アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

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 ハッ!書いた憶えのない最終回コメントが!?


BETA全滅編
第四十話 新章プロローグ


 

 こんにちは 沙霧真由です。

 ウソです。最終回じゃありません。さて、皆さんは覚えておいででしょうか?

 『銀魂完結篇 万事屋よ永遠なれ!』と銘打ってハデに劇場版で最終回ブチあげながら終わらず続いた”アニメ銀魂”を。

 古く歴史をたどれば『さらば宇宙戦艦ヤマト』とこれまた劇場版して主役の古代君、ヤマト共に爆死した最終回にも関わらず、何故か両方復活して続行。しかもその続きが『ヤマトよ永遠に』とこれまた最終回っぽいタイトル。もちろん終わらなかったのは歴史の通り。

 その他、アニメ、漫画問わずさまざまなジャンルで名作と呼ばれた数多くの作品に見られたこの偉大なイベント。

 

 そう!伝説の”最終回ウソ”!!!

 

 不肖、私も皆さんにあの感動をお伝えすべく挑戦してみました!

 それっぽいサブタイトルを二話前からつけたり作者の最終回コメント捏造したりね。

 素晴らしい!!! 正に涙と笑いと感動の集大成!! 私も皆さんにこの感動をお届けできて感無量、喜びで一杯です! 

 いや~”最終回ウソ”って本当にいいものですね!!

 『アンリミテッドは無理ゲーすぎる!』はまだまだ続きますよ!

 

 さて、お兄ちゃんのクーデター事件の後、二〇七訓練小隊の皆さんは正式に衛士となり夕呼さん直属の”A-01部隊伊隅ヴァルキリーズ”に配属となりました。その後の評価試験も新潟でBETAを捕まえられなかったため、BETAが脱走して襲うこともなく白銀君達は凄い成績を出したそうです。

 さらに00ユニットであるロボ純夏さんも完成!調律はかなり苦労したみたいですが白銀君が頑張って安定させたそうです。

 クーデターや評価試験でAー01部隊の人的損耗はなく神宮寺教官も無事でしたが、実戦経験が足りなくなってしまいました。そこで前に作った”リアルBETAシミュレーション”を複数製造し、A-01部隊全員にBETAの恐怖を乗り越えられる精神力をつけるよう特訓中。伊隅隊長にも好評です。元二〇七訓練小隊の皆さんはクーデターが起こる前からやっていたので新任とは思えないほど冷静に対処できるようになりました。

 

 私はというと『横浜特別少年刑務所』という研究所で佐渡島戦に向けて様々な研究、発明をしています。”少年”とついていても”実は男でした!”とかじゃないですよ?この場合の”少年”は未成年一般を指す言葉です。

 で、私が設計した”流星”ですが私といっしょにここで実験戦術機としてあります。新素材や新機構のデータを取るための機体になってるんですよね。クーデター事件で見せた様に凄い機体なんですけど、他の機体と違いすぎて整備出来ないんですよ。だから実戦に出せないんです。

 整備について少し話しますね。機体を万全の状態で戦場に出すには機体を定期チェック、起動前チェック、弾薬エネルギー補充、帰還チェックと修理等、複数の整備兵が整備マニュアルの手順に従って整備をしなければなりません。日によって担当が違うこともありますし、遠征したらそこの現場の整備兵に機体を預けて整備してもらわなければなりません。つまり整備マニュアルの出来ていない機体は実戦に出せないんです。流星は今のところ私か河崎重工さんからの担当整備士しか整備出来ないから実験機にするしかないんですね。

 『アレ?じゃあ、スパロボ大戦の格納庫はどうなっているの? ガンダムとかで一機だけ全然違う主人公機とかは?あれはウソの話なの?』などと疑問に思った皆さん、早計すぎですよ。何故に”人類の革新はパイロットにしか起こらない”などという愚かな常識に囚われているのです?

 

 

 ダダダダダ! ザザァ!

 

 「なんだと!? どういうことだ!?」

 「何がわかったんだキバヤシ………じゃなくてお嬢ちゃん!」

 

 「あれ、いつの間に? 貴方たち誰です? キバヤシって?」

 

 「俺たちはMMR。人類の未来の希望を探すため『ノストラダムスの予言』を調べている者だ。キバヤシってのは今ここにいないが、オレ達のリーダーだ。俺はナワヤ。よろしくな!」「イケダです」「タナカです。さっきの話の続き、聞かせてください。」

 

 (ノストラダムスって………1999年はもう過ぎているのに? ……ああ、リアルで人類滅亡しそうだからオワコンにならないんですね。)

 

 「わかりました!説明しましょう!アストナージさんはじめモーラさんマードックさん等々、かの素晴らしい整備士の方々が整備マニュアルなきゃ整備できないように見えますか? 彼ら名前付き整備士こそは人類が革新し、機体と意思を通い合わせることが可能となった新たな人類……」

 

 「新たな人類ですって……?」「ハッ!そ……それは?」「まさか!」

 

 「そう! ”ニュータイプ整備士”だったのです!!」 ピッシャーン!!!

 

 「「「な、なんだってぇ―――――!!!」」」

 

 「いえね、私も科学力チートで流星の整備とかやるようになってはじめて彼らの偉大さに気がついたんですよ。私は直接機体に触らなくても見ただけで機体の性能や悪い部分、内部の構造なんかがわかります。で、トンデモ機体を扱っているガンダム整備士の皆さんが私の能力に近いチートな能力を持っていることを発見したのです!

 特に『機動新世紀ガンダムX』に出てくるキッドさんなんて凄いですね。いきなり運び込まれたガンダムXもガンダムDXも難なく整備しちゃってます。サテライトキャノンというトンデモ兵器付の機体をですよ!

 ジャミルさーん!ニュータイプはフリーデンの格納庫にもいますよ――――!!」

 

 「そ……そうだったんですか!」

 「ああ、こんな恐るべき事実を俺達は見過ごしていたのか!」

 

 「ですが彼よりさらに上をいく、戦慄すべき整備士がいるんです。」

 

 「な、そんな!」「信じられません!」「バカな!あいつより上が存在するのか!?」

 

 「そう!その名は『機動戦士00ガンダム』のイアン・ヴァスティさん!なんとまったく性能の異なる四機の太陽炉ガンダムをほぼ一人で整備しているのです!」

 

 「まてよお嬢ちゃん!そいつは見当違いだぜ!」

 「そうです!彼には整備を手伝ってくれるハロがいます!」

 

 「おや、あれにダマされちゃってますか。そりゃあプレトマイオスの整備なんかもやっているんですから、ああいうのがないと物理的に不可能です。

 ですが、いくら手伝いがあったって機械は機械。機体を熟知し、的確な指示を出す人間がいなけりゃ正しい整備はできませんよ?」

 

 「ハッ!た………確かに!」「オレ達はダマされていたのか!?」「何て巧妙なトリック!」

 

 「エンジンにしろ何にしろ出力が高いものほど整備は難しい。これ常識。ましてや太陽炉はいうまでもないでしょう。

 さらに!機体も格闘特化、射撃特化、高速機動機、大火力機(ギミック付)とバラバラ!一機ごとにまったく違った整備をしなければならないのです!」

 

 「バ………バカな!やつは本当に人間なのか!?」

 

 「そうですね。彼は物理学チートの私をもってしてバケモノと仰ぎ見るしかない、とんでもないニュータイプ整備士です。おや、ちょうどここに彼と家族の写真がありますね。まったくこんな普通そうなオジサンが………ハッ!こ……これはまさか!…………いえ、そう。そういうことだったのですか………」

 

 発見した事実の衝撃に、足元がおぼつかなくなる私。ガシッとナワヤさんが支えてくれました。

 

 「どうしたんだ、お嬢ちゃん。何かわかったのか?」

 

 「ありがとうナワヤさん。みなさん、これを見てください!」

 

 私はみなさんにこの写真を手渡しました。

 

 「イアンさんの家族写真?特にかわったところはありませんよ?」

 「どういうことだお嬢ちゃん!ここからなにがわかるっていうんだ!?」

 「僕らにはさっぱりわかりません!」

 

 「注目するのは彼の娘のミレイナさんです。彼女を見てどう思います?」

 

 「どうって……かわいいですね。小学生?中学生?」

 

 「当時14歳なので年齢的には中学生ですね。ですが彼女、この時点でなんとプレトマイオス2の戦況オペレーターなのです!」

 

 「な!こんな子供が!?」

 

 「知っての通りプレトマイオス2は世界中を敵にまわしたソレスタルビーイングの艦。つまり世界中の警戒網を避けていかなければならないのです。トップレベルの腕前がなきゃ務まりません。にも関わらず彼女は立派に務めている。この年齢でそこまでの技術を持つことが可能な理由、それはイアンさんのとある血統だとは考えられませんか………?」

 

 「な………なんだと?」「まさか………」

 

 「そう、彼こそは太陽炉ガンダムに最も深く関わっており、放出されるGN粒子の影響による、より進化した整備士…………」

 

 私は一旦言葉を切り溜めます。そして放つ言葉の弾丸。

 

 

 「”イノベイター整備士”だったんですよ!!!」 ピッシャ―――――――ン!!!

 

 「「「な、なんだってぇ―――――――――――――!!!!」」」

 

 真実の衝撃に絶叫のMMRのみなさん! 一瞬静まりかえった後我にかえり、

 

 「お、おい!このことを公表すれば………!」

 「ハイ!世界中がひっくり返ります!」

 

 「あ、いや私、いろいろやらかして目立つのはマズイんで大事にしないでくれます?」

 

 「なんだと!?これほどの事実を公表できないってのか!?」

 「待ってください!そろそろキバヤシさんと合流しないと!」

 「そうです!キバヤシさんが”ノストラダムスの予言書”の解読に成功すれば必ず人類の希望は見つかります!」

 「そうか………そうだな。よし!MMR出動だ!!」

 

 

 ドドドドドドドドド……

 

 

 行ってしまいましたか。勢いで適当なこと言ったら何でも信じる人達ですね……………………て、プロローグは!? ちょっと整備のウンチク話するだけのつもりだったのに何でこんなことに!?…………すいません、次回、プロローグやり直します。

 それじゃ、これからも『アンリミテッドは無理ゲーすぎる!』をよろしくお願いしま~す!

 

 

 

 

 

 

 

 




 まさかの最終回ウソ!
 プロローグ失敗!
 はたしてノストラダムスの予言書は人類滅亡を回避できるのか!?
…………………いやこれはナシで

 そしてBETA全滅編開幕!
 沙霧真由のBETA全滅伝説がいま始まる!!!

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