼きそばパン食べてたり。何してんでしょうね、この人。

 

 

 白銀君純夏さんの首にサンタうさぎをかけてキスしたり、それを元二〇七訓練小隊のみんなに見られちゃったり。まあ、それだけハデに青春ドラマやってればねぇ。

 

 さて!さてさて!みなさん憶えておいででしょうか?私の容姿はゴッド純夏さんの影響か、純夏さんの十歳ぐらいの子供の頃のような姿なのです(四話参照)。なので純夏さんを見たみなさんの反応はこのようなものでした。

 

 

 「……………ちびっ娘、成長した? 成長期ってすごいね。」

 「そんなわけないでしょ! まだ二ヶ月くらいしか経ってないのよ!」

 「そ、そういえばタケルもいきなり一日で成長しちゃったよね!まさか!?」

 「ぜんぜん訓練とかしてないのにものすごい技術で流星、動かしてましたよね! そういう所もタケルさんとおんなじです!」

 「沙霧………。その成長は色々聞きたいが、とりあえずよかったな。タケルを…………よろしく頼むぞ。」

 「ちょ………!みんな待ってくれ!真由は横浜特別少年刑務所から出られないだろうが! 別人なんだよ!」

 「………別人です。純夏さんは真由さんじゃありません。」

 

 

 このことを聞いた夕呼さんはポツリ。「あいつっていなくても祟るのね………」

 いや、私は関係ないでしょう!

 結局、純夏さんは私の生き別れの姉。私は赤ん坊の頃家族全員が死亡、もしくは行方不明で病院に預けられてた所を沙霧家に引き取られた、ということになりました。

 

 ………とまあ、これでなんとか佐渡島ハイヴに挑む準備が整いました。ではみなさん、頑張ってください!…………あ、白銀君と冥夜さんの強化装備には純夏さんがリーディングできないように処置してもらわないと。でないとオルタ原作より酷いことになりそうな気がします。

 

 

 

 

 

 

 




 次回、”もしも凄乃皇が途中リタイアしなかったら?”
 の佐渡島ハイヴ攻略戦!

 お楽しみに!

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