アンリミテッドは無理ゲーすぎる!   作:空也真朋

28 / 64
第二十八話 戦場に舞う技のアーティスト

 こんにちは 沙霧真由です。

 私は横浜基地を飛び出した後、オルタ原作でお兄ちゃんのクーデター部隊が白銀君らと接触した丸山付近を目指しています。

 で、そこを目指すには箱根付近を通せんぼしている伊隅ヴァルキリーズを抜かなきゃなんないんですが……これが難題。この先のイベント進行を考えると、彼女達を殺さないことはもちろん機体損傷も最低限にしなければなりません。部品交換ですむくらい?……うん、無理ゲーだ。とはいえ”BETA全滅”なんて無理ゲーやっている私にとってはたいしたレベルでないのも事実。思いついたのが”クーデター部隊との交戦中ドサクサに紛れて突破しちゃおう!”ってやつだったんですが………盛大にやらかしちゃいました。

 ”ヴァルキリーズの機体が殺られる!”と見えた瞬間とっさに助けてしまったんです。機体大破だけならスルーしたんですが。あれは管制ユニット直撃、中の人間も逝っちゃってるモノでしたからね。アレを見逃していれば大きな隙になっていたんですが…………やっぱり心理的に無理ですね。私の正義の心、悪を挫き人を助け真実に生きるこの私にできるはずもありません。

 そして今、私の乗っている流星はヴァルキリーズ、クーデター部隊共にどちらからも注目の的! 芸能デビューなら大成功! 作戦的には大失敗! うあぁぁぁん!

 

 『何者だ!? 速やかに応答しろ!国籍と所属、官、姓名を名乗れ!』

 

 『おのれ、よくも駒木隊長を!この米軍の手先め!』

 

 応答できないんですよ!ヘッドセットに通信機能もありますが、酸素マスクのせいで声がとどきません!なんという設計ミス! これでは謎の怪しい沈黙の戦術機!

 あと私が無双斬りした相手、駒木さんだったんですか。メッチャ知り合いです。お兄ちゃんの部下で家にも何度も来たことがあります。お兄ちゃんが『光州作戦で大陸での戦いじゃよく助けられたよ。』なんて言ってましたから戦術機の技能も凄いのでしょう。で、恩を仇で返しまくりです。もちろん殺してませんよ?ちゃんと管制ユニットは避けました。

 

 さて、クーデター部隊は駒木さんの仇(殺ってません!)で撃ってくるし、伊隅ヴァルキリーズも応答しないのでやっぱり攻撃してきました。どちらからも集中砲火で作戦裏目に出まくりです。仕方ない、一戦やらかしますか。

 前にも言った通り私はお薬切れた状態だと人間の行動予想なんて簡単にできるので、物理的に避けることの出来ない面制圧さえ注意すれば銃弾避けるのは簡単です。あとそれとヴァルキリーズ、XM3をかなり使いこなしているようですが、所詮アレはオルタで夕呼さんと白銀君が作ったものをほとんどそのまま遊びで作っただけのものです。私が本気でヒマにまかせて変態的なほどに組んだプログラムをご覧に入れましょう!

 

 体落とし! ドカアア!

 

 足払い! グシャァア!

 

 デンプシーロール! ブンブンブンブン!

 

 フライングクロスチョップ! バキャァァ!

 

 ムーンサルトボンバー! ヒュウゥゥゥドカァァァ!

 

 巴投げ! ビュウゥゥゥン!

 

 大雪山おろし~! ガシィッ グルグルグル ビュ――――ン! キラッ☆

 

 エビ反りハイジャンプ大回転分身魔球! ギュルルルル! ババババババ!

 

 キメのムーンウォーク! ………………………ポォウ!

 

 ダ、ダァァ―――――!!! 舞い降りた野獣、所狭しと暴れ回る!

 正に技のデパート!銃弾避けながら繰り出す華麗なる技の数々!

 伊隅ヴァルキリーズを激しく挑発!火花をまき散らし嵐を呼ぶ!

 天に雄々しく掲げた一本指!それは我こそは最強、我こそは王者という意思の表れかぁぁぁ!?

 マットを戦場に変え(アレ逆?)タイトル狙う野獣、今猛るぅぅぅぅ!

 なんという傍若無人!戦慄の伊隅ヴァルキリーズ!果たしてタイトルの行方はぁ!?

 

 …………そろそろ正気に戻りましょうか。伊隅ヴァルキリーズは団体名でもタッグ名でもありません。

 

 

 

 『なにアレ!なんでBETA相手にまるで役に立たない動きをあんな精巧に!?』

 

 意味なんてありません!人工筋肉ならやれそうだからプログラムしただけです!

 

 『関節は平気なの!?パンチとか絶対マニピュレーター壊れるでしょ!』

 

 すでに宇宙衝撃吸収素材で補強済みです! 

 

 『想像絶するバカよ!とんでもない技術でとんでもないバカ作った信じられないバカがこの世にいるわ!』

 

 ほっといて下さい!

 

 『ヤツの動きに惑わされるな!接近戦では万に一つの勝機もない!距離を保って弾を面制圧にバラ捲いて圧倒しろ!』

 

 最後のは伊隅さんですね。さすが冷静にいい指示出します。

 戦況はクーデター部隊は全滅しました。隊長の駒木さんはやられてたし、私も遠慮なくブッ壊しましたからね。で、私対伊隅ヴァルキリーズ。彼女達は武器破壊だけに止めて置いたんですが……さすがに遠距離攻撃に徹するようになり、近づこうとすれば他から援護射撃が入るようになりました。武器破壊した機体も長刀持ってぶつけても進路ふさぐような動きをとってます。

 このままではジリ貧です。さて、どうするか……。

 

 

 

 

 

 

 




 激しいバトルが繰り広げられる!
 変幻自在の戦術機、流星!
 マットを焦がすほどの火花が散る!
 闘いの果てにベルトを掲げるのはどちらだ!?


 ………下二行は間違いです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。